2009/12/21

坂本龍一ピアノツアー featuring 大貫妙子@シアターBRAVA

200912sakamoto
 久しぶりの記事がこのライブレポートになって嬉しく思います。というのも30年前から一度は生で聴いてみたいボーカリストとピアニストの共演という、個人的には「奇跡的」なライブだったからです。
 そのボーカリストとはター坊こと大貫妙子、ピアニストとは教授こと坂本龍一です。

Place: イオン化粧品シアターBRAVA、大阪
Time: Dec. 20th., 2009 16:00-18:00

坂本龍一 (p)
大貫妙子 (vo)

 真っ暗な舞台にグランドピアノが一台。教授が登場しても微かなスポットライトが教授の上半身を淡く浮かび上がらせるだけという幽玄な雰囲気でライブは始まりました。最初の3曲は最新作「アート・オブ・ノイズ」からの選曲でした。以前NHKの「SONGS」でも紹介されていてご覧になった方もおられるかとは思いますが、ミニマリズムとアンビエントが融合したような不思議な音空間でした。

 その3曲が終わって教授の朴訥なMCが始まってやっと会場が現実に引き戻されました。この3曲は前回の日本ツアーではやらなかったが終わったばかりのヨーロッパツアーではやったので不公平かなと思って選んだと語った後、

「普段はピアノ2台を持ち歩いているんですが今日は一台、その分今日は大貫妙子さんを連れてきました」

と会場の笑いを誘います。その後はSEを一切使わずのソロでしたが、一曲エンニオ・モリコーネの作品を弾いたのには驚きました。ベルトルッチの映画「1900年」からの選曲でしたが、

ラスト・エンペラーの音楽も俺にやらせろ、とモリコーネさんはベルトルッチに電話をかけまくってたそうです、あれほどの巨匠になられてもそういう事をされるのかと驚きました」

と言う面白い裏話を披露されました。一応説明しときますと、ラストエンペラーは教授がアカデミー音楽賞に輝いた作品です。

 さて、いよいよ大貫妙子さんの登場。シックな黒のドレスでしたが、彼女独特の笑顔のオーラがさっと舞台の雰囲気を変えてしまいました。数多い彼女との共作の中で最高の作品、と教授が紹介した一曲目は

色彩都市

坂本龍一浜口茂外也、故大村憲司が組んで最高のアレンジができたと教授が語るその作品をピアノ伴奏でター坊が歌い始めた時、私の心の中で何かが溶け出して、涙となってこぼれだしました。。。大貫妙子にしか出せないあの美声と複雑なニュアンスを持った歌唱、それを静かに包みこむ坂本龍一のピアノ。この一曲を聴いただけで無理をしてでもここに来て良かったと思いました。続いては最近の曲で、

懐かしい未来

大貫妙子さんが最近NHK-FMにパーソナリティとして出演されている番組のサブタイトルにもなっています。ちなみに元旦に生放送があるそうですのでター坊のファンは要チェック!ちなみに元々は彼女がNHKの「地球エコ2008 SAVE THE FUTURE」のテーマソングのための歌詞をかいた曲で、alanという方が歌っているそうです。

教授「歌詞は素晴らしいけど曲は大した事ないね、誰?」
ター坊「え~っと、確か菊池さんだったと思いますよ」

と言う危ない会話もこの二人が喋るとほんわかしてます(笑。ちなみに作曲は菊池一仁さん。まあ誰とはいいませんが私の大嫌い系の歌手たちに数多くの楽曲を提供している人ですね(苦笑。
 それにしてもその後の二人の会話の噛み合わない事(笑。

「二人ともB型だからしょうがない」

 う~ん、分かるなあ。私もB型ですからそれも嬉しかったですね。

 そして次の曲が今回大貫妙子さんをピアノの替わりに連れてきた本来の目的である一曲

TANGO

彼女からの申し出で、坂本龍一のソロ作品に歌詞をつけて歌うアルバムのプロジェクトが始まっており、来年には発表されるそうです。この曲は「SMOOCHY」に入っていた教授の作品。

 本当はもう一曲あったはずがこれで彼女に退場させてしまった教授、平身低頭でしたが、アンコールが2曲になりそれが素晴らしすぎたのでこちらとしては大満足でした。

 後半もピアノ・ソロが数曲。ご存知の方も多いと思いますが、彼のソロはダイナミズムよりも静謐な美を探求する所謂耽美派で、複雑な和音構成と高音部のメロディラインの繊細さが命。それを邪魔しないように今回はホール内の空調を停めていました。彼自身「余り派手な曲の手持ちが無いもんで」と自虐的な笑いを取っていましたが、最後には思いっきりペダリングを効かせてびしっと決めてくれました。

 さて、お待ちかねのアンコール。やり忘れた一曲を含め2曲となりましたが、なんと曲目は

突然のおくりもの
風の道

彼女はこう語りました。

「古い曲でも歌い続けていれば決してその曲は古びていかない」

と。オーディオファイルの必須アイテムの一つ「Pure Acoustic」でも披露されている曲ですが、今回の坂本龍一のピアノ伴奏はそれをはるかに超えて素晴らしかった。

生きてて良かったです。

お気に召せばどちらでもポチッとお願いしいますm(__)m

にほんブログ村 音楽ブログへ 
にほんブログ村 PC家電ブログ ピュアオーディオへ

| | コメント (4)

2009/10/26

ロマンティック・ロシア!@県立芸文芸術文化センター

Romanticrussia
 昨日は朝から神戸市マスターズ大会、午後からコンサートと忙しい日曜日でした。この公演を予約した後でマスターズ大会の日程が同日だと分かった時にはあちゃあ(>_<)、と思ったのですが、兵庫芸文もさすが県立のお役所仕事、3日あるのに変更に応じてくれません。折角取ったチケットですので強行軍で聴いてきました。題名は「ロマンティック・ロシア!」、プログラムはラフ2シェラザード、題名も内容もベタと言えばベタですが、一度は生で聴いておきたい演目でした。

『日時:Oct. 25th, 2009,  15:00-
場所: 兵庫県立芸術文化センター 

指揮: ケン・シェ 
ピアノ : アレクサンドル・メルニコフ 
兵庫芸術文化センター管弦楽団 

プログラム 
1: ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18 
2: リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」 作品35 
Encore
チャイコフスキー; ポロネーズ 

 佐渡監督が大きな期待を寄せる指揮者=ケン・シェが、昨年に続いて登場。アラビアンナイトを素材としたリムスキー・コルサコフの『シェエラザード』をダイナミックに。そして、人気の高いラフマニノフの『ピアノ協奏曲第2番』は、巨匠リヒテルに認められたロシアの若きピアニスト=メルニコフが流麗に、そして、力強く奏でます。』

 結論を先に言うと、シェラザードの方が圧倒的に良かったです。特に第四楽章のメリハリを効かせたデュナーミクと旋律の美しさが融合した演奏は鳥肌モノでした。

 ケン・シェは初めて聴きましたが、若いだけあってテンポと歯切れの良さが印象的でした。速めのスピードでテンポ良く流していき、節目節目でも全く間を置かず、ピアニシモから間髪入れずに次のフレーズへ入っていきます。
 またラフマニノフの第2・3楽章間、シェラザードの第1・2楽章間で全く間を置かなかったのには少し驚きました。2曲とも生で聴くのは初めてなので彼なりの解釈なのかどうかは分かりませんが、少なくともラフマニノフの方は必然性に乏しいように思いました。

 され、ラフマニノフの方は当然ピアニストが曲の印象を大きく左右します。今回客演したメルニコフというピアニストはテクニックは抜群でしたが、どちらかと言えば理知的で温度感の低い技巧派という印象を受けました。難度の高いこの曲を正確無比にかつ目くるめくスピードで弾きこなしていきますが、もう少し彼なりの情感を感じさせて欲しかったようにも思います。普段ツィメルマンのゆっくりと情感をこめた演奏をリファレンスにしているので、余計にそう思うのかもしれませんが。そう言えばツィメルマンのCDがいかにオンマイクで録っているかも良く分かりました(苦笑。
 テクニックが抜群とは言うものの信じられないようなイージーな部分でのミスタッチがあったりと、3日目でちょっとお疲れだったのかもしれません。でもプロですからねえ、会場のアプローズがちょっと大げさすぎる気がしました。
 という訳で今一つ入りこめずにいましたが、第三楽章中盤に至ってようやくピアノとオケのダイナミズムの波長が一致して完全に音楽そのものに没頭する事ができました。

 シェラザードの方第一楽章の冒頭からゲスト・コンマスの伊藤亮太郎氏のヴァイオリン・ソロが素晴らしく、滑りこんでくるハープとの絡みでこれは良い演奏になる、と思いました。この曲の肝である弦楽器のアンサンブルも綺麗でしたし、ファゴットやフルートの音も立っていて印象的でした。ちなみにフルート・トップのダリアさんはブロンドの美人でした。音には関係ありませんが大事な要素です(笑。
 さて、気持ち良く演奏は第四楽章になだれこみます。歯切れの良いテンポの切り替えや打楽器を節度をもって活かしたデュナーミク、そしてトゥッティでの高揚感など、ケン・シェと言う人の才能と実力が良く分かる演奏で最後を締めてくれました。

 芸術文化センター管弦楽団の演奏は比較的安価な値段でチケットが手に入るので、このようなプログラムがあればまた聴いてみたいと思います。

お気に召せばポチッとお願いしいますm(__)m

にほんブログ村 音楽ブログへ
にほんブログ村

| | コメント (0)

2009/07/26

千住真理子とイタリアの名手たち@兵庫芸術文化センター

4211011313_20090128112013
 先日のライブレポートで、「夜のガスパール」を一度生で聴きたかったと書きましたが、弦楽器ではベタですがヴィヴァルディの室内楽を聴きたいと思っていました。そんな折り、千住真理子さんがヴィヴァルディの国、ヴァイオリンの故郷イタリアから呼び寄せた熟練の名手とともに兵庫県立芸術文化センターでコンサートを開催されたので出かけてきました。

Date: July 25th. 2009
Place: 兵庫県立芸術文化センター 大ホール

演奏:

千住真理子  (vn)
ピエロ・トーゾ (vn)
ピエルパオロ・トーゾ (cel) 
エルネスト・メルリーニ (cen) 

プログラム :

ヴィヴァルディ: トリオ・ソナタ ニ長調 Op.1-6 
ヴィオッティ: 2つのヴァイオリンのためのセレナード 第3番 ト長調 
ヴィヴァルディ: 協奏曲集「調和の霊感」より 第8番 イ短調 Op.3-8
ヴィヴァルディ: ヴァイオリン協奏曲集「四季」Op.8より “春”
-intermission-
ヴィヴァルディ:  協奏曲集「調和の霊感」より 第6番 イ短調 Op.3-6
ヴィターリ:  シャコンヌ ト短調 
ヴィヴァルディ: ソナタ イ長調 Op.2-2 (without Mariko)
ヴィヴァルディ: 協奏曲集「調和の霊感」より 第11番 ニ短調 Op.3-11

Encore
ヴィヴァルディ: 「四季」より 冬 第2楽章
ヴィヴァルディ: 「四季」より 夏 第3楽章

『マンジャーレ(食べて)、カンターレ(歌って)、アモーレ(愛して)の国。そんな陽気で愛に満ちあふれたイタリアから音楽の名手たちがやってきます。共演するのは、人気ヴァイオリニスト、千住真理子。千住さんは、芸術文化センターの開館以来、「オペラハウスでオペラ・アリアを」をテーマに、オペラのアリア集を演奏、楽団との共演、無伴奏リサイタルなど、様々な顔を見せてくれました。そして、2009年夏、太陽の輝く季節、イタリアの名手たちとのバロック共演が4度目の登場となります。
イタリアを代表する作曲家、バロックの巨匠、といえば、まず、その一人はヴィヴァルディ。私たちが大好きな「四季」を作曲。今回の“サロン風”コンサートでは、抜粋して「春」をお聴きいただきます。ヴィヴァルディのいくつかの作品のほか、ヴィターリ、ヴィオッティの二人のイタリアの作曲家の作品をお楽しみいただくコンサート。4人の名手たちが、優雅なヨーロッパのサロンの世界へと誘います。(HPより抜粋) 』

 構成はヴァイオリンx2チェロチェンバロの3種4器です。ホールの規模としては中ホール程度が最適なのだろうと思うですが、千住さんの集客力を考えると大ホールも止むを得ません。実際、地味目のプログラムにもかかわらず2000席余ある大ホールが超満員でした。

 グリーンのロングドレスが映える千住真理子さんの持つ淡色系のストラディヴァリウス「デュランティ」の響きは明朗ながらも陰影のある深みのある音で、あれだけの大きさの会場の空気をある時はたおやかに、ある時は激しく動かしていました。ピエロ・トーゾ氏のヴァイオリンは渋い、の一言でマエストロという言葉がぴったりでした。前半の2、3作品などではまさに「ツイン・リード」ヴァイオリンで見事でした。ウィッシュボーン・アッシュみたい、と言うのは冗談ですが、先日紹介したカルミニョーラ&ムローヴァの絡みを思いだしました。

 チェロとチェンバロはサポートに徹しておられましたが、視覚的にはオレンジ色に彩色された美しいチェンバロの存在感は抜群でした。それに比して音が小さいのには少々驚きました。ピアノよりは音も残響も控えめなのは十分理解していましたが、聴覚的にはヴァイオリンよりもずっと控え目な音量です。弾いておられるのは古楽の音楽学者でもある方なのでこれが真に正しい弾き方なのだと思います。やはり中ホールくらいが最適なのでしょうね。

 さて、プログラムは、千住さんが以前から大好きなヴァイオリンの故郷であるイタリアの古楽集です。当然ヴィヴァルディ、特に四季の「」がメインになるのは当然ですが、個人的には「調和の霊感」の第8番がよかったです。特に第二楽章は意外なほどパセティックで、二人のヴァイオリンが濃厚に絡みあいながら奏でる美しい旋律が所謂「ヴィヴァルディ調」から一歩抜け出したロマンを感じさせました。また、ヴィオッティもヴィターリもいいアクセントになって眠くならずに済みました(笑。

 でも最後の2曲まで至るとさすがにヴィヴァルディ調に少々飽きてきて、やっぱり四季からどれかをやってほしかったな、と思いました。
 その辺は千住さんも分かっておられたのでしょう、アンコールで冬2夏3を演奏すると言う大サービスをしていただきました。最後のスリリングな夏3ではまさにエンジン全開、雷鳴や雹を表現した激しく速いパッセージを千住さんとトーゾさんが競い合い、終了後は大ホールを揺るがすようなスタンディング・オベーションに包まれました。
 というわけで千住さんが満を持して催したプログラムだけの事はある、充実した演奏会でした。また一つ勉強できた事に感謝しつつ帰路につきました。

お気に召せばポチッとお願いしいますm(__)m

にほんブログ村 音楽ブログへ
にほんブログ村

| | コメント (2)

2009/07/12

佐野えり子 plays Ravel @兵庫県立芸術文化センター

Pacsmall_2 
 以前アルゲリッチの「夜のガスパール」をレビューした事がありますが、その頃から是非一度生演奏を聴きたいと思っていました。そんな折り、兵庫県立芸術文化センターからのDMで「ラヴェルのピアノ全曲演奏会」というパンフを見つけてこれはいい機会だとチケットを購入しました。二夜に渡っているのですが、残念ながら第1夜は仕事の都合で行けず、ガスパールの入っている第2夜に出かけてきました。

佐野えり子: ラヴェルピアノ全曲演奏会・第2夜

Date: July 9th, 2009
Place: 兵庫芸術文化センター 神戸女学院小ホール

佐野えり子 piano

Program: Maurice Ravel(1875-1937)

第一部
1: 古風なメヌエット
2: ハイドンの名によるメヌエット
3: ....風に
  1: ボロディン風に
  2: シャブリエ風に
4: クープランの墓
 I: Prelude
  II: Fugue
  III: Forlane
  IV: Rigaoudon
  V: Menuet
  VI: Toccata

Intermission

第二部:
5: グロテスクなセレナード
6: プレリュード
7: 夜のガスパール
 I: Ondine
  II: Gibet
  III: Scarbo

Encore
1: クープラン: クラブサン組曲より「子守歌 またはゆりかごの中のいとし子」
2: クープラン: おしゃべり

 兵庫芸文の小ホールはグランドピアノの演奏に丁度よいエアボリュームと響きを持っていて好きな会場です。大ホールは広すぎて時としてエアボリュームに負けてしまう演奏会もあったりするのですが、小ホールは先ずハズレがありません。というわけで佐野えり子さんという方の事は寡聞にして知らなかったのですが、心配はしていませんでした。結論を言うと予想以上に良かったです。会場全体が縁故関係の雰囲気に溢れ過ぎていた事を除けば(笑。

 佐野えり子さんは桐朋学園のご出身で世界で活躍されておられるそうです。聡明な感じの凛とした女性で、やっぱり腕の筋肉と手はプロの凄みを感じました。プロですから当たり前と言えば当たり前なんでしょうが、譜面も譜面係も無しでラヴェルのピアノ曲を全て暗譜で弾き通されたのには素直に感心してしまいました。頭の中に譜面が詰まっているのか、もう無意識のプログラミングの中で手が覚えてしまっているのか、大脳生理学的な興味が湧きました(笑。

 さて演奏ですが、一番運指が良く見える席で見せていただきましたが、ほぼ完璧、ミスタッチは多く見積もっても2回くらいしかなかったと思います。ラヴェル独特の高速で上昇下降するきらめくようなパッセージ、右手と左手の頻繁な交差等の技巧を苦も無くこなされていました。

 やはり一番印象に残ったのは「クープランの墓」のトッカータと「夜のガスパール」のオンディーヌです。トッカータは佐野えり子さんがパンフレットにご自身の解説を載せておられますが、

「組曲をしめくくる終曲で、連打音や交差する3度など、高い演奏技術を要求される。中間部はメロディーが浮かび上がり美しいニュアンスを帯びるが、途切れることなく輝く終結に向かう。この曲がオーケストラ用に編曲されなかったのは極めてピアニスティックな効果が高かったからであろう」

と述べておられます。夢見るような中間部(決して寝ていたわけではありませんから(^_^;))から壮大な同音連打でフィニッシュに至る過程はまさに「高い演奏技術」を堪能できました。終了の瞬間、会場から拍手の寸前に「ほぉ~!」というタメ息が洩れていたのが演奏の凄さを物語っていると思います。

 最終曲「夜のガスパール」の直前は余程緊張しておられたと見え、今まで一度も直さなかった椅子の位置を2回修正され、しばらく瞑想し、指を鍵盤の上に一度持っていきながら、一旦下げて深呼吸の後もう一度鍵盤の上で静止されました。こういう音の出る前の緊迫感がライブの醍醐味でしょうね。

 「夜のガスパール」については冒頭に述べたように一度レビューしましたので繰り返しませんが、やはり「オンディーヌ」で終始繰り返される細かく繊細なアルペジオ、「絞首台」での通奏音となる鐘の音の正確さ、そして超絶技巧曲といわれる「スカルボ」でのはねまわるような不気味な超高速のパッセージの表現あたりが鍵となると思いますが、その全てを過不足なく表現されており、本当に良い演奏を聴かせていただきました。
 当然ながら目の方はもう食い入るように運指と体の動きを見続けていましたが、見事に統制の取れた演奏だったと思います。常人では到底保ちきれないような指と手首の角度を維持して打鍵し続ける様は精密機械というよりはむしろスカルボ(小悪魔)のようだ、と変な感心をしていました。

 さすがに感極まられたのか、「夜のガスパール」終了後のお辞儀では目頭を押さえておられたのが印象的でした。アンコールはラヴェルが尊敬して止まなかったクープランの小曲で、これも会場を和ませる良い演奏でした。

 翌日、アルゲリッチの「夜のガスパール」を再聴してみましたが、やっぱり彼女の演奏はメリハリが極端すぎて、フランスのエスプリからはちょっと遠い所にあるなと感じざるを得ませんでした。

お気に召せばポチッとお願いしいますm(__)m

にほんブログ村 音楽ブログへ
にほんブログ村

| | コメント (2)

2009/07/06

カルメン・マキ@旧グッゲンハイム邸

Carmenmakiguggenheim
 60年代の寺山修司ファン、70年代のロックファンにとって「カルメン・マキ」は特別な感傷を呼び起こす名前だと思います。彼女が「時には母の無い子のように」で鮮烈にデビューしたのが丁度40年前、1969年のことでした。現在も精力的に活動を続ける彼女は現在40周年記念ツアー中で、7月4、5日と神戸でのライブでしたので昨日行ってきました。
 アイルランドユダヤの血をひく父と日本人の母から生まれた彼女の若い頃は当時の日本にあっては、とびきりのクール・ビューティでしたが、さすがに40年の歳月は彼女の容姿に刻み込まれていました。しかしあの突き刺すような独特の声と強い意思を秘めた眼は40年の時を超えて健在であり、表現力は恐ろしくらいに成熟していました。

Carmen Maki Persona Tour

『瞬きひとつで10年が過ぎ、瞬き四つが川のように流れて道ができた。
1969年、17歳の少女が「時には母のない子のように」で鮮烈デヴューした。
40周年の今、原点に立ち返り「ペルソナ(仮面)」を剥ぐ!!

異能の歌人であり詩人だった寺山修司に
「戦争は知らない」という幾多の人に歌い継がれた佳曲がある。
原曲を歌って四十年を経たカルメン・マキが、
今原点に返って新たに旅立つ!!』

Date: July 4th, 2009
Place: Guggenheim House, Shioya, Kobe City

Carmen Maki (vo, poem reading)

Kyoko Kuroda (p)
Keisuke Ohta (vn)

Setlist:

Part 1:
1: 箱舟の歌
2: にぎわい
3: 北の海 ~人魚
4: 街角
5: 真夜中の花 ~ふしあわせという名の猫
6: 戦争は知らない

Part 2:
7: Monday Blue Song
8: Wate Is Wide
9: 海の詩学 ~ かもめ
10: Vn Solo ~ ペルソナ
11: 友だち ~ てっぺん
12: ジェルソミーナ

EC
1: 時には母の無い子のように including Summertime

Guggenheim_3  ライブについてレポートする前に今回はまず会場について話しておかなければなりません。神戸で異人館と言うと大抵の皆さんは北野坂あたりを思い浮かべられると思いますが、けっしてあのあたりだけではありません。特に夏の避暑地に利用されたのが須磨区塩屋のジェームス山と呼ばれる地域でした。神戸の背後にそびえ立つ六甲山系が最も海に近づくのがこのあたりで、平地は国道2号線、山陽電鉄、JRが辛うじて走れる程度の幅しかありません。

 その山陽電鉄の踏切を挟んで海がすぐそこ、という高台に旧グッゲンハイム邸と言う建物があります。 コロニアル・スタイルの洋館でもう100年を経過していますが、この建物を保存すべく努力が続けられ、今でもアパート兼イベント会場として使われています。何度か関西ではニュースにも登場しましたし、一度ナイトスクープでも「開かずの金庫」が放映された事があります。

Guggenheimhall_2  この洋館でライブは行われました。会場はリンク先の見取り図の1階の半円形ホール、床は木張り、空調は扇風機、照明は白熱電球、ひっきりなしに電車の通過音が聞こえます。また会場には蚊取り線香の匂いも漂ってきます。ちなみにグランドピアノもこの洋館備え付けのもので、珍しくDIAPASON製でした。

 さてこのような滅多にお目にかかれない珍しい会場ではありましたが、心配は杞憂で、とびきり素晴らしいライブでした。

 前日に新アルバム「ペルソナ」が発売され、そこからの選曲が中心となっていましたが、このアルバムの曲の殆どに寺山修司の名前が刻まれており、彼がマキに与えた影響が如何に強いものであったかが分かります。他ならぬその寺山が彼女に歌の道を勧めカルメン・マキという歌手が誕生したわけですが、今回の彼女は詩の朗読を多用し、まさに詩劇を演じているかのようでした。

 彼女が朗読した詩をあげてみますと

北の海: 中原中也 → カルメン・マキの「人魚」へ
真夜中の花: カルメン・マキ → 寺山修司の「ふしあわせな猫」へ
海の詩学: 寺山修司 
友だち: 寺山修司 → 今回唯一の新曲「てっぺん」へ

 これを見ると、70年代にジャニス・ジョプリンの影響を受けて突然ロック・クイーンに変身した彼女ですが、一番深い所ではやはり寺山修司に憧れ続け慕い続けていたんだなと感じます。どれも見事な朗読で、彼女の表現力の豊かさに圧倒されました。例えば序盤、

「 海にいるのは あれは人魚ではないのです
 海にいるのは あれは浪ばかり 」

と言うあまりにも有名な中原中也の詩が彼女の口からこぼれ出るとぞくっと鳥肌が立ちました。その後に彼女の90年代の代表曲の一つ「人魚」が滑りこんでくると、もう完全に彼女がその空間を支配してしまいました。彼女の一挙手一投足に劇団天井桟敷と寺山修司の影が寄り添っているような錯覚にとらわれました。
 また、「海の詩学」の後には、往年のファンには懐かしい浅川マキの「かもめ」が続きます。これも嬉しいサービスでしたね。

 そして忘れてはならないのは彼女が長く封印していた「戦争は知らない」です。寺山修司の代表作でフォーク・クルセダーズを始め多くのアーチストが取り上げたこの曲ですが、やはりカルメン・マキの歌唱には誰もかなわないでしょう。
 この曲を封印した理由についてを彼女は多くを語りませんでしたが、封印を説いた理由については

「娘が20歳になったから」

とポツリと漏らしていました。その心は歌詞の中にあり、というところですね。そして「この曲の持つ普遍的な力は今の時代でも十分通用すると思う」と話されていよいよ歌が始まりました。

「野に咲く花の名前は知らない」

というこのワン・フレーズを聴いただけでもう心と体が震えました。40年近い時を超えてこの曲を彼女の圧倒的な表現力で聴ける日が来ようとは。。。生きていれば何かいい事があるものですね。以前山崎ハコのライブで「飛びます」を聴いて以来の感激でした。

 さて、その彼女をサポートするピアノの黒田京子さん、ヴァイオリンの太田惠資さんについても一言。

凄い

それだけかよ、と言われそうですが、本当に凄い。

 黒田さんのピアニッシモからフォルテッシモに至るまでの自由自在な表現力、完全にグランド・ピアノを鳴らしきる圧倒的で鬼気迫るソロ。
 軽妙洒脱な雰囲気で場を和ませつつ、エレクトリック・ヴァイオリンを含む3台のヴァイオリンで独特の世界を築き上げ、「戦争は知らない」ではなんとユダヤ語でのボーカルも披露した太田さん。

 どれだけのキャリアのある方か全然知らなかったのですが、漠然とお二人ともフリー・ジャズ、或いは現在音楽畑の方かなと思いましたが、帰ってネットで調べてそのキャリアの凄さに納得しました。

 そしてもちろん、アンコールはあの曲です。今回は曲中で見事なピアノ・ソロ、ヴァイオリン・ソロを挟んで彼女が敬愛するジャニスのあの曲まで飛び出しました。

 この三人と約30人程度の観客で醸し出された極めて親密で濃密な音楽空間に2時間半もいられた事が、一晩経った今ではまるで夢だったかのように思います。今は新譜「ペルソナ」を聴いています。やっぱり「戦争は知らない」を聴くと目頭が熱くなります。
 ツアーはまだ続きます。機会があれば是非どうぞ。

遠い日の幻を
さがし求めて
あの道を この道を
さまよう旅路

愛の幸せに満ちあふれている
喜びの微笑みはどこに
(ジェルソミーナより)

お気に召せばポチッとお願いしいますm(__)m

にほんブログ村 音楽ブログへ
にほんブログ村

| | コメント (6)

2009/04/05

平原綾香@神戸国際会館

Ayakapoi
 2月に始まった平原綾香のツアー「Concert Tour2009 Path Of Independence」がようやく神戸国際会館にやってきました。「風のガーデン」のファンだった家内と二人で見てきました。

平原綾香 Concert Tour 2009
Path Of Independence

Date: Apr 4th, 2009 17:00-
Place: 神戸国際会館

Ayaka Hirahara: Vocal and Sax

「高架下バンド」 are

Dr.kyOn: piano, kbds, and musical producer
Yasuo Sano: ds
Masahiro Inaba: g
Mamoru Furusawa: g
Jiro Okada: b

Setlist:
1. ノクターン
2. 一番星
3. 孤独の向こう
4. 朱音
5. 雨のささやき
6. 今、風の中で
7. 明日
8. 誓い
9. Band Instrumental ~Insturmental Featuring Sax by Ayaka Hirahara
10. Re:PEPPER
11. i'm Beginning To See The Light
12. 今・ここ・私
13. Medley: 空に涙を返した~天使の梯子~さよなら私の夏
14. 虹の予感
15. 星紡むぎの歌
16. Jupiter
17. Path of Independence

EC
1. カンパニュラの恋
2. To be Free

 平原綾香については、「今日の一曲」で「星つむぎの歌」を取り上げた程度で、あまり話題にしたことはありませんでしたが注目はしていました。6年前洗足音大在学時代にホルストの「木星第二楽章」に歌詞をつけてデビューした時は、企画自体にケレン味が勝ちすぎており好きになれませんでした。しかし、「明日」というバラードがとても良くできているのに感心し、カバー集の「from to」は愛聴盤になりました。
 まあ、そんな私の思惑とは全く関係無しにどんどん彼女は売れっ子になっていき、ニューアルバムの「Path Of Independence」はなんと14曲中11曲が何らかのタイアップ曲であるというterifficな構成となっております。

 そんな彼女が大学を卒業し、いろいろと悩みながらも「自立への道(path of independence)」を模索しながら完成させたこのアルバムを今回は全曲歌います!と高らかに宣言したのが今回のコンサートツアーです。さて、どんなステージを見せてくれるのか楽しみに出かけました。
 まず恒例によりパンフレットを買ってみましたが、何と最初の挨拶と最後のクレジット以外全部彼女の写真。。。写真集じゃん(笑。

 で、気になったのがバンドの構成。全く予備知識無しで出かけたのですが、リーダーはDr.kyOnであとはギター2本、ベース、ドラムと言う5人構成で、これは完全にロック由来の方法論(by 渋谷陽一)的構成です。予想していたアコースティックセクションは無し、これは意外で意表をつかれました。

 キョンさんと言えばボ・ガンボスに始まり、佐野元春カルメン・マキ等のステージで度々その長身長髪サングラスの雄姿を目にしており、そのマルチプレーヤーぶりは知ってはいますが、流儀はやはりロック寄りの人です。
 えっ、平原綾香ってロックミュージシャン?と必死で彼女の曲を思いだしてみましたが、どう考えても彼女はビートで勝負するタイプで無く、メロディを朗々と歌い上げる、クラシック寄りの歌手に違いありません。このアンビバレンスをどう折り合いをつけてくれるのか、やや心配しつつステージの幕が上がりました。

 真っ暗な舞台に突然スポットライトが二つ当たり、キョンさんのピアノをバックに平原綾香が「ノクターン」を熱唱して舞台は幕を開けました。その歌唱、声量はさすがに素晴らしく、文句の付けようが無いくらい上手いです。声質に突出した特色が無いのとPAの音量が大きすぎて少し耳が痛かったことを除けば、その後のステージの展開も見事なものでした。結構アップテンポな曲もこなせますし、ジャズのスタンダードも歌わせると結構上手いし、ステージアクションもそれなりに修練しています。

 MCもそつなくこなすし、ステージマナーも良く、更には結構笑いを取るポイントも心得ている。立ち見まで詰め込まれた神戸国際会館の大ホールの老若男女の広いファン層を十分満足させるパフォーマンスだったと思います。

 大学時代学んでいたサックスも一曲披露してくれましたがクラシック色は無く、随分フュージョンの色が強かったですね。バックの軽快な演奏ともあいまって目をつぶって聴いているとSpyro GyraJay Beckensteinが吹いている様な錯覚を覚えました。サックスプレーヤーのお父さんの影響かもしれませんが。

 さて、先ほど危惧したバンドとの相性はどうだったのか?答えは簡単でバンドの力量が並々ならぬもので、スローバラード、クラシック、ジャズ・フュージョン、ロック、スパニッシュ何でもござれで見事に対応してくれていたんですね。そんな中でもやっぱりキョンさんだなあというアレンジが随所にあり、ニヤリともし、苦笑いもしておりました。もちろん5人だけではアルバムに収録されているサウンドイフェクトなどは再現できないので打ち込みです。おそらくキョンさんのシンセにシンクロさせてあるのでしょう。

 そんなバンドの中でも私の目と耳が釘付けになったのがベース岡田治郎さん。全く知らなかったのですが、最初の2,3曲でそのテクニックとセンスに唖然呆然となりました。何者だ、この人は!?とメンバー紹介を楽しみにしておりましたが、なんと平原綾香さんが通っていた洗足音大の講師の先生だとのことでした。帰ってきてバイオグラフィーを調べてみてまたまたビックリしたのですが、なんと懐かしのフュージョングループPRISMのメンバーなんですね。って、PRISMまだやってたんだ(^_^;)。

 さて、平原綾香の曲に戻りますが、まあ何やかや言っても私が感動したのはスローバラードです。「明日」「星つむぎの歌」「Path Of Independence」あたりが最高に良かったですし、彼女の持ち味が最大限に発揮されるのはこういう曲だと思います。
 「明日」ではキョンさんが弾くアコーデオンがとても印象的なアクセントを付けていました。原曲では途中でチェロの独奏が入るのですがそれを岡田治郎さんのエレクトリック・ベースが見事に代替していました。でも欲を言えばやっぱりチェロかコントラバスで弾いてほしかったです。
 「星つむぎの歌」は一旦彼女が退出して舞台が暗転し、バックにスペースシャトル・エンデバー号などの映像が映し出され、サウンドイフェクトとともに土井隆宇宙飛行士の「素敵なWAKE UP CALL曲をありがとう」という交信が流れ、その後で真っ白なドレスに着替えた彼女が登場し熱唱するという、タイアップ曲ならではの演出が光りました。パンフレットに「一緒に歌ってください」と書いてあったように途中でサビの部分の歌詞がバックに映し出され会場全体が斉唱するあたりはなかなか感動的でした。そこから「Jupiter」に持っていく怒涛の展開は勝負曲を持っている彼女の強みでしょうね。
 「Path Of Independence」は途中のMCで度々語っていましたが、大学を卒業後迷いも不安もあったけれどもこの世界で生きていく決心を固めたという、決意表明のような曲で、作詞は姉のAIKAさん。姉は私の気持ちを良く分かってくれていると感謝してラスト曲として熱唱し、ステージ中央にしつらえられた「自立への道」を通って退出していきました。

 というわけでなかなかに感動的なステージで、今後の彼女の方向性がある程度見えた気がします。個人的にはアンプラグド・コンサートもしてほしいですね。

I have nothing, nothing left to fear. ( Path Of Independence )

お気に召せばポチッとお願いしいますm(__)m

にほんブログ村 音楽ブログへ
にほんブログ村

| | コメント (3)

2009/02/16

Coldplay@神戸ワールド記念ホール

Coldplay3
 先日「Viva La Vida」がグラミー賞年間最優秀楽曲賞を受賞したColdplayが神戸にやってきました。グラミーを取った自信に溢れるステージでどの楽曲も異様なまでのエネルギーに満ちていました。スタジアム級のワールド記念ホールを埋め尽くした観客の声援も凄まじく、旬のバンドのライブの興奮を体中で浴びて帰ってきました。嬉しいことにプロ用機材でなければ持ち込み可能でしたので、情報のあとで幾つか写真をご紹介します。

Date: Feb 14th, 2009, 18:00-
Place: Warld Kinen Hall, Kobe

Opening act:Jon Hopkins featuring Davide Rossi

Coldplay:
Chris Martin (vo,g,kbd)
Jonny Buckland (g)
Gyu Berryman (b)
Will Champion (ds)
 and
Phil Harvey

Setlist
1: Life In Technicolor
2: Violet Hill
3: Clocks
4: In My Place
5: Speed Of Sound
6: Yellow
7: Chinese Sleep Chant
8: 42
9: Fix You
10: Strawberry Swing
11: Talk ?
12: The Hardest Part
13: Viva La Vida
14: Lost!
15: Green Eyes
16: ? ( Will Champion vocal )
17: Viva La Vida (remix interlude)
18: Politik
19: Lovers In Japan
20: Death And All His Friends

EC-1: The Scientist
EC-2: Life In Technicolor ii ~The Escapist

Coldplay1
開始直後、バックライトに照らされてカーテン越しにバンドのメンバーが見えます。

Coldplay2
「Yellow」: 沢山の大小の黄色いボールがアリーナを乱舞しています。

Coldplay5
「Lovers In Japan」: 日本関係の画像がスクリーンに流れますが、後半の画像は何か変でした(笑。

Coldplay8
多分アンコールの「Life In Technicolor ii」あたり、盛り上がりも最高潮でした。

お気に召せばポチッとお願いしいますm(__)m

にほんブログ村 音楽ブログへ
にほんブログ村

| | コメント (0)

2009/02/14

Rachael Yamagata@NAGOYA Blue Note

Rachaelyamagata090213
 昨年4年振りに待望の新作を発表したレイチェル・ヤマガタが早速来日してくれました!!!今回はブルーノートの招聘だったようで、大阪ブルーノートが無くなったため、私としては名古屋ブルーノートに出かけるしかありません。と言うわけで急遽ジモティのどるさんもお誘いしての名古屋遠征でライブを堪能して参りました。

Place: Nagoya Blue Note, Nagoya、Japan
Time: Feb 13th. 2009, 1st set; 18:30-

Rachael Yamagata(vo)

with special guest
Kevin Devine(vo,g)

Michael Chavez(g)
Oliver Klaus(cello)
Daniel Carlisle(b)
Christopher Giraldi(ds)

Setlist

Opening Act by Kevin Devine ( 5 tunes )

1: Letter Read (p)
2: Be Be Your Love (p)
3: What If I Leave? (g)
4: Faster (g)
5: Worn Me Down (g)
6: Elephants (p)
7: Elephants Instrumental (p)
8: Over And Over (p)
9: Sunday Afternoon (g)
EC
10: Reason Why (p)

 定刻になり、Kevin Devineが登場、アコギ一本で5曲歌いました。ニック・ドレイクに似たエモーショナルな歌唱を聞かせる人でなかなか良かったですが、5曲は歌いすぎ(笑。

 そしていよいよバンドのメンバーとともにレイチェルが登場。写真で見ていて若干危惧していた通り、4年前より大分恰幅が良くなっておられました(苦笑。白と黒の縞のワンピースが良く似合ってましたが、ハイヒールのかかとが細くて大丈夫か心配でした、時々転びそうになってたし(^_^;)。

 でも大丈夫。そんな事より4年前私を完全にノックアウトした歌唱は健在でした。ブルーノートと言う上品な場所柄もあってか、或いは4年間の成長の証なのか、奥歯を噛締めて唸るような、あるいは声を振り絞って唾が飛ぶような荒々しい歌い方は少し影を潜め、その代わりに声量が増して、歌い回しで感情を表現できるようになっていましたね。私としては人の心を鷲掴みにするような4年前の歌い方も忘れられませんが。

 そう言えば今回はさすがにタバコすぱすぱはありませんでした(笑。MCも時間の制約からか少なかったです。名古屋名物「テバサキ」を教えて貰ってたくらいでしたね。

 セットリストは、大体ファンの想像どおり、期待通りで、「Happenstance」から4曲、「Elephants」から6曲でした。前回ハードなナンバー「Letter Read」から始まったので今回も一曲目は「Elephants」では無いだろうと思ってましたが、予想どおりでした。
 どの曲も素晴らしかったですが、前回アルバムには入っていないにもかかわらず本チャンの最後に持ってきた「Sunday Afternoon」を今回もやはり最後に持ってきました。アレンジが深まったこともありますが、前回にもまして凄みのある演奏でした。
 そしてアンコールはやっぱり「Reason Why」です。これだけは譲れないのでしょうね。
 あと、インストナンバーの後に自然な流れで持ってきた「Over And Over」が、個人的に好きな曲のでとても嬉しかったです。

 演奏陣も前回より凄腕を連れてきていました。特にギターのMichael Chavezはテクニックが申し分無い上に、イフェクタの使い分けによりアルバムの雰囲気を見事にステージ上に再現していました。最初に音合わせしながら「彼もドイツ系よね」とレイチェルが笑いながら紹介していたドラムのChristopher Giraldiもシンバルワークが上手く、特にバラードナンバーでは曲の終わりを見事に締めていました。

 そしてチェロに今回はOliver Klausを連れてきていたので「Moments With Oliver」を期待したのですが、残念ながらありませんでした。でもとても良いアクセントを曲につけていて彼の存在感は抜群でした。

 ブルーノートの時間の制約上10曲と言うのはある程度仕方無いのでしょうけれど、お値段を考えると後2曲くらいは聴きたかったですね。でもステージ終了後サイン会があったのはブルーノートとしては異例でとっても嬉しかったです。前回も一言二言喋って握手をして貰いましたが、今回はもう少し会話が出来て嬉しかったです。

Welcome back to Japan, Rachael, I'm very glad to see you again!

と語りかけたらとても喜んでくれて「ワオ、前も聴きに来てくれたのね!」と答えてくれました。

「4年前は骨折してて大変だったね、もう大丈夫?」

と聞いたら大笑いして

「そうそうここ(左前腕)だったわ、もうすっかり大丈夫よ」

と返してくれました。調子に乗って

「今度の新作はとてつもなく素晴らしいよ、US盤、日本盤、アナログの3種類買っちゃった~」って言ったら目を丸くして驚いてました(笑。と言うわけでTシャツのサインは宝物です。

 4年前と同じくとても気さくにみんなと話してましたから、東京BNへ行かれる方もお楽しみに。そうそう、まだ手に入れてなかった「Loose Ends EP」も売ってました。まだお持ちで無い方はこれもお楽しみに。

 というわけで13日の金曜日は私にとってはとても楽しい、思い出深い日となりました。クラッシック・ファンにもかかわらずお付き合いいただいたどるさんに感謝します。幸い初めてのブルーノートをとても楽しんでいただけたようで嬉しかったです。

お気に召せばポチッとお願いしいますm(__)m

にほんブログ村 音楽ブログへ
にほんブログ村

| | コメント (2)

2009/01/15

ヒラリー・ハーン@兵庫県立芸術文化センター

バッハ:ヴァイオリン協奏曲集
 今年最初のライブレポートが代筆になろうとは、、、トホホ。と言うわけで、楽しみにしていたヒラリー・ハーンのコンサートの日に体調不良に見舞われ、家内にチケットを渡して行って来てもらいました。帰宅して一言「良かったよ~」、悔しいでっす!まあ、チケットが無駄にならなくて良かったですが(^_^;)。

ヒラリー・ハーン ヴァイオリン・リサイタル

Date: Jan 12th., 2009、14:00~
Place: 兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール

Hirary Hahn: violin
Valencina Lisitsa: piano

Setlist:
イザイ 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第4番
アイヴズ ヴァイオリン・ソナタ第4番「キャンプの集いの子供の日」
ブラームス ハンガリー舞曲集No.10,11,12,19,5,20,21
アイブズ ヴァイオリン・ソナタ第2番
-intermission-
イザイ 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第6番
     子供の夢
アイブズ ヴァイオリン・ソナタ第1番
バルトーク ルーマニア民族舞曲
Encore
パガニーニ カンタービレ
ブラームス ハンガリー舞曲

 家内によると、後方の席だったのにも関わらず、弱音の一音一音、ヴィヴラートの細かいニュアンスまで明瞭に聴き取れ、彼女の完璧主義が良く理解できる演奏だったそうです。ピアノの伴奏も素晴らしく一体となって美しい音楽世界を作り上げていたとのことです。

 う~ん、逃した魚は大きい(笑。ハーンという名前からしてドイツ~東欧系だと思いますが、東欧の舞曲を取り入れていまね。これは好きなジャンルなので聴きたかった。

 あと、彼女の先生がイザイの直弟子だったそうですので、イザイの選曲は当然でしょうね。アイブズはアメリカ人の作曲家でめったに聴く機会も無いので聴いてみたかったです。

| | コメント (5)