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2012/01/30

しあわせのパン

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はむちぃ: みなさん、こん**は、本日は公開されたばかりの映画「しあわせのパン」のレビューでございます。もちろん主人のゆうけいが原田知世ファンであるゆえのチョイスでございます。
ゆうけい: 羨ましいぞ、大泉洋君!まあ、それはともかく知世様、前回の主演映画「となり町戦争」はいまいちでしたし、最近紹介した「東京オアシス」ではチョイ役でしかも映画自体がトホホでしたので、今回こそはと期待しておりました。
は: 最近多くなってまいりました地元密着型の映画で、舞台は北海道の洞爺湖畔の月裏という風光明媚な土地でございます。
ゆ: 北海道では1週間早く封切られて大入りだそうで、こういう試みも着実に根付いてきていますね。でははむちぃ君、映画紹介まいりましょうか。

『2012年 日本映画、配給:アスミック・エース

監督、脚本: 三島有紀子

キャスト: 原田知世、大泉洋、森カンナ、平岡祐太、光石研、八木優希、中村嘉葎雄、渡辺美佐子、中村靖日、池谷のぶえ、本多力、霧島れいか、大橋のぞみ、あがた森魚、余貴美子

原田知世と大泉洋が主演し、北海道・洞爺湖のほとりの小さな町・月浦を舞台に、宿泊設備を備えたオーベルジュ式のパンカフェを営む夫婦と、店を訪れる人々の人生を四季の移ろいとともに描いたハートウォーミングドラマ。りえと尚の水縞夫妻は東京から北海道・月浦に移住し、パンカフェ「マーニ」を開く。尚がパンを焼き、りえがそれに合ったコーヒーと料理を出すマーニには、北海道から出ることができない青年や口のきけない少女とその父親、思い出の地を再訪した老夫婦などさまざまな人々がやってくる。(映画.comより)』

は: ホンワカと心が温まる、静かで美しい映画でございました。
ゆ: とはいえ、う~ん、少々退屈だったかな~。

は: そうでございますか?夏から春にかけての景色は大変美しゅうございましたし、
ゆ: 知世様の淹れるコーヒー、大泉洋の焼くパンはとても美味しそうでしたし、
は: 出て来る皆さんは皆さんいい方ばかりでしたし、二人の夫婦の絆が少しずつ深まっていき、最高にハッピーなラストを迎えるのはとてもよかったですね。
ゆ: ということで一つ一つのシーンはいいところが一杯あるのですが、どうも浮世離れしてる世界を見ている気がしましたね。

は: 構成としては主人公二人が経営するパンカフェを舞台に、主人公夫婦や常連さんと夏・秋・冬のお客様との心の交流を描くオムニバス映画型式となっておりましたね。
ゆ: こういう型式だとどうしてもお客様のストーリーがメインになり、主人公夫婦が受身になってしまうんですよね。
は: だからあの元気な大泉洋様も、久々の主演の原田知世様もどうしても「静」的な演技になってしまう。
ゆ: 知世様のイメージには合ってるんですが、ファンとしては「動」的な演技も期待してたんですよね~。

は: 一つ一つのエピソードはいかがでしたか?
ゆ: それがまあ突っ込みどころ満載でね~(苦笑、まあいちいち目くじら立ててちゃきりがないので、大泉君や知世様がそうしていたように温かく見守ってあげないと仕方ない、というところでしたね。

は: 唯一仕掛けとして面白かったのは、大橋のぞみ様のナレーションですね。
ゆ: てっきり飼っている子羊の目線かと思ってたんですが、粋なラストでの種明かしでしたね。

は: という事で、女性監督ならではの感性が光るハートウォーミングドラマであるとともに、ストーリーとしてはやや平板なところが惜しい映画でございました。
ゆ: 綺麗な風景、美味しそうな料理、善良な人々の何気ない日常を切り取った、絵画を見るような感覚で観ていただければ、ちょっと心がホッコリできると思います。

評価: D: イマイチ
(A: 傑作、B: 秀作、C: 佳作、D: イマイチ、E: トホホ)

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2012/01/22

日輪の遺産

日輪の遺産 特別版 [DVD]
  以前紹介した浅田次郎の「日輪の遺産」の映画化です。去年公開されたのですが、残念ながら劇場で観る機会を逸しておりました。小説自体は、浅田次郎にしてはこなれておらず、氏自身も「若書き」で今から思うと書き直したいところも多いと述べているやや生硬な内容・文章なのですが、映画はその辺を巧く処理し、観やすく理解しやすい内容になっておりました。

『2011年 日本映画

監督: 佐々部清
原作: 浅田次郎
脚本: 青島武

出演: 堺雅人
中村獅童 福士誠治 / ユースケ・サンタマリア 八千草薫
森迫永依 麻生久美子 塩谷瞬 八名信夫

 山下将軍が奪取した900億円(現在の貨幣価値で約200兆円) ものマッカーサーの財宝を、秘密裡に陸軍工場へ移送し隠匿せよ―!その財宝は、敗戦を悟った阿南らが祖国復興を託した軍資金であった。
 真柴は、小泉中尉、望月曹長と共に極秘任務を遂行。勤労動員として20名の少女達が呼集される。御国のため、それとは知らず財宝隠しに加担するが、任務の終わりが見えた頃、上層部は彼女ら非情きわまる命令を下す。
 そのとき真柴ら3人の軍人が取った行動とは?果たして少女達の運命は―?(AMAZON解説より)』

 先程も述べたように、まず脚本の巧さが光る映画です。原作では1945年の財宝隠匿にまつわる少女たちの悲話と、1992年の一人の不動産屋が主人公となる一種の宝探し譚が平行して描かれるのですが、映画では後者をばっさりと切り捨て、八千草薫演じる未亡人と、ミッキー・カーチス演じる元マッカーサー付き通訳二人の回想という形で物語を処理しています。
 これにより物語の見通しが良くなり、1945年の事件に観客が集中する事ができるようになりました。その事件の顛末も巧くまとめてあり、浅田次郎氏の原作に見られる過度のマッカーサー賛美も巧く抑制してありました。御涙頂戴を目的としたラスト近くのシーンなど、ちょっと脚色の過ぎるところが気になりましたが、それを差し引いても、十分合格点の脚本に仕上がっていると思いました。

 この脚本があれば「半落ち」等のヒューマン・ドラマを得意とする佐々部清も演出の腕を十分振るえます。
 終戦前夜の軍部の対立と混乱、敢えて敗戦を受け入れ将来の日本のために再訪隠匿の危険なミッションを引き受ける軍人3人、「出て来いミニッツ・マッカーサー、来れば地獄へ逆落とし」というような醜悪な歌を歌いながら、過酷な労働を嬉々として従事する無垢な少女たち、そして完遂直前に彼女たちに降りた命令に愕然とし憤然と抗議する主人公真柴少佐、そして彼らの戦後の運命。

 原作の1992年の時点でもはるか過去となっていて、ましてや、ゆとり教育とやらのせいか、日本が過去にアメリカと戦ったことを知らない若者が多い2011年現在。その今だからこそ再認識するべき内容を、佐々部清監督は当時の彼等彼女らの心に寄り添い、極端に言えば「田舎の駅から洞窟へ荷物を運ぶだけの物語」を、飽きさせることなく最後まできっちりと撮りきっています。

 ある命令の解除がなされたにもかかわらず、一人を除く少女たちがとった行動は今の若い世代には理解しがたいでしょうし、原作を読んだ時点での私も浅田次郎の小説にしては心に響いてきませんでした。この映画を観ても完全に感情移入するわけにはいきませんでしたが、ある程度受け入れる事ができたのは、やはり佐々部清の手腕だと思います。

 その演出に応える俳優陣も堅実なキャスティング。超売れっ子の堺雅人の真柴少佐役が果たして適役かどうか見るまでは若干疑問がありましたが、ちゃんとこなしていましたね。何でもできる器用な人です。ただ、当時の陸軍軍人としてはやはりスマートすぎる印象は拭えませんね。2011年度の日本アカデミー賞には「武士の家計簿」で主演男優賞にノミネートされていますが、確かにああいう役が彼の本分でしょう。
 対照的にたたき上げの傷痍軍人役の中村獅童は見事な適役ぶりを発揮しておりましたし、経理部軍人の福士誠治の熱演にも心を動かされました。意外な適役だったのが、少女たちの学級担任教師のユースケ・サンタマリア。当時にしてはリベラルで子供思いの教師の雰囲気朴訥とした演技で良く出していました。あと、陸軍大臣役の柴俊夫の凄絶な切腹が短時間の出番ながら強いアクセントを映画自体に与えておりました。
 私の好きな麻生久美子は今回は現代側の八千草薫の孫というまあ端役でしたが、画面に出てくれるだけでこの暗い物語に沈む心をを癒してくれました。

 当時の人々の構成への思いを受け止める、という難しい問題をこのような映画で語り継いでいく事は(フィクションとは言え)大変意義深いことと思います。世代を問わず観ていただきたい映画です。

評価: C: 佳作
(A: 傑作、B: 秀作、C: 佳作、D: イマイチ、E: トホホ)

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2012/01/19

100000年後の安全

100,000年後の安全 [DVD]
 東日本大震災により起こった福島の原発事故により、思わぬ脚光を浴びたヨーロッパのドキュメンタリー映画があります。それは無害になるまでに10万年と言う途方もない時間がかかる「核廃棄物」の問題を扱った映画「10万年後の安全」です。今回DVDになったのを機会に観てみました。

『2009年、デンマーク、フィンランド、スウェーデン、イタリア映画
配給・宣伝:アップリンク

監督・脚本:マイケル・マドセン
脚本:イェスパー・バーグマン
撮影:ヘイキ・ファーム
編集:ダニエル・デンシック
出演:T・アイカス、C・R・ブロケンハイム、M・イェンセン、B・ルンドクヴィスト、W・パイレ、E・ロウコラ、S・サヴォリンネ、T・セッパラ、P・ヴィキベリ』

 日本でも高レベル放射性廃棄物の地層処分は論じられていますが、まだ建設に至ってはいません。その地層処分を世界に先駆けて政府が決定し工事が始まっているのがフィンランドのオルキルオトにある最終処分場オンカロです。
 映画はオンカロに関わる企業や役所の関係者、工事現場の作業員、専門の学者等へのインタビューと、オンカロの現場の映像を交互に描いていきます。

 このような構成はドキュメンタリーではありふれた手法にもかかわらず、とてもシュールで非現実的な印象を観るものに与えます。
 この映画ではまず章ごとに暗闇の中で監督がマッチを擦って火をともし、カメラに向かって語りかけるのですが、その相手として想定しているのが未来の人々なのです。すなわち、10万年という途方もなく長い期間の中のどこかの時点の未来でこのオンカロの施設を発見し侵入しようとしている人に話しかけているのです。
 もちろん観ているのは今現在の私たちですが、こういう語りかけをされるとどうしても10万年という途方もなく長い年月を考えざるを得ません。この年月を強く意識させることが非現実感につながっているのだと思います。

 一体この間に人類はどう変化しているのか?
 途中で氷河期が来るといわれているが絶滅しないのか?
 今現在の言語は通用するのか?
 しないとすればどうやって核廃棄物の危険を未来の人類に伝えるのか?
 言語が通用しないのなら未来の人類は放射性廃棄物の入った容器をなんだと思うだろうか?
 考古学者が遺跡を発掘するように、この容器の封印をとかないという確証はあるのか?
 或いは内容が分かったとして、それを何かに利用する可能性はあるのだろうか?

 インタビューでこのような非現実的な質問を突きつけられた人たちは、戸惑いながらもある程度の回答はしますが、最終的には

「それほど先のことはわからないとしか言いようがありません」

という答えざるを得ません。当然と言えば当然なのですが、そのような長い間有害である物質を人類は作り出してしまったことにあらためて慄然とします。

 この非現実感に更に追い討ちをかけるのが、オンカロの映像。一時貯水プールの無機質な美しさや、掘削現場のトンネルの非現実感。未来の人間が見ているとすると確かに何かの遺跡に見えなくもありません。もちろんこれは映画スタッフが撮影や編集、背景に流れる音楽等を用いてその効果を狙っているのですが、どのシーンも良く考え抜かれていると思います。

 とにもかくにもあと百年もすればフィンランドだけで作り出される廃棄物でこのオンカロは満杯になるそうです。では世界レベルではどれほどの地層処分場がいるのか?地震国日本はどうなのか?10万年という時間を突きつけられると考えようにも考えようがなく、茫然としてしまいます。しかし現実には山のような放射性廃棄物があります。

 今回の原発事故が「神話」を崩壊させて安全性の再検討を現実としましたが、それでもなお代替エネルギーだけでは不十分で原子力発電は必要、というのが「今現在」の現実のようです。しかし今の需要だけの問題ではなく、このもう一つの「10万年」の問題をも含めて考えないといけないことをこの映画は教えてくれます。

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2012/01/17

追悼1・17

 阪神淡路大震災から17年です。あらためて犠牲者の方々に合掌。

 昨年は東日本大震災があり、あらためて自分たちが被災したあの震災を思い起こすとともに、地震国に暮らすことの怖さ・危うさを学んだ年でもありました。

 私たちにとって何年も現在進行形で辛い日々が続いたように、今回の被災地の方々にはこれからも苦難の日々が続くと思います。遠い土地からの励ましの言葉など心に届くかどうか分かりませんが、希望を失わないで生きてほしいと願っております。

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2012/01/15

ロボジー

Robog
 公開中のコメディ「ロボジー」を家族で観てきました。題名から想像できるとおり、程よいショボサ加減アホさ加減の楽しいコメディに仕上がっておりました。ポスターの「制御不能じゃ。」のキャッチコピーも上手い。これが一番笑えたりして(笑。

『2012年 日本映画 配給;東宝

監督・脚本: 矢口史靖

キャスト: 五十嵐信次郎、吉高由里子、濱田岳、川合正悟、川島潤哉、田畑智子、和久井映見、小野武彦

「ウォーターボーイズ」「ハッピーフライト」の矢口史靖監督がロボットを題材に描くオリジナルのコメディドラマ。弱小家電メーカー、木村電器で働く小林、太田、長井の3人は、企業広告を目的に二足歩行のロボットを開発していたが、発表直前にロボットが大破。その場しのぎで、最近周囲から痴呆を疑われている一人暮らしの頑固老人・鈴木をロボットの中に入れたところ、鈴木の勝手な活躍によりロボットが大評判に。世界中から注目を浴びてしまい……。ミッキー・カーチスが「五十嵐信次」名義で主演。共演に吉高由里子、濱田岳、川合正悟、川島潤哉ら。(映画.comより)』

 二足歩行型ロボットが壊れてしまい、その中に偏屈な爺さんが入る事になる。そのアイデア一発で面白い映画になる予感は十分。
 あとはロボット開発部の泣き笑いをメインに、爺さんの泣かせネタを仕込み、それにヒロインを一人からませて、随所に笑いのネタを仕込めば面白い映画になることは必定。さすが「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」「ハッピーフライト」の矢口史靖監督。とは言え、それまでの作品に比べれば随分しょぼい感は否めませんでした。

 ロボットの造型がまずしょぼい。
 主人公の偏屈爺さんの風貌・身なりからやることなすことまで、みなしょぼい。
 弱小家電メーカーのロボット開発部の3人がこれまたしょぼい。
 随所に仕込まれた笑いのネタも結構しょぼい。
 A級といえば吉高由里子の可愛さくらいか(笑。

 こう書いてみると完全にB級コメディなんですが、そのしょぼさを逆手にとって絶え間ない笑いに変え、時には爺さんに感情移入させてしまうのが、コメディのツボを心得ている矢口史靖監督の手腕なんでしょう。

 五十嵐信次郎ことミッキー・カーチスの飄々とした演技、涙ぐましく演じるほど笑えてしまう3人組、濱田岳川合正悟(Wエンジンのチャン川合)、川島潤哉、ロボット工学用語を器用にあやつる吉高由里子、みんな熱演でしたが、一瞬だけ登場して笑わせる竹中直人もさすが(笑。

 敢えて言うと、ラスト近くの偽ロボット疑惑記者会見の場面、結局何とかばれずに済むのですが、その免れ方がそれまでの話の進行と整合性がとれていないのが少々気になりました。

 まあ細かい事は気にせずに、最後のダメ押しネタまで楽しく笑ってれば良い映画だと思います。そうそう、エンドロールでは五十嵐信次郎がさすがの歌声でStyxMR.ROBOTOを熱唱しております。

評価: C: 佳作
(A: 傑作、B: 秀作、C: 佳作、D: イマイチ、E: トホホ)

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2012/01/08

たまたま

たまたま [DVD]
  CMクリエイター小松真弓蒼井優の出会いは「午後の紅茶・サーフィン編」だそうですが、相性がよかったのかついに長編映画まで作ってしまいました。去年ミニシアター系で公開された映画「たまたま」です。蒼井優ファンとしては見逃せないところですが、当地では公開されなかったのでDVDになるのを待っておりました。

『2011年日本映画

監督・脚本:小松真弓
キャスト:蒼井 優、森山開次

主題歌:シガー・ロス「インニ・ミェル・シングル・ヴィトゥレイシングル」

たまたま、美しいアイルランドを旅する彼女が出会う、たくさんの日常。彼女の旅の目的とは――。役者という枠を超えた“カルチャー・アイコン”といっても過言ではない女優・蒼井優の主演作品。監督・脚本は今作で初長編作品に挑戦した、CM界で最も評価の高い女性クリエイター小松真弓。 (AMAZON解説より)』

 たまたま水に落ちた手紙(=蒼井優)がたまたまいろんな人と出会い、最後に目的地に辿り着く。という50分余のストーリーで全編アイルランドロケ。映像はとても美しいし、随所に小松真弓の感性が光ります。
 シガー・ロスの音楽を使いながら何故アイルランドなんだ?という疑問が湧きましたが、監督と蒼井優の対談を見てわかりました。ビヨークがアイスランドかアイルランドか分からなかった。。。。。それでアイルランドまでいけるんだから良い商売ですねえ(羨。。。。。

 で、、、これを「映画」としてどうなんだ?と言われると、、、とっても評価が難しい。少なくとも普通にストーリーを楽しむ映画ではない。まあ好意的に評すれば「感性で楽しむ」映画なのでしょう。蒼井優ファンとしては、彼女のイメージフィルムとして楽しく見られました。

評価: 不能

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2012/01/05

マイ・バック・ページ

マイ・バック・ページ [DVD]
  ボブ・ディランの名曲「My Back Pages」から題名を取った、川本三郎のノンフィクションを映画化した「マイ・バック・ページ」です。去年の春に公開されていて気になっていたのですが、ようやくDVDで観る事ができました。
 私自身は学生運動には完全に乗り遅れた世代ですが、それでも何となくあの時代の残り火のようなものを感じながら学生生活を送っていました。本作は、そんな時代の空気を濃厚に詰め込んで、息苦しささえ感じる映画となっていました。ある程度退屈と困惑と後に尾を引く後味の悪さを覚悟してみるべき映画である、と申し上げておきます。

『2011年日本映画

監督:山下敦弘
脚本:向井康介
原作:川本三郎「マイ・バック・ページ」

キャスト
妻夫木 聡/松山ケンイチ
忽那汐里/石橋杏奈/韓英恵/中村 蒼
長塚圭史/山内圭哉/古舘寛治/あがた森魚/三浦友和

1969年。理想に燃えながら新聞社で週刊誌編集記者として働く沢田(妻夫木 聡)。彼は激動する“今”と葛藤しながら、日々活動家たちを追いかけていた。
それから2年、取材を続ける沢田は、先輩記者・中平とともに梅山(松山ケンイチ)と名乗る男からの接触を受ける・・・・・・。

「銃を奪取し武器を揃えて、われわれは4月に行動を起こす」

沢田は、その男に疑念を抱きながらも、不思議な親近感を覚え、魅かれていく。
そして、事件は起きた。「駐屯地で自衛官殺害」のニュースが沢田のもとに届くのだった――。(AMAZON解説より)』

 ベトナム戦争への反対運動、70年安保闘争、それを象徴する安田講堂事件。その余熱がまだ残っていた頃に突発した「赤衛軍事件」と呼ばれる、自衛隊朝霞駐屯地の自衛官殺害事件がこの映画のモデルとなっています。

 その赤衛軍なる新左翼セクトの胡散臭さをこの映画は赤裸々に描いています。松山ケンイチ演じる梅山(偽名)という新左翼の行動は革命と言うには程遠く、声高く語る高邁な理想とは裏腹に嘘と欺瞞とエゴに満ち、自衛官殺人事件で逮捕されてからの自己弁護も見苦しい事この上ない。

 それを東大出の一流新聞社(もろに朝日新聞と分かりますが)の社員、妻夫木聡演じる沢田が何故見抜けないのか?否、おそらくは半ば気がついていてそれでも彼へのシンパシーを捨てきれないのか?
 これは映画だからで片付けられない問題です。現実に原作者である川本三郎が陥ってしまった陥穽であり、その為川本は朝日新聞社を懲戒解雇、実刑(執行猶予付き)を受けているのですから。

 映画では二人が打ち解けて交流が深まるきっかけは、沢田の自宅の離れで二人が趣味について語りあう場面でした。お互いにCCR(クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル)が好きであると分かり、梅山が沢田のギターを借りて「雨を見たかい」を弾き語り、そして梅山が沢田の書棚から宮沢賢治の銀河鉄道の夜を取り出して好きだと語る。
 この映画の中でも穏やかで暖かい雰囲気の良い場面だったと思います。逆に言えば、梅山側に立てば、たかがそれだけのことでも人を篭絡できる、という手練手管を心得ていたのかもしれません。

 とにもかくにもこの不思議な親近感を沢田はいい様に利用され、結果的に一人の自衛官が何の咎もなく殺されるという陰惨な事件が起こってしまいます。それでも梅山をかばい続ける沢田の行動にはもちろん彼なりの論理があります。しかしそれも新聞社上層部にあっさり否定され、「新聞はそんなに偉いんですか!?」との必死の抗議も、社会部部長白石を演じる三浦友和

そうだよ、新聞は偉いんだよ

と、一言で切って捨てられてしまいます。この三浦友和の演技は鳥肌ものでしたね。それまで長時間つき合わされてきた梅山、沢田の行動なり思想なりが、「大人」の世界から見れば児戯に等しい稚拙なものだと思い知らされる、寸鉄釘をさすような凄みのある台詞でした。

 このような「敗北」の映画ですから、後味は決して良くありません。が、一本の映画としてみれば実に丁寧に作られていたと思います。監督の山下敦弘、脚本の向井康介ともにこの時代には生まれてさえいない世代ですが、プロデューサーから原作本を渡され、、3年間かかって構想を煮詰めたそうです。それだけのことはあって冒頭にも述べたように内容は濃厚ですし、セットやファッションなども本当に忠実にあの時代を再現しています。

 俳優陣の熱演も特筆に価します。特に松山ケンイチの役への入れ込み様は見事、うすっぺらい新左翼の虚勢の演技には凄みさえ漂っていました。それに比べると妻夫木聡の役割は常識人である分、おとなしめの演技であるため損をしている感じはありました。ただ、ラストシーンで泣く場面には、それまでにある伏線がある分だけほろりとしてしまいました。脇を固める俳優陣も堅実でした。先程述べた三浦友和もさることながら、明らかに滝田修がモデルと思われる京大全共闘議長役の山内圭哉の怪演がとりわけ強く印象に残りました。

 陰鬱な後味の悪い映画だと最初に述べておきながら随分熱く語ってしまいましたが、それだけ優れた映画だったのかな、と今は思います。あの時代を知らない世代の方にも、決して理解しろとは申しませんが政治が混迷を深める今だからこそ一度は見ておいて欲しい映画であると思います。

評価: B:秀作
(A: 傑作、B: 秀作、C: 佳作、D: イマイチ、E: トホホ)

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2012/01/04

ミッション・インポッシブル/ゴースト・プロトコル

Migp
はむちぃ: 皆様あけましておめでとうございます、ゆうけい家筆頭執事のはむちぃでございます。今年一番最初の映画レビュー、作品は「ミッション・インポッシブル/ゴースト・プロトコル」でございます。
ゆうけい: お正月一番の映画は、おめでたい気分のまま、お金を払った分存分にドキドキハラハラさせてくれて、最後はスカッと終わってあとに気持ちをひきずらない映画がいいですね。というわけでこれにしました、さすがにお客さんも沢山入っておりましたね~。
は: 撮ればヒット間違い無しのトム・クルーズ様の当たり役でございますからね。
ゆ: さすがに4作目ともなるとマンネリ化するかと思いきや、想像を超えるほどの馬鹿さ加減、もとい、アクション大作になっておりました。
は: 何か余計なことを口走られた気もいたしますが(;一_一)、まずは作品紹介に参りましょう。

『2011年アメリカ映画、配給: パラマウント

監督: ブラッド・バード
製作: トム・クルーズ、J・J・エイブラムス、ブライアン・バーク
原作: ブルース・ゲラー
脚本: ジョシュ・アッペルバウム、アンドレ・ネメック

キャスト: トム・クルーズ、ジェレミー・レナー、サイモン・ペッグ、ポーラ・パットン 他

ロシアのクレムリンで爆破事件が発生し、米国極秘諜報組織IMFのエージェント、イーサン・ハントと、ハントの率いるチームが事件の容疑者にされてしまう。米国政府は「ゴースト・プロトコル」を発令してIMFを抹消。汚名を着せられたハントは、IMFの後ろ盾もえられないままチームの仲間だけを頼りにクレムリン爆破の犯人をつきとめ、さらには事件の黒幕が目論む核弾頭によるテロを防ぐためロシアからドバイ、インドへとわたり、過酷な戦いに身を投じる。前作を監督したJ・J・エイブラムスが製作を担当。ピクサーで「Mr.インクレディブル」「レミーのおいしいレストラン」を手がけてきたブラッド・バード監督が、初の実写映画のメガホンをとった。(映画.comより)』

は: ま、まさに、お金を払った分存分にドキドキハラハラさせてくれて、最後はスカッと終わってあとに気持ちをひきずらない映画そのものでした。さすがハリウッドの実力と資金力でございます。
ゆ: メジャーリーグのエース級ピッチャーの剛速球、ど真ん中ストライク、って感じですかね。160キロは軽く出てますよ、みたいな。

は: トム・クルーズ様は、もう今年で50歳、1996年の一作目から数えて15年経つのですが、今回も完全にイーサン・ハント役を演じきっておられました。
ゆ: もう完全に彼のはまり役になりましたね。一方で他の映画ではそのイメージにひきずられる事なく主役を演じるところも凄いですけど。
は: スタント無しの特撮シーンに挑まれるところもこのお歳にして立派でございますが、TV等で派手に宣伝されているドバイの超高層ホテルでの特撮シーンは確かにこの映画最大の見所でございましたね。
ゆ: 正月の「トリビアの泉」特番の高橋克実ピッタン人形を思い出して思わず笑ってしまいましたけどね(^_^;)。まあ冗談はともかく、そんな派手なシーンを織り込みつつも、格闘、カーチェイスをはじめとする一つ一つのアクションシーンを一切の手抜き無しできっちりと演じきり、つなぎのシーンでもきっちりと小技を挟んでいく、そういう単純でかつ大切な事を忠実に守っているのが、天文学的アリエナイザー(古)の確率で危機を乗り越えていく荒唐無稽なストーリーに迫真性を付与する秘訣なんでしょうね。
は: その結果、かつてないくらいの高いテンションが最初から最後まで保たれておりました。
ゆ: 完成度に関してはシリーズでも最高の出来ではないかと思いますね。監督のブラッド・バードがピクサーでアニメーションを撮ってきた人なので実写はどうなのかな?と少し心配していましたが杞憂でした。しかしまあ、クレムリンをあれだけ派手に破壊してもいいもんでしょうか(^_^;)?

は: トム様以外の俳優は如何でございましたでしょうか?新顔としては以前紹介した傑作「ハートロッカー」のジェレミー・レナーや「プレシャス」のポーラ・パットンといったいい俳優さんが出ておられますが?
ゆ: どうしてもトム・クルーズの引き立て役になってしまうところがMIシリーズの辛いところではありますね。そんな中で前作でも頑張っていたサイモン・ペッグは良い味出しているというか、美味しい役どころをもらってますよね。

は: というわけで「安心してハラハラドキドキできる」超大作でございます。スカッと日頃の憂さを晴らしたい方にはお勧めでございます。
ゆ: 原作に敬意を表して「このテープは自動的に消滅する」ネタをパロっているシーンもお見逃しなく(^^♪

評価: C: 佳作
((A: 傑作、B: 秀作、C: 佳作、D: イマイチ、E: トホホ)

 

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2012/01/02

あけましておめでとうございます

 皆様あけましておめでとうございます。年々ペースの落ちてきているこのブログですが、今年も無理せずぼちぼちとやっていきたいと思います。何卒よろしくお願いします。

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