2008/12/20

今年を振り返る2008(1) 映画編

Sachikoparker
はむちぃ: 皆様こん**は、はむちぃでございます。今年も「振り返る」特集の季節がやってまいりました。先ず第1回は「映画編」をお送りいたします。
ゆ: 順番が毎年ばらばらで申し訳ございません、気まぐれなもんで(謝。
は: またまたそうやって偽悪ぶるんですから(;一_一)、存じておりますよ、皆様には最後にお知らせいたします。では早速エントリー作品をご紹介いたしましょう。

洋画(外国映画):
靖国 YASUKUNI
この自由な世界で
善き人のためのソナタ
奇跡のシンフォニー
マイ・ブルーベリー・ナイツ
スウィーニー・トッド
ダーウィン・アワード
ヒロシマナガサキ
エディット・ピアフ~愛の賛歌~
ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団    
ストリングス
パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド
ドリームガールズ

邦画
容疑者Xの献身
僕の彼女はサイボーグ
映画「20世紀少年」第一部
虹の女神 Rainbow Song
暗いところで待ち合わせ
百万円と苦虫女
純喫茶磯辺
西の魔女が死んだ
秒速5センチメートル
ザ・マジックアワー
亀は意外と速く泳ぐ
相棒-劇場版-
転々
クワイエットルームにようこそ
夕凪の街 桜の国
ゲゲゲの鬼太郎
0093女王陛下の草刈正雄
明日への遺言
サイドカーに犬

は: 主人のゆうけい、今年は体調絶不調のずんどこどん底からはなんとか脱しまして、計32品と作品数が大幅に増えております。
ゆ: レビューしなかったものもこの倍近くありますから、去年の反動で観まくりましたな。
は: これだけありますと恒例の表彰は洋・邦で分けたほうがよろしいのでは?
ゆ: う~ん、めんどくさいからやめとこ(笑。いやいや、やっぱり最高の賞は一点(人)でないとね、その代わり助演賞を増やしましょう。

は: わかりました、ではその助演賞の発表からお願いします。
ゆ: では発表します。

助演男優賞: 三浦友和 (転々
助演女優賞: ヘレナ・ボナム=カーターハリー・ポッターと不死鳥の騎士団スウィーニー・トッド

は: 今年こそパイレーツのジョニー・デップかと思いましたが、三浦友和様とはやや意外な人選でございました。確かに「転々」での演技は素晴らしかったですね。
ゆ: ジョニデプはあれは主演じゃないかなあ、キース・リチャーズという線も捨てがたいけどね(w。まあそれはともかく、三浦さん、山口百恵が引退してからの彼はエイトマン(視聴率が8%くらいしかとれない主役)とか揶揄されてもう消えていく人なのかな、と思ったりもしましたが、したたかな演技力を身に付けて、このような脇あるいは準主役に回ると俄然光る役者さんになりましたね。「転々」は「時効警察」組のゆるゆる映画なんですが、彼一人入る事によって大変見応えのある映画になりました、個人的には今年最も印象に残った助演さんでした。

は: 助演女優はご主人様強力プッシュの蒼井優様か、あるいは圧倒的な歌唱力を見せたジェニファー・ハドソン様あたりの線もございましたが、、、
ゆ: ちゃん、亀もクワイエットも良かったですねえ~、でも「人のセックスを笑うな」では永作姐さんの色気の前に完敗しちゃいましたね(苦笑。
は: ご主人様、それはノミネートされておりません(ーー;)
ゆ: スマソ。ジェニファーは、最近ご不幸な事件があってお気の毒でしたが本当にあの映画の黒人社会を連想してしまいましたねえ。まあそれはともかく、ヘレナさんの存在感は圧倒的でしょう。
は: 伴侶のティム・バートン様のスウィーニー・トッドはもちろんの事、ハリポタでさえあそこまでやるかと驚きましたね。
ゆ: 完全にジョニー・デップを喰っちゃったし、こうなったらハリポタもあの調子で最後までやって欲しいですね。

は: 次は主演賞に参りましょう。
ゆ: 正直言って女優さんの方は悩みました、では発表いたします。

主演男優賞: ウルリッヒ・ミューエ (善き人の為のソナタ
主演女優賞: サチ・パーカー (西の魔女が死んだ

は: 男優賞は今年こそジョニー・デップかと思いましたが?
ゆ: それさっき助演でも言ったね(笑、スウィーニー・トッドでさっき言ったようにヘレナに完全に喰われたのが計算外でしたねえ。まあでも彼を差し置いて獲るだけの演技をウルリッヒ・ミューエはしていましたね、本当に演技だけで感動させてくれた俳優を見るのは久しぶりでした。
は: オラシオ様がコメントされておられたように、自身シュタージに監視されておられた過去を持っておられるそうでございますね。
ゆ: 調べてみたら何と妻が監視していたそうですね、壮絶な世界です。但し、妻はそれを否定していることも書いておきます。
は: 昨年7月胃癌で亡くなられたそうでございます。
ゆ: 心よりお悔やみ申し上げます。

は: 女優さんを迷われたとおっしゃいましたが?
ゆ: そうですね、エディット・ピアフを演じきったマリオン・コティヤール、映画女優としての本領を発揮して感涙を絞らせてくれた「夕凪の街」の麻生久美子にもあげたかったけど、「西の魔女が死んだ」のサチ・パーカーの演技には恐れ入りました。
は: 日本人と結婚して日本に永住した老英国人女性を見事に演じきられましたね。
ゆ: 梨木香歩の原作をあとで読んだんだけど、まるで彼女が演技する事を想定して書いているかのような気がしました。そう思わせるほどの入魂の演技でしたね。
は: 名女優にして日本通のシャーリー・マクレーンのお孃様で日本在住歴もあるとの事でございますが、実は日本語はあまりしゃべれないそうでございますし、冒頭写真のようにご高齢ではなく実はあんなに美しい方であることも驚きましたね。
ゆ: 高橋克実が「魔女が化けた」なんて言ってましたね(笑。

は: では次は監督賞でございます。
ゆ: 去年はこれといった候補者が無くて困りましたが、今年は「西の魔女」の長崎俊一や社会派の名匠ケン・ローチをはじめとして差し上げたい監督がたくさんおられました。しかしやはり今回はこの方でしょう。

監督賞: スティーヴン・オカザキ (ヒロシマナガサキ

は: なるほど、日系三世アメリカ人のアカデミー賞受賞監督が25年の歳月をかけて完成させた入魂の作品でございますね。
ゆ: レビューでも書きましたが、DVDの監督インタビューを是非見ていただきたいです。以前当ブログでも日本人アメリカ移民の苦難を取り上げた事がありましたが、彼がアカデミー賞を受賞した作品は日系二世の男性と結婚し一緒に戦時中強制収容所に入った白人女性を追った「収容所の長い日々/日系人と結婚した白人女性」という作品だそうです。残念ながらこれがなかなか手に入りません、機会があれば是非観たいものです。

は: さて、いよいよ作品賞の発表でございます、果たして本年レビュー中最高の映画は何でございましょうかっ!!
ゆ: まあそうきばらんでも(^_^;)。では発表いたします。

作品賞: 「西の魔女が死んだ 」 

は: おおっ、意外にも佳作とはいえ小品でございますね。
ゆ: 確かにレビューした時点ではこれにする予感は全くなかったですね。もちろん客観的にみればもっと優れた映画があるのは分かっているんだけど、こうして選んでいると、今回に限っては今年やっと映画館に出かけることができるようになったものですから、

「本年公開で、映画館で見て、素直に涙を流した映画」

にしたくなったんだよね。
は: なるほど、分かる気がいたします、それにもちろん質においても優れた作品でございますし、文句のつけようもございませんでしょう。

は: では月ラプ版きいちご賞のトホホ賞の発表でございます。今年はやはり、0093サイボーグダーウィンあたりが本命でございましょうね!

トホホ賞: 相棒-劇場版-

は: おおっ、大変な興行収入をあげた今年の邦画大作ではないですか!?常々商業的な成功も大事な要素だとおっしゃっておられて、前半部や取り扱っているテーマなどは褒めておられましたが。。。
ゆ: まあ確かにそうなんだけど、期待が大きかっただけによくもまあここまで裏切ってくれたなという怒りの方がはるかに大きかったもんでね。詳しくはリンク先を参照していただけると幸いですが、チェスを使って犯人が仕掛けた謎、膨大な予算をかけたマラソンシーン、これらがことごとく事件の解決には何の関係も無かった、というオチを一体誰が考えついたのか。。。トホホ賞にはぴったりでしょう。これに比べりゃ0093もサイボーグもダーウィンも笑って楽しめますもん、良い映画ですよ(毒。

は: そう言えば、今年は「蒼井優布教強化年間」とかおっしゃってましたが、ついに蒼井優作品は一本も選ばれませんでしたね。
ゆ: まあ、自分のブログですから、依怙贔屓しても何の問題もないんですが、あくまでも私的感情抜きで客観的に選ぶと、こうなっちゃいますね。「Tokyo」はまだ観て無いんですが、ほんとあと一息というところだと思うんですけど、来年当たりあとワンステップ飛躍して欲しいです。

は: では最後に、功労賞を発表して終わりたいと思います。映画編を今日に持ってきたのはこういう理由でございました。

功労賞:

シネカノン神戸 (平成20年12月20日、本日閉館
緒形拳 (平成20年10月5日ご逝去)

ゆ&は: 長年の映画界への貢献本当にありがとうございました。ゆっくりお休みください。

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2008/06/11

水野晴郎氏を悼む

 映画評論家の水野晴郎氏が6月10日肝不全で亡くなられました。享年76歳、謹んでお悔やみ申し上げます。

 水野晴郎さん死去=映画評論家から監督にも挑戦( 時事通信)

 拙ブログでは「シベ超」をトホホ扱いしたりしてましたが、映画を一生愛し抜かれた事には深い敬意を抱いていました。リンク先をみていただければお分かりになると思いますが、洋画の邦題作成に関しては、題名だけでヒットさせる独特のセンスをお持ちでした。「史上最大の作戦」の他にも

「 ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!」
「真夜中のカーボーイ」
「華麗なる賭け」
「007/危機一発」(髪を発にしたのは故意にです)

などがありました。

 私が一番最近お姿をおみかけしたのは、これもトホホ映画で、最近レビューした「0093 女王陛下の草刈正雄」の中ででした。そのレビューを今読み返してみると、こんなくだりがありました。

『は: あの!、究極のトホホ映画「シベリア超特急」の水野晴郎さんもお約束の如く顔を出されてますし。
ゆ: 老けたねえ、水野さん、痛々しいくらいに。』

 今思えば映画を愛し抜いていたからこそ病気を押して出ておられたんでしょうね(涙。ご冥福をお祈りします。

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2008/04/10

ゲド戦記:まとめ

シュナの旅 (アニメージュ文庫 (B‐001))
 過去5回の記事において、ル=グイン女史の「Earthsea Quartet(通称ゲド戦記四部作)」と、ジブリ映画「ゲド戦記」について検討してきました。

 まず映画・ゲド戦記にあまりにもキャラクターやストーリーの無断の変更が多く、著者が不満(憤懣)を持っている事を最大の瑕疵として指摘しましたが、詳細はル=グイン女史が公式にコメント(和訳をリンクしておきます)されていますのでご参照ください。簡単にまとめますと

1:宮崎駿氏に監督して欲しい
2:キャラクターやストーリーを変えないでほしい
3:第一話と二話の間の時期を利用した新しい物語を作る事を宮崎駿氏にならば許可する

というオファーをことごとく裏切られた事はまことに遺憾である、という事になります。

 怒るのもごく当然だと思いますが、交渉責任者のプロデューサー鈴木敏夫、責任を持つと言いながら投げだしてしまいしかもその後引退を撤回して女史を憤慨させた宮崎駿は彼女の公式コメントを見てどう思ったのでしょうか?事実ならこの二人はル=グイン女史に公式に謝罪を表明すべきであったと思います。

 ル=グイン女史が映画を見終わった後、そのような怒りをこらえて宮崎吾朗に答えた

「ええ、あれはわたしの本ではなく、あなたの映画です。いい映画でした」

というコメントにこめられた彼女の最大限の忍耐には感服します。

 この情報を得た時点で、もうこの映画は見ない、と決意した原作ファンも多かったと思います。もちろんそれも一つの見識だと思います。そのようなジブリ首脳陣の「裏切りの作品」である事は承知の上で、本ブログでは「宮崎吾朗の初監督作品であるゲド戦記」が「いい映画でした」かどうかを、総論一回各論三回に渡って検討してきたわけですが、ゲド戦記三部作ファンであった私の結論としては

「できの悪い映画である。しかし新人監督としては合格レベルである」

と評価します。私の感じた映画の長所と短所をここでもう一度整理して箇条書きにしてみます。

長所:
1: ジブリの観客層が広く子供も観る事を考えれば脚本並びに背景・動物デザインはまずまず合格点レベルである。
2: ホートタウンの描写は美しい。
3: テナーのキャラクターデザインは合格点である。声優(風吹ジュン)は合格レベル。
4: クモのキャラクターデザインは良い。声優(田中裕子)も良い。
5: ドラゴンの共食いシーンはスペクタクルシーンとしては合格点である。
6: テナーの竜への変身シーンは美しい。

短所:
1: 原作者が四話各々に込めたテーマを無視し、シュナの旅の少年少女の成長物語にテーマをすりかえている。
2: アースシー世界の地図を無視し、ゴント、ワトホート、セリダーを一つの島にしてしまっている。
3: 世界の均衡が崩れているという設定を流用しながら説明が不十分であり、クモ殺しで解決するわけでもない。
4: 影との戦いをゲドからアレンに変えた事によりその意義が変質している。
5: アレンの父殺しという無理無要の設定を設けた上その説明に説得力がない。父の宮崎駿へのあてつけとさえ思えてしまう。
6: アレンのキャラクターデザイン、声優(岡田准一)は不合格点レベル。
7: ゲドの影との戦いをアレンに置き換えておきながら、影に負わされた傷が顔にあるのは矛盾している、声優(菅原文太)も満足できるレベルではない。
8: テルーのキャラクターデザインはジブリそのものという感じで原作とは大きく異なるし言動も納得できない、声優(手嶌葵)は素人レベル。

 一昔前の某関西球団のように、人気はあるがお家騒動で内情はガタガタのチームにおいて新人投手が6勝8敗の成績ならまずまず合格点ではないでしょうか。まあ冗談はともかく、この作品に感動し力づけられたという人も多くいる事は事実ですので、それは評価してあげないといけないと思います。

 ところが一番励ましてあげないといけないはずの父親宮崎駿が映画にダメ出ししてまた現場復帰するという事が結局この作品を一番不幸にしていると思います。早い話が自らがル=グイン女史の提案を全面的に受け入れて作っていれば、何ら批判される事のない作品が出来たはずです。彼には猛省して貰いたい、と思いますが、もう次の作品に没頭しているようですね。やれやれ、ぽにょぽにょ。

 と、やや締まりのないまとめになってしまいましたが、永らくのおつき合いありがとうございました。原作ファンの方も興味が少しでも湧けばレンタルで観てみて下さい。そして映画だけしかご存知ない方は、何をそこまでこだわっているのだろうと訝しがられていると思いますが、図書館に行けば児童書コーナーにおいてあると思いますので是非手にとってみて下さい。

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2008/04/03

ゲド戦記四部作 /Ursula Le Guin

The Earthsea Quartet (Puffin Books) (Earthsea#1-4)ゲド戦記
(左:The Earthsea Quartet(Penguin Books), 右:映画ゲド戦記(DVD))
 ちょっと古い話になりますが第三回文春きいちご賞第一位はスタジオジブリのアニメーション映画「ゲド戦記」でした。その記事を書いた時には「まだ見てないので個人的にはコメントを差し控える」と書きました。実はその映画を昨年体調不良でブログを休止している頃に観ておりました。確かに出来の悪い映画ではありましたが、一つだけ解せなかったのが何故宮崎吾朗監督ばかりが叩かれているのか(それも父にまで)と言うことでした。

 まず私が感じた映画ゲド戦記の欠点を挙げてみます。

1: 原作者ル=グインをも怒らせるほど原作を改竄した
2: 声優が下手すぎる
3: 主題歌があざとい
4: 作画能力が落ちている
5: キャラクターデザインがマンネリ

2、3、5に関してはスタジオジブリの長期的な構造的欠陥であり、責任はこの路線を推し進めてきた鈴木敏夫プロデューサーにあると思います。4は制作費抑制のため海外に作画をアウトソーシングするというアニメ界全体の構造的問題でしょう。

 問題は1です。まず原作者ル=グイン女史との交渉はプロデューサーの責任だと思いますし、映画のエンドロールでは原案は父でジブリの顔である宮崎駿の「シュナの旅」であると明記されています。これだけの制約を受けて息子吾郎は一体何が出来たと言うのでしょう、ずばり鈴木敏夫と宮崎駿の責任ではないでしょうか?その責任を取ったのかどうかは知りませんが、鈴木敏夫は先日代表取締役を辞任しています。

 さてこれだけのことを書く以上原作をちゃんと知っているべきなのですが、残念ながら30年近く前の古い記憶しかなく、映画を観ても原作を十分に思い出す事が出来ませんでした。その事がずっとひっかかっていたのですが、去年の年末「Breakfast at Tiffany's」を読み終わった頃、本屋で次の英語ペーパーバックを物色していて偶然「The Earthsea Quartet」が目に入りました。これも何かの縁だと思い購入して年末から読み始めていましたが、何せ4本の小説がセットになっており700P近くあるもので正直大変でしたが、先日ようやく読み終わりました。

 私が映画を観て原作のストーリーをよく思い出せなかった最大の理由、それは第四部にありました。私の場合1970年台に読んだわけですが、実はその頃は「ゲド戦記三部作」だったのです。もちろんそれすら忘れていたわけですが(^_^;)。四編の題名を列記してみますと

第一部: The Wizard Of Earthsea(1968) 影との戦い(1976)
第二部: The Tombs Of Atuan(1971) 壊れた腕輪(1976)
第三部: The Farthest Shore(1972) さいはての島へ(1977)
第四部: Tehanu(1990)  帰還(1993)

私が全く知らなかった第四部が映画の舞台であり、それに一~三部の美味しいところをつまみ食い的に採用し、更には原作には全くない設定も加えられているため、私を含め往年のゲド戦記ファンにはかなり奇妙に思える映画が出来上がってしまったわけですね。

 ただ、それにしてもきちいご賞一位を取るような映画ではないと思いますし、宮崎吾郎の悪評はひどすぎる気がします。ゆうはむ映画レビューは面白おかしくがモットーではありますが、雰囲気や伝聞だけでけなす事はしないということを心がけているつもりです。そこでこれからしばらくの間、この原作を検証してみることにしました。興味の無い方には退屈かもしれませんがしばらくお付き合いくださいませ。

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2008/03/09

1000年女王、そして超個人的祝祭

1000yqueen_3
1000年女王【劇場版】
1000年女王【劇場版】
はむちぃ: や、やっぱり、、、(--〆)
ゆうけい: 何がやっぱりだい、はむちぃ君?
は: 何がじゃございませんよ、銀河鉄道999の次に期待を持たせといて1000年女王とはあんまりにも安直な、トホホ。
ゆ: そうではないぞよ、はむちぃ君、実はこれには深いわけがあるのじゃ。

は: ほんとですか?(;一_一)
ゆ: ほんまやで~(桂三枝調もしくはサブロー風)、しっかりもののはむちぃ君が気づかないとは残念じゃ、まあ無理もない、君がこのブログに参加したのは途中からだったからねえ。
は: えっ、ひょっとして今回が、、、
ゆ: そうなのだ、この記事をもってついに念願の

1000記事達成scissors

なのだ~。
は: おおっ、初めての最大フォント&絵文字導入おめでとうございますっ!
ゆ: をい、なんか勘違いしてないか(;一_一)?
は: わかっておりますよ、それで前記事が999番目で「銀河鉄道999」、本記事が「1000年女王」なのでございますね、おめでとうございます。思えば長い道のりでございました。

ゆ: ブログを始めた頃に、一体幾つくらいの記事をかけるんだろう、1000までいくかなあと漠然と思っていたんだよね。
は: あの頃はブログの容量も少のうございましたしね。
ゆ: 途中からはニフティも容量をガバチョと増やしたし、個人的にもコースも変更したしで、一杯になる心配は無くなりました。でも頑張っても年間300くらいが精一杯、3年以上こんなこと続けられるんだろうかと、実現するかどうかも分からないはるか先の事のように思っていましたね。
は: 半年位してのことでございますが、

私メが助けに入り

長期継続モードの軌道に乗ったと自負しております(*^_^*)。それでも何度か

「もうダメ、やめよかな」

とおっしゃってましたね、特に去年の夏の体調不良による一旦中止宣言あたりが最大の危機でございましたね。
ゆ: あの時にはついに1000記事達成の夢潰えたかと落ち込みました(ToT)、常連の方々の暖かい励ましあってこそ再開できたと感謝しております。

ゆうけいさんはともかくはむちぃ君がかわいそうだ

と言う励ましもございましたが(--〆)。
は: まあまあ(^_^;)、とにもかくにも夢の達成はおめでたいことでございますね。
ゆ: 自分でスパークリング・ジュースででも祝うことにしようかのう(笑。

1000yqueen2は: ところで1000年女王に戻りますが、これもまた松本零士様の映画版アニメでございますね。
ゆ: 松本先生の宇宙サーガの中心人物の一人ラー・アンドロメダ・プロメシュームを巡る物語として銀河鉄道999とリンクしているのですが、正直言ってあまり良くストーリーは覚えてません(^_^;)、まあ二世だから別人、別物語なんだと思えばいいんですが。とにかく、

「関東平野大のUFOが関東平野をぶっ壊して飛翔しても」
「ラーメタル星と地球の大気が融合するくらい近づいても」

地球が壊れなかった奇跡的物語と言う印象しかないですなあ(笑。
は: た、確かに今から考えると荒唐無稽でございますね、

「クレオパトラや楊貴妃も1000年女王だった」

と言う設定もあったような気がいたします(苦笑。ところで写真はオリジナル・サウンドトラックでございますね、何やかや言いながら結構お気に入りだったんでございますね(;一_一)。
ゆ: ま、まあ、若気の至りということで(大汗。でも松本先生のイラストもあるし、CD化もされてないみたいだし、レア物かもよ。

は: 音楽担当は喜多郎様でございますね。
ゆ: ロックミュージシャンとしては限界を感じていた喜多郎がタンジェリン・ドリームのクラウス・シュルツとの出会いを通じてシンセサイザーに活路を見出した頃ですね。
は: NHKの「シルクロード」の音楽を担当したのが1980年、その二年後の作品でございますね。
ゆ: だから殆ど区別がつきませんね(爆。ニール・セダカの娘が歌ったトホホな主題歌「星空のエンジェル・クイーン」を入れなかったのは正解ですけど。

は: なんと宇崎竜童様の作曲でございますね。ところでご主人様、質問なのですが、ブログ始めた頃から999、1000番目記事はこの二作品にしようと思っておられたんですか?
ゆ: イエスアイドゥー (by坂田利夫師匠)、アニメ好きの私が一切取り上げていなかったのはそういう深謀遠慮なのだ、わっはっは~(チ~ン(by髭男爵)
は: 深謀遠慮というにはベタ過ぎますよ、やっぱり関西お笑い系ブログでございます。皆様、今後ともよろしくお願いいたしますm(__)m。
ゆ: どこまで続くかは分かりませんが、同じくよろしくお願いいたしますm(__)m

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2008/03/08

銀河鉄道999、または祝祭前夜

銀河鉄道999 (劇場版)
はむちぃ: ようやく一息つかせていただきましたところをまたまた呼び出されて参りました(-"-)、はむちぃでございます。それにしてもまたなつかしいアニメ映画のレビューでございますね。
ゆうけい: まあまあはむちぃ君、そう嫌がらずにつきあってくれたまへ。「宇宙戦艦ヤマト」からガンダム・シリーズに至るSFアニメの黄金期を彩った名作の中の一本「銀河鉄道999」です。

『 松本零士の同名ヒット作を原作に、TVアニメ化に続いて1979年に製作・公開された、アニメブームの中心ともいえる劇場用長編アニメーション。
   母を殺した機械伯爵に復讐するため、そして永遠の命を手に入れるため、少年星野鉄郎は母に生き写しの謎の美女メーテルの協力を得て、遙か彼方のアンドロメダへと旅立つ。その先々に立ち寄る惑星で体験するさまざまな人間模様と出会いと別れ。やがて少年から大人へと成長していく姿を描くSFファンタジーアニメーションの傑作。キャプテン・ハーロックやエメラルダスといったキャラクターも登場し、各作品でしばしば語られるトチローの死も描かれ、松本零士の集大成的作品になっている。』

は: 「宇宙戦艦ヤマト」も松本零士様の作品でございますね。
ゆ: あれは難しいね(^_^;)。松本零士と西崎義展の間で泥沼の裁判沙汰が起こったことからもわかるように、元々の漫画原作と言うのが無いんだよね。
は: TVアニメ用に虫プロの方々や松本零士様が知恵を寄せ合ってお作りになったのでございますね。
ゆ: 松本先生は最初の時点では絵コンテ担当程度の役割だったみたいですね。映画版では監督をされていますが。
は: だから松本作品に共通する登場人物のオーバーラップというのがこのヤマト系列に関してだけはございませんね。
ゆ: そう言う意味では松本零士の壮大な宇宙サーガからは外れている作品なんですが、なんせ驚異的な大ヒットをしてしまったわ、西崎氏と言うのがかなり問題のある人物だったわで、松本先生としても権利を主張せざるを得なくなったようですね。まあ少なくとも森雪の造形は松本作品そのものですけどね(笑。

は: で、本題の「銀河鉄道999」でございますが、これは完全に松本先生の作品といってようございますね。
ゆ: これも元々はアニメ企画だったらしいんですが、1977年に取り敢えず少年キングに連載が先に始まったのでこれは完全に松本作品として良いでしょうね。キングと言えば常に五大漫画誌の最下位をひた走っていて、この頃は特に悲惨だったんですが、この作品の人気で少し持ち直したんじゃなかったですかね。
は: この作品の人気と「ヤマト」ブームでTVアニメ化更には映画化と至るのでございますね。

ゆ: 冒頭の解説にもありますように「宇宙海賊キャプテン・ハーロック」や「クイーン・エメラルダス」などと複雑にリンクしている壮大なサーガの中の一作なんですが、単体としての完成度・知名度・ヒット度、全てに於いて中核をなす作品と言って良いでしょうね。
は: この宇宙サーガは、後に「ニーベルングの指輪」にも例えておられますね。
ゆ: その際の中心はキャプテン・ハーロックに移っていくんですが、当時はキャプテン・ハーロック派とメーテル派が覇を競っておりましたねえ。

は: それくらい強烈な魅力がメーテル様にはございますね。
ゆ: 「メーテル」とは「」の意味だと良く解説されていますが、私は大学時代基礎ラテン語で「子宮」と習いました、何かそちらの方がしっくり来る気がしますね。
は: そりゃご主人様の学部の問題でございましょ(-.-)。
ゆ: まあそうなんだけど(^_^;)。それはともかく、漫画では結構ヌード・シーンが出てくるんだけど、アニメ化されると案の定全然出てこなくなったんでがっかりしたメーテリストは多かったんだよ(笑。ついでに言うとメーテルの声を池田昌子さんが担当したというのも素晴らしい選択でしたね。彼女のオードリー・ヘップバーンもすばらしいんですが、メーテルも代表作と言っていいでしょうね。

は: そんなこんなで松本先生の理想の女性なんでございましょうね。
ゆ: 全ては「男おいどん」の四畳半宇宙での妄想から始まっているんだけど、よくもまああの汚いサルマタケの生えてる四畳半からこんな宇宙的美女が産まれたもんですね(笑。
は: 男おいどんに関して言いますと、主人公の大山昇太(のぼった)様が宇宙サーガのトチローに該当するらしゅうございますね。
ゆ: 間違い無くそうですね、そしてイコール松本零士氏自身なんでしょう。

は: なにか星野鉄郎様の影が薄うございますが(^_^;)?
ゆ: 物語自体は鉄郎少年のビルドゥングス譚ですし、映画中ではトチローと重要な接点を持ちますし、とりあえず大活躍はするんですが、やっぱりメーテルに比べると影は薄いですね。声が野沢雅子というのも印象を薄くしますね、野沢さん色々やりすぎですから。
は: でも野沢さんと池田さんは未だに「メーテル」「鉄郎」と呼び合うくらい入れ込んでおられるという噂ですよ。
ゆ: 気色わる~(苦笑。

は: 最後に音楽でございますが、ゴダイゴの歌う主題歌も大ヒットいたしましたね。
ゆ: なつかしいね~、「ガンダーラ」「モンキー・マジック」と並ぶ彼等の代表作ですね。当時完璧な英語で歌えるロック・ボーカリストはタケカワユキヒデの他にはいませんでしたからとても斬新だったんですよ、これも時代を感じさせますね。
は: ジャニートゥザスタ~♪でございますね。

は: ところでご主人様、今更ながらどうしてこの作品をレビューされたので?
ゆ: ふおっほっほ~、当ててみてくれたまへ、はむちぃ君。
は: そうでございますね、私思いますに、先日リクエスト企画でジョバンニ・ミラバッシ様を取り上げたことに関係があるのかと。
ゆ: ほう、してその心は?
は: ジョバンニ→銀河鉄道の夜→銀河鉄道999、でございましょ。
ゆ: なるほど、感心したぞよ、でもブ~、メーテルを出したかっただけでした(^_^;)。
は: 。。。。。(-_-;)
ゆ: ウソウソ、それは次回の記事で明らかになるであろう、と予告しておきましょう。
は: なにか嫌な予感がいたしますが、皆様一応次回記事をお楽しみにお待ちくださいませ。

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2008/02/19

R-1グランプリ2008寸評

 恒例のR-1ぐらんぷり2008決勝が17日に行われました。もうネットでも活字でも結果が発表されてますので、ここで公表してもいいでしょう、なだき武二年連続優勝おめでとうございます。去年はディラン・マッケイ、今年は地のなだぎで優勝と実力が本物であることを証明しましたね。
 さて拙宅では家内と10点満点で点数をつけながら見ていました。その結果と実際の結果を比べつつ寸評してみましょう。

            私   家内                 実点数
COWCOW山田よし 3    1   4点(8位)   447点(8位)
世界のナベアツ   7    5   12点(4位)   469点(3位)
中山功太       7    7   14点(3位)    459点(4位)
なだぎ武        8    8   16点(2位)    474点(1位)
鳥居みゆき       2    4    6点(7位)    451点(5位)
あべこうじ       5    2    7点(6位)   454点(6位)
芋洗坂係長      9    9   18点(1位)   472点(2位)
土肥ポン太       5    5   10点(5位)  449点(7位)

COWCOW山田よし: よくこれで決勝に残ったなと言う紙芝居芸。本当の芸人なら「北の国から」を知らない人でさえも笑わせないといけないと思うのですが、私たち夫婦は全く笑えませんでした。

世界のナベアツ; 過去に類例が無く好き嫌いが極端に分かれる芸だと思いますが、落ち着いてちゃんと芸をこなしているところに地力を感じますし、既にTVに露出機会が多く手の内が知られているにもかかわらず、客を引き込んだ力量は認めないといけないでしょう、個人的には悪くないと思いました。

中山功太: 個人的には彼を前から応援しているんですが、こういう場で他を圧倒すると言うのは難しいですね。今回のネタは良かったと思います。

なだぎ武: 決勝進出者を見て一番に思ったのはこの中になだぎがいてはいかんだろうと言うことでした。ディランをやらなくても彼と他の七人では実力が違いすぎます。高校野球に日ハムのダルビッシュが戻ってきて投げているような気がしました。今回の文化祭ネタは既に何度か見ているので我が家の採点では2位に甘んじましたが(笑、まあ優勝は当然でしょうね。

鳥居みゆき: 実は期待してたんですが、やっぱり駄目でしたね。完全にあがってしまっていて芸が上滑りしていたのが目についてしまい低い採点になりました。密室芸人と言われていますが、こういう場でもちゃんと芸をこなしてこそ評価の対象になると思います。そういう意味で、世界のナベアツと違ってまだ地力が足りないなと思いました。

あべこうじ: この人も常連になってきてしゃべりは達者なんですが、強力なつかみに欠けるのでこの成績も仕方ないかなと思います。

芋洗坂係長: 今回一番インパクトがありました。先程なだぎをダルビッシュに例えましたが、高校野球にも中田翔がいましたね(^_^;)。あのメタボ体型でいきなりBoAの振り付けで度肝を抜くあたりは見事。究極の宴会芸といってしまえばそれまでですが、会場を巻き込んだ分なだぎに勝ったと思いましたが、惜しくも金星を逃しました。彼にはこれからも挑戦し続けてもらいたい、心筋梗塞と脳卒中には十分気をつけてください(笑。

土肥ポン太: 関西では野菜王子(八百屋と二足の鞋をはいています)としてそれなりのポジションを獲得はしているのですが、こういう場で勝負できる芸の力は残念ながらないですね。くじ運の悪さを気の毒がられてましたが、まあそれじゃいつまで経っても優勝できんでしょう。

 以上、芋洗坂係長を全国区にしたことで今回のグランプリの意義はあったんではないでしょうか。

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2007/12/25

今年を振り返る(4)映画編

Ilsol
はむちぃ: 皆様メリー・クリスマス、はむちぃでございます。
ゆうけい: メリー・クリスマス、Mr.ローレンス(違、ゆうけいでございます。
は: たけし様じゃないんですから(ーー;)、ということで「今年を振り返る」第四弾は恒例の映画編でございます。まずは記事をリストアップしてみましょう。

ティファニーで朝食を:12/05
ナイトミュージアム:11/09
ハッピーフィート:09/27
パプリカ :05/26
フラガール:04/12
太陽:04/04
地下鉄(メトロ)に乗って:04/01
ゆれる :03/27
カポーティ:03/17
エド・ウッド:02/20
ディパーテッド:02/19
墨攻:02/05
日本以外全部沈没:02/04
日本沈没:01/31
第3回文春きいちご賞:01/24
僕の大事なコレクション:01/24
玲玲の電影日記 :01/11
リバティーン:01/07

見事に今年前半に集中しております。
ゆ: 後半は観るのもしんどくなりましたからな。
は: 今でもでございますか?
ゆ: 今でも感動するものや興奮するもの、激しい画面などを見るとしんどくなりますのでライトな映画しかダメですね(涙。

は: という事で上記のノミネート作品から、月ラプ恒例のアカデミー賞発表に参りましょう。まずは功労賞からお願いいたします。
ゆ: じゃ~ん、

功労賞: ミッキー・ルーニー 「ティファニーで朝食を」「ナイト・ミュージアム」

もう87歳におなりですが、「ナイト・ミュージアム」で元気なお姿を拝見し感慨深いものがありました。
は: ご主人様が映画に熱中されておられた70年代に既に性格俳優として名声を確立されておられた方でございますものね。「ティファニーで朝食を」の日本人役は日本人から見るとトホホでございますが(苦笑。
ゆ: 当時の日本人観を忠実に再現したんでしょうな(笑。

は: では、主演女優賞をお願いいたします。今年は正直なところ本命不在のような気がいたします。
ゆ: 全くですね、まあこの中から選ぶとすればこの人しかいないでしょう、

主演女優賞: 蒼井 優 「フラガール」

は: ご主人様一押しの日本人女優でございますね。
ゆ: ちょっと売れすぎて過労が心配なくらいです。年賀状なんか刷っとらんとちゃんと休みなさいよ。

は: 次は主演男優賞でございますが、これは多士済々です。ご主人様の嗜好からしますとジョニー・デップ様が本命でございますが、アンディ・ラウ様、イライジャ・ウッド様、フィリップ・シーモア・ホフマン様などなど、何れ劣らぬ名演でございましたが。
ゆ: 本当にこれは甲乙つけがたいですね。客観的に観れば本物のオスカーを獲得した「カポーティ」のフィリップ・シーモア・ホフマンだとは思いますが、

主演男優賞: イッセー尾形 「太陽」

は: おおっ、男女とも日本人は初めてですね!
ゆ: 日本人にとってタブーに近い最も難しい役柄を演じきったところを評価したいですね。

は: では監督賞をお願いいたします。
ゆ: これも難しいですね。

最優秀監督賞: シャオ・チアン 「玲玲の電影日記」

は: なるほど、中国の若い才能でございますね。
ゆ: この人や「ゆれる」の西川美和監督など女性の進出が映画界を活性化させているのは映画ファンとして心強いです。

は: ではいよいよ作品賞でございます。まさか去年の「ホテル・ルワンダ」のような反則は無いでしょうね(;一_一)?
ゆ: ぎくっっ、「ラスト・キング・オブ・スコットランド」はダメ?
は: 当然でございます。それに「えげつな~(岡八郎師匠)」と言って寝込まれたじゃありませんか(怒!
ゆ: へえ~、では発表させていただきますだ。

最優秀作品賞: デパーテッド

は: こ、これはアカデミー賞そのまんま。。。(呆
ゆ: スマソ、まあリメークとしては良くできてたし、マーチン・スコセッシ監督の悲願も達成されたし、お祝いを兼ねてということで。。。(^_^;)

は: では、月ラプ流きいちご賞のトホホ映画賞を最後にお願いいたします。
ゆ: 皆さん当然ジャパン・ドボンか、ドボン・エクセプト・フォー・ジャパンだと思うでしょ。
は: 違うのでございますか?
ゆ: そのあたりじゃあまりにも当たり前すぎて去年の「尻怪獣アスラ」ほどのインパクトが無いじゃありませんか。
は: た、確かに(・・)、でも他にございますか?まさか下渡千期などというフェイクではございませんでしょうね(;一_一)?
ゆ: それはフェイクじゃなくて「第3回文春きいちご賞:01/24」にあるじゃあ~あ~りませんか(チャーリー浜風)。確かにレビューしてない映画なんだけど、する気にもならなかったということで、

トホホ賞: 「デスノート前編」「デスノート the last name」

こんな学芸会以下の幼稚園のお遊戯のような映画を作ってるようじゃあ日本映画は永遠に救われませんね。
は: 「デビルマン」に負けず劣らずのトホホ度のようでございますね、では今日はこの辺で失礼いたします。皆様素敵なクリスマスを!

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2007/12/05

ティファニーで朝食を

ティファニーで朝食を
はむちぃ: これはまた古い映画でございますね、「ティファニーで朝食を」でございますか。ご主人様の学生時代の憧れの大スター、オードリー・ヘップバーン様の代表作の一つでもございます。
ゆうけい: そうそう、時代の変化もあるけれど、オードリーほどの女優はもう二度と出ないだろうなあ、と思うね。

『  舞台はNY。宝石店ティファニーに憧れ、ショーウインドーの前でパンをかじるのが大好きなコールガールは、人なつこくてかわいい女性。同じアパートに越してきた青年作家は、そんな彼女に次第にひかれていくが、彼女には秘密があった…。
   コールガールを演じても下品にならない、オードリー・ヘップバーンのキュートでエレガントな魅力が絶品だ。ジョージ・ペパードも、いかにも人のよさそうな好青年ぶりで、ヒロインに振り回される役がピッタリだ。原作はトルーマン・カポーティ、監督は『ピンクパンサー』シリーズでおなじみのブレイク・エドワーズ。エドワーズ監督の軽妙なタッチと、オードリーの都会の妖精のような、ふんわりとした軽やかさがマッチした、心地よいラブストーリーだ。(斎藤香、AMAZON解説より)』

は: で、またなんで今頃ご覧になったので?
ゆ: 話せば長いことながら、
は: 聞けば短い物語。
ゆ: かどうかはわからんが、以前の「冷血」の記事以来、私がトルーマン・カポーティを読んでいたことは知っておろう?
は: はいはい、カポーティ様の伝記でございますね、随分前からョコチョコとお読みになっておられましたが、やっと読み終えられましたか。
ゆ: 伝記というか証言集なんで、そうそう一気に読むもんでもなかったんでちびちび楽しみました。
は: 文庫本2冊分ちびちび楽しむのも結構大変でございましょう。
ゆ: まあね、でも映画も観てたし、トルーマン自身のことからアメリカと言う国の病理まで色々と発見があって面白かったです。先日亡くなったノーマン・メイラーカート・ヴォネガットなんかも頻繁に出てきますし。

は: で、カポーティ様の実像はいかがなもので?
ゆ: 本人も言うとおり、やっぱり

「ホモでアル中でヤク中で天才」

だったんだねえ。
は: 映画「カポーティ」でフィリップ・シーモア・ホフマン様が演じられたそのままでございますね。

ティファニーで朝食を―Breakfast at Tiffany’s 【講談社英語文庫】
ゆ: そうそう、でね、その天才の文章を読んでみようと思ったわけだ。となると簡単に本屋で手に入るのって「Breakfast at Tiffany's」しかないんだよ。
は: おもいっきりオードリー様を意識した表紙でございますね(^_^;)。
ゆ: 私も本屋で手に取ってドン引きしました(^.^)。でもね、内容は素晴らしかったよ。彼が目指したプルーストほどの思想性は無いし、フィッツジェラルドほどの美文でも無いけれど、ストーリーテリングとしては完璧で読み始めたら止められない魅力がありました。
は: ウィットや諧謔が持ち味との事でございますが、センスの古さは感じませんでしたか?
ゆ: 差別用語がバンバン出てくるあたりは時代を感じるけれど、文章としては今でも瑞々しさが失われていませんね。アパートの表札の名前が

「 Miss Holiday Golightly, Traveling 」

なんてスピーキング・ネームぽい上に軽やかな韻を踏んでいたり、麻薬密売容疑で仮釈放された後南米へトンズラした際の新聞の見出しに

TOMATO'S TOMATO MISSING」(Tomatoはマフィアのボスの名前)

なんてしゃれを効かせてたりね。伝記を読んだ後だから、脂の乗り切った時期の彼があの部屋でニヤニヤしながら智恵を絞ってたんだろうなあ、なんて想像できるんで余計に面白かったよ。

は: お名前は「休日に楽しく旅行に出かけるお嬢さん」みたいな感じで粋を感じますね。それでついでに映画も観てみようと言うことに?
ゆ: と言うことでもないと言うか逆と言うか、話せば長いことながら、
は: ほんとに長くなってまいりましたね(^_^;)
ゆ: これだけ完璧なプロットを勿体無い事に映画ではかなり崩してあるんだ。カポーティはこの映画に全く関与していないんだけど、見た途端、椅子からずり落ちたらしいよ(笑。
は: と言うことは久しぶりのトホホ映画で(苦笑?
ゆ: それがそんなひどい映画だったと言う思い出が無いんだよね、それが不思議でもう一度確認の為に見てみたというわけさ。
は: で、いかがでございました?
ゆ: やっぱり原作を味わってから見るとひどいな(-_-;)、

カポーティと一揉めしたジョージ・アクセルロッドの脚本は笑ってしまうくらいひどいし、

ジャック・クレイトンはやっぱり二流監督だし、

相手役のジョージ・ペパードはイモだし、

ナイト・ミュージアムにも出てたミッキー・ルーニーの日本人役は噴飯モノだし。

は: これだけ長い前振りの後でやっと出てきたと思ったら、改行してまでボロクソに言われる映画もちょっと可哀相でございますね(^_^;)、これでなんでトホホ系じゃないんでございます?
ゆ: ひとえにオードリー・ヘップバーンの魅力、それが全ての欠点をカバーしてお釣りが来て名作になったんだと言うことが良く分かりました。それとジョニー・マーサー&ヘンリー・マンシーニの「Moon River」の功績も大きいですね。
は: カポーティ様はマリリン・モンロー様をイメージしてお書きになったそうでございますね。
ゆ: その点だけはジャック・クレイトンの選択のほうが正しかったね。モンローのような肉感的美人だと娼婦と言う役柄が生々しすぎて、当時の世相から言うと総すかんを食ってたかもしれません。小説自体が最初「ハーパース・バザー」から掲載を断られたくらいだからね。オードリーのようなスキニーで知的でユニセックス的な女優だからこそ、まだ女性の道徳観の厳しかった世間から受け入れられたんでしょう。

は: 長くなりついでにもう一つ伺いたいんですが。
ゆ: 毒を食らえば皿までじゃ、何でも申すが良いぞ(~o~)。
は: ご主人様は映画を見た後、小説もお読みになったんでございましょ?
ゆ: イエスアイドゥー(坂田利夫師匠)
は: 最後の最後に我慢しきれずに吉本ギャグを(嘆息、DIDでございましょ。で、その時はカポーティ様の凄さにピンと来なかったのでございますか?
ゆ: そうなんだよね~、「何じゃこの小説は?」位の印象しか残ってないんだよね。
は: それはまたどうしてでございましょう?
ゆ: 翻訳の問題だと思いますね。私が読んだ30年位前でさえ翻訳が古かったんだよ、ホリーの台詞が関東の置屋の女将みたいな物言いだと思った記憶があるもん。村上春樹氏が言ってたけど、原作がいくらエバーグリーンな名作でもその翻訳には旬があるんだな。
は: 新訳が望まれますね。
ゆ: 村上氏とか、柴田氏とかがやってくれないもんかね。三億円でも当ててうまく隠居できたら東大の大学院にもぐりこんでわしが手伝ってもいいぞよ(笑。
は: またまた偉そうに(ー_ー)!!、ではでは長くなってしまいました映画レビュー(かしらん?)、これにて終了でございます。

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2007/11/09

ナイトミュージアム

ナイト ミュージアム
はむちぃ: おや、まだ映画を見るのはまだ無理とおっしゃってたのでは?
ゆうけい: イエスアイドゥ~。
は: 坂田利夫師匠ですかあんたは、それに英語でイエスだと意味が逆になるのではござませんか(-.-)。
ゆ: まこと、英語で一番難しいのはイエスとノーでございますな。まあ、見たい映画はいっぱいあるので、とりあえずリハビリを兼ねてお気楽な映画を選んでみますた。
は: と言うわけで昨年末公開されたアクションアドベンチャー系コメディ「ナイトミュージアム」でございます。

『何をやってもうまくいかないバツイチの失業男ラリー。別れた妻の再婚にとまどう彼にとって、離れて暮らす最愛の息子との接点を失うのは堪え難いことだった。息子を失望させないためにも職探しに奔走する彼は、自然史博物館で夜警の仕事に就く。恐竜の骨や動物のはく製、太古の彫刻、ジオラマや人形が並ぶ、そこは夜のとばりが降りると、もう一つの顔を覗かせる。そう、これらが生命を宿らせ、館内狭しと動き出すのだ! とどまるところを知らない混乱に、ラリーは唖然・呆然とするばかり。その上、この博物館ではある怪しい計画が密かに進行していた。ラリーはこの混乱を収め、博物館を守ることができるのか!?』(AMAZON解説より)

ゆ: いやあ、その筋やブログのお仲間の中でも悪評プンプンだったので心配してましたが、意外に面白かったです。どういうわけかニューヨークの冬景色をバックにしたコメディって雰囲気が良いよね。
は: 自然史博物館というところに着目したのも面白かったですよね。
ゆ: たしかサリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」にも出てきた気がするんだけど、その陰鬱な雰囲気とは180度違う方向に持っていきましたね。
ゆ: 登場するキャラがステレオタイプといえばステレオタイプでございますが。
は: まあ子供には歴史の勉強にもなるし、大人にはにやっとするようなエスプリも散らばらせてあるし、いいんじゃないすかね。西洋人のフン族に対する相変わらずの扱いや、歴史の浅いアメリカ白人のコンプレックスの根深さが嫌味といえば嫌味ですが(苦笑。まあそんな難しいことを考えなければ、個人的にはモアイ像が一番好みでしたね、

ダムダ~ム!」

は: 「ガムガーム」(笑。
ゆ: ナイスフォロー、ハムハーム!(^o^)/。それにしてもあの風船ガム誰がどうやって取ったんだろう(笑。
は: 私はティラノザウルスの骨格標本のレクシー君に親しみが持てました(^_^.)
ゆ: 恐ろしげに登場して子犬みたいですからな(^。^)、最後には雪のNYを爆走するし。でも雪上の足跡、骨の足跡には見えなかったな(笑。

は: 映画製作面での見所はいかがでございましょう?
ゆ: 新進気鋭のコメディアン、ベン・スティラーが、名コメディアンや名バイプレーヤーのロビン・ウィリアムスミッキー・ルーニーディック・ヴァン・ダイク等と競演しているところですな。キャスティングの妙でうまく役どころを振り分けていました。
は: 所謂新旧対決ですね。ロビン・ウィリアムス様など、当然主役を張れる名優でございますが。
ゆ: 正直なところ彼が主役をやると良い人過ぎる面が強調されすぎて食傷気味ですので、今回くらいの脇役に徹してもらったほうが良いですね。それにしてもミッキー・ルーニーなんてエリザベス・テーラージュディー・ガーランドオードリー・ヘップバーンなんていう往年の大女優の映画に出てた人ですよ、おまけに最初の奥さんはエバ・ガードナーですからな、長い芸歴でいまだにお達者です。
は: 今回もベン・スティラー相手に達者なボクシングを見せてました。
ゆ: アメリカの映画ファンはあの当たりに大喜びするんでしょうねアメリカの森光子と呼んであげましょう。

は: またまた偉そうに(ーー;)。そう言えばベン・スティラーの盟友、オーウェン・ウィルソン様もチョイ役ではありますが出演されてましたね。
ゆ: そうそう、友情出演なんでしょうけど、この映画では元気にやってますね。とても実生活で自殺騒動を起こした人には見えません、まあ折角生き返ったんですから、頑張ってほしいもんです。
は: と言うわけで、単純に楽しむもよし、各キャラのキャスティングを楽しむもよし、でございます。仕掛けいっぱいのホームページ(冒頭リンク)もまだ閉鎖されておりませんので楽しんでくださいませ。

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2007/10/24

もやしもんTV放映開始

Moody
(トリコイデス(黒カビ)の吹き替えに挑戦中のムーディ勝山)

 や~っと関西でも「もやしもん」のアニメ放映が開始されました。と言っても深夜の放映、なんでや~。携帯にぶら下げているオリゼー君フィギュア、

  「秋になったら必ず流行るよ~ん」

と宣伝しまくっていたのに。まあ、大流行は無理かな(苦笑。

 冗談はともかく、早速一回目を録画して見ました。主題歌のバックに流れる実写とCGを組み合わせた菌達はなかなかキュートです(^o^)。登場人物の造形はやや原作と変わっていて違和感がありますが、まあそのうち慣れるでしょう。まあ主人公は菌ですから(爆。しかしまあなんですねえ(コエピョン風)、アニメになると発酵食物(今回はアザラシの死体に海鳥を埋め込んだキビアック)の臭さがリアルすぎます(笑。とりあえず次回以降も録画して楽しむことにしましょう。

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2007/10/23

寛平ちゃん祭り2007

Kanpei

 関西の秋の風物詩と言えば「寛平ちゃん祭り」です(嘘。と言うわけで21日の日曜日、大阪朝日放送で新喜劇のパートが放送されましたので録画して夜ゆっくりと観賞させていただきました。いやあ腹の底から笑わせていただきました(^O^)。

 間寛平の交友関係と言えばさんまちゃん、村上ショージさん等がすぐに思い浮かびますが、彼らはおそらくトークショウの形で出演したものと思われます。放送された寛平ちゃん祭りは吉本新喜劇のパートですので、新喜劇の面々が中心でそれに次から次へとゲストを参加させていく形式になっています。今回も豪華ゲスト(か?)が次々と登場。 その面々は、

中川家、中山きんに君、波田陽区、Mrオクレ、笑い飯、はりせんぼん、坂田利夫、山崎邦正、サバンナ、なだぎ、友近、ほんこん、たむけん、トミーズ健、そして今回初登場のナイトスクープつながりのルー大柴。

寛平ちゃんの交友の広さはさすがですね。この中では個人的にはやっぱりサバンナが好きです。犬井ヒロシの「哀しい男のブルース」は最高。今回のターゲットは新喜劇新座長の川畑泰史でした。 内容はこんな感じでした。
「昭和42年京都生まれ、苦労して苦労して苦労して苦労してやっと40歳で新座長になって~、これでやっと給料も上がると思ったらこれが全然あがらへんで、嫁さんがマンションのベランダでカブトムシ育てる内職をしている男のブルース、カブトムシを600円で売ろうが、700円で売ろうが、、、自由だぁ~!!、、、家計はかすかすやけど、顔はパンパンやな」

ううっ、涙無くして聞けません(爆。 川畑の狼狽振りも愛嬌があって見ていて楽しいです。ついでに言っきますとサバンナの相方八木の一発ギャグの滑りっぷりも堂に入ってきました(笑。ブラジルの皆さん、聞こえますか~(地面に向かって叫ぶ)(^^;)?

 しかしやはり寛平ちゃんとの絡みといえばなんといっても池乃めだか師匠と辻本茂雄でしょう。今回はめだか対寛平の対決に辻本が場を譲って退場してしまうという粋な見せ場もありました。でもってその対決ときたら、、、抱腹絶倒。倫理コードにひっかかるので書けません(爆。

 個人的には寛平ちゃんの素のボケに徹底的に突っ込んでいく辻本の方が好きなんですが、今回は辻本がベビーフェース的な役柄だったので無くて残念。と思ってたら最後の最後にやってくれました。やっぱり辻本最高。

 あと、関西以外の人には馴染みが無いと思いますが新喜劇の安尾信乃助も安定して笑いを取れるようになりました。ぼけまくりキャラなんですが、持ちネタの中でも挨拶が面白いんです。入場してきて

安尾「お邪魔します、か?」
相手「かはいらんね、かは!」
安尾「じゃあ、あなたが寛平さんです。」
相手「そこはいるやろ、そこは!」
安尾「では、私は安尾といいます、か?」

これだけで十分面白いですが、 「お邪魔する、かも」、なんていうバリエーションもあります。ちなみにこの人、NSC7期生で雨上がり決死隊やなるみと同期の苦労人です。今回は新座長の川畑と二人のコンビでしたが息はぴったり、寛平ちゃんに

「おまえらまだそれやっとんのか?」

と突っ込まれてましたが、新喜劇の名物としてこれからもやり続けてほしいです。

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2007/09/27

ハッピーフィート

ハッピー フィート
 ピクサーの「カーズ」を抑えてアカデミー長編アニメーション映画賞を獲得した「ハッピーフィート」をようやく観ました。

『皇帝ペンギンの世界は歌が命。歌で心を伝えられなければ、一人前の大人にはなれない。音痴な上に、タップダンスが上手という困った皇帝ペンギンのマンブルは、当然のようにエンペラー帝国から追放されてしまう。ひとりぼっちで未知の世界に飛び出すことになったマンブルは、ひょんなことからアデリー・ペンギンの5人組“アミーゴス”、そしてロックのカリスマ、ラブレイスと出会い、次第に自信とリズムを取り戻していく。踊る皇帝ペンギン、マンブルが繰り広げる、自分探しの大冒険が今始まる!』(AMAZON解説より)

 皇帝ペンギンを主人公としたフルCGアニメなんですが、いつだったか映画館で予告編を見て、次世代ディスクの時代到来を思わせる恐ろしくハイ スペックなCG画像に圧倒されました。でも、歌が歌えずタップダンスのできるペンギンが主人公という事だけで「カーズ」をしのげるとは思ってもみませんでした。と ころが驚きのオスカー獲得。一体どんな映画なんだろうと訝っていたですが。。。

 見終わってなるほどな、と思いましたね。「子供向けエンタメ」と「ミュージカル」と「エコロジー・環境問題」を一本のアニメにぶち込んであるわけです。特にエコロジーという点がクセモ ノで、オスカーの審査員も他作品との比較を求められた場合、今の時代これを選ばなければ良識を疑われるだろうというプレッシャーを感じざるを得ない、という意味ではあざとさ さえ感じてしまいました。批判ターゲットの一つは日本じゃないか?という邪推までしてしまいそうで、なんとなく観ていて嫌な気分になったのも事実です。 ちなみに前田有一の超映画批評では「カーズ」が驚きの90点、「ハッピーフィート」もなかなか健闘していますが70点、やはり映画的にはカーズの方が優れているんじゃないかと私も思います。

 とは言え、そういう深読みさえしなければ、徹頭徹尾凄い画像、考え抜かれたストーリー展開、そしてパワフルな音楽で楽しませてくれる、良質で十 分大人の鑑賞にも耐える映画です。個人的にはアデリーペンギンの5人組アミーゴスがとても気にいりました。マシンガンのように繰り出すギャグはついていくの が大変だけど、秀逸。そして彼等の歌う「My Way」は一聴の価値有りです。

 ところで主役の声がなんとイライジャ・ウッド。どうしてもフロドとかぶってしまいますね(~_~;)。ついでにも一つトリビア、主人公の両親の 名前がメンフィスノーマ・ジーン。思わず笑ってしまいました(家内も娘もきょとんとしてたけど)。一応解説しとくと、父親の歌がメンフィスの誇りであるエルビス・プレスリーそっ くり。母親の名前は言うまでも無いですが、マリリン・モンローの本名です。南極なのに

欧米か!?」

御あとがよろしいようで(^_^;)

 

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2007/09/25

空白の2ヶ月を振り返る(2)読書・映画・音楽編

Mozart: Piano Concerto No. 24; Schumann: Piano Concerto
はむちぃ: さて今回は読書・映画・音楽のカテゴリーを振り返ってみましょう。
ゆうけい: 3カテゴリーを一緒くたにしたのは、まあご想像通りあまりこなしてない事の証左でございます<m(__)m>

は: またまたしょっぱなから身も蓋もないことを(トホホ、することがないからはよく読んでおられるではございませんか?(-.-)
ゆ: まあそうなんだけど、あまり難しい本を読むと頭が痛くなるしな、自分の病気の勉強も忙しいし(爆。
は: まさしく泥縄じゃございませんか(嘆息。で、ネタにできるような本は無いんでございますか?
ゆ: そうだなあ、21世紀少年(上)はどう?
は: それは全てが明かされる(下)が出てからのほうがリーズナブルでございます。(-.-)
ゆ: う~ん、じゃあ「全てが明かされる」と言う事で、ゴキブリほいほい並みにベタベタですがハリー・ポッター最終巻は如何でせう?
は: Gotcha!、それで参りましょう。次回記事ではご主人様が某所でお書きになったHarry Potter and the Deathly Hallowsのレビューを掲載させていただきます<m(__)m>
ゆ: おおっ、はむちぃ、いつの間に英語まで(・_・;)?

は: では次に映画の方はいかがでございましょう?
ゆ: 街に出かけられないから新作は全く観られないし、ホームシアターでも激しく動く画面を観てると気分が悪くなるんで殆ど観てないんですよ~(涙
は: Blimey!、こればかりはいたし方ございませんね、ではスルーと言う事でよろしいでしょうか?
ゆ: おおっ、今度はクイーンズ・イングリッシュかい、かなわんなあ。まあ何にも無いのも寂しいから、ちょっと調子が良かった時に「ハッピー・フィート」だけ観たんでそのレビューを次々回の記事にしたいと思います。

は: ではちゃっちゃと音楽を済ませてしまいましょうか、あんまり聴いておられませんもんね。
ゆ: Come off it !はむちぃ君、気がついておらんようだが先日病院へ出かけたついでにひっっさしぶりにタワレコに寄ってきたのだよ、ふおっほっほ~。
は: なんか慣用句大会になってまいりましたね、存じておりますよ、ついでに阿倍野の「アニメイト」にもお寄りなさったでしょ!なんです、あの「NERV大浴場」とか書いてあったタオルは!?
ゆ: ひえ~、ばれてたか(>_<)、ま、あれは娘へのお土産と言う事で(^_^;)
は: で、CDは何をお求めになったので?
ゆ: 新作2枚、キーシンモーツァルト・ピアノ協奏曲24番&シューマン・ピアノ協奏曲(冒頭リンク)と小曽根真のソロを買いますた。
は: キーシン様といえばショパンや「展覧会」と言うイメージがございますが、モーツァルトとは新しい挑戦ですね。
ゆ: そうですね、私にとってもモーツァルトは新しい挑戦ですが。
は: クラの本丸でございますからね、で、ご感想は如何で?
ゆ: ステサンにレビューが載っていないので分かりましぇん(T_T)
は: またまたそう言う事を、例によって無料サンプル盤云々でございますか?
ゆ: いやいや、そこまでは言ってないぞよ、どうもこれはExtra CDなのがいかんみたいだな。
は: そうでございましたか、でも普通のCDPでもかかるんでございましょ?
ゆ: 勿論ですが、なにか音質悪そうで嫌ですね~。とは言え、さすがキーシンのピアノのタッチは素晴らしいです、サー・コリン・デイヴィスのバックアップも安心して聴いてられますね。しかしまあなんですねえ(コエぴょン風)、第一楽章なんか暗いですなあ、ほんとにモーツァルトかいな?シューマンのピアノ協奏曲のほうがまだ耳馴染みがあってよろしいな。
は: またまたクラファンを敵に回すような発言を(ーー;)、で、どうしてシューマンのピアノ協奏曲をご存知なんでございます?
ゆ: ウルトラセブンの「史上最大の侵略」で使われた事でオタクには有名なのだ。金城哲夫渾身の傑作ですからね~、ウルウル(T_T)。
は: はいはい、さすがに病気でもアニメイトに寄るだけのことはございます(嘆息。では皆様今日はこの辺で失礼いたします。

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2007/05/26

パプリカ

パプリカ
は: 久々のゆうはむ映画レビューは話題作を提供し続けておりますマッド・ハウスのアニメ「パプリカ」でございます。
ゆ: 何しろ「パーフェクト・ブルー」の今敏監督に原作が筒井康隆大先生ですからね~、家内と見ていいものか、借りる時かなり勇気が要りました(^_^;)。
は: おまけにお嬢様が「絶対見る!」とご一緒されましたし(^.^)
ゆ: でもまあ、結果的にはそれ程目をそむけるような場面も無く、家族で楽しめました。

『  医療研究所が開発した他人と夢を共有できる画期的なテクノロジー“DCミニ”。だがそれが盗まれ、悪用して他人の夢に強制介入し、悪夢を見せ精神を崩壊させる事件が発生するように。一体、犯人の正体は? そして目的は何なのか?事件の解明に挑む美人セラピストの千葉敦子は、クライアントの夢の中へ容姿も性格もまったく違う夢探偵“パプリカ”となって入っていくが、そこには恐ろしい罠が待ち受けていたのだった…。』 (AMAZON解説より)

原作/筒井康隆
監督・脚本/今 敏
脚本/水上清資
音楽/平沢進
音響監督/三間雅文
アニメーション制作/マッドハウス

声優:
千葉敦子・パプリカ:林原めぐみ
乾精次郎:江守徹
島寅太朗:堀勝之祐
時田浩作:古谷徹
粉川利美:大塚明夫
小山内守雄:山寺宏一

は: 他人の夢に入り込む事によって生まれる悪夢のような世界、というのが一つのテーマでございますね。
ゆ: そう言うネタは昔からあるオーソドックスなものなんだけど、それにネットの虚構世界、所謂サイバー・パンクネタを無理のない程度に絡ませてありました。
は: ですから展開としてはそれほど無理も無く、かと言って飽きさせる事も無く、最後の夢世界と現実世界が通じてしまうシーンまで一気に観客を引きこむ力がございましたね。
ゆ: 記憶がもうおぼろですが、原作はもう少し話が込み入っていたと思うんです。そこを映画用にうまく枝葉を落として、すっきりとした話の展開にもっていきましたね。惜しむらくは最後の解決シーンのインパクトが弱くて、今ひとつカタルシスが得られなかったのが残念でした。
は: もう少しどろどろと壮絶な闘いを繰り広げて欲しかったところでございましょうか^^;。
ゆ: まあ一家揃って見るにはあの程度に抑えといたほうが良いですけどね(苦笑。

は: さて、その悪夢の映像ですが、総天然色オールカラーと言う古い映画の宣伝を思い出してしまうほど絢爛豪華な映像のオン・パレードでございました。
ゆ: 無機物のパレードあたりのきらびやかさや、主人公が空を翔けるシーンなんか爽快感がありますね、それがグロテスクな映像に刻々と変化して行く様も良く計算されていましたし、また筒井先生お得意の呪文のような言葉遊びも上手く採り入れてありました。
は: 筒井康隆様の作品で言いますと「虚構船団」あたりも髣髴とさせるようなパレードでございましたね。
ゆ: そうそう、それにジブリの平成貍合戦ぽんぽこをミックスさせたような映像でしたね。
は: ジブリと言えばラスボスの造形がもののけ姫のダイダラボッチぽい気もしました。
ゆ: 攻撃方法は巨神兵かな(爆。まあ、ストーリーはジブリとは似ても似つかわないものですし、パクりとか文句つけるような低レベルのものじゃないから良いんですけどね。

は: 映像に合わせて音楽もなかなか凝っておりましたね。
ゆ: オリエンタルムードあふれるシャントっぽいアンビエントをうまく使ってなかなか素晴らしいBGMだなあ、と導入部で感心してたんですけど、平沢進ってクレジットがあったので、どっかで聞いた事あるなと調べて見たら、なんと!
は: 「美術館であった人だろ」!でございましたね(^o^)
ゆ: 懐かしいねえ~、久しぶりに「In A Model Room」を聴きたくなりましたね。なお、魅惑のエンディングテーマ曲「白虎野の娘」はこちらでDLできますから是非聴いてみてください。

は: 声優さん方はもう一流どころでございますので安心して見ていられましたね。
ゆ: 綾波レイとアムロが恋仲なんて変な感じでしたけどね(笑。
は: という訳で、最後に一言お願いします。
ゆ: 天才デブオタク、東京にあれだけ甚大な被害を出したのは元を糺せばあんたのせいじゃ(怒。
は: たしかにあれでハッピーエンドは無責任でございますねえ、賠償額を空想科学研究所に分析を依頼してはいかがでございましょう(苦笑。

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2007/04/12

フラガール

フラガールスタンダード・エディション
はむちぃ: 「ゆれる」「太陽」とシリアスものが続きましたが今日は一転お気楽なサクセスものでございます。
ゆうけい: マスターズ大会が終わった後にシリアスものはきつうございますので「フラガール」を選択いたしました。
は: 大変話題になり、数々の賞も受賞いたしました作品でございますね。
ゆ: さあ、どれほどのもんでございましょうか、観てみませう。

『 昭和40年、閉鎖の迫る炭鉱のまちを救うため、北国をハワイに変えるという、起死回生のプロジェクトが持ち上がった!目玉となるのはフラダンスショー。誰も見たことがないフラダンスを炭鉱娘に教えるため、東京からダンサーがやってきた。最初は嫌々ながら教える彼女だったが、生きるためにひたむきに踊る少女たちの姿に、いつしか忘れかけていた情熱を思い出してゆく。しかし世間の風当たりはつめたく、教える相手はドシロウト。果たして常夏の楽園は誕生するのか?オープンの日は迎えられるのか!?

制作: 2006年日本
製作: 李鳳宇/河合洋/細野義朗
企画・プロデュース: 石原仁美
監督: 李相日『69 sixty nine』
脚本: 李相日/羽原大介『パッチギ!』
音楽: ジェイク・シマブクロ
舞踊振り付け・指導: カレイナニ早川

キャスト
松雪泰子 『子ぎつねヘレン』(06)『子宮の記憶ここにあなたがいる』(06)
豊川悦司 『日本沈没』(06)『魂萌え!』(07)
蒼井優 『ハチミツとクローバー』(06)『蟲師』(07)
山崎静代(南海キャンディーズ・しずちゃん) 『ラブ★コン』(06)
岸部一徳 『犬神家の一族』(06)『寝ずの番』(05)
富司純子 『寝ずの番』(05)『待合室』(06)
(AMAZON解説より)』

は: 涙あり笑いありでなかなか良い作品でございました。
ゆ: 「ウォーターボーイズ」あたりから始まった一芸サクセスものなんですけど、昭和の戦後の炭鉱不況という社会事情を背景に描いてあるので、まあまあしっかりしたストーリー展開にはなっていて、泣かせどころではしっかりと泣かせてくれましたね。
は: 実話を元にして制作されたそうですね。
ゆ: なんぼなんでもあんな無茶な展開が実話とはとても思えませんがね(苦笑、実際フラダンスの先生ももっと普通の方で東京から通われていたらしいですし。
は: そう言う意味ではあざとさも目立ちましたね。
ゆ: ストーリー展開をわざとTVドラマ的に安っぽくしてしまった感じですかね。万人受けする娯楽映画と割り切って見れば良いんでしょうけれど、冒頭のリンクのように賞を総ナメしてしまうと「をいをいそれは違うんじゃない?」とツッコミを入れたくなりますね。

は: 安っぽいと言えばぼた山の背景など少々作りに安っぽいところが見受けられましたが?
ゆ: とんでもない低予算映画なんでしょうか、観光地にある集合写真用の書き割りみたいな2次元的セットには恐れ入りましたね、まあ、それに合わせて俳優陣の演技もそれなりの東映映画村的ステレオタイプなもんで丁度釣り合いも取れておりますが。
は: またまた娯楽映画ファンを敵の回すような言動を(--〆)、まあ、確かにフラダンスのシーン以外はTVの2時間ドラマを見ているような錯覚にも陥りましたが。
ゆ: でっしょ~、でしょでしょでっしょ~(^o^)、結局松雪泰子蒼井優のフラダンスを見せるためにつなぎの筋書きを用意したようなもんですわ、この映画は。

は: という事で、やっと誉めるところが出てまいりました。ご主人様ご推薦の蒼井優様の演技は確かに素晴らしかったですね。
ゆ: 今話題の若手女優さんの中では最も演技力がありますね。このまま映画主体のスタンスで伸びていって欲しい人材です。
は: 先生の松雪泰子様は?
ゆ: 白鳥麗子の頃の方がやっぱり輝いてましたね~、ちょっと蒼井優相手ではオバサンがかってしまって気の毒でした。場末の居酒屋で一人寂しく食事してるところなんかホント映画を離れて気の毒に思いましたね(^_^;)

は: もう一世代前の昔の東映花形スター、ご主人様もお好きでした緋牡丹博徒お竜さんこと富司純子様はいかがでございました?
ゆ: 女だてらに、こぎゃんもんば背負って生きとっとよ。ククク、泣けるね~(T_T)
は: ご主人様映画が違っております(-.-)

ゆ: 失礼をば(^_^;)、まあなんですね~、なまじ演技力が有る分、こんな学芸会的映画では浮いてしまいますねえ~、ちょっと気の毒でした。

は: ではもう一人、ご主人様お気に入りの南キャンしずちゃんは!?
ゆ: 問題外ですな(苦笑。まあ良くフラダンスを踊れるようになったと誉めてあげましょうで。

は: では最後に一言、お願いいたします。
ゆ: 娯楽映画としてはまずまずの出来でございます、こんなレビューすると悪口が多くなってしまいますが、まあ能天気に楽しむ分にはいい映画じゃないでしょうか。特に蒼井優ジェイク・シマブクロのファンにはお勧めでございます。

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2007/04/04

太陽

太陽
 今なお日本における最大のタブーである「人間昭和天皇」に思い切って踏み込んだロシア作品「太陽」のDVDが出ていたので鑑賞しました。その内容から日本での公開・DVD化は難しいのではないかと思っていただけに、見つけた時は軽いめまいがしました。実は直前に背泳のタッチ練習でおでこを壁に強打流血してしまいしょげてたとこだったのでそのせいかも知れませんが(^_^;)、とにかく久々の大発見に嬉しくなり即借りてしまいました。

『 ヒトラーやレーニンも自作の題材にしたアレクサンドル・ソクーロフ監督が、昭和天皇を主人公に、終戦の年、8月15日の前後を描く。空襲から逃れるため、地下室で生活する天皇(=ヒロヒト)が終戦を決意する苦悩に焦点を当てながらも、ヘイケガニの研究に安らぎを求め、訪れる米軍兵士に「チャップリンに似ている」と言われて喜ぶ姿など、人間としての天皇を映像化。日本人にとって興味深い仕上がりだ。
   イッセー尾形は、口をもごもごさせる仕草など、本人の癖を巧みに採り入れつつ、人間味溢れるヒロヒトを好演。侍従らとのやりとりでは笑いも誘う。ソクーロフ監督はセピア調の映像で当時の雰囲気をかもし出し、夢の場面で魚が爆弾を落とすなどシュールな描写も挿入。外国人が描いた日本にしては違和感が少ない。天皇の描写を含め、さまざまな意味で問題を投げかける作品ではあるが、人間になることを許されなかったひとりの運命として観ると、これほどインパクトの強いドラマも少ないだろう。多くの葛藤はラストで、皇后役、桃井かおりの一瞬の表情に凝縮されるのだ。(斉藤博昭)』(AMAZON解説より)

 ロシア作品ということをかねがね疑問に思っていましたが、確かにこのロシア監督の手腕は素晴らしい。淡色寒色系の映像美で日本の無条件降伏前夜を描いており、以前ご紹介した「ヒトラー最期の12日間」を髣髴とさせました。
 「外人が撮った日本」と言うと、とかくとんでもないものになりがちですが、日本人にもそれほど違和感の無いものに仕上がっており、特にカメラワーク、映像美が素晴らしい。昭和天皇が海洋生物学を研究しておられたというところからの発想でしょうけれども、B-29による東京大空襲の悪夢を魚のイメージで描いたところなんかは非常に秀逸でした。B-29ならイモリだろうと言う声も聞こえてきそうですが(苦笑。
 ヒトラーをドイツ人が描くことはタブーでもなんでもないのに対して、昭和天皇は未だに非常にデリケートな問題があり日本人にはなかなか描けない、その間隙を縫ってロシア人がこれだけの物を作ってしまった、と言うことに切歯扼腕している日本の製作者、監督も多いんじゃないでしょうかね。

 天皇を演じるイッセー尾形の演技も「入魂」と呼んで差し支えないでしょう。あそこまで演じるとかなりヤバい、と言う気がしますが、独特の口のしぐさ、指の動き一本一本まで神経を行き渡らせ、天皇の現人神と祭り上げられる苦悩から少年のような純粋さ、茶目っ気まで見事に演じ切っています。我々もよく耳にした

「あ、そう」

というセリフが何度もでてきますが、その一つ一つがそれぞれのシチュエーションにおいて最高の効果をあげるように発音されているのを聞くと本当に鳥肌が立ちました。長く一人芝居をやってこられた尾形氏の真骨頂でしょうね。
 惜しむらくはあまりにも似せようとしたあまり、長い台詞が非常に聞き取りにくかったです。映画館で一度見ただけの方には御前会議で天皇がおっしゃられた意味を理解できなかったんじゃないかと思います。外国公開の時には英語字幕がつくのでそのほうが余程分かりやすかったでしょう。ということで私も終わってからこのシーンは英語字幕付きで再見しました。

 そう言えばこの監督もヒトラー、レーニンを過去に題材にしているそうですが、今回そのような言わば「非常にわかりやすい」題材と違い、他国には非常に理解しにくいであろう「天皇制」と言う謎に包まれているテーマをよくここまで掘り下げたものだと思います。ただ、これがノンフィクションかと言うとそうではなく、やはりロシア人の方が徹底的に研究してイメージを作り上げた天皇像なのだろうと思います。実際の昭和天皇はあの時代あれほど弱弱しくはなく矍鑠とされておられましたし、マッカーサーをもビビらせるカリスマ性を持っていたと言う多くの証言があります。またマッカーサーとの会見はおそらくその全貌は未だに未公開のはずです。

 そのあたりには十分に注意を払って見ないといけませんし決して彼の天皇観が完璧だなどと言うつもりはありませんが、それでも最後のエピソードは深い余韻を残す印象的なシーンであり、近年見た多くの映画の中でも傑出したラストシーンだと思いました。
 音楽も素晴らしく、皇太子様(現平成天皇)が愛されたと言うバッハチェロ組曲5番はロストロポーヴィチの演奏で、これも深い感動を見ているものに与えます。機会があればぜひご覧ください。

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2007/04/01

地下鉄(メトロ)に乗って

地下鉄(メトロ)に乗って THXスタンダード・エディション
はむちぃ: 今回の映画レビューはご主人様お気に入りの浅田次郎先生原作の映画化「地下鉄に乗って」でございます。
ゆうけい: 浅田先生デビューの頃の古い作品で何故今頃?と思ってたのですが、どうも昨今の底の浅い昭和ブームに乗っかれ!てな企画だったように思います。

は: おっ、いきなり批判的な紹介の仕方でございますね、そう言えばTVCMをご覧になって

「こりゃトホホ映画かもな、、」

とおっしゃっておられましたが。
ゆ: そうそう、無理やり感動させようという魂胆ミエミエだったからね。

『いつもと同じ会社からの帰り道。地下鉄を降りて駅の階段を上がると、そこはオリンピック開催に沸く昭和39年の東京だった―。真次(堤真一)に突如訪れた、現実とも夢とも信じがたいタイムスリップ。真次は恋人みち子(岡本綾)とともに過去へ戻り、そこで若き日の父(大沢たかお)とその恋人お時(常盤貴子)出会う。時空を超える旅を続けるうちに明らかになる、父の真実の姿。そして真次とみち子との間に隠された、驚くべき秘密。それは、二人の愛に過酷な選択肢を突きつける、あまりにも切ない運命だった…。』(AMAZON解説より)

は: もともと浅田次郎先生の原作なんですから、そんなに張り切らなくても普通に撮れば感動できるように思うのですが?
ゆ: ところがそうでもないんだな、いくら浅田先生といえどデビューの頃の作品だからまだストーリー展開が生硬なんですよね。
は: 本領である人情話、家族愛のあたりはよく練られていると思いましたが?
ゆ: ところが道具としてのタイムスリップの手法がやはり素人っぽくてうそ臭いんですよね。同時存在のパラドックスとか過去への関与禁止事項とか全く考えてないのはご愛嬌としても、主人公(次男)の父がいろんな時期に主人公を見てそれでも同一人物だと全然気がつかないところなどどう考えてもおかしいですよね。
は: 死期の近い父の病床に、闇市時代に主人公があげた腕時計が置いてあったところを見ると、知っていたのではありませんか?
ゆ: あれは私の記憶では原作にない設定ですね。それに「あいつとの出会いで自分のやるべき職業が見えた」と言ってたところから見ても恩人としか思ってないんじゃないでしょうか?そうでなきゃ子供時代の主人公にあれだけ冷たい仕打ちはしませんよ、普通(^_^;)。

は: 原作にない設定と言えば、TVCMで散々流れた

「小沼正一はあなたの子供で幸せでした!」

と主人公が叫ぶ場面はどう考えても不自然でございますね。
ゆ: そうそう、愛人のバーに主人公カップルがタイムスリップして訪れ、長男を亡くした直後の父に向かって叫ぶんだけど、見ず知らずの男にそんな事叫ばれて父は一体どんなリアクションすりゃいいんでしょう(苦笑?心底ひっどい脚本だなあと思いましたね。バカかお前は、と小一時間(以下略。
は: ご主人様、きっこ様ではありませんが過激な発言はお慎みくださいませ(-.-)。

ゆ: スマソ、まあ簡単にまとめると浅田次郎先生の原作にもかなり無理があるところへ持ってきて、その原作を安易になぞっただけの展開にした上で無理やり感動させようとするもんですから、その感動が非常に薄っぺらになってしまった、と言う事になります。
は: 確かに原作を読んでいるものにとってはダイジェスト版を見せられているような気になりました、もっとじっくり親子の情なり、近親相姦になってしまったカップルの悩みなどを描きこめば良かったと思いますね。
ゆ: そうそう、タイムスリップネタをある程度削ってでもそちらの方を丁寧に描く方が浅田作品らしい良さが出たと思いますね。

は: 出演者の皆さんは如何でございました?
ゆ: 主人公の次男役の堤真一は同じ昭和ものの「ALWAYS-3丁目の夕日」にも出てましたね。出来はあっちの方がずっと良いと思うけれど、この作品でもまずまず無難な演技をしてました。父役の大沢たかおはいろんな時代を演じなければいけないと言う難しさはありましたが、闇市時代のアムール役の演技はおっ、良いね!と思いました。この人には良い印象が全くなかったんですが(解夏、セカチュー等)、今回はちょっと見直しましたね、でもそれだけに作品の薄っぺらさが返す返すも残念です。
は: 女優さんでは大沢たかお、堤真一の親子それぞれの愛人役を演じた常盤貴子様、岡本綾様、ともにお美しゅうございました。
ゆ: そうですね、常盤さんはもう立派な中堅女優さんになりましたね、堂々とした演技でした。岡本さんは私生活で話題を提供してしまいましたが、あの中村獅童を惑わすだけの魅力がどこにあるのかは分かりませんでした。でもまあ、まずまずの雰囲気を持った女優さんでしたね。

は: 昭和39年のセットはそれなりに雰囲気を感じさせる作りでしたね。
ゆ: ちょっとセットぽすぎる嫌いはあったけれど、まあまあよく作ってある方でしょうね。
は: という訳で最後に一言お願いします。
ゆ: トホホ系まではいきませんが、脚本の貧弱さが良く出ている作品です、企画者の浅田文学に対する造詣の浅さと相乗して、昭和ブームというものの底の浅さを認識させてくれます。チープと分かっていて入って楽しむ幽霊屋敷みたいなもんでしょ。
は: ご主人様、タイムスリップものと脚本にはうるさいもので申し訳ござません、俳優陣のそれなりの頑張りは評価しておられますのでご勘弁のほどを<m(__)m>

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2007/03/27

ゆれる

ゆれる
 シネカノン系で公開されていた「ゆれる」、傑作との評判が高かったのですが残念ながら見そびれてしまい、先日やっとDVDで鑑賞しました。

『  オダギリジョーが演じる弟の猛は、故郷を離れ、東京でカメラマンとして成功。一方、香川照之の兄・稔は実家のガソリンスタンドを継いでいる。母の一周忌に帰った猛だが、稔、幼なじみの智恵子と出かけた渓谷で、智恵子が吊り橋から転落死してしまう。殺人容疑をかけられた兄と、彼の無実を信じる弟の関係が、ときにスリリングに、ときに不可解に、さらに衝撃と感動を行き来し、タイトルが示すように“ゆれながら”展開する骨太なドラマだ。
   都会に出た者と、田舎に残る者。性格も違う兄と弟。映画は対照的な立場を鮮やかに描きだす。西川美和監督は、微妙なセリフで男ふたりの複雑な内面を表現し、観る者のイマジネーションをかき立てまくる。背中の演技で心情を伝える香川照之もすばらしいが、兄に対する負い目と苛立ちの両方をみせるオダギリジョーは、彼のキャリアのなかで最高の演技と言っていいだろう。あのとき吊り橋で、何が起こったのか?その真実も含め、さまざまな余韻を残すラストシーンは目に焼き付いて離れない。兄弟を持つ人ならば多かれ少なかれ、ここに描かれる確執に共感してしまうはず。家族の関係も、そして人生も、一筋縄ではいかないのだと教えてくれる名編だ。(斉藤博昭)』

 一見仲が良さそうで、そして自分たちも普段は何気なくそう思っているような兄弟にも、意識下に封印され続けてきた軋轢葛藤はあり、それがある事件を機にマグマが吹き出すように爆発していく様を実に丁寧に西川美和監督は描いています。まだ2作目だそうですが大したものです。
 そしてこういう映画こそ、私が以前から度々申し上げている「脚本の重要性」を再認識させてくれますね。良く練りこまれた脚本をもとに、それを十分理解している監督がメガホンを取ると、邦画スタッフ&キャストでもこれくらいレベルの高い映画ができるんだ、と嬉しく思いました。

 ですからそのフレーム枠の中で俳優も活き活きと活躍しています。香川照之の演技には感嘆しましたし、オダギリ・ジョーがこれほどの演技ができるとは不覚にして知りませんでした。伊武雅刀さんの演技はやや手垢のついた感じが否めませんでしたが、若手の新井浩文や吉本の木村祐一(キム兄)から各々の個性を良く活かした演技を引き出しているところは注目に値します。正直言ってキム兄は話題集めのキャスティングかと思ってましたが、西川美和監督が見事に化けさせましたね、脱帽ものです。

 ただ、おしきせがましい説明は一切ありませんし、何が事実だったのかは最後まで「藪の中」でしたし、行間を読む能力、真実を洞察する能力を製作者側が試しているようなところもあります。そういう意味では観る人間を選ぶ映画ですね。映画感想で「観るたびに印象が違う」という意見があるのはその辺のところでしょう。

 実際幾つか私にも判りにくいシーンがありました。兄(香川)の有罪が確定した後に父(伊武)が洗濯物を干しているシーン、どういうわけか新聞紙を干しています。後で従業員(新井)がさりげなく弟(オダギリ)に説明していますが、ショックで認知症を発症していたんでしょうね。
 それと兄の右前腕内側の傷。最初に出てくるのは橋の上で女性が転落した直後なんですが、これが新しい傷なら転落する女性の手を必死に掴んだ際、女性が握り返してついた傷、という推理が成り立ち、真実はこちらだという有力な手がかりになるのですが、どう見ても瘢痕化しており古いものとしか見えません。
 その後傷については一切説明がありませんし、裁判でも傷についての言及はありません。冒頭に母の形見の8mmフィルムが出てくるのでその中に秘密があるのでは、そしてそれは恐らく幼い頃兄弟であの橋の上を渡っている時に何か起こったのではないか、と勝手に想像していました。実際、ラスト近くで弟が偶然これを暗室で再発見して見るシーンがあります。想像が当たった!と確信した途端、、、見事にはぐらかされてしまいました(^_^;)。

 最後に兄は弟と再会しますが、果たして兄は家へ戻るのか、それともそのまま去っていくのか、それさえ西川監督は観客に委ねてしまいました。個人的にはこういう深い余韻を残すラストシーンの撮り方は好きですが、当然不満のある方もおられるでしょうね。というわけで、自分の映画鑑賞力を試してみたい方は是非どうぞ。

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2007/03/17

カポーティ

カポーティ コレクターズ・エディション
はむちぃ: 先日ご主人様が小説「冷血」をご紹介いたしましたが、いよいよ今日は映画のレビューでございます。
ゆうけい: ようやくレンタル屋さんで「カポーティ」を発見、観ることができました。

『  「ティファニーで朝食を」などで知られる作家、トルーマン・カポーティの半生に迫ったドラマ。カンザスでの一家惨殺事件に興味を持った彼が、服役中の犯人に取材を試み、「冷血」として小説に書き上げるまでを描く。死刑を宣告された犯人を自作に利用しつつも、やがて親近感を覚えて戸惑うカポーティ。作品のために“冷血”になっていた彼が、死刑を前にした犯人の心を知る過程は、感動的でありスリリングでもある。
   本作最大の見どころは、フィリップ・シーモア・ホフマンの演技だろう。ゲイであることを隠さなかったカポーティを、高めの声で表現。電話の受話器をつかむときなど、つねに小指を立たせるあたりが笑える。一方で自分の作品のために卑劣になる男の姿は、ある意味、リアル。本作は人間のダークな本能にも焦点を当てているのだ。またカポーティの親友や容疑者などキャストのアンサンブルも見事。そして観終わった後も印象に残るのは、映像の数々である。野原に建つ家や、殺された家族の部屋など、その構図や、惨い状況に反した落ち着いた色づかいは、1枚の絵のように不思議な美しさをたたえている。』 (斉藤博昭、AMAZON解説より)

は: さすがフィリップ・シーモア・ホフマン様が昨年度のアカデミー主演男優賞を獲得しただけのことはございますね。素晴らしい演技でございました。
ゆ: それに解説にあるように映像が素晴らしかったですね。広大なカンザスの風景を事件に重ね合わせて寒色系の陰鬱な色調にしたところなど、カポーティが「恋人」とひと夏を過ごすスペインの海岸やNYのきらびやかな社交界の情景と鮮やかなコントラストを描いていました。

は: でもその割にご主人様、あまり満足そうではございませんね?
ゆ: そうなんだよねえ、今回ばかりは小説の復習が裏目に出たかな、と後悔しております。
は: と申されますと、よく小説の映画化で見られるような、原作との乖離が大きい、あるいは端折り過ぎ、と言うようなことでございましょうか?
ゆ: う~ん、敢えて言うと後者かな、とにもかくにも

「この映画はトルーマン・カポーティと言う人物を描いた映画であって彼の小説「冷血」の映画化ではないのだ」

と言うことを自分に納得させながら見ないといけなかったところが少々辛かったです。

は: もう少し具体的にご説明お願いいたします。
ゆ: ある程度ネタばれになりますが、この映画には小説「冷血」に描かれた人物や出来事のおそらく1/10も出てきません。ですから小説を読んでからこの映画を見ると肩透かしを食らったような気になるんですね。
は: homさまのように映画を観てから原作を読む方がいいと?
ゆ: そうそう、原作を知らないで映画を観れば、homさんがレビューされているように、前半は少々退屈でも、後半の非常にスリリングな展開に映画に引きずり込まれていくと思うんです。
は: カポーティが犯人に執着し更には同性愛的な愛情さえ見せ、死刑執行の引き伸ばし工作さえして狡猾とさえ言える取材を進めていきながら、いざ引き伸ばしが成功すると今度は小説が完成できないことに苦しむことになる、と言うあたりでございますね。
ゆ: そうそう、そういう意味ではカポーティを描いた映画としては傑作だと思うし、年に何本も出会えない感動を与えてくれる映画なんですけど。

は: 原作はもっと多くの要素が複雑に絡んでおりますからね。
ゆ: だから、homさんと逆に前半感動、後半がっかりだったんです。序盤、原作で献辞を捧げられているネル・ハーパー・リージャック・ダンフィーが絡んできて主人公トルーマン・カポーティの性格や性癖が次第に明らかになるところ、アルヴィン・デューイの妻に取り入ったりする取材の舞台裏が描かれているあたりにぞくぞくしてたんですが、その後の登場人物の少なさ、カポーティネル以外の人物の造型の浅さに「このまま終わっちゃうのか」と言う不安が先に立って集中し切れなくなってしまいました。

は: 確かに膨大な登場人物のうち、まともに役柄を与えられているのは犯人二人と捜査官アルヴィン・デューイくらいのものでございますね。
ゆ: 確かに犯人の一人ペリー・スミスに対して示すカポーティの執念がこの映画の核になってはいるんですが、実は彼自身についての描写は原作に比べるとあれでも浅いんですよね。例えば生い立ちについて、半分インディアンの血が混じっていると言うことはさらりと語られていますが、それ以上に踏み込まれていないんです。
は: 壮絶な生い立ちと家庭環境ですものね。兄弟姉妹のうち二人が自殺していることが姉から語られる程度でした。
ゆ: それに留置所でリスをてなづけて飼ったり、映画では何も語られていない本当にチョイ役の肥満体の死刑囚に対して彼が持っていたコンプレックスなど、彼の性格を語るのに絶好のエピソードがばっさり切られているのは残念でした。
は: もう一人のリチャード(ディック)・ユージーン・スミスは完全に脇役扱いですよね。
ゆ: 小説では彼についても、生い立ち、家族構成、死刑決定後の葛藤など極めて詳細に描かれているんですよ。それに彼の場合

「一人も殺していないのに死刑は妥当か」

どうか、というペリー以上に深刻な問題もあるんですけれどね。
は: 捜査官アルヴィン・デューイはかなりの描写がされていたと思いますが。
ゆ: 彼にしても、犯人が捕まるまでの苦悩については実にあっさりとしか描かれてなかったですね。カポーティは実際はその辺も実に執念深く詳細に取材してるんですが。それと、原作を傑作たらしめているひときわ印象的なエピローグで、アルヴィンが惨殺されたクラッター一家のお墓に参って成長したスーザン(惨殺されたナンシー・クラッターの親友)と出会う場面は入れて欲しかったですね。
は: カポーティと直接関係ないエピソードかもしれませんが、実際原作で書いていると言うことはその現場にいたかもしれないんですし、時の流れや死刑執行引き伸ばしの時間の長さを語る意味でもあったほうがよかったかもしれませんね。
ゆ: その後にこそ

「トルーマン・カポーティはその後一作も小説を書けず、アルコールの合併症で1984年この世を去った。」

とエンドロールを入れて頂いてたら感動も一入だったのになあ、と思いますね。

は: では最後に一言お願いします。
ゆ: 映画自体は傑作だと、もう一度申し上げたいです。しかしその傑作さえ物足りなく思えるほど、原作「冷血」は測り知れない重みを持っていることを再認識しました。彼が朗読会で冒頭の部分を朗読するところなど、ちょっと感激して目頭が熱くなりました。
は: という訳で、皆様も先ずは映画をご覧になって興味が湧けば原作をお読みくださいませ。

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2007/02/20

エド・ウッド

エド・ウッド
はむちぃ: おや、今日の映画レビューは旧作でございますね、ご主人様がティム・バートン&ジョニーデップ作品に目がないのは存じ上げておりますが、はたまたどうして(・・?
ゆうけい:ずばり、なだぎR-1グランプリ優勝記念特別レビューなのだ(^○^)。おやおやはむちぃ君、何のことか分からんようだね、なだぎは今どこのメンバーだい?

は: なだぎ様といえば「スミス夫人」でございますね。
ゆ: そうそう、だから今日は「卒業」のレビューを、ってそれはロビンソン夫人や~、チャウチャウそれは古過ぎ(怒!
は: これは失礼いたしました(^.^)、今は「ディラン&キャサリン」でございますね。
ゆ: そうそう、だから今日は「ビバリーヒルズ白書」のレビューを、ってチガ~~ウ、ンア~、マズイコトニナッチマッタナ、モウイチドヨクカンガエルンダ、キャサリン。

は: 私メ、キャサリンでなくはむちぃでございます(-.-)、そろそろまじめにお答えしましょうか(^_^;)、なだぎ様は今現在ザ・プラン9のメンバーでいらっしゃますが。
ゆ: は~、やっとこれで本題に入れますな、そのプラン9と言うグループ名の由来がですな~、史上最低の映画として名高い「プラン9・フロム・アウタースペース」なんですよ~(疲。そしてその最低映画を作ったのが誰あろう、史上最低のC級映画監督といわれたこの映画の主人公エド・ウッドなのですよ、ふおっほっほ~、あ~疲れた(^。^)。まあ、プラン9がどれほどのトホホ映画だったのかはリンク先の詳細な解説を楽しんでくれたまへ(笑。

    映画監督志望の青年エド・ウッドは、性転換手術をテーマにした映画に取り組もうとするが、出資してくれるプロデューサーがいない。彼は往年のドラキュラ俳優ベラ・ルゴシを口説き、彼を出演させることを条件に、資金を集めようとする。
    ジョニー・デップが女装姿まで見せて、主人公を大熱演。またエドの仲間たちなど、全編に主人公のユニークな人間関係と生き様が息づいていて、エドの大ファンというティム・バートン監督が、愛情たっぷりに描いているのがよくわかる。史上最低の映画監督と言われていたとはいえ、エドのチャーミングなキャラクターがじつに微笑ましいのだ。ドラキュラ俳優ベラ・ルゴシを演じたマーティン・ランドーは、本作でアカデミー助演男優賞を受賞。(斎藤 香AMAZON解説より)

は: ふむふむなるほど、モノクロの画面、映画への愛に溢れているところなど如何にもご主人様好みの映画でございます。ティム・バートン様は心底エド・ウッドがお好きだったようでございますね。
ゆ: 彼の作品を愛しているだけでなく、ティム自身もB級監督と言われ続けていた時期が長かったから余計に強いシンパシーを感じておられるんでしょうね。エド役に一番信頼している「相棒」とも言えるジョニー・デップを持ってきてますから、いかに入れ込んでいるかが判ろうと言うものです。
は: きっとティム様ご自身をエドに重ね合わせて撮っておられるんでございましょう。そしてそのデップ様も女装までして奮闘されておられますね。
ゆ: そうそう、彼の役作りに対する情熱がひしひしと伝わってきます、でもあまりに見事な演技過ぎて、エドが素晴らしい監督だったみたいな錯覚に陥ってしまいますね(^_^;)。
は: 実在のドラキュラ役者ベラ・ルゴシを演じたマーティン・ランドー様の演技も見事でございました。
ゆ: 売れないエド、落ちぶれた落魄のルゴシ、二人の心の交感が泣かせますね。

は: さてさて、問題の「プラン9」でございますが、映画後半は主にこの映画の製作風景が描かれておりますね。
ゆ: そうそう、メイキング・ビデオを見ているようですな。しかしよくもまあこんなチープな映画のメイキングをこれだけ感動的に描いたものです、ティム君凄いよ(爆。
は: 確かに冷静に見れば無茶苦茶な製作ぶりで、ルゴシ様も途中で死んでしまわれますし。
ゆ: それからの暴走ぶりはハラハラドキドキですな(^o^)
は: で、ご主人様は「プラン9」はご覧になったので?
ゆ: それが残念なことに見る機会が全くないんだよね~、なだぎ優勝記念にTVの深夜番組ででもやってくれないかな~。ンア~、モウイチドヨクカンガエナオシテクレナイカ、キャサリン。
は: 友近様に頼んでも無理でございますよ、トホホ(--〆)

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2007/02/19

ディパーテッド

Departed
オフィシャルサイトのフリーDL壁紙より再構成)
は: おっ、ご主人様のお気に入り「インファナル・アフェア」のハリウッド・リメイクでございますね。
ゆ: そうそう、やっと観てきたよ、何しろアンディ・ラウの「墨攻」と公開がダブったもんでね、いやあマイッチングマイッチング(^_^;)
は: マチ子先生ですか、あんたは(--〆)、で、そのアンディ・ラウ様役をマット・デイモン様が、トニー・レオン様役をレオナルド・ディカプリオ様が演じるという大変豪華なキャストでございますね。
ゆ: 映画化権を買ったのがブラッド・ピット、監督がマーティン・スコセッシ、とどめはギャングのボス役が名優ジャック・ニコルソンですからな~、ハリウッドの面目をかけたといっても過言じゃないでしょうな。(2.27追記:第79回アカデミー賞作品・監督・脚色・編集の4部門を獲得しました)

犯罪者の一族に生まれたビリー(レオナルド・ディカプリオ)は、自らの生い立ちと決別するため警察官を志し、優秀な成績で警察学校を卒業。しかし、警察に入るなり、彼はマフィアへの潜入捜査を命じられる。一方、マフィアのボス、コステロ(ジャック・ニコルソン)にかわいがられて育ったコリン(マット・デイモン)は、内通者となるためコステロの指示で警察官になる。(シネマトゥデイより)

は: 当然舞台はアメリカに置き換えられておりますが、ボストンとは意外な場所でございました。
ゆ: そうですね、WASP、村上春樹も好みの学園都市、ノーベル賞製造工場MIT、等々ブルジョアのイメージしかないもんね~、どんな町にも暗部はあるってことですな、松坂君気をつけてください(爆。まあそれはともかく、冒頭でジャック・ニコルソン

「差別されてたのは黒人だけだと思ったら大間違いだ、アイルランド人だって昔はまともな職業にはありつけなかった、だがケネディが20年かかって大統領になってくれた、ありがとよ、安らかに眠ってくれ」

なんて台詞を吐くんだよ、これだけで映画がぐっと締まりますね。けだし名優とはこういう人を言うんだろうな。まあ、この段階でこのリメイクはただもんじゃない、インファナル・アフェアを越えるんじゃないかと思いました。
は: 設定をうまくアメリカの歴史に溶け込ませたら、後はバイオレンスモノの得意なスコセッシ監督の独壇場でございましょうね。
ゆ: でも驚いたことに非常に細かい設定まで忠実に「インファナル・アフェア」をなぞってましたね、もっと思い切って脚本を変えてくるかと思ってましたが、意外でした。それだけ原作が優れていた証左ではありましょうけれどね。

は: 主役お二人は如何でしたか?
ゆ: ブラピが主役二人にマットディカプリオを選んだのは正解ですね。オーシャンシリーズではぱっとしなかったマットですが、ここでは素晴らしい演技をしています。さすがにアンディ・ラウほどの貫禄はありませんが、逆に若さゆえの苦悩も上手く表現していました。
は: ご主人様はディカプリオ様の作品というのはタイタニック以外ご覧になってないんでは?
ゆ: イエス・アイ・ドゥー(By坂田師匠)、ホントあれだけの演技が出来る人だとは思いませんでした、畏れ入りました。敢えて難を言えば、二人が風貌を含めて同じような雰囲気があるので、馴れるまで少し区別が付きにくかったです。
は: 脇役ではどなたが?
ゆ: ディカプリオをギャング組織に送り込む上司のうちの若い方、マーク・ウォールバーグが映画にいいアクセントをつけてましたね。

は: 映画の華である女優さんはいかがでございました?
ゆ: うーん、これがぱっとしないんだよね、ギャングのボスの妻役の人はやたら綺麗でスケベなだけ、精神科女医も二人の主人公をひきつけるだけの華がないしで、各々インファナル・アフェアのカリーナ・ラウケリー・チャンには遥かに及ばない印象を受けました。この辺の比重の置き方はスコセッシ監督の好みなのかもしれませんが、インファナル・アフェアのファンには物足りないでしょうね。

は: スコセッシ監督の手腕についてはいかがでございました?
ゆ: 自身が「私には香港映画のようには撮ることができない」とインタビューで述べておられるようにやはり自分の流儀で撮っておられますね、それを貫いて軸のぶれない映画をちゃんと再構成したところはさすがだと思います。
は: 先程細部に至るまで原作に忠実に作られているという話が出ましたが、エンディングだけは少し変わっていますね。
ゆ: そうだね、今の時期にネタバレは禁なので伏せますが、アジアとアメリカの倫理観、思想の違いのようなものを感じました、どちらが良い悪いでは無くてね。あとはリメイクをこの一作で終わらせるのであれば仕方なかったという側面もあるでしょう。

は: では最後に一言お願いします。
ゆ: スコセッシ監督の常で、音楽は最高です。ザ・ローリング・ストーンズの「ギミー・シェルター」から始まり、途中PFの「カンファタブリー・ナム」が出てきたり、エンディングロールでロイ・ブキャナンのソロギターが流れたり、この辺のセンスは素晴らしいです。R-15指定でどなたにもお勧めできる映画ではありませんが、暴力、セックス、ダーティ・ワーズを冷静に受け止められる方はどうぞご覧ください。

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2007/02/05

墨攻

Bokkou
 2月3日に公開された映画「墨攻」を昨日早速観てきました。墨攻は、戦国時代の中国を舞台とした酒見賢一の歴史小説を原作とした森秀樹の歴史漫画を映画化した日中韓合作の作品です。日本の中国歴史漫画を中国が映画化するというのがユニークですね。私の好きな作家酒見賢一氏の原作でアンディ・ラウ主演と言うことで、公開を心待ちにしておりました。公開に合わせて中国ロケしたTV番組「世界不思議発見」でしっかり予習もしておきました。

 「墨攻」という単語は、現在でも使われる「墨守」と言う言葉から酒見氏が作り出した造語ですが、その「墨」という言葉の由来は「墨家」という学団に発しています。墨家は紀元前450年ごろ春秋戦国の世に墨子によって形成され、一時は儒家と拮抗する勢力を誇りながら、秦の始皇帝の時代に忽然として姿を消してしまいます。その墨家の一人の男を主人公にしてこの物語は構成されています。

スタッフ
監督: ジェイコブ・チャン
撮影監督: 阪本善尚
編集: エリック・コン
音楽: 川井憲次

キャスト
革離: アンディ・ラウ (墨家の男)
巷淹中: アン・ソンギ (趙の名将)
梁王: ワン・チーウェン (優柔不断な梁王)
逸悦: ファン・ビンビン (梁の重臣だった父の後を次ぐ騎馬隊長、革離にひそかな思いを寄せる)
子団: ウー・チーロン (弓の名人で革離により弓隊の長となり良くその大役を果たすが後に革離派として造反者の汚名を着せられ右腕を落とされる)
梁適: チェ・シウォン (梁の王子、最初は革離に反感を覚えていたが次第に心酔するようになる、革離が反逆者として捕まりそうになった時に機転を利かせて彼を逃がすが)

 一人の墨家の男が住民僅か四千人の梁城を大国趙の10万人の精鋭軍団の攻撃から如何に守りぬくのか、そもそも彼は何故一人で正式な派遣者としての印も無く現れたのか、王や王の臣下、住民は彼を信頼し続けることが出来るのか、、、

 智略にとんだダイナミックな戦闘シーンの数々はそれだけでも十分に見ごたえがありますが、アジア映画らしく、単純に善悪正邪勝敗を分けない重厚なストーリー展開には感銘を受けました。特に紆余曲折を経て敵の趙軍に制圧された梁城、すなわち死地へ単身赴く主人公革離が最後に仕掛けた乾坤一擲の作戦により、種々の登場人物の運命が翻弄されていく様が個人的には大変見応えがありました。
 特に原作には無かったヒロインが単に色添えに終わらず、物語に深い深い余韻を与えて物語が終わるところなど、私が常々日本映画の弱点として指摘している「脚本」の大事さを見事に証明してくれている気がします。

 個人的にはやはりアンディ・ラウの佇まい、演技に目が釘付けになっていました、大した俳優です、やはり彼は(嘆息。ちなみにパンフレットによると漫画の原作のようにスキンヘッドになる覚悟も出来ていたし、むしろ楽しみにしていたのに監督がその必要は無い、と言ったそうです、ちょっと見てみたかったですね。ちなみに書の達人でもある彼は冒頭シーンの「墨攻」の字も書いています。
 その他韓・台の俳優も頑張っているのに日本の俳優が一人も居ないのは少し寂しく感じました、いつまでも金城武や真田広之しか認知されていないのでは情けないです。とはいえ、本編前の「蒼き狼」の予告編を見ただけで「こりゃダメだ、いつまでたっても追いつけんわ」と思いましたけれど。

 日本勢では「男たちの大和」でも素晴らしいカメラワークを見せた阪本善尚、そしてアニメ音楽で有名な川井憲次が、この映画でも大変良い仕事をしていました。俳優がいない分スタッフの頑張りで原作国の日本の面目を保ったというところでしょうか。

 という訳でアジア映画の総力を結集した感のある佳作です、是非どうぞ。

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2007/02/04

日本以外全部沈没

日本以外全部沈没
はむちぃ: ご主人様、きょ、今日の映画レビューはひょっとして、、、
ゆうけい: はむちぃ君が強引に「日本沈没」のレビューを持ってきたもんだから、当然これもやらなければなりませんな(^。^)、小松左京先生と並んで日本のSF界の地平を開拓してこられた筒井康隆先生原作の「日本以外全部沈没」どぇ~す。ちなみに

原典:小松左京

と、でかでかとクレジットされております。
は: し、しかし、これも相当のトホホ系なのでは?

「64億420万人(日本以外)のすべての外国人に捧ぐ」

なんてかなり危なそうなパロディではありませんか?
ゆ: うみゅ、前田有一の超映画批評10点をたたき出してるぞ(笑、ちなみに日本沈没は40点じゃ。
は: も、もう先が見えているような(ーー;)

 小松左京の大ベストセラー小説「日本沈没」を、強烈に皮肉った筒井康隆のパロディ小説「日本以外全部沈没」を、本家「日本沈没」のリメイク映画化に対抗し(あやかって?)、かの河崎実監督が完全映画化した作品。
   西暦2011年。日本以外のすべての陸地が海に沈んでしまう。命からがら逃げおせた各国の難民たちは、狭い日本に押し寄せる。当然のごとく勃発する食糧難に物価の高騰、失業率の上昇といった危機的状況を打開すべく、日本政府は超法規的措置として「GAT〈外人アタック・チーム〉」を組織する。
   筒井小説の持ち味であるブラック・ユーモアと河崎監督の得意技であるおバカ・キャラ&シチュエーションが絶妙な化学反応を見せ、とうてい我が国以外では上映不可能、在日外国人激怒必至な、破壊的パロディ映画が誕生した。ここぞとばかりに炸裂する差別的ギャグと、どうかしてるとしか思えない展開は、笑いながらも後ろめたさが残る、形容しがたい奇妙なテイストを味あわせてくれる。オリジナル映画版とそのTVシリーズ版、藤岡弘、と村野武範と、歴代小野寺役2大俳優の共演は、ごく一部のマニアをぐおおおと唸らせた。また本家ほどではないが特撮研究所によるパニック映像も完備。(斉藤守彦)

は: や、やっぱり、、、でございますね(--〆)
ゆ: いやあ、くそまじめに下手な演技を展開してる「日本沈没」より、徹頭徹尾遊び倒しているこっちの方が好感が持てますよ(^_^;)、おまけにこっちはアカデミー賞男優まで動員してますしな(爆
は: そのアカデミー賞俳優、ダンボールハウスの住人にまで落ちぶれて、うまか棒万引きして捕まっておられましたし(涙、次から次へあんなに危ないネタを次々と展開していいものでございましょうか、特に「神社参り」ネタなんて、いつもは何かとセンシティブな中国韓国からよくもまあ猛烈な抗議が来なかったものでございます。
ゆ: ただ単にどマイナーな映画で相手が知らないだけでしょうで(苦笑、でもまあそこはそれ、断筆宣言までして言論弾圧に対抗した筒井康隆先生の気概を受け継いでいると言っておこうかのう、ふぽっほっほ~(^○^)

は: じゃあ、ご主人様、その筒井康隆先生の断筆宣言はどう考えておられるのですか?
ゆ: うっ、事が私の専門分野に絡むだけにそれは、ノ、ノーコメントなのだな(大汗。
は: でございましょっ、差別ギャグは鋭利な刃物と同じ、かなりの危険物でございますよ~(マジ
ゆ: 確かにギャグがギャグ以上の文明批評になってないし、日本人の外人コンプレックスをあからさまに裏返して憂さ晴らししてるだけ、と言う気がしないでもないですな。そういう点ではアングラのままでおいとかないと危ない映画ではありますね。

は: 大変歯切れの悪いレビューになってしまい、申し訳ありません、では最後の一言をご主人様、お願いします。
ゆ: マイナー差別ネタをクールに笑いとばせる方限定で是非どうぞ、ちなみに田所博士の壊れっぷりは豊悦(日本沈没)より寺田農さんのほうが凄かったです(゜o゜)。

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2007/01/31

日本沈没

日本沈没 スタンダード・エディション
は: 本日のゆうはむ映画レビューは第3回文春きいちご賞第2位に輝きました日本沈没でございます。第2位とは申せ、一位はアニメでございますから実写版としては堂々のトップ作品でございます
(ー_ー)。
ゆ: ええ~ほんとうにやるの~はむちぃ君?
は: やらざるを得なくなったのはご主人様の責任でございますよ(プンプン。
ゆ: へっ(・・?

は: 先日のきいちご賞記事のラストでよせばいいのに

最低男優賞がトム・ハンクスだなんて草彅君に失礼

などと余計な捨て台詞をおっしゃるもんですから、公明正大がモットーのゆうはむ漫談の性質上やらざるを得なくなったのでございます。
ゆ: そ、そうかな~(^_^;)、きっと後悔するぞ、はむちぃ君、、、
は: そういうご主人様だって、過去に2、3回だけではございますが

草彅君に似てますね

なんておべんちゃらを言われたことがおありでございましょっ!
ゆ: ひえ~、そ、それだけは言わないでくれ~(号泣

『  潜水艇「わだつみ6500」のパイロットの小野寺は、同僚の結城とともに、深海調査に乗り出していた。そこでふたりは驚愕の事実を発見する。このままいくと海底プレートの沈降で、日本列島が海に沈んでしまうことがわかったのだ。日本の危機が目前だと、ふたりを指揮していた地球科学博士の田所はほかの科学者や日本政府にSOSを出す。しかし、地殻変動は起き、火山は噴火、大地震が起こり、国民はパニックに陥る。
   小松左京の原作を映画化。すでに73年に映画化され話題をさらったパニック映画が、06年版として『ローレライ』の橋口真嗣監督の手で蘇った。防衛庁、陸上自衛隊などが全面協力し、最先端の技術を駆使したパニックシーンのすさまじい迫力は一見の価値あり。またキャストも豪華。小野寺は草ナギ剛、結城は及川光博、田所は豊川悦司、ほか柴咲コウ、大地真央など豪華キャスト。日本中がパニックになり、どうなるのかというスリリングな展開をメインにしながらも、危機に直面したときに浮かび上がる人間愛にもスポットをあてて、後半感動を盛り上げる。誇りをもって最後まで命懸けで闘う小野寺は、まわりの人間をひっぱる頼もしく熱いヒーローではないけれど、淡々としながらも任務を全うする姿には感動。新しいヒーローの誕生を感じずにいられない。』(斎藤 香, AMAZON解説より)

は: 、、、、、、(ーー;)
ゆ: なっ、言っただろ
は: 、、、(T_T)、、、こ、これは、、、確かに、、ご主人様のおっしゃる

「感動無理強い」
「演技力不足」
「脚本貧弱」

を完璧に満たしたトホホ作品でございます、ね(涙
ゆ: だから言ったろ、では皆様、トホホと言う結論でございます、ではまた~(^○^)/~~~

は: ちょ、ちょっと待ってくださいまし、公明正大にやると言った以上けなすだけではダメでございます。
ゆ: う~ん、粘るね~はむちぃ君。
は: 私考えましたが、冒頭の東海大地震のアクションはまあ導入部としては良かったと思うのでございます。
ゆ: まあね、セリフが入る前までだけど。
は: そしてとにもかくにも草彅様が海底に潜っていくシーンからラストシーンまでの約20分間は一応映画としてまずまず成立していたと思うのでございます。
ゆ: シチュエーション設定には無茶苦茶無理はあるものの、まあパニック映画の大団円としては一応合格点かな。
は: そしてCGは昔に比べればはるかに進歩しております。
ゆ: 確かにCGだけが思いっきり最先端で浮いてたね(^_^;)
は: これを総合しますと、最初と最後はまずまずで、CGのグラフィックは綺麗なわけですから、

その間を上手く繋げば立派な映画になっていた

のではないかと思うのですっ!
ゆ: それはとりもなおさず、

草彅君と柴咲コウが大写しになるシーンが悉くダメだった

と言うことですがな、はむちぃ君。
は: が~~~ん(゜o゜)、やっぱりそこへ戻ってくるのでございますか、とほほ。

ゆ: 家内も

草彅君はどんなドラマでも演技が変わらんし、柴咲コウなんてあんな弱っちぃレスキュー隊員がおりますかっちゅうの」

とえらいご立腹でございました。
は: 「ローレライ」でど素人の香椎由宇をとにもかくにもヒロインとして成立させた樋口真嗣監督は今回一体何をしてたんでございましょう?(怒。
ゆ: 平成ガメラでスティーブン・セガールの娘(藤谷文子)をヒロインにした人だからなあ(^_^;)、まあ、キャスティングには方々からの圧力があったんでしょうで、はむちぃ君。

は: さすがにもう降参でございます、ご主人様、では最後の一言を。
ゆ: 最低女優賞が長澤まさみなんて柴咲さんに失礼ですよ!
は: ご、ご主人様、懲りもせず~(T_T)

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2007/01/24

第3回文春きいちご賞

 日本版ゴールデン・ラズベリー賞、文春きちいご賞が発表になりました。では去年に続いて今年もダメダメ映画をみてみましょう。

1位: ゲド戦記
2位: 日本沈没
3位: ダ・ヴィンチ・コード
4位: 涙そうそう
5位: PROMISE
6位: LIMIT OF LOVE 海猿
7位: 連理の枝
8位: ラフ ROUGH
9位: アンジェラ
10位: 7月24日通りのクリスマス

最低監督賞 宮崎吾郎(ゲド戦記)
最低男優賞 トム・ハンクス(ダ・ヴィンチ・コード)
最低女優賞 長澤まさみ(涙そうそう、「ラフ ROUGH」)

 2006年度は「ゲド戦記」がぶっちぎりだったようですね(^_^;)。まあ、原作者に愛想つかされてちゃ話になりませんが。個人的にはまだ観てないので感想は差し控えますが、ジブリは声優の選択と主題歌の選択はもう少し考えた方がいいですね(苦笑。

 その他の作品も概ね妥当な選択だと思いますが、5位にPROMISEを持ってきたあたり、記者さんさすがに良く見てますね、私も実は観てしまったのですがちょっとレビューする気にはなりませんでした(^_^;)。

 日本映画のダメダメ作品にはある共通項が浮かび上がってきますね。すなわち、

「感動無理強い」
「演技力不足」
「脚本貧弱」

この3点セットが揃っていて、マスコミ媒体で派手な宣伝をやらかしていると、まあ大体きいちご賞受賞間違いなしです(爆。今に始まったことじゃないですが、このランキングを見るとやっぱり深刻ですねえ。長澤まさみには少々期待していたんですが、これからどう殻を破っていけるか難しいところに来ているようですね。

 3位、8位の外国映画は両方好意的にレビューしてるなあ(^_^;)。まあ批判されるべき点は分かった上で、敢えて好意的に書きましたから異論はありませんが。それにしてもトム・ハンクスに最低男優賞というのはちょっと気取りすぎじゃないかな、草彅君に失礼ですよ(^^ゞ

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僕の大事なコレクション

僕の大事なコレクション 特別版
は: 今月の映画レビューは中世イギリス文革中国と来て今回はなんとウクライナが舞台でございます。
ゆ: 今回はまことさんの記事で教えていただいた「僕の大事なコレクション」という映画です。

ジョナサンは、家族にまつわる品物をなんでもコレクションしてしまうという一風変わった趣味の持ち主。ある日、祖母からもらった写真をきっかけにウクライナに旅立つことになる。写真に写った祖父の命の恩人だという女性を捜すために。そんな彼を現地で出迎えたのは、ブロークンな英語しか話せない通訳兼ガイド、目が見えないと主張するドライバー、そして犬嫌いのジョナサンをお構いなしに吠えまくる盲導犬・・・。強烈なカルチャー・ショックを受けながらも、祖父の足跡を辿るジョナサンは、やがて思いもしなかった過去の物語を紐解いていくのだった。(AMAZON解説より)

は: 冒頭の写真はなんと「ロード・オブ・ザ・リング」のフロド役のイライジャ・ウッド様でございますね。
ゆ: そうそう、ビックリしましたねえ。「ロード・オブ・ザ・リング」はたかが指輪一つを捨てに行くだけなのに何でこんなに苦難の道を歩ませるの?と言う映画でしたが、今回はある土地を探しにはるばるアメリカからウクライナへ出かける物語です。
は: 最初はコミカルなロードムービーものと思いましたが、、、
ゆ: 思わぬ深い話に展開して行きましたね。あのじいさん、只者ではないと思ってましたが、結局今回の主人公は彼だったんですな。
は: ご主人様、それ以上言うとネタバレでございます。監督のリーブ・シュライバー様は俳優さんで今回が初めての作品だそうですが、大したものでございますね。
ゆ: 姓から察するに、原作を読んでこの映画をどうしても自分の手で撮りたかったんでしょうね。結果ダ・ヴィンチ・コードより余程深みのある映画を作ってしまいましたね、ほんと大したもんです。
は: だからご主人様、ネタバレは御法度でございますってば(-_-;)

ゆ: じゃ、筋の方はあっちゃ置いといて、俳優さんの評価に参りましょうか、と言ってもイライジャを含めたった4人しか主要登場人物はいないんですが。ちなみに原作者ご本人が冒頭墓掃除のおじさんで登場してたようです。
は: 何と言っても強烈な存在感を示したのはウクライナ訛りの英語を駆使する珍妙な通訳にして例のおじいさんの孫役のユージン・ハッツ様ですね。
ゆ: タッパもあるし、ブレイクダンスもムーンウォークもうまいし(笑、マシンガンみたいなトークもアメリカとのカルチャーギャップを良く表現できていて秀逸だし、強烈な存在感を示してました。そういやウクライナ訛りの英語ってなんか一昔前のパンク野郎の英語みたいだなと思ってたら、彼ホントにパンクロッカーらしいです(爆。
は: イライジャ様の役名「ジョナサン」が言いにくそうでしたね(^_^;)。
ゆ: 「ジョン・ファン」になってたね、まるでヨギータみたいだ、って書こうと思ってたら、homさんに先に言われちゃいました(T_T)。
は: それは映画ピンクパンサーのフランス語訛りの「ハンバーグ」の件でございますね(~_~;)。

は: さて、視点を変えましてカメラワークでございますが、これがまた雄大な自然を丹念に描いていて秀逸でございました。
ゆ: ウクライナと言えば昔社会の授業で「世界の穀倉地帯」と習ったくらいですからな。あのおじいさんの言によると戦前はもっと豊かだったらしいからそりゃ凄かったんでしょうな。
は: 実はウクライナでなくてチェコでロケしたそうでございますよ(-.-)(ボソッ
ゆ: へっ?(゜o゜)が~んorz
は: まあまあそうそうしょげないでくださいませ、老婦人の家の周りのひまわり畑も見事でございましたね。
ゆ: ソフィア・ローレンの「ひまわり」を思い出しましたね。あれも旧ソ連が舞台でしたか。

は: では最後に一言願いします。
ゆ: 原題は

Everything Is Illuminated
(全ては解き明かされた)

と言うのですが、孫役のユージン・ハッツのモノローグにあるように、おじいさんの心の闇だけは完全には照らし出されぬままでしたね、それが大変深い余韻をこの映画に与えていると思いました。もちろん日本人には理解できない部分でもあるのでしょうけれども。
は: おじいさんの犬の名前がヒントでございましょうかね。
ゆ: そうそう、サミー・デービス・ジュニア・ジュニアと言うんですけれど、主人公のジョナサンが途中で疑問点を指摘しますが、それがどういう意味を持っていたのかを観る方が推測してその機微を楽しんでいただきたい映画ですね。

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2007/01/11

玲玲の電影日記

Rinrin
玲玲の電影日記
玲玲の電影日記


はむちぃ: さてみなさん、(浜村淳風)、先日は英国の濃い映画をご紹介いたしましたが、本日は哀しくも美しい映像美で迫ります中国映画、玲玲の電影日記でございます。
ゆうけい: ニュー・シネマ・パラダイスカーテンコール映画館の栄枯盛衰ものにからきし弱い私が弱いと知りつつ観てしまいました。
は: 案の定滂沱の涙で奥様に笑われてしまいましたですね。
ゆ: その奥様も泣いてたぞ、貰い泣きかもしれんが(^_^;)。

『物語は、北京で働く青年ダービンが、ある事故をきっかけに知り合った少女の日記を偶然読むところから始まる。日記には彼女の幼い頃の想い出が綴られていた。舞台は文革真っ只中の1971年、中国西北部の田舎町。少女の母はかつて映画スターを夢見た美しい女性で、娘は大好きな母と野外映画館に行くのが楽しみだった。父親はいなくても母と映画があったから、暮らしは貧しくても楽しかった。でもそんな幸せも長くは続かなかった。幼なじみの少年との別れ、母の再婚と新しい父・異父弟の存在、野外映画館の閉館、そして悲しい旅立ち・・・。母がいつも聞かせてくれた歌、幼なじみの少年と走った草原、屋根の上に登って見た野外映画館のスクリーン・・・家族と別れた孤独な少女はその頃の記憶だけを胸に生きてきた。そしてかつての幼なじみダービンによって明かされる、優しい真実。その切なさに涙せずにはいられない。長い年月の中で離れてしまったそれぞれの人生が、映画を愛し続けたことで再び寄り添う珠玉の感動作。まさに中国版ニュー・シネマ・パラダイスと言えるだろう。』(Official HPより)

ゆ: どうですか~みなさん、泣く準備は良いですか~、1、2、3、ダー(T_T)
は: アントニオ猪木さんですか、あんたは(--〆)
ゆ: いやいや、うまい言葉が見つかりませんが、文革真っ最中の言論統制の厳しい中国を舞台に展開する二世代の人生のドラマが切なく胸を打ちます。長い紆余曲折の末に離れ離れになった親子、友が巡り合うプロットは、最後だけ安易にハッピー過ぎないか?とか突っ込みどころが無い訳では無いのですが、美しいカメラワークとテンポの良い演出でうまく乗せられてしまいますね。

は: それにしても凄い辺境があるものでございます。
ゆ: ゴビ砂漠かと思うような砂山が遊び場になったり、駅へ向かう道に断崖絶壁があったり70年代にしてあの生活環境、文革中国の版図の広さが本当に実感できますね。
は: 映画館も野外ですしね。
ゆ: 映画の材料としては良い雰囲気を醸し出していますけれどね、またそれが悲劇の伏線にもなりますし。
は: 上映される映画もいかにもといった国策映画やアルバニアなどの珍しい映画が登場しますね。
ゆ: 当然ながら映画輸入が許可されている国が限られていましたから。共産主義の文革が、庶民の貧しさや恋愛のタブー視、言論統制に至るのは、戦前の日本の軍国ファシズムと通底するところがあるのは何か皮肉な気もしますが。

は: 俳優もみなさん素晴らしかったですね。
ゆ: こういう映画は子役が命なんでしょうけれど、主人公の少年少女が本当に可愛くてハマり役で、素晴らしかった。それだけにその後の悲劇が余計に胸を打ちます。母親役の方もかなりの年代を演じ分けないといけないのですが、演じるそれぞれの世代が素晴らしく魅力的でした。

は: 監督のシャオ・チアン様はこの作品がデビュー作の女性だそうでございます。
ゆ: 中国からまたしても新しい才能の持ち主が出てきましたね、楽しみです。
は: と言うわけでございまして、ニュー・シネマ・パラダイスをお好きな方には絶好の映画でございましょう、是非どうぞご覧下さいませ。
ゆ: ニュー・シネマ・パラダイスと言わず、映画がお好きなら絶対損はしないです、是非泣いてください、さあ、1、2、3、、、
は: もうよろしいってば(-_-;)

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2007/01/04

リバティーン

リバティーン
は: 皆様あけましておめでとうございます、はむちぃでございます、本年もよろしくお願い申し上げます。早速ですが本年初の映画レビューは少々マニアックな映画でございます。
ゆ: ジョニー・デップ主演の「リバティーン」でございます。去年の春頃公開されたのですが、「パイレーツ・オブ・カリビアン」と違ってほとんど話題になりませんでした。ジョニー・デップが好きな方にはたまらない映画なのですが、そうでなければ途中で勘弁して、と逃げ出したくなる方もおられるかもしれません。

   1660年代、王政復古のイギリスで、ロチェスター伯爵ことジョン・ウィルモットは、作家の才能がありつつも、そのセクシャルでスキャンダラスな内容が問題視されていた。女性関係も派手な彼だったが、エリザベスという女優に出会い、彼女の才能を開花させるべく丁寧な指導を施す一面もあった。しかし、ジョンは国王に依頼された、フランス大使を招く歓迎式典の舞台演出で、卑猥かつ刺激的な内容で、国王の顔に泥を塗ってしまう…。(AMAZON解説より)

は: た、確かに猥雑で壮絶で気持ち悪くなるところも多い映画でございました、奥様も気持ち悪がっておられましたですね。
ゆ: そうなのだ、だから借りるのをためらっていたのだが、これ以上待ってるとレンタル屋から無くなってしまうかもしれんのでな(^_^;)。

は: ジョニー・デップ様が脚本の冒頭3行を読んで、出演を即決したほど惚れ込んだそうでございますね。
ゆ: そうそう、冒頭のモノローグからしてデップ独特の世界を既に構築しているからな。最初から

「この映画を見終わったら私を大嫌いになっているだろう」

なんて予告する主人公はまあいませんよね。
は: その予告通りの「熱演」でございました(大汗。
ゆ: 喜怒哀楽をさらけ出し、放蕩に明け暮れ、酒と梅毒に苛まれ廃人同様に死んで行くかと思いきや、最後にチャールズ一世を助ける為に一世一代の芝居を打つ、という役どころはまさにジョニー・デップの為に設定されたかのようでした。そしてその出来栄えや「素晴らしい」と言う言葉を通り越して「壮絶」なものでした。まさにこれがデップだ、と言う感じで、彼の役作りに懸ける情熱の凄さをひしひしと肌で感じました。特に晩年、と言っても30代前半なんですが、梅毒に侵されてからのメイクと演技は鳥肌モ ノでした。ヨギータ風に言うと

ココマデヤルトハドギモヌカレタヤロ

ですな全く。

は: 生理的嫌悪感を含めて確かにいろんな意味で鳥肌ハム肌が立ちましてございます(^_^;)。このデップ様のために書かれたような主人公、放蕩詩人ジョン・ウィルモットこと第二代ロチェスター伯爵は、なななんと実在の人物だそうでございます。
ゆ: 時は1660年代ですから、教科書的に言えばクロムウェルチャールズ一世を倒した清教徒革命が終焉を向かえ、チャールズ二世王政復古を成し遂げた時代です。その頃のロンドンの貴族の性的退廃、庶民街や売春窟の汚さ、湿気の多い気候、疫病の流行といった背景が王や貴族の宮殿、劇場の先進性や華やかさと見事なコントラストをなして、暗鬱なこの映画に良くマッチしていましたね。
は: そのチャールズ二世を演じたジョン・マルコビッチ様も好演でございました。
ゆ: ジョニー・デップとは対照的な「」の演技で画面を引き締めていましたね。実は舞台ではマルコビッチがロチェスター伯爵を演じていたそうですが、この映画の配役の方がはまり役だと思いますね。

は: 女優陣では何と言ってもロチェスター伯爵を真の愛に目覚めさせる女優役を演じたサマンサ・モートン様が光っておりました。
ゆ: ぱっと見にはそれほど画面に映える女優さんでは無いと思ったのですが、荒削りな新進女優が彼によってその才能を開花させていくプロセスと、それと平行して反感が愛情、そして憎悪に変化していく表現力が見事で、本当の実力のある舞台女優で無いととてもこなせないと思われる難役を見事に演じきりました。余計なお世話と言われそうですが、日本にこれだけの役をこなせる同世代の女優が果たしているだろうかと嘆息をついてしまいましたね。

は: それ以外ではどなたか目につかれましたか?
ゆ: 始めは端役と思っていたロチェスター卿の妻役ロザムンド・パイクが後半、病に倒れた夫に対して炎のような怒りと愛をたたきつける演技にはビックリしました。この人も大変な実力の持ち主ですね。
は: どこかで見た事があると思いましたら「007/ダイ・アナザー・デイ」でフェンシングの達人としてボンドと渡り合ったあの美人女優さんでございました。

ゆ: こうしてみると、主演クラスが全て演技の達人揃いで各人が丁々発止の火花を散らせていたことが分かりますね、それだけにデップの演技にもいつもに増して力が入っていたのでしょう。
は: どんなに気持ち悪いとは言え、これはもうデップ様の代表作と紹介しても決して褒め過ぎではない作品でございますね。
ゆ: これだけの作品を作り上げたローレンス・ダンモアと言う監督はまだ新人でこれがデビュー作なのだそうです、これからが楽しみな人が出てきました。

は: という訳でございまして、「パイレーツ・オブ・カリビアン」のジャック・スパロウや「チャーリーとチョコレート工場」のウォンカのようなジョニー・デップ様を期待される方にはお勧めできませんが、真のデップ様の凄みを経験してみたい方は必見でございます。
ゆ: もちろんハリウッドに飽き足らないディープな洋画ファンにもお勧めです。正月ボケの頭に喝を入れたい方にもお勧めです(爆。最後に一応タイトルについて解説しておきますと

Libertine=放蕩者

という意味です。デップファンの贔屓目もあると思いますが、真の感動が待ち受けている映画だと思いますので是非どうぞ。

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2006/12/25

今年を振り返る(3)映画編

Brokenflowers3
はむちぃ: さて皆様、クリスマスの朝を幸せに迎えておられることと存じます、では今日は今年の映画レビューを振り返ってまいりましょう。
ゆうけい: 先ずは今年レビューした新作をリストアップしてみます。

パイレーツ・オブ・カリビアン / デッドマンズ・チェスト  06/12/19
ヘイフラワーとキルトシュー   06/12/01
ANGEL-A   06/11/27
ウォレスとグルミット:野菜畑で大ピンチ!  06/10/24
かもめ食堂  06/09/28
尻怪獣アスラ  06/09/22
紙屋悦子の青春  06/09/11
男たちの大和  06/09/01
プリンス&プリンセス  06/08/07
さよならCOLOR 06/07/18
ダ・ヴィンチ・コード  06/07/04
カーテンコール  06/07/03
ブロークン・フラワーズ  06/04/30
アメリカ、家族のいる風景  06/04/15
コープス・ブライド  06/03/14
デビルマン  06/02/28
スカーレット・ヨハンソン2作品  06/02/06
(「ロスト・イン・トランスレーション」「アイランド」)
ヒトラー最期の12日間  06/01/21
福井晴敏3部作に思う  06/01/13
(「ローレライ」「戦国自衛隊1549」「亡国のイージス」)
バタフライ・エフェクト  06/01/09
コンスタンティン  06/01/08

は: 何れ劣らぬ名・迷作が揃いました。では今年も最優秀「作品」「監督」「主演男優」「主演女優」賞、功労賞、トホホ賞を選んでまいりましょう。
ゆ: 先ずは格調低いところから済ませましょうか(^_^;)

トホホ賞: 尻怪獣アスラ

は: もうぶっちぎりの受賞と申せましょう(-_-;)
ゆ: 手に取った時に予感はしたんだが(^^ゞ、これに比べりゃデビルマンなんて普通ですな。よくもまあ、我々ゴジラ・モスラ世代をこれだけ手玉に取ってくれたもんですわ。
は: エロ・グロ抜きでこれだけ格調低い作品を作るのはある意味凄いと思いますけれど。
ゆ: そう言われりゃそうだな、時々謎の日本人ワンサムサキタシラを懐かしく思い出すこともあるもんな(爆

は: では今度は格調高く参りましょう。

功労賞: 故黒木和雄監督

ゆ: 遺作「紙屋悦子の青春」をはじめとする静かな反戦映画を撮り続けた功績に対して謹んで送らせて頂きます。
は: ご冥福をお祈りいたします、合掌。

ゆ: では、最優秀主演女優賞の発表です。

最優秀主演女優賞: リー・ラスムッセンANGEL-A)

は: おおっ、ご主人様の反応からしててっきり「ロスト・イン・トランスレーション」で、スカーレット・ヨハンセンの2連覇かと思っておりましたが、、、まあ原田知世様を強引に持ってこないだけ、ご主人様の良識は保たれておられるのでしょう(~_~;)
ゆ: リーのあの大きさにやられました(爆。とにかく大スクリーンに映えるスタイルですし、白黒映画にもかかわらずあれだけ美しさが際立っているのは魅力ですね。おまけに演技もなかなか堂に入ったものですし、すっかり魅了されました。
は: え、演技はおまけでございますか(汗、やはり主演女優はあれくらいの存在感が無いと、といったところでしょうか。そう言えば去年の男優賞(坂口憲二)でも同じようなことをおっしゃっておられました、では今年の男優賞はいかがでしょう。
ゆ: 男優賞は皮肉なことに、畏怖の念さえ覚えるような演技派に決定させていただきました。

主演男優賞: ブルーノ・ガンツヒトラー最期の十二日間

は: おっ、「ロスト・イン・トランスレーション」「ブロークン・フラワーズ」と二作に出ておられたビル・マーレイが有力かと思っておりましたが、これも納得の受賞と申せましょう。
ゆ: ヒトラーになりきった真に「鬼気迫る」演技には鳥肌が立ちました。邦画の「バルトの楽園」にも出ておられるそうですが、未見でそのうち機会があれば見てみたいと思っています。

は: では監督賞お願いいたします。
ゆ: これは迷いに迷いましたが、

最優秀監督賞: ジム・ジャームッシュ(「ブロークン・フラワーズ」)

は: 迷われた割りには順当でございますね、今年はヴィム・ヴェンダースジム・ジャームッシュのお二人が各々「パリ・テキサス」「ストレンジャー・ダン・パラダイス」から20年を経て撮られたロード・ムービーにいたく感動しておられました故。
ゆ: ジム・ジャームッシュ独特のゆるさが心地よくて僅かにジムに軍配をあげました(^o^)、他にもソフィア・コッポラリュック・ベンソン、去年の受賞者ティム・バートンなど、個性的な監督がそれぞれ持ち味を出しておられるのも印象深かったです。

は: では最後を飾りますのは作品賞でございます、私目の予想では「ヒトラー」か「紙屋悦子」ではないかと踏んでおりますが、さていかがでございましょう?
ゆ: じゃ~ん、ブーイング覚悟で発表いたしまーす。

最優秀作品賞: ホテル・ルワンダ
ホテル・ルワンダ プレミアム・エディション
は: おおっ、こ、こ、これは反則でございます、ノミネート作品に入っておりませんではないですか~(怒。
ゆ: スマソ、何度もレビューを書こうと下書きしたんだけど、ついにアップできなかったんです、勘弁してください。事実の持つ重さに感銘を受けることだけは間違い無いのですが、この映画の取っているスタンスだけが正解とも言いきれないところに底知れないアフリカの混沌を感じさせます。その辺をどう受け止めるかで傑作と感じるか駄作と感じるか人によって受け取り方が様々に変わってくると思います。とにかく是非一度は観て頂きたい作品です、もうご覧になった方は是非ご意見をうかがわせて頂きたいと思います。
は: 同じようなことがスピルバーグの「ミュンヘン」にも言えますですね。
ゆ: おっ、はむちぃ君ナイスフォロー有難う、この2作品には本当に考えさせられました。
は: では、突然の問題提起で終了という意外な展開でございましたが、映画編この辺でお開きにさせていただきますm(__)m

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2006/12/19

パイレーツ・オブ・カリビアン / デッドマンズ・チェスト

パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト スペシャル・エディション
はむちぃ: おっ、今日のレビューは大ヒット作「パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち」の続編、「デッドマンズ・チェスト」でございますね。ジョニー・デップ・ファンのご主人様としては見逃すわけにいかぬ作品でございます。
ゆうけい: そうそう、公開時にどうしても都合があわずに観にいけなかったものでDVDレンタル開始を心待ちにしておりました。

   ジョニー・デップがオスカー候補にもなったジャック・スパロウ船長を怪演する、冒険アクションのシリーズ第2弾。今回は、悪運の強いジャックにも命の危機が訪れる。かつてブラックパール号を手に入れたとき、彼はデイヴィ・ジョーンズ船長に身を捧げる契約を交わしていたのだ。ついに、その期限が訪れる。第1作目の後日談になっており、メインキャストの演技も快調。最初の登場シーンから、人喰い族に追われるアクションまで、ジョニーが笑わせまくる。
   最大の見せ場は、ジョーンズ船長の容姿と、彼が操る巨大ダコ「クラーケン」だろう。口から生えたヒゲがタコの触手のようにウネウネと動く船長は、観ているだけで不気味。VFXが駆使されたクラーケンの襲撃では、ダイナミズムとともに、「怪獣」という響きが似合う懐かしさも感じさせてくれる。この続編で新鮮なのは、後半、ジャックに人間くささが浮かんでいく点か。ウィルとエリザベスの恋人カップルを交えた微妙な関係や、海賊としてのプライドをみせる場面は、1作目にはなかったカッコよさがにじみ出ている。ジョニーの余裕と遊び心、俳優としてのオーラのブレンドに感心しつつ、驚きのラストがどうパート3 に続くのか楽しみでならない。(斉藤博昭、AMAZON解説より)

は: 2作目の題名「Dead Man's Chest」は「死者の箱」と言う意味でございましょうか。
ゆ: そうそう、あまり話題にはなってないけどこの題名は秀逸だなあと思います。はむちぃの言う通り、この場合の「chest」は「大事なものを入れておく箱」という意味で使ってるんだけど、普通チェストと言えば「」だよね。実は今回の悪役の親玉デイビー・ジョーンズの一番大事なものが入ってる箱なんだけど、その中に入っているものを考えると、箱と胸の二つの意味をうまくかけてあるなあ、と思いますね。
は: 心臓ドキドキでございますね(^_^;)
ゆ: ネタバレすれすれですな(^o^)

は: ところでこの作品、大ヒットした割りには評判はあまり芳しくございませんね、やたら冗長・散漫であるとか、一作目を観ないと分からないことが多すぎるとか、キャラが映画の中で遊びすぎててシラケるとか、3作目を予定しててただの継ぎ映画になってしまってるとか、VFXが気持ち悪すぎるとか、、、
ゆ: 思いっきり色々と並べてくれましたな(^^ゞ、まあその通りでございます、前田有一さんが55点と評価したのは至極妥当でございましょう。まあ、ハリウッド随一のやり手ババアやり手豪腕プロデューサー、ジェリー・ブラッカイマーですからな、3部作にしてトリプルで儲けようと言う魂胆がミエミエですな。
は: とりあえず単独で評価しようとする事自体に無理があるようでございますね。
ゆ: 前作「呪われた海賊たち」が、現代に蘇えった新しい海賊映画として秀逸過ぎたので2作目は辛いよ、と言うところも確かにありますけどね、まあはらはらドキドキでとりあえず最後まで飽きさせませんし、本作単独でもそれなりの質はキープしてると思いますよ。

は: どうもご主人様はジョニー・デップ様が出ておられますと甘い傾向がございますね
(;一_一)
ゆ: まあ、結局そう言うことかな(~_~;)、私の場合ジャック・スパロウのはしゃぎっぷりを見ているだけで満足してしまうんだよね。「ロード・オブ・ザ・リング」のオーランド・ブルームも、「プライドと偏見」でアカデミー賞とっちゃったキーラ・ナイトレイも有機的に絡んでいるというか、ジャック・スパロウの世界に引きずり込まれているというか、このトリオはあいかわらず秀逸です。
は: キーラ様がアカデミー賞とっちゃったのでこの3人の仲が悪くなったと言う噂もございましたが、その様な影響を微塵も感じさせないところはさすがでございました。
ゆ: ただ、3作目ではジョニー・デップが降りて、なんとストーンズのキース・リチャーズがやるという噂なのでそれが心配です。確かにジョニーが最初の役作りの時、キースを念頭においてジャック・スパロウ像を完成したそうですが、だからと言って本物を持ってくるこたあ無いじゃあ、あ~りませんか(涙。

は: VFXは気持ち悪すぎると言う評判でございましたが?
ゆ: まあ、、、頑張ってますね(爆。デイビー・ジョーンズの顔とか、怪物クラーケンとかあれだけリキ入れて造りこんであるところをみると、むこうの人にとってタコってのは相当怖いんでしょうね。それに加えて今回、これだけタコヤキ好きな日本人でさえも怖がるんですから相当趣味が悪いことだけは確かですね。ハンマーヘッドの怪物がちっとも怖くないのがご愛嬌でしょうか。
は: クラーケンという化け物については、狂言回しの二人が発音についてペチャクチャ喋ってましたね。
ゆ: 向こうの人々にとっては「KRAKEN」は北欧の神話のポピュラーな怪物だからね。「スカンディナビア語ではクラッケンだ」とか言ってたのはそれでしょうね、ホントかどうか知らないけど。
は: そもそも「カリブの海賊」に北欧神話というのも良くわかりませんが(^_^;)
ゆ: 「カリブの海賊」に東インド会社が出てくるんだからいいじゃあ、あ~りませんか、ふおっふおっほ~(^○^)
は: チャーリー浜さんですか、あんたは(-_-;)
ゆ: まあまあい~じゃあ、あ~りませんか、はむちぃ君、昔は浜さんはベビーフェースだったんだけどねえ(^_^;)。というわけでVFXについて最後に一つ言わせていただくと、前回の骸骨ダンスのような、楽しいエフェクトが無かったのが少し残念でした。

は: 申し遅れましたが音楽はDolonさんお勧めのハンス・ジマーでございます。
ゆ: 多分映画も観ずにサントラを買っておられることでしょう、それなりの価値のある音楽でございました。サーロジックのサブウーファーもさぞや活躍してることでしょう。
は: ではあいも変わらず映画の内容には踏み込まないままのレビューでございますが、お開きにさせていただきます。
ゆ: 長い長いエンドロールの最後におまけがついております、お見逃し無きよう。

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2006/12/01

ヘイフラワーとキルトシュー

ヘイフラワーとキルトシュー
はむちぃ: ご主人様、ノワールなフランス映画の次はカモメ系フィンランド映画でございますね。
ゆうけい: 私以上にフィンランドにはまっている家内が借りてきますた。

ジャガイモの研究で頭がいっぱいのパパ、家事のできないママ、かなりわがままな5歳の妹。そしてそんな一家を支える7歳の女の子ヘイフラワー。彼女はあと1週間で小学生になるが、果たして家族はどうなってしまうのか。フィンランド発、心温まるファミリー・ムービー。

は: なるほど悪人や犯罪は全く出てこないホノボノ系でございます。
ゆ: 低予算NHK教育系という感じもしますな(^_^;)
は: 何しろ登場人物が両親と主人公姉妹、奇妙な隣人姉妹、狂言回し的警察官2名の8人でございますからね。
ゆ: オーシャンズ・シリーズの主人公グループより少ないですな(爆。それにしてもフィンランドの警察って暇なんだなあ~、犯罪が少ないのかな、ますますフィンランドに憧れちゃうよね。

は: ご主人様本題から外れております(-.-)、で、感想はいかがでございます?
ゆ: まあ、ストーリーより雰囲気を楽しむ映画ですね、特にフィンランドの自然の淡色系の美しさと綺麗なコントラストを成している人工物の色使いのカラフルさが楽しいです。
は: 風船遊びパイ生地テラピーでございますね。原色の美しさがなかなか楽しゅうございました。
ゆ: けったいなパイ生地を作るあのけったいな隣人姉妹も笑わせてくれますね、それに彼女達が食べるスイーツのボリュームの凄さ(・_・;)、あの半分でも胸やけするな。
は: あれを食べ続けたらあの美しい主人公姉妹も将来はああなってしまいそうでございますね。

ゆ: そこなんだよ、はむちぃ君!!
は: わおっ、久々の大声攻撃、油断しておりましたチィ(@_@;)、でどこなんでございます?
ゆ: 主人公ヘイフラワー役のカトリーナ・タヴィという子がおっっっそろしく綺麗なんだよ。家内も「うわっ綺麗な子!」を連発してたくらいなんだな。この映画の一番の見所は彼女の美しさではないかと。
は: はあはあ、たしかにフランス人形が動いているという風情でございました、あのまま成長すれば北欧美人の典型になりそうで楽しみでございますね。
ゆ: DVDのおまけのプロフィール紹介によるとダンスやバレエも習っているそうだから、まあ太る心配も無いでせう(^_^;)。

は: ということで刺激の強い映画には飽きてなごみたい方にはぴったりの映画でございます。
ゆ: ロリコンの方には刺激が強すぎるかもしれませんので御注意を。
は: で、フィンランド系まだまだ続くんでございますか?
ゆ: いやあそうそうネタもないしね~、まことさんお勧めの隣国の映画「キッチン・ストーリー」でも探そうかと思っております。

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2006/11/27

ANGEL-A

アンジェラ スペシャル・エディション
はむちぃ: おや、久しぶりの映画レビューでございますね。
ゆうけい: うむ、前田有一の超映画批評30点を叩き出した名(迷)作だぞ。
は: そ、それって悲慘な点数なのではございませんか?
ゆ: うみゅ、普通は全く無視してしかるべき作品、と言うことになるな。
は: そ、それをまた何で?
ゆ: リュック・ベッソンが久しぶりに監督して、しかもそれが白黒フランス映画となると、そそられまくるでしょ、

「ベンソンがフィルム・ノアールを撮って30点」

なんてとってもおしゃれじゃあ~りませんか!ヽ(^o^)丿
は: はあ、相変わらずバイアスのかかったストライクゾーンでございます(-_-;)

『レオン』『ニキータ』の衝撃が再び!リュック・ベッソンが放つスタイリッシュ・バイオレント・ロマンス!生きる希望を失い、死を覚悟した男アンドレの前に突如現れた絶世の金髪美女アンジェラ。見上げるほどに背の高い彼女は不思議な力で次々と彼を絶体絶命のピンチから救っていく。しかし、彼女には決して打ち明けられない悲しい秘密があった…。果たして彼女の正体は!?ジャメル・ドゥブーズ、リー・ラスムッセンほか出演。(AMAZON解説より)

ゆ: いやあ、モノクロームで撮るパリと言うのは本当に美しいなあ、この街の風景を見るだけで元は取れた気がしました。それにしてもパリってこんなに閑散としてるんかな(・・?
は: 朝方と夜の人通りの少ない時間帯を狙ったんでございましょう。それにしても美女と冴えない中年男と、二人も川に飛び込んだら誰か気づきそうなもんでございますね。
ゆ: そういう意味ではツッコミどころ満載のトホホ系映画で悪評プンプンなのも判るんだけど、個人的にはベンソン独特の映像美と御伽噺的語り口で許せてしまうんだよね。
は: バイオレンス・シーンも多うございますが?
ゆ: それも含めてのベンソンが思いのたけを込めたファンタジーなんでしょうね、これで監督業をおしまいにする、と言うベンソンの気持ちもなんとなくわかる気がします。

は: 映像ももちろんでございますが、役者さんや音楽もベンソンのタッチに合っておりましたね。
ゆ: そうそう、片腕のコメディアン、ジャメル・ドゥブーズの駄目男っぷりは本当にハマり役だと思ったし、フランス語は判らないけど、あのマシンガンのように次から次へと飛び出してくるセリフにはパーカション的心地良さがあるね。
は: ヒロインのリー・ラスムッセンは凄い美人でございますね。
ゆ: ベッソンの奥さんのミラ・ジョボビッチも真っ青の美人である上に、演技も見事です。本業でも多彩な人らしいけど、あれだけ天使と娼婦という二面性を演じ分けられる美人ってそういないでしょうね。
は: いろんな映画評であの役にあってないとか言う意見を目にいたしますが?
ゆ: 悪いのはラストをあれだけ期待させて肩透かしを食らわせたベッソンなんでしょう、多分。少なくともジャメル演じるアンドレに鏡の前で涙を流させるシーンあたりまでは完璧だったと思います。

は: アンニュイな映画にマッチする音楽はなんとあの名サックス奏者ヤン・ガルバレクのお嬢さんだそうでございます。
ゆ: 不思議系アーチストAnja Garbarekですね、彼女のアルバムからの一曲「Can I Keep Him?」はいけてます!リンク先のHPで少し試聴できますよ。で、買おうかと思ったんだけどこれがCCCD、なんでやね~ん(涙。
は: と、オチがつきましたところでレビュー糸冬了~でございます。
ゆ: ベッソン・ファンはもとより、フィルム・ノアールの頃からの欧州映画ファンにもお勧めでございます。

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2006/11/01

武藤礼子さんを悼む

ジャイアンツ コレクターズ・エディション
 11月初の記事が哀しい記事で申し訳ありませんが、サブタイトルで誰っ?て思っておられる方もおありかと思いますので解説を。声優の武藤礼子さんが急性心不全でお亡くなりになったそうです。享年71歳、心よりご冥福をお祈りします。

 新聞等の報道では「不思議なメルモ」のメルモ役や、「ムーミン」のノンノン役などを主に紹介していましたが、我々のような古い洋画ファンにはやっぱりエリザベス・テイラーグレース・ケリーといった超一流ハリウッド女優の吹き替えが印象に残っています。そのような品格のある女優を演じるのにふさわしい、気品の高い声質、語り口での吹き替えが可能な稀有な声優さんだったと思います。だからこそ、子供と大人を演じ分けるメルモの様な難役でさえ、軽々とこなされたのだ、と思います。

 先日の鈴置洋孝さんといい、TV洋画劇場やアニメの隆盛期を影で支えていた有能な声優さん達が次々と他界されるのは、そう言う年代にその方々が入ってきているのだという感慨とともに心痛むものがあります。

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2006/10/24

ウォレスとグルミット:野菜畑で大ピンチ!

ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ! スペシャル・エディション
は: おおっ、これはTak Saeki様もファンだと言うW&Gシリーズの最新作でございますね。
ゆ:  「ハウルの動く城」「ティム・バートンのコープス・ブライド」をおさえて第78回アカデミー賞長編アニメーション作品賞を受賞した作品だよ~ん。
は: どちらもご主人様がわりと高く評価しておられた作品でございますが、どちらかというと「コープス・ブライド」に近い作りでございますね。
ゆ: そうそう、所謂ストップモーション・アニメです。粘土細工で一コマ一コマ撮っていくという気の遠くなるような工程で作られている作品です。作るほうは大変でしょうけど、観る方はお気楽にほのぼのと楽しめる作品ですので、ちょっと疲れ気味の私にはぴったりでした(^o^)。

   ウォレスと愛犬グルミットは、町の野菜畑を荒らすウサギを捕らえる仕事を始めた。そこで発明家であるウォレスが思いついたのは、ウサギを野菜嫌いにすること。そこで脳波を交錯させるマシンを作って、ウサギに野菜嫌いでチーズ好きな自分の好みを押し付けようとするがマシンにトラブルが発生。そのせいでウォレスの身にとんでもないことが!
   これまでも「ウォレスとグルミット」はヒッチコック映画をベースにするなど、さまざまな映画を題材にしたきたが、今回は『狼男』など昔の恐怖映画を彷彿とさせる出来となっている。「ウォレスとグルミット」シリーズとしては初の長編だが、決して欲張ったりせずに短編シリーズと全く同じ調子で作られているところがすごい。キャラクターの魅力もタップリと引き出している。ブタ鼻のウサギもキュートだ。(横森文,AMAZON解説より)

ゆ: 大体この解説の通りで、あとは物言わぬ忠実なワンちゃんグルミットと、ボケをかますウォレスのやり取りを楽しめばいいわけですな。
は: グルミットのけな気さや忠実な仕事振り、私自身に置き換えてほろりとしてしまいました(*^。^*)。
ゆ: っちゅうことは、私はオオボケかますご主人様ですかい、ということはあっしはキムタクですかい?
は: ご主人様、ネタバレはいけません(-"-)、皆様リンク先はまだ見ないでくださいませ。
ゆ: まあ、原題が邦題の様なのん気な題名と違って

The Curse of Were-Rabbit

ですからね。一応説明しときますと、狼男は英語では"werewolf"と言います。
は: 解説と合わせて読みますと殆ど完璧にネタバレでございます(--〆)。

ゆ: まあまあ、分かっていても楽しめるのがこういうパロディアニメーションのいいところですから、許してたもれ。
は: 確かに愉快な中にも、ヒッチコックを産んだ英国の恐怖映画の系譜を感じさせる出来栄えでございました。
ゆ: ついでにサンダーバードもね(^_^;)。音楽もDolonさんお気に入りのハンス・ジマーが結構本格的に作ってるし良かったね。
は: 英国映画のせいか、ちょっとハリー・ポッター・シリーズを思わせるようなフレーズもございました。
ゆ: ハリポタといえば、本作のヒロインやコープス・ブライドの声を担当したヘレナ・ボナム・カーターが次回作に出演するそうで楽しみですね。

は: ハリポタと言えばご主人様はクイーンズ・イングリッシュは難しいといつも悩んでおられますが、、、
ゆ: 今回も若干難しかったですが、ハリポタほどじゃありませんでした。
は: 最初にペストがどうのこうのとかおっしゃっておられましたが?
ゆ: そうそう、今回W&Gの仕事が

anti-pest

となってたもんでええっ?と思ったんだけど後で調べて判りました。pestっていうのは病気のペストじゃなくって「害獣」の意味なんだってさ。
は: なるほど、私には縁のない言葉でございます(-.-)、それにしてもそんなに悩むなら日本語バージョンでも良いんではないですか?
ゆ: う~ん、聴いていないのに言うのも失礼なんだけど萩本欽一さんがウォレスと言うのはね~、ちょっと違うんじゃないかと。Takさんほどすっと理解はできなくても、やっぱり英語版の方がいいと思うよ。
は: ということで、一家揃って楽しめる作品でございます、皆様も是非どうぞ。

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2006/09/28

かもめ食堂

かもめ食堂
かもめ食堂

ゆ: はむちぃ君や、リハビリ第2弾はこれにしましょうで。
は: もう尻怪獣みたいなのは懲り懲りでございますよ、ご主人様(-"-)
ゆ: 大丈V(古、今日のはほのぼの系ですから。題名からしてほのぼのしてるよ、「かもめ食堂」ですもんね。
は: はあ、これは一部で話題になった全編フィンランドロケの邦画でございますね。私、ご主人様が隠れフィンランドファンだって存じておりますですよ。
ゆ: そうなんです~、森と湖、シベリウスに白夜、憧れるよね~。

フィンランドのヘルシンキで日本食堂を経営しているサチエは、図書館で知り合ったミドリを食堂のスタッフに迎える。お客は、日本アニメおたくの青年しかい ない店にボチボチ人が集まるように。悩みをかかえたフィンランド人、荷物が出てこなくなって困っている日本人など、個性的なお客さんたちが、かもめ食堂に 集まり、サチエたちの温かな心がこもった料理でなごやかな気持ちになっていく。(AMAZON解説より)

は: 本当にほのぼの系の安心して見ていられる映画でございました。
ゆ: みんな善人だし、大事件は起こらないし、静かに流れていく白夜の季節のヘルシンキの時間に心を委ねる事ができますな。言ってみれば小津系の映画ですね。
は: 少しは波風も立ちますが、あまりにも普通に時間が流れていくので終わり方が唐突にさえ感じましたね。
ゆ: ホント、えっ、終わりなの?て言う感じ。もう一波乱くらいあってもよかったんじゃないかなあ、この映画で唯一シュールな設定のもたいまさこさんにまつわる不思議な出来事も全く謎解き無しで終わっちゃったし。まあ謎解きが無いからシュールなんだけどね(^_^;)

は: ご主人様はもたいまさこ様が特にお気に召したようでございますね。
ゆ: この人のおっとりとした綺麗な日本語を聞いていると心を温めてもらってる気がしました。そういう意味では今回の脚本・演出はとても好感が持てましたね。
は: 皆様異国の地であるからでもないのでしょうけれど、きっちりと綺麗な日本語を話しておられましたですね、汚い言葉は全くと言っていいほどございませんでした。
ゆ: ホームドラマでさえ、日本語と思えないような汚い言葉で罵り合うのが見せ場だとか演出の妙味だとか勘違いしてるDQNな製作者達は、この映画での荻上直子さんの脚本と演出を良~く勉強して、もう一度考え直して欲しいですね。

は: ところで小林聡美さんともたいまさこさんと言えば「やっぱり猫が好き」でございますね
ゆ: そうそう、室井滋片桐はいりとではちょっとイメージが違うけど、思わず恩田三姉妹を思い出しますた。
は: 小林聡美様はあの番組がきっかけで三谷幸喜様と結婚されたのでございました。
ゆ: 今回は三谷さんは絡んでませんが「やっぱり猫が好き2005」を撮った荻上直子さんが監督ですからね、ちょっとそれっぽい仕掛けはありましたね。
は: 例えばどんなところでしょう?はむちぃメ思いますに、もたいまさこさんが見知らぬフィンランド人から唐突に猫を渡される場面など、「」がらみかと思いました。
ゆ: 原作を読んでないので何とも言えないけど、それもあるかもね、それに井上陽水の曲がかかってたろ、もたいまさこさん演じるところのかや乃姉さんが陽水ファンだったんだよ(^o^)

は: という訳で、ほのぼのしたい方、人生にお疲れの方にはお勧めの、海原雄山大先生の奥様のお粥のような映画でございます。是非どうぞご覧下さいませ。
ゆ: かもめ食堂の売りはシナモンロールおにぎりですけどね(^o^)

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2006/09/22

尻怪獣アスラ

Rectuma
は: ご主人様、お久しぶりでございます。っていきなりこのポスターは何でございます?
ゆ: おっ、はむちぃ君ではないか、久しぶりじゃのう、なんでも▲ヶ丘茶寮付属動物病院に入院してたと聞いたがどうしたんじゃ(?_?)

は: 過労でございます、マーラー5番勝負で疲れ果てまして(-.-)
ゆ: おおっ、そうじゃったのか、それは悪いことをした、やはり君にはマーラーは重荷であったか(・o・)
は: 違います、ご主人様の理解不能のぼけっぷりに突っ込み疲れたのでございます
(--〆)
ゆ: またまたそんな~、ますだおかだじゃないんだから(^_^;)、それじゃあ、はむちぃ君リハビリも兼ねて映画レビューからゆうはむ漫談、またまた再開しましょうで(^o^)/

は: またまた長い前振りでございましたが、冒頭の写真がひょっとしてその再開第一弾でございますか、トホホ。
ゆ: ピンポーン、家内の留守中に見ようとトホホ系映画を物色していて見つけたDVDなのだな、一目見てピンと来たぞ(^o^)
は: そりゃそうでございましょう(-_-;)、これはどう見てもゲテモノキワモノの類としか思えませんですチィ。まあ、「ホテル・ルワンダ」のレビューをするほどには体力も回復していませんゆえ、お伴致しましょう。

尻怪獣 アスラ
尻怪獣 アスラ

メキシコ・ティファナからのバカンスを終えたばかりのウォルドー・ウィリアムス。どうもお尻の調子が悪い・・・。慌てて肛門科で診断されてびっくり!!メキシコの尻食いウシガエルにお尻をレイプされ、前立腺に毒が侵食しているという。医者に勧められるまま、日本の神秘科学へと治療を委ねたのだった。しかし治療を受けて数日後。ウォルドーのお尻は、ますます大きくなり、ついに緑へと変貌を遂げる。やがて意思を持ち始め、ウォルドーの体からはなれ、ひとり歩きを始めた!ロサンゼルスの大都市を飲み込まんばかりの勢いで、ゴジラのごとく巨大化&凶暴化してゆくお尻!!!!巨大尻からは爆風おならは出るし、人々を吸い込んでは吐き出すという最悪の事態。やがて、怪物退治エキスパートが登場し、事態を収拾しようとするが・・・。(アルバトロスHPより)

ゆ: -----(゜.゜)
は: -----(-_-;)
ゆ:  -----ななななな、なんじゃこら~(松田優作風)
は: トホホ系もここに極まれり、とでも申し上げましょうか、、、
ゆ: 冒頭からしてザ・ピーナッツのモスラ姉妹の出来そこないみたいな日系姉ちゃんたち、もうC級映画の臭いプンプン。ホント一体どこでスカウトしてきたんだか、それにしても便器の中で歌わせるなよ、水10の王監督騒動じゃないけどよく苦情が来ないもんだな。最後はキ○タ○に踏み潰されよるし。
は: ご主人様、4文字言葉は多用されませんように(-.-)
ゆ: 「Scrotuma」という怪獣なんだな、これが(^_^;)、わかる人にはわかると思うけど。
は: 尻怪獣はポスターでは「アスラ」となってますが原題は「Rectuma」でございますね。
ゆ: 直腸のことを英語でrectumと言いますのでそれのもじりですね、アスラというのは日本の配給会社(アルバトロスさん)が考えたんだと思います。assモスラにかけてるんだと思いますけど、モスラが泣いてますよ、ほんと。何が

世界に明日はない

だか、明日がないのはあんた等や~(ー_ー)!!

は: これが本当に日本の怪獣映画へのオマージュなんでございましょうか?
ゆ: オマージュと言うよりも、モンティ・パイソン崩れのコケにして笑い飛ばすタイプのパロディなんでしょうな。
は: そう言えば「羊たちの沈黙」やあの恐ろしいアルカイダもパロッてましたね。
ゆ: そうそう、怪獣よりそっちの方で製作者側は楽しんでたみたいだよな。ジョディ・フォスターの出来そこないの似非クラリス・スターリングの姉ちゃんはこの映画で唯一秀逸でした(爆。はむちぃはハムスターを丸囓りする似非ハンニバル・レクターにビビっただろ
(~_~;)
は: そ、それは恐ろしゅうございました、人類の皆様の「ハンニバル」での人喰いの恐怖がやっと実感できましたでちぃ(>_<)

ゆ: こうしてみると意外に面白い映画だったんだろうか(・・?
は: これこれご主人様、

お尻に洗脳されてはいけません

あの馬鹿馬鹿しい怪獣をやっつける日本人の名前で怒っておられましたではないですか。
ゆ: はっ(゜.゜)、そうそう、ワンサムサキタシラ、なんじゃこの名前は??、おまけに俳優は日本人じゃないし、バカにしてんのかあんた等~(怒怒怒
は: おおっ、チィ山先生のような怒怒怒がでましたっ、ご主人様暴発でございますっ!
ゆ: でもタシラの口パクとセリフが全然合わないのには笑ったな、ワンサムサキ

「タシラを呼べば大丈夫だ、でも多少

speech impediment

があるのが難点だが」

と言ってたので、またまた日本人をコケにするのかと思ってたが、あれはよかったよかったヽ(^o^)丿
は: ご主人様、やっぱりお尻に洗脳されておられるようでございます、私またまた入院してしまいそうですちぃ(-_-;)、では、もし皆様方の中で

お尻にかもされたい

という奇特な方がおられましたらこのトホホ系論外映画、是非どうぞご覧下さいませ。
ゆ: クラリス&レクターファンも是非どうぞ(^^ゞ

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2006/09/11

紙屋悦子の青春

 黒木和雄監督の遺作にして原田知世主演の映画「紙屋悦子の青春」をようやく観てきました。実はシネリーブル系列の公開だと思っていたのですが、もっとマイナーな(失礼)シネカノン神戸での公開だったのでもうやってたんです、とりあえず気が付いてよかった。
Bana1

 日本中に感動の渦を巻き起こした「父と暮らせば」の巨匠・黒木和雄監督が、今年4月に急逝した。映画を愛し、戦争を憎み、平和を希求した75年の生涯だった。
 黒木監督が「TOMORROW/明日」「美しい夏キリシマ」「父と暮らせば」の戦争三部作を終え、次に選んだのが「紙屋悦子の青春」である。戦争の記憶の風化が叫ばれる今、戦時下を生き抜く庶民の日常と、生き残ったものの心情を、鮮烈に、かつ暖かく描き出した本作が黒木監督最後の作品となった。(パンフレット解説より)

紙屋悦子: 原田知世
永与少尉: 永瀬正敏
明石少尉: 松岡俊介
紙屋安忠(兄): 小林 薫
紙屋ふさ(義姉): 本上まなみ

原作: 松田正隆
監督: 黒木和雄

 舞台は昭和20年3月から4月にかけての鹿児島。紙屋悦子がひそかに慕う兄の後輩明石少尉が、ある日同僚の永与少尉を彼女に紹介する。明石も悦子の事を思っているのだが、彼は海軍特攻隊に志願する決心を固め、彼女を永与に託したのだった。

と、これだけの事が淡々と殆ど紙屋家のセットのみというシンプルな進行で描かれます。

 冒頭は現在のシーン。年老いて某総合病院に入院中の永与を悦子が見舞いに来て屋上のベンチに座って会話していると言うシチュエーションから映画は始まります。

これが長い。

遠くからのロングショットで始まり、徐々に近づいてパンしていき、老けメークの永瀬と知世さんのアップになっていくのですが、まあこれは映画としては良くある手法ではあります。しかしそのリズムが異様に遅く、その間あまり内容の無い会話が延々と続いているのですね。

「寒いですか」「寒くない」「毛布要りますか」「要らない」「この病院何階建て?」「7階建て」「九州一らしい」「点滴の時間じゃないですか」「よか」

とかいうまあありがちな会話がゆ~っくりとした鹿児島弁で途切れ途切れに続くんですね。私もパンフレットを読まずに前知識無しで臨んだものですから、面食らってしまいました。私なんか知世様の声が聞こえるだけで気持ちいいですが^^;、知世ファン、永瀬ファンで無かったらいきなりこれは辛いだろうなあと思いました。

 昭和20年代の設定も上述したように紙屋家の中で家族3人と明石、永与の5人が3人ずつくらいの組み合わせで会話し続ける事によって話が進むという、至ってシンプルな設定。紙屋家の兄夫婦がお互いを大切に思いつつも、ついつい喧嘩口調になって言い争いをしてしまう、というパターンがほのぼのと面白いので退屈はしませんが、なんとまあ静かな映画なんだろうと思いました。
 映画を終わってパンフレットの解説を読んでやっと判ったのですが、原作は松田正隆という方がご両親から聞いた実話をもとに書いた戯曲なんですね。それを黒木和雄監督が脚本の段階で敢えて大幅な変更はせず戯曲的に撮ったため、このような構成の映画になったようです。

 となると、五名の演技力が勝負の映画ということになりますが、本作は5人が5人とも設定を良く理解し好演していると感じました。5人とももちろん戦争を知らない世代ですが、おそらく戦争末期の日本の一般家庭ではこう言う状況であっただろう、と納得させるだけのリアリティを感じさせ、映画の中の世界にうまく引き込んでくれました。解説を書いておられる佐藤忠男さんや川本喜八郎さんといった戦中世代の方も納得できる出来栄えのようです。普段知世様命とか言ってますが、彼女がこれほどの演技をできるほどに成長していたのは新鮮な驚きでした。「大停電の夜に」も「さよならCOLOR」も彼女のハマり役どころだから好演できたと言う側面を感じていましたが、新たな可能性を提示していただいた黒木監督には感謝するしかないですね。

 黒木監督の演出も派手さは全くありませんが、うまく戦時下を演出しておられたと思います。しっかりものの姉がとっておいてあった小豆で悦子と姉が作ったおはぎが蝿帳(はいちょう)の中にあるのを明石と永与が盗み見るシーンなど面白くもほろりとさせられますし、明石が特攻に出る寸前の機中から永与に託した悦子宛の手紙が

全く開封もされず朗読もされず

に映画が終わってしまうところなども肩透かしを食らったとか言う印象は無くかえって深い余韻を残していました。

 我々の世代だと黒木監督と言えばATG(アートシアターギルド)のイメージが強く、原田芳雄の出世作となった「竜馬暗殺」や竹下景子が初々しかった「祭りの準備」などが強く印象に残っています。あの監督がこれほど枯れた渋い映画を作るか、と妙な感心をしてしまいました。

 同じ戦争末期を描いたノンフィクションの原作に基づいた映画でも、先日ご紹介した「男たちの大和」のような映画と、本作のように砲撃の音一つ聞こえず、特攻も恋愛も劇的な展開は全くなく、「TOMORROW/明日」のように原爆投下と言う人類史上稀に見る惨事が翌日起こるわけでもなく、ただ食べる事を中心とした一ヶ月足らずの戦中生活を淡々と見せるだけの映画とでは、同じリアリズムでも全く異質といわざるを得ません。前者が我々に考える暇も与えないほどの視覚的聴覚的情報を与え続けてくれるのに比べると、後者は我々の側に沈思黙考を要求しているところがあると思われます。
 黒木監督はもちろんこれを遺作にするつもりは毛頭なかったのでしょうけれども、その問いかけを残したまま永遠に我々の前から去ってしまわれました。

 そう思うと、我々の世代だとかろうじてこの時代の残滓のようなものを肌で知っていますが、もう全く実感のない若い方はどう感じるのだろう、と終了後しばしもの思いに耽ってしまいました。戦時下を生きる人びとがこの様に美しい品性を保っていた事を今の時代の人々に知って欲しかったのかもしれないし、そのような一般の人が兵隊さんに「沢山敵国の人間を殺してください」と言う事に何の疑問も感じない、その感覚の麻痺から戦争の理不尽さを訴えたかったのかもしれません。

 「男たちの大和」ももちろん優れた映画であると思いますが、しばしの時間このような映画の中に心を委ねて彼等の生きてきた時代に思いを馳せてみるのも悪くないと思います。今からほんの60年ほど前の実世界なのです。

 最後に黒木和雄監督のご冥福をお祈りします。

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2006/09/01

男たちの大和

男たちの大和 / YAMATO
男たちの大和 / YAMATO

2005年4月。鹿児島県の漁師・神尾(仲代達矢)はかつて戦艦大和の沈んだ地点まで一人の女性・内田真貴子(鈴木京香)を連れて行くことに。かつて大和の乗組員であった神尾は、およそ60年前の、あの戦争の日々を思い起こしていく……。辺見じゅんの同名ドキュメント小説を原作に、『新幹線大爆破』『未完の対局』などの巨匠・佐藤純彌監督が手がけた戦争超大作。実寸大の大和を建造しての撮影はリアルな迫力に満ちており、また当時の若者たちの厳しく熱く、そして哀しい青春群像が魅力的に綴られるとともに、組織と個人の関係性にこだわり続ける佐藤監督ならではの鋭い軍隊批判が垣間見られていく。戦時下の女性たちの描写もさりげなく描かれているのもいい。戦闘シーンの迫力は日本の戦争映画で最大規模のものであろう。その上で60年後の現代と対比させながら、明日への希望を示唆する構成も大いに功を奏しており、まさに今の時代ならではの深く温かい人間ドラマの傑作として屹立している。(増當竜也、AMAZON解説より)

は: 今日はひっさしぶりに映画レビューでございますね。
ゆ: ちょっと忙しかったものでしばらくなんちゃってシアターは閉館していたのだが、昨日やっと再開できたのでね、わむちぃ君に勧められていた「男たちの大和」をやっと見ることが出来ました。
は: 久しぶりの戦争映画大作として話題になりましたね。
や: そうそう、実は

角川春樹+東映+長渕剛

と言う組み合わせに若干の不安はあったのですが、幸い

辺見じゅん原作+佐藤純彌監督

という組み合わせが良い方の目にでましたね。
は: ノンフィクションを下敷きにしているだけあって、戦争の悲惨さ不条理さがしっかりと描けていたように思いました。
ゆ: そうそう、なかでも中村獅童が演じた内田と言う人物、

レイテ戦で瀕死の重傷を負いながらも助かり、更には入院中の病院を抜け出して最後の出陣に潜入してまたまた瀕死の重傷を負いながらもまた助かって、戦後戦災孤児10人以上を育てた

という、一番フィクションっぽい設定なのに実在の人物!というのは本当に驚きですね。
は: 獅童様、迫真の名演技でございましたね。
ゆ: あこまで脂ぎった名演技をやれるエネルギーを培うには、私生活であんなことをやらかしても仕方ないかなとか思ったりして、ダメですけどね、今の世の中では(爆。

は: それにしても凄い戦闘シーンでございました。
ゆ: 大和のセットは本当にリアルでした、マニアの方にはツッコミどころもあるのかもしれませんが、あれだけリアルな日常生活と悲惨極まる阿鼻叫喚の戦闘シーンを撮る力が日本映画にあったことがわかっただけでも収穫ですね。
は: 戦争とはやるかやられるかの世界なのだと言うことを、肌で実感させる画面でございました。
ゆ: 次々と腕をもがれ足をもがれ頭に機銃掃射が貫通し、更には浸水や爆発で兵士たちが次々に死んでいく様をよくぞあれだけ冷徹に描いたと思います。あれだけのシーンがあってこそ、それまでの長い長い兵士たちの苦悩の描写が意味を持ちました。

は: では五つ星の名作ということでようございますね?
ゆ: う~ん、それがそうとも言い切れないんだねえ、個人的には。一番よくないのはやはり今の日本映画の常で脚本。映画全体としてのリズムが悪くてどうものりきれないんだよね。だらだら導入部が続いたかと思ったらいきなりレイテの戦闘シーンが入ってきたり、そのあとまた間延びしたし、大和沈没の後のエピソードが過去も現在もどうも冗長でもう少しまとめきれなかったのかなあ、と思いました。
は: 私メも神尾(仲代達矢)様が船上で心臓発作を起こすシーンなどは要らないんじゃないかと思いました。
ゆ: そうそう、もしかしたら原作にあるのかもしれないけど、ああいう枝葉が多すぎるんだよね、そういうものを落とすセンスというのが欲しかったですね。

は: 最後に全体を貫くテーマと言う点ではいかがでございましょう。命の重さ、反戦に対する強い意志はよく描けていたと思いますが。
ゆ: こういう映画にありがちな軍隊の英雄視や登場人物賛美は極力抑えてあって、当時の海軍首脳部の身勝手さや判断力麻痺についてもしっかりと描かれていたと思います。
 しかし、いくら反戦の思いをこめているとはいえ、主だった(善人と思える)登場人物がみんな

「死ぬな、命を大切にしろ、生きて帰って来い」

と主張するのはおかしいんじゃないでしょうかね。徹底した思想教育と集団ヒステリアの時代にあっては今なら当たり前の正当論が正当論ではなかったはず。そのあたりの機微はもう少しきっちりと描いていただきたかったです。
は: 今日はいつに無く真面目にお送りしてしまいました、では最後の一言お願いいたします。
ゆ: AMAZONさん、主演が久石譲と長渕剛になってます(^_^;)

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2006/08/07

プリンス&プリンセス

プリンス & プリンセス
プリンス & プリンセス

ミッシェル・オスロが89年に「もしもの映画」と題するTVシリーズを元に映画化したオムニバスアニメ。好奇心旺盛な少年と少女が、魔法使いさながらの映写技師の協力を得て、誰も知らないおとぎの国のお話 - 6つの国の6組のプリンスとプリンセスの愛の物語 - を創造し、その世界で無邪気に遊ぶ。(AMAZON解説より)

6つの物語:
1. プリンセスとダイアモンド
2. 少年といちじく
3. 魔女
4. 泥棒と老婆
5. 冷酷なプリンセス
6. プリンス&プリンセス

は: 久しぶりの映画レビューでございますね。
ゆ: 本日NHK衛星アニメ劇場でやってたのでついつい見てしまいました。
は: それは何故かと、た・ず・ね・た・ら? (?_?)
ゆ: 原田知世様のふ・き・か・え、だから あ~ベンベン !(^^)!
は: やっぱり。ではお後がよろしいようで。

ゆ: をいをい、終わりにしてはいけませんな。影絵を用いたシンプルなアニメですが、なかなか味わい深いものがありました。
は: 単純なストーリーの中にも心打つものがあり、今の日本のアニメに無い素朴な感動を味わえますですね。ご主人様はどれが良うございました?
ゆ: う~ん、西暦3000年と言う設定にしては妙ちくりんな「冷酷なプリンセス」のウタドリが何となく心に残りました。
は: 日本を描いた「泥棒と老婆」はいかがでした?
ゆ: 北斎なんかの浮世絵にもろ影響されてるところなんか如何にもフランスですね。とても日本と思えない影絵が美しゅうございました(^_^;)。西宮と言うえらい具体的な地名が出てきたと思ったら、おんぶして美保の松原へ行けという老婆の命令がとてもシュールでした。
は: そういう意味では設定がお手のものの中世の魔女を題材にした「魔女」などはステレオタイプな中に完成度の高いものがございました。では最後に一言、お願いいたします。
ゆ: 原田知世さんの透明感溢れるさらっとした声質も、シンプルな画面によくマッチしておりました。

 

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2006/07/30

今井町再び

Shounennji
 昨日実家の母から、「NHKの新日本紀行ふたたびに今井町が出るから観て」と電話がありました。私の実家がある奈良県橿原市今井町は室町時代から続き、江戸時代からの町並みが残る町です。昨年のお正月に拙ブログで何回かに分けて取り上げた事があるのを覚えてくださっている方もおられると思いますが、昨日の番組を観ると、町並み保存の現実はやはり厳しいものがありました。

 冒頭の写真は浄土真宗称念寺で、この寺を中心にして町人の城下町(寺内町といいます)として興ったのが今井町であったわけです。今回のTV番組はこのお寺を中心に取り扱っていました。
 このお寺は有名な茶人今井宗久の流れを汲む由緒正しい家系で、今も今井姓です。20年前の新日本紀行に登場した前住職の故今井博道先生は今井町の町並み保存にその生涯をかけられた立派な方でした。しかしその分自分のお寺は後回しになってしまい、現在称念寺は老朽化が進み、5年後に大規模な改築が予定され、その費用は何と16億円とのこと。気の遠くなるような数字です。あとで母親に電話して聞いたところ、国が10億円程度出してくれるが、そのほかは檀家が中心になって工面しなくてはいけないようです。私の家は浄土宗で檀家ではないのですが、称念寺の檀家の数を考えると、一軒数百万円という途方もない金額になります。
 更に驚いたのは、跡を継いだ博道先生の長男さんが病に倒れられ、介護職をされていた長女の慶子さんが現在跡を次いでおられるとの事。実は慶子さんは私の小学校の一年先輩で、子供心に日本人離れした凄く綺麗な人やなあと思った記憶があります。今回TVに出ておられたお顔にその頃の面影が残っていて嬉しかった反面、苦労され少しやつれておられるなあと、心が痛みました。どうか此の難局を乗り越えられますように。なんと言っても称念寺は今井町の象徴であり、心のよりどころですから。

 また、やはりこの街も空洞化が進み、今、80軒も空き家が出ていることもショックでした。TVで観ると、やはりあの状況では借り手なんかつかないだろうと思いますが、あとで母に訊いたところ、あの状況だから安くで貸せるので改築してしまうと家賃が途方も無く上がってしまうのだという事。難しいものですね、NPOが立ち上がっているとの事ですが、現実は厳しいと思います。
 家内にボヤいたら、「じゃあ、あなたあそこに住める?」と切り替えされてしまいました。確かに。中を石井式オーディオルームに改造して男の秘密部屋にでもするか^^;。

Sugidama1
 おまけで、杉玉。今井町の有名な酒造元河合家です。以前の記事で「もうしておられないはず」などと失礼な事を書いてしまいました。今回の番組で、私の子供の頃の名士だったお祖母さんの跡を、孫娘のお孃さんが継いで頑張っておられることを知りました。今井慶子さんともども、頑張っていただきたいものです。

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2006/07/18

サヨナラCOLOR

サヨナラCOLOR スペシャル・エディション

海岸沿いの病院の医師・佐々木(竹中直人)のもとに偶然、高校時代の同級生の未知子(原田知世)が入院した。懐かしい思いが蘇る佐々木とはウラハラに、未知子は彼のことを思い出せない。病状は芳しくなく、彼女の恋人の雅夫は入院中の彼女を思いやることもなく、気持ちが沈んでしまいそうな毎日だったが、陽気な佐々木のおかげで入院生活は楽しいものになった。心の距離が縮まっていく佐々木と未知子。しかし、彼には秘密があった…。(AMAZON解説より)

は: ジロッ(;一_一)、2周年を向かえた最初のレビューがこれでございますか、ご主人様?正直なところ、世評では竹中直人様の演出がしっちゃかめっちゃかで

原田知世様を鑑賞するためだけの映画

ということらしゅうございますよ、知世様信仰も良い加減にしませんと、、
ゆ: おっ、2周年だというのにいきなり厳しいねえ、はむちぃ君(劇汗。しか~し、何も私は原田知世様の美しさを賛美する為だけにこの映画を紹介するのではないのだ。
 もちろん、この映画の一番の見どころは知世様が如何に美しく齢を重ねておられるか、その神々しいまでの、、、
(以下数十行カット by はむちぃ)
は: はいはい、知世様信仰はあっちゃ置いといて、何が目的でございます?
ゆ: ずばり、頑張れキヨシロ~~(ToT)/~~~喉頭癌に負けるな~~
は: 全く何という運命の女神の残酷さでございましょう(ウルウル、、、この映画でも原田知世様とのツーショットで健気に同窓会司会役をこなしておられました。知世様がみんなに癌を告白する場面と言うのが、今見ますととても悲しゅうございます。

ゆ: と言う話はあっちゃ置いとくにしてもだ、はむちぃ君、この映画なかなかカルト的に楽しめるのだよ。
は: と、申しますと、怪人竹中直人様の趣味全快でございますか?
ゆ: 全開だよ、はむちぃくん、このネタ使うと映画のネタバレになっちゃうな~(^_^;)、と言う話はあっちゃ置いといて、その通りなのだ。全部書くのは面倒なので、またまたAMAZONから抜粋してみやう。

豪華なキャスト陣、そして新ヒロインは原田知世!
女優の新たな面を引き出すことには定評のある竹中監督が今作で選んだヒロインが原田知世である。なんと竹中直人と高校時代の同級生という難役をサラリとこなし、可憐さを残した大人の女性を好演している。その他、内村光良中島みゆき忌野清志郎久世光彦らの、ゲスト出演の枠に留まらない見事な助演も見どころである。

今、大注目のアーティストが音楽に参加!
音楽はSUPER BUTTER DOGの活動を休止中の永積タカシの個人ユニット・ハナレグミと、クラムボン、ナタリー・ワイズ。エンディングに流れる「サヨナラCOLOR」は、前述の永積タカシによるソロユニット"ハナレグミ"と忌野清志郎により、本作のために新たにレコーディングされたバージョンであり、作品の最後を飾るにふさわしい、余韻を残す曲となっている。

ミュージシャンのカメオ出演!
北川悠仁(ゆず)、斉藤和義、浜崎貴司、ビッケ、田島貴男、スチャダラパー他、ミュージシャンが多数参加しているのも楽しみのひとつ。

竹中監督が馬場当のオリジナル脚本を読み、日本が誇るファンクバンドSUPER BUTTER DOGの名スローバラード「サヨナラCOLOR」を想起した竹中が、自身のアイデアも織り込みながら馬場と共同で脚本を執筆した。

は: なるほど、音楽趣味、交友関係なんかまるわかりでございますね。しかし映画のストーリーに有機的に絡んでくるような熱演と言うよりは、ちょっと有名人を使って見ました的な起用が多いように思います。ストーリーも1本調子ではございますし、、、
ゆ: 竹中さん、とにもかくにも憧れの知世様と二人でフランス映画的な雰囲気に浸りたかったんだろうなあ。私だって知世様とご一緒させて頂けるのならそうしますけどね(^_^;)
 となると、後はお遊び的に配役を割り振っていけばあんな映画になるんでしょう。
は: 海辺の撮影なんか、日本の海岸を無理やりフランス的な美意識で処理しようと凝りまくっておられるように感じましたね。
ゆ: でも根本的な問題として、竹中直人自身が演技するとフランス映画的な雰囲気に全くあわないですね(ToT)おまけに「Shall We Dance?」やってちゃ世話ありません。まあ、その辺がカルト映画の限界でしょうか(^_^;)
は: ご主人様がいつも手厳しい医学的な考証はいかがでございます?
ゆ: 気になる点だらけですが、今回は言うとあまりにも生々しいのでやめときます。ちなみに中島みゆきさんはご実家がたしか産婦人科だから医師役が多いですね。

は: さて、エンドロールで主題歌が流れますが、
ゆ: 忌野清志郎がバックボーカルで参加しており、泣けました。確かに素晴らしいバラードでございます。
サヨナラCOLOR~映画のためのうたと音楽~
サヨナラCOLOR~映画のためのうたと音楽~

ゆ: 最後にオーディオ小ネタでございますが、後半に一瞬Linn Sondek LP12を目撃したような気がします。良い音がするようなセッティングではございませんでしたが(-_-;)
は: 「スウィング・ガールズ」で狭い部屋にJBLモニターを押し込んでいたジャズマニア教師役の竹中様を思い出します。では最後に一言お願いいたします。
ゆ: 好きです、知世様~、じゃなかった(大汗
ぐあんばれ、キヨシロ~~~!!!

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2006/07/04

ダ・ヴィンチ・コード(映画)

 巷で賛否両論渦巻く噂の作品「ダ・ヴィンチ・コード」をようやく観てきました。

講演会のためパリを訪れていたハーヴァード大学教授のラングドン。突然、深夜にフランス司法警察のファーシュ警部に呼ばれ、ルーブル美術館に連れ出される。美術館長のソニエールが殺され、彼に捜査に協力して欲しいとの要請を受けるが、実は、ラングドンも容疑者にされていたのだった。そこにソニエールの孫娘で、暗号解読者のソフィーが現れる。ソフィーは、現場の写真を見て、祖父が自分だけに分かる暗号を残したことに気付く。

スタッフ
製作: ブライアン・グレイザー、ジョン・コーリー
監督: ロン・ハワード
原作: ダン・ブラウン 製作:ブライアン・グレイザー、ジョン・コーリー

キャスト

トム・ハンクス - ロバート・ラングドン教授
オドレイ・トトゥ - ソフィー・ヌーヴ
イアン・マッケラン - リー・ティービング
アルフレッド・モリーナ - アリンガローサ司教
ユルゲン・プロホノフ - ヴェルネ
ポール・ベタニー - シラス
ジャン・レノ - ベズ・ファーシュ警部

 記録的興行収入をあげる一方で、批評家筋からは散々な評価でラジー賞早くも決定!とか揶揄され、更には宗教学者やカトリック教会からは白眼視され、観る事を禁じたりR18指定にしたりする国まで出てる、と言うことでおっかなびっくりと言う感じで観始めましたが、意外にも良くできた映画だな、と思いました。

 文庫本にして3冊のあれだけのボリュームを手際よく2時間半にまとめて全く退屈させることなく引っ張れるのは、やっぱり傑作「アポロ13」のロン・ハワード監督の手腕衰えず、というところでしょう。確かに文庫本を読んだ者にとってはカットされた部分に不満があるだろうし、逆に読んでいないものにとってははしょりすぎて意味の分からないところがあるだろうし、ということでこう言うベストセラーものの宿命で100%満足できる人は少ないだろうけれど、十分に合格点の作品ではあると思います。

 個人的には、
1: 原作では秘密を解く鍵となる美術作品が複数カットされた
2: 急進的教団オプス・デイのシラスとアリンガローサ司教の苦悩と挫折を原作より更に掘り下げて欲しかったのに逆に単純な悪役にされてしまった
という二点がやや不満なところですね。特にシラス役にあれだけの適役と思える役者さんを見つけてきたのに勿体ないですね。

 キャストも豪華ですが、今も言ったようにポール・ベタニーが強烈な印象を残してくれましたが、他の役者陣はまあ今回は可もなく不可もなくというところ。これは各役者の責任と言うより、原作が人間をあまり深く掘り下げて描いていないところに責任があるんじゃないかなと思いました。
 そう言えばSirの称号のつく英国貴族リー・ティービング役には現実にSirの爵位を持つイアン・マッケランを持ってきましたが、どうも「ロード・オブ・ザ・リング」のガンダルフを思い出して憎めなかったですね(苦笑。

 些細なことですが、フランス語の英語訳が中央下に出て、日本語訳が右端に出るので忙しくて仕方なかった(笑。
 ちなみに会話の英語は比較的聞き取り易かったですが、「マグダラのマリアMaria Magdalene)」が全く聞き取れなかったし、ニケーア会議のニケーアはどうもナイシィア?と発音してた様に思いました。これらの重要なキーワード、全部聞き逃してたらしゃれになりませんね、やっぱりアカデミックな用語が頻出する映画は私程度の英語力では字幕が無いとだめですね。

 という訳で、映画の鉄則である

払った料金分は楽しめる

というラインはクリアしてると思います。まだの方は是非どうぞ。ちなみにやっぱり原作は読んでおくべきかと思います。

 

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2006/07/03

カーテンコール

 過去に何回か父親が映画館を経営していた、と書いた事がありますが、その私の心の琴線に触れる映画に出くわしてしまいました。邦画「カーテンコール」です。シネリーブルでやってたのを見逃したのですが、やっとレンタルDVDが出たので自宅で鑑賞しました。自宅でよかったです。もう途中から涙腺緩みっぱなし、顔くしゃくしゃ(ToT)
カーテンコール

橋本香織(伊藤歩)は東京の出版社で働く25歳。あるスキャンダル記事により、福岡のタウン誌の編集部に異動を命じられてしまう。そこで目にした一通の葉書に彼女は心惹かれる。それは、「昭和30年代~40年代中頃まで下関の映画館にいた幕間芸人を探して欲しい」という投稿だった。
その映画館「みなと劇場」を訪れた彼女は、幕間芸人・安川修平(藤井隆)と彼の家族との悲しい過去、そして今も父親を心の中で求め続ける一人の女性・美里(鶴田真由)の存在を知ることになるのだった……。 (AMAZON解説より)

 良くあんな映画館が残っていたなあ、と思うほど昔親父がやっていた映画館にそっくり。外観、宣伝看板、売店、売店の裏の狭い事務所、映写室(技師役が何と「先生」福本さん!)、ロビーとは名ばかりの狭いスペース、重い扉、階段状の客席の床はコンクリート打ちっぱなし、スクリーンの前には少し舞台がせり出していて、緞帳には宣伝が入っている、、、等々。
 Official HPの制作秘話を見ると、

舞台となる<みなと劇場>は北九州八幡で実際に営業している映画館をフィルムコミッションのスタッフが探し出し、撮影のために休館までして協力してくれた。

と書いてありました。本当にまだあんな映画館があるんだ!

 そこで繰り広げられる日本映画の栄枯盛衰も本当に映画の通りでした。親父の映画館は借地だったこともあり、映画が斜陽産業となった私の中学時代に閉めてしまいました。今回その記憶が映画館独特の臭いや暗騒音、空気感といったものまで含めて五感で呼び覚まされるような気がして、イタリア映画「ニュー・シネマ・パラダイス」よりも更に心に迫る部分がありました。
 不況の為解雇される藤井隆の最後の舞台がこの映画最初の泣かせどころですが、述懐する売店員藤村志保さんの

「皮肉な事に大入り満員がでたのはその年であの日一回きりやった」

と言うセリフにも泣いてしまいました。

 じゃあ日本映画興業の栄枯盛衰だけがテーマのお涙頂戴ものなのかと言うと、そうではなく、親子の愛憎在日朝鮮人差別等を後半しっかり描くことにより、より優れた映画となっています。実際我々の世代だと、主人公の親夏八木勲が何気なくもらすような戦争世代の人たちの偏見を目の当たりに見てきただけに、藤井隆演じる安川修平が「どう言うわけか正社員としては雇って貰えなかった」と藤村志保さんが言っただけでああ何らかの就職差別かと推測できてしまいました。取材する主人公伊藤歩にもある秘密があるのですがそれは伏せておきましょう。

 少し残念なのが、エンディングのあり方。娘美里(鶴田真由)と父安川修平(井上尭之)との再会があまりにも唐突でどうして!?と思ってしまいました。ちょっと説明不足と言うか、つながりが悪いですね。本当に惜しい。

 演技的には藤井隆が良く頑張っていました。彼の芸や歌が最初は受けていたが、所詮素人芸なので段々飽きられていくというあたり、うまく演じていました。さすが吉本で叩きあげられた芸人だけの事はありますね。ギターの弾きかたも如何にも素人芸と言う感じでしたが、晩年役の俳優さんがおんなじようなギターを持ちながら段違いにうまいのでビックリ。最後のクレジットで何と!井上尭之さんだと知って余計にビックリしました。

 というわけで、別に昭和にノスタルジーがなくとも、映画好きの方なら是非見ていただきたい一本です。

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2006/04/30

ブロークン・フラワーズ

Brokenflowers2
 ジム・ジャームッシュ監督の新作「ブロークン・フラワーズ」を観てきました。実は前回ヴィム・ヴェンダースの「アメリカ・家族の居る風景」を観た時に予告編を見たんです。監督のジム、「ロスト・イン・トランスレーション」でとても良 い味を出していたビル・マーレイ、そして「アメリカー」にも出ていたジェシカ・ラングとくればもう必見だと思ってました。

 偶然だとは思うのですが、ヴィムの「アメリカ・家族のいる風景」が「パリ・テキサス」から20年を経たロード・ムービー、ジムの本作は「ストレンジャー・ザン・パラダイス」 から20年を経たロード・ムービー、おまけに「自分の知らない間にできてしまった息子を探しにいく中年男の話」というところまで一緒です。二人ともそのような歳になったということなんでしょう。そう言えばヴィムとジム、名前まで似てますぞ(^_^;)

資料:
上映時間    106 分
製作国    アメリカ
公開情報    キネティック=東京テアトル
初公開年月    2006/04/29

監督:    Jim Jarmusch    
製作:    Jon Kilik   
    Stacey Smith   
脚本:    Jim Jarmusch   
撮影:    Frederick Elmes   

出演:   
Bill Murray    : Don Johnston
Jeffrey Wright    : Winston
Sharon Stone    : Laura
Frances Conroy : Dora
Jessica Lange    : Carmen
Tilda Swinton : Penny
Julie Delpy : Sherry
Chloe Sevigny : Carmen's Assistant
Alexis Dziena : Lolita
Mark Webber : The Kid

『 鬼才ジム・ジャームッシュ監督がビル・マーレイを主演に迎えて贈る哀愁漂うオフビート・コメディ。かつてのプレイボーイが、自分の息子がいるという差出人不明の手紙を手に、昔の恋人たちを訪ねる旅に出る。主人公の元恋人役でシャロン・ストーン、ジェシカ・ラングら豪華女優陣が登場。カンヌ映画祭審査員特別大賞(グランプリ)受賞作。
 かつては多くの女性と恋愛を楽しんだ元プレイボーイのドン・ジョンストンは、中年となった現在も勝手気ままな独身生活を送る日々。そんなドンに恋人のシェリーも愛想を尽かして出ていった。そこへ、差出人不明のピンクの手紙が届く。便せんには“あなたと別れて20年、あなたの息子はもうすぐ19歳になります”と書かれていた。それを聞いた親友のウィンストンは、お節介にもドンが当時付き合っていた女性たちを訪ねて回る旅を段取りしてしまう。そして、気乗りのしないドンを強引に息子探しの旅へと送り出すのだった。(allcinema Onlineより)』

 いやあ、106分ゆっくりとした時間が流れていきました。今回は家内を誘っていったのですが、終了後開口一番、

「家でDVDで見てたら絶対寝てた」

というくらいジム独特の間延びしたユルユルの展開が私には心地よかったです。それにあわせたかのようなエチオピア音楽も。
 
 俳優陣は、くたびれた中年男役がすっかり板についたビル・マーレイをはじめみんながみんな芸達者!俳優の演技をじっくり楽しむ事のできる映画です。前回紹介した「アメリカ・家族のいる風景」の俳優陣も素晴らしかったですが、あちらを動とすればこちらは静か。

Images  その中でもやっぱり私のお気に入りは両方の映画に出ていたジェシカ・ラング。しゃべる時の口元がコケティッシュなんですよね。シャロン・ストーンは綺麗過ぎてちょっと引いてしまいましたが、彼女の娘ロリータには笑ってしまいました。あんなんでPG12にするなよ、ジム(^_^;)。

 ジムの演出でよかったのはビル・マーレイが左目を殴られた瞬間画面が突然ブラックアウトするところ。ドキッ、ニヤリです。また、彼の過去の作品の例に漏れず、本作も

「色々と種を仕込みつつ結局なにも分からないまま終わる」

というあたりで好き嫌いは分かれると思いますが、自分には心地よかったです。

 個人的に惜しむらくは、冒頭のシーンをもう少し注意してみておけばよかったということ。DVDが出たらもう一度見てみようと思います。

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2006/04/15

アメリカ、家族のいる風景

Dontcomeknocking2
 先日の記事で「パリ、テキサス」から20年の時を経て再びヴィム・ヴェンダースサム・シェパードが組んだ映画「Don't Come Knocking(アメリカ、家族のいる風景)」を楽しみにしている、と書きましたがようやく昨日観てきました。神戸大丸の近くにあるシネ・リーブル神戸という、日活系で芸術的な映画を多く上映する映画館です。目の肥えたお客さんばかり、それも今日は10人前後(^_^;)、ゆっくりと鑑賞することができました。

製作年 : 2005年
製作国 : ドイツ=アメリカ
配給 : クロックワークス
監督:ヴィム・ヴェンダース
脚本:サム・シェパード
音楽:Tボーン・バーネット
出演:
サム・シェパード(ハワード)
ジェシカ・ラング(ドリーン)
ティム・ロス(サター)
ガブリエル・マン(アール)
サラ・ポーリー(スカイ)
フェアルーザ・バーク(アンバー、アールの彼女)
エヴァ・マリー・セイント(ハワードの母)

西部劇のスターだったハワードは、新作の撮影現場から突然逃げ出し、故郷に向かう。そこで彼は、久々に再会した母から驚きの事実を聞かされる。彼の子供を身ごもったというモンタナの女性(ドリーン)から連絡があったというのだ。ハワードは自分の子供を探し出すため、モンタナ州ビートの町へと車を走らせる。昔の恋人との不安まじりの再会、息子アールの反発、骨壷を抱えた不思議な少女スカイとの出会い。ハワードの心の孤独は深まるばかりだが…。

本年のカンヌ国際映画祭でも大きな拍手で迎えられたヴィム・ヴェンダース監督、期待の新作だ。監督曰く「『パリ、テキサス』での仕事が“完璧な体験”であったため、20年もの間、再び組むことに躊躇していた」というサム・シェパードが手掛けた脚本が秀逸だ。広大で空虚な砂漠、ひと気のない田舎町、寂れたアメリカの原風景と、その中で彷徨う“ある家族”の痛みと困惑と喜びの姿を、60歳を迎えたヴェンダースのますます才気あふれる映像とT-ボーン・バーネットの音楽が切なく優しく包み込む。
(オフィシャルHP等より)

 解説にあるとおり、ピュリツァー賞も受賞した超一流の劇作家であるサム・シェパードの脚本がこの映画の命でしょう。「パリ・テキサス」でも主人公(ハリー・D・スタントン)と別れた妻(ナスターシャ・キンスキー)のミラー越しでの長い長い会話が印象的ですが、今回も自ら演じる主人公が昔身ごもらせた女(実生活でもパートナーであるジェシカ・ラング)と、不思議な少女、実は娘であるスカイ(サラ・ポーリー)に比較的長い台詞をしゃべらせ、見せ場を作っています。
 普通長すぎる台詞は台本臭さが抜けずにシラケてしまうことが多いのですが、さすがにサム・シェパードが書くと退屈さは微塵も無く、韻を踏んだりユーモアを含ませたりしつつ盛り上げていくのでジンジン胸に沁みて来ます。

 もちろん俳優陣も秀逸。上記の、ジェシカ・ラングが昔愛を交わした男の身勝手さ、弱さに感情を爆発させるところ、サラ・ポーリーが淡々と父に会えた喜びを語るところあたりがクライマックスですが、上記7名全てが名演で、ヴィムが最高の俳優陣に恵まれたと語っているのもあながちセールストークではありません。「海の上のピアニスト」ティム・ロスの演じる癖のある私立探偵もなかなか良い味出してました。ちょっと面白かったのは主人公が撮影中に逃げ出した映画の監督、なんと名優ジョージ・ケネディが演じてました。
 パリ・テキサスと同じようにアメリカの原風景を原色で描くカメラ・ワークも見事です。如何にもヴィムらしい美意識が貫かれていていました。

 ちょっと上映時間が長い(124分、パリ・テキサスよりは短いかな)事や、サム・シェパードの脚本のあくの強さなどがあり、誰でもどうぞ見てくださいと言うわけにはいかない映画ですが、「パリ・テキサス」が好きな方なら感動できることは受け合います。是非どうぞ。

Nightmare
 シネ・リーブルにあったガチャポンになんと、ナイトメア・ビフォア・クリスマスがありました(^o^)やってみたら見事サリーが出てきました。ブリキ製の入れ物もしゃれてるでしょ!

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2006/03/14

コープス・ブライド

は: ご主人様、今日はお孃様と映画をご鑑賞でございますか?
ゆ: ちょっと胸キュン系のファンタジックホラーなのだが、奥方はホラーが苦手なのでな。
は: おおっ、これはティム・バートンのストップモーション・人形アニメ映画「コープス・ブライド」でございますね。
ゆ: そうそう、「チャーリーとチョコレート工場」公開のときに宣伝してたんだけど、公開は見に行けなくてDVDで出るのを待ってたのだ。そう言えば「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」も「チャーリーとチョコレート工場」も娘と見たな。DNAだなあ(^_^;)
ティム・バートンのコープスブライド 特別版
ティム・バートンのコープスブライド 特別版

 両親の決めた許嫁ビクトリアと結婚を間近に控えたビクター。だが結婚式の時の誓いの言葉を練習していたら、誤って死んだ花嫁と結婚の誓いをたててしまい、ビクターは死者の世界へ連れていかれてしまう。なんとかビクターは生者の世界へと戻ろうとするが…。
   『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』や『ジャイアント・ピーチ』では製作や原案などで関わってきたティム・バートン。そんな彼がついに監督を手がけた人形アニメ。現実世界はモノトーンの世界なのに、死者の世界はやけに華々しかったり、ピクトリアよりウジ虫がわいている死体の花嫁のほうが魅惑的だったり、バートンらしい趣味が炸裂。ブラック・ユーモアもたっぷりだし、キャラクターも面白いし、実に楽しい映画だ。加えてケナ気な死体の花嫁の姿が胸に染みて泣けること確実!(横森文、AMAZON解説より)

は: なかなか泣けるお話でございました。ありきたりといえばありきたりのプロットをここまで陰影に富むものにする手腕はさすがでございます。
ゆ: ウン、いきなり「スリーピーホロウ」を思わせるようなくすんだ色彩で幕を開けて、蝶々がひらひらと舞い降りて話が始まるんだけど、それからの全てのプロットが夢のように美しいラストシーンに収斂していくのはため息が出たな。ネタバレになるので言えないのがとても歯がゆいです。
は: 「シザーハンズ」の雪のように美しゅうございました。
ゆ: うまい、はむちぃ君、座布団一枚。

は: メイキングも楽しめましたね。
ゆ: このストップモーション法は独特だからね、本当に大変な努力だなあ。
は: 現実世界より死後の世界の方をカラフルにするというのは、面白うございました。
ゆ: 製作サイドの一貫した思想のようなものを感じますね。ヴィクトリア朝をモチーフにして、現実世界が人間の感情や個性の自由を束縛していることを皮肉っているところが面白かったです。

は: 音楽はティム・バートンの盟友とも言うべきダニー・エルフマン、主人公の声がご存知ジョニー・デップというところもご主人様のツボにハマったのではございませんか?
ゆ: そうそう、私にとっての黄金のトリオですな。ダニー・エルフマンがしゃがれ声で歌うボーンジャングルというユニット名も笑ったな。とにかく人形劇という先入観を捨てて全ての人に見ていただきたい名作です。

 

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2006/03/11

アメリカ、家族のいる風景(予告)

dontcomeknocking
 これだけ私の心の琴線に触れる映画の情報が今の今まで自分のアンテナに引っかかってこなかった、と言うことに愕然としております。
リンク: アメリカ、家族のいる風景

 原題は「Don't Come Knocking」で邦題が「アメリカ、家族のいる風景」、キャッチコピーが

あの、伝説の映画「パリ・テキサス」から20年ー心の空白を埋める旅が今始まる

 私がこれからもすっとオールタイムベスト10に入れ続けるであろうパリ、テキサスのコンビヴィム・ベンダース(監督)、サム・シェパード(脚本)が20年ぶりに組んで作った映画、もうこれだけで必見。おまけに主演が何とサム・シェパードご本人だそうです。昔の恋人役には実生活でもパートナーであるジェシカ・ラング。「海の上のピアニスト」のティム・ロスが脇を固めてくれているようです。

 パリ・テキサスではライ・クーダーが音楽を担当し、素晴らしい演奏を聴かせてくれました。今回はT-ボーン・バーネットが担当するそうです。ジム・ケルトナーやマーク・リボーと言った腕達者が参加しているそうですから本当に音楽も楽しみです。おまけに主題歌「Don't Come Knocking」はU2のBONOとコアーズのAndrea Corrが歌っているそうです。

 神戸ではシネ・リーブルというコアな映画をやる映画館で上演されるそうです。4月が楽しみです。

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2006/02/28

デビルマン

ゆ: はむちぃ君、先日のおしおきの件、忘れておらんでしょうな。
は: ははぁ~、覚悟しております、何なりと御申し付けくださいまちぃ。
ゆ: じゃあ、これを一緒に見ましょうで(^o^)

デビルマン
デビルマン

は: こ、これは、きいちご賞に輝き、santapapaさんからも「トホホ系論外」指定を受けたあのデビルマンでございますか、ーーーーーつ、ついにこの日がやってきたのでございますね。風誘う花よりもなお我は今ーー
ゆ: をい、何も辞世の句を詠むことはないではないか、はむちぃ君、これでもずーっと貸し出し中だった人気作品なんだぞ。
は: へへ~ではお供しますちぃ(>_<)

永井豪原作による傑作コミック「デビルマン」を最新のCG技術を織り交ぜて実写化。デーモンに体を侵食されるものの、人間の心を失わなかった高校生・不動明が“デビルマン”となり、人類を守るためにデーモン軍団に立ち向かう。PG-12作品。(AMAZON解説より)

ゆ: -----(゜.゜)
は: -----(?_?)
ゆ: い、意外にーー
は: 最後まであまり退屈はしませんでしたですね。
ゆ: 日本のエド・ウッドと呼んで良いのやら悪いのやらわからん那須博之監督が最後の最後に奥さんと組んで鳥谷@阪神じゃなかった、撮りたいんだぜいとがんばった遺作だけのことはあるのやらないのやらーー
は: ご主人様大変読みにくい文章になっております(;一_一)
ゆ:、でもそれなりに体をなしているわな。特に原作を知る世代としてはデビルマン、シレーヌ、サタンあたりのCGの造形には結構満足できるものがあるし。戦闘場面はどうもハリウッドの有名シーン借りまくりのような気がせんでもないのやらあるのやらーー
は: ご主人様歯切れが悪うございます。でも確かに原作の実写化という点では成功しているように思いました。だからこそあの学芸会風演技とのギャップがすざまじいと言う意見が圧倒的に多いですね。
ゆ: 確かにセリフ棒読みもあそこまでくるとみんな怒るわな、それも主演級の若い衆が全員そうだもんなぁ、窮余の一策かどうかは分からんが、素人に近い宇崎竜童夫妻やら、原作者の永井豪先生やら、キワモンのボブ・サップやらKONISHIKIやら、大人連中も同レベルにしたところに整合性は感じましたけどね(苦笑

は: ご主人様さすがに今日は文章がしどろもどろでございますね、で、内容はいかがお感じで?
ゆ: はむちぃ君はどう思ったんですか?
は: 原作が永井、もとい、長いものですから、あの時間に全部詰め込むと訳が分からなくなってしまいますね。
ゆ: そうだなあ、確かにあの時間に最初から最後まで詰め込むことはなかったかもねえ。まあ、良く頑張りましたとは言ってあげたいけど、どうせ原作を端折るのならPG12にするほどえげつないシーンを挟みこむ必然性がある映画なのか、という印象はありますね。その辺を毛嫌いする人が出てきても仕方ないですよ、確かに。

は: では最後に一言お願いいたします。
ゆ: 明君、砂浜をバイクで走ってはいけません!

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2006/02/15

雨の別れ

rainydrive 今日は一日中雨が降っています。先日が印象的な映画を二つ挙げたのですが、何か一つ忘れているなあと後ろ髪引かれる様な思いでいました。今夜家路を急いでいる時に、前を行く車のテール・ライトをぼうっと見ていて、はた!と思い出しました。

マディソン郡の橋
マディソン郡の橋

 原作も当時ベストセラーになっていたので読んでいました。正直言ってあまり良い出来の小説とも思えなかったので、映画化したら甘々のメロドラマになっちゃうんじゃないかなあ、と心配していましたが、クリント・イーストウッドの手腕の見事さに脱帽した覚えがあります。監督としての彼の素晴らしさを遅巻きながら認識させていただいた映画といえましょう。

 雨は最後の別れのシーンで激しく降ります。身も蓋もない話をすれば、撮影で雨を撮ろうと思うと、普通に見える雨でもかなりの水量が要るそうですから、あのシーンはそれこそダムが決壊したような、もの凄い量の水を流していたはずです。おそらくは滝に打たれる修行のような状態であったろうと思われる雨の中を立ち尽くすクリント・イーストウッド!自らが監督しているとはいえ凄い根性です(^_^;)。

 まあ冗談はさておき、ワイパーも利かないような雨の中、夫の運転する車の助手席で前を行くクリント・イーストウッドの車のテール・ライトを凝視するメリル・ストリーブ。そしてこの後彼の車が交差点を曲がってしまい、彼女は夫が横にいるにもかかわらずこらえきれず激しく嗚咽します。下手な女優の演技ならシラケてしまうようなプロットですが、さすがメリル、一世一代の名演を見せてくれます。
 失礼ながら彼女以上の美女は当時いくらでもいたし、イーストウッドの映画ならほいほい出てくれたと思うのですが、この雨の別れのシーンのために(これは私の思い込みですが)彼女を選んだイーストウッドの慧眼が、この映画を成功させたのではないでしょうか。

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2006/02/10

宇宙怪獣ガメラ

ゆ: はむちぃ君、はむちぃ君、今日は嫁さんもいないし例によってトホホ系映画を鑑賞しましょうで。
は: またでございますか、奥様が実家に帰っておられるのをいいことに(-_-;)。
ゆ: をい、はむちぃ君、皆さんの見てる前で誤解を招く表現はやめてくれたまへ、「所用で寄生虫、じゃなかった帰省中」なのだ奥方様は。
は: はいはい、で、今日は何でございますか、デビルマンがいつも貸し出し中なので驚いておられましたが、ひょっとして?
ゆ: あれは今も空っぽ状態が続いておるのだ、信じられんことに。でもって今日はこれじゃ。先日santapapaさんが紹介しておられるのを見てな。
宇宙怪獣ガメラ
宇宙怪獣ガメラ

は: 旧ガメラシリーズの断末魔、と言われている作品でございますね。ご主人様は旧シリーズは全部お父上の映画館でタダで御覧なさったんじゃないんですか?
ゆ: 何でタダが太文字になっておるんじゃ?(;一_一)これは1980年製作で、この頃はもう大学生じゃったからのう、見るわけもない。親父も映画館閉めてたし、大映も一旦倒産してたし。
は: じゃあ映画の存在自体ご存じなかったと?
ゆ: そういうこと、さてさて始まり始まり~。

 倒産後、新しいオーナーを迎えた大映が製作した「ガメラ」シリーズの一作。とはいえ新撮の特撮映像はわずかで、東通eggシステムを使用した合成映像と、旧作の名場面とで構成している。
    巨大宇宙船ザノン号で地球に襲来した宇宙海賊が、地球征服を企み怪獣たちを復活させる。マッハ文朱扮する正義の宇宙人と少年はガメラを呼び、ギャオス、ジグラ、バイラス、ジャイガーといった怪獣たちを倒していく。
   往年のシリーズの続編と言うよりダイジェストと呼ぶに相応しい作品で、そのチープな作風、宇宙戦艦ヤマト、銀河鉄道999とガメラが遭遇するとい う、困惑もののサービス・カットには面食らうものの、子どもを物語の中心に据え、その素朴さ故のアイディアがガメラを助けるという、湯浅憲明監督と脚本の 高橋二三の作劇ポリシーが健在なことはうれしい。(斉藤守彦、AMAZON解説より)

ゆ: (゜.゜)ーーーーーー
は: (-_-;)ーーーーーー
ゆ: 久々に言葉が出ませんなーーー。さすがガメラ愛に溢れたsantapapaさんがトホホ系梅を付けざるをえなかっただけのことはあるな。
は: オリジナルの戦闘シーンや新怪獣が全くない摩訶不思議な怪獣映画でございますね。
ゆ: のっけからスターウォーズのパクりだし、本当に宇宙戦艦ヤマト銀河鉄道999が出て来た時は茫然自失だったな。困惑もののサービス・カットなんてもんじゃないレベル。
は: 最後にちゃんと東映映画より拝借とクレジットがございました。おまけに少年ジャンプの紙面を堂々と画面に大写しする根性の座りようはどうでございましょう。
ゆ: あの有の両さんの漫画がまだ続いていることの方がビックリするけどな。はむちぃ君、秋元先生は最初山止たつひこというペンネームだったのを知っておるかね?
は: 存じております。山上先生からクレームが来たそうでございます。話が脱線しておりますよ、ご主人様。

ゆ: 脱線といえばプロットがまた凄い。ガメラシリーズは必ず子供が主人公になるんだけど、それにしてもーー破綻しまくりのプロット。幼児向けか、これは?私なんか、最後に全部子供の夢だった、で終わるのかと思ってたけど、結局ーー夢じゃなかったんだぁ(ショック甚大。宇宙人のお姉さん方の演技にも脱帽でございます。

は: 7本の過去のガメラ映画をダイジェストとして押し込んだ故の破綻でございましょうけれど。
ゆ: 大体ギロンなんか、プロットに何の関係も無かったぞ(怒怒怒。
は: でもちょっと懐かしい気はしましたですね。
ゆ: うむ、ギロンの大悪獣というネーミングは懐かしいくてほろりとしたな(^_^;)。それにバルゴンが最初神戸タワーを破壊したのは覚えてなかった。大阪城しか記憶になかったよ、しかし

振り向けば通天閣がある

と言うのは、地理的に無茶苦茶無理があるな。
は: では、トホホ系梅ということで、
ゆ: 異存はございません。最後に、

ガメラと怪獣たちが日本各地をぶっ壊してるのに、
自衛隊航空隊は壊滅状態になってるのに、
ダムは決壊してるのに、
富士山は爆発してるのに、
宇宙人が平然と侵入してきてるのに、
最後に宇宙船とガメラが心中して大爆発を起こしてるのに、

平然と日常生活を送っている、主人公のお母さんをはじめとした1980年の日本国民に敢闘賞を差し上げましょう。さすがその後バブル時代を謳歌した人たちだけの事はある!
は: ご主人様、あなたもでございますよ(-.-)ボソッ

 

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2006/02/06

スカーレット・ヨハンソン2作品

 真珠の首飾りの少女で注目していたスカーレット・ヨハンソンの出演作を二つ借りてきて見ました。なかなか面白かったです。

アイランド
アイランド

2019年、リンカーンは大気汚染から救いだされ、完璧に管理された味気ない都市空間のコミュニティで暮らし ている。安全で快適だけれど、退屈な日々。唯一楽しみは女性の居住棟で暮らすジョーダンとの心はずむ会話だけ...。ここで暮らす人々の夢は、地上最高の 楽園「アイランド」へ行くこと、ときどき行われる抽選会が彼らの最大の関心事だ。しかしリンカーンはある日ふとしたことから、この都市空間の恐るべき真実 を知ってしまう。(ワーナーHPより)

 クローン人間を扱った近未来SFです。韓国のスキャンダルがセンセーショナルな話題となっているとはいえ、SFとしてはありきたりのプロットですし、監督が「パール・ハーバー」でラジー賞最悪監督の栄誉を得たあのマイケル・ベイですから、はじめからやや引いていたんですが(苦笑、思いの他かっちりと作ってあって感心しました。導入部の作りが結構綿密なので、この監督が得意とする後半のアクションシーンを素直に楽しめます。完結したSFストーリーとして完成度が高いかというと、まあそうでもないけど、素直にアクション映画として楽しめばいいかと思いました。
 主役のユアン・マクレガーはまあどうでもいいけど(汗、スカーレット・ヨハンソンはやっぱり綺麗でした。こういうアクション映画で本領が発揮できるのかな?と思っていましたが、スーパーモデルのクローンが徐々に人間として目覚めていくという設定は当たりでしたね。
 明暗を分けたのが黒人俳優。美味しい役で存在感があったほうがジャイモン・フンスー。傭兵として主人公たちを追い詰めておいて最後はにやり&ほろりとさせてくれました。粋な俳優さんですね。可哀想だったのがグリーンマイルで強烈な印象を残したマイケル・クラーク・ダンカン。お腹を開けられかけて覚醒して大暴れしておしまい、という設定はちょっと気の毒でした。

ロスト・イン・トランスレーション
ロスト・イン・トランスレーション

『ヴァージン・スーサイズ』で鮮烈な監督デビューを飾ったソフィア・コッポラ。そのリリカルな感性がさらに際立つ待望の第2作目が『ロスト・イン・トラン スレーション』である。違う文化、違う言葉、とりわけ無国籍都市として不思議な変貌をくり返す東京に放りだされたハリウッドの俳優、ボブ・ハリスと若いア メリカ人女性スカーレットの出会い。ともに、言い知れぬ不安と孤独感にさいなまれながら、年齢も性別も超えて、2人の魂は溶けあっていく……。(Cinema Topics Onlineより)

 400万ドルの予算、1ヵ月程度の撮影期間で4000万ドル以上の興行収益を上げ、なおかつゴールデン・グローブ賞3部門、アカデミー賞オリジナル脚本賞を獲得したトーキョームービーLost In Trasnlationです。こういうのこそスカーレット・ヨハンソンの真骨頂が見られると思っていましたが、監督が女性のソフィア・コッポラ、相手役として名優ビル・マーレイ、そして舞台として現代の異界東京と、最高のセッティングを与えられた中で存分にその魅力を発揮しています。

 いきなり彼女のお尻のアップで映画が始まった時には一体どういう映画になるんだ?と思いましたが(^_^;)、人生に疲れたハリウッド俳優と新婚2年目にして自分に自信を失いかけている新婚妻の淡い交感をさらりと描く、という私好みの展開でほっとしました。だからセックス・シーンは一切なし。それでいてファム・ファタールとしての資質を十分に感じさせる彼女はやはりいい!ルージュをその厚めの唇に塗るだけでぞくっとさせるところなんかは「真珠の首飾りの少女」の主人公を彷彿とさせました。

 相手役のビル・マレイも、疲れたハリウッド俳優が200万ドルというアルバイト(サントリーのCM)をエージェントに押し付けられて嫌々日本にやってくるという役柄がはまってました。日本人とのコミュニケーションの不毛に苛立ちを隠しきれず、また理解不能の異文化に拒絶反応を示しつつ、シャーロットという媒体を通していつしか日本に嵌ってしまう変化を見事に演じきっていました。彼の名前を聞くとすぐゴースト・バスターズを思い出してしまいますが、彼をしても異界東京の夜の魑魅魍魎は手に負えなかったようですね。

 ソフィア・コッポラはしばらく日本にお住まいだったようで、見事に今の日本を描ききっています。というか、夜の東京をですが。京都なんかはちょっとステレオタイプでアメリカ人用のちょっとしたサービス程度の描き方でした。私も昔一年程東京に住んでいた事がありましたが、夜の世界にはとても足を踏み込めませんでした。へー、とかほーとか彼女に勉強させて貰いっぱなしでした。

 世界共通語となったKaraokeの選曲も見事でした。軽薄日本人の歌うセックス・ピストルズ(Anarchy In The U.K.)、スカーレット・ヨハンソンの歌うプリテンダーズ(Brass In Pocketだったかな?)も御愛嬌でしたが、何と言っても「これは苦手だ」とビルがお経のように抑揚無く歌い続けるロキシー・ミュージックの「More Than This」が絶品で、はらわたがよじれるほど笑わせてもらいました。エド・ウッドのおかま役と並んで彼のコメディアンとしての真骨頂かなと思いました。案外地のままだったりして(^_^;)

 それにしてもこの監督、現代日本のテレビ番組やクリエーターと呼ばれる人種の不毛と幼児性を見事に見抜いていますね、やはり日本人としては恥ずかしい思いがします。最後にはっぴぃえんどの「風を集めて」を持ってきたのもどうなんでしょう。彼女の単なる好みなのか、洋楽の真似っこから始まったジャパニーズ・ポップの根っこを見抜いていたのか?

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2006/02/04

あの映画は本当に名作なのか

は: ご主人様、サブタイトルの意味が分からんと苦情が来ております(困。
ゆ: スマソ、

あの映画の健さんって、そんなに名演技だったか?

というやつですね。別に最新作のコトではないのだ。TVで「武士の一分」の記者会見をやってたので、またかよ、と思ってしまったわけだ。
 山田洋次監督がキムタクを褒める分には別に異存は無いのだが、何で高倉健ばかり引き合いに出すかな、あの映画はそんなに名作だったか?と思ってしまうのだ。

リンク: @nifty:Sports@nifty:山田監督 キムタクにほれる(スポニチ).

は: はあ、ではこの作品でございますか?

幸福の黄色いハンカチ
幸福の黄色いハンカチ

ゆ: そういうこと。彼はこの映画を余程気に入ってるらしい。世間的にも数々の賞を独占し、日本映画史上に残る傑作ともいわれているしね。健さんが新境地を開いたとも言われてる。でも個人的にはその全てに疑問があるんだ。

は: 日本で最初のロード・ムービーとの評価が高うございます。
ゆ: でもねはむちぃ君、あの時代をリアルタイムで経験したもんにとっては何のことは無い、ヒット曲の映画化というよくあるパターンなのだよ。タネはピート・ハミルの短編にインスパイアされて作られた、Tony Orland & Dawnの「Tie A Yellow Ribbon Round The Old Oak Tree」という歌なのだ。カントリーにしては珍しく日本でも当時大ヒットしておってな、私なんか深夜ラジオでミミタコになるくらい聞かされたものじゃ((゜-゜)遠い目)。
は: ご主人様、惚けてますよ(ーー;)。よくあるパターンでも、作品が優れていれば問題ないのではありませんか?
ゆ: 正論ですっ、はむちぃ君!
は: わおっ、久々の大声(>_<)、正論ならどこがイケないのでございましょう?
ゆ: 私も封切り当時映画館で見て、まあまあ佳作とは思ったんだよ。でもその後数々の栄誉にまみれていくのを見るにつけ、それほどのもんでもないでしょう、としか思えなくなったな。元はと言えば、原作が優れているわけだし、俳優陣の演技に監督の力量が出てるとも思えなかった。

は: 高倉健様が新境地を開かれたという点もでございますか?
ゆ: そうそう、東映ヤクザ映画以外の普通の作品でも存在感を示したというだけでしょう。役柄も東映時代の路線からそう逸脱してるわけでもないし。やくざのイメージの強い人を敢えて起用したところがえらいと言われればそれまでだけど。
は: 武田鉄也さんや桃井かおりさんの演技も絶賛されましたが?
ゆ: 正直言って当時の彼らを知ってれば、ああ、地のままやってんな、という程度の演技。個性を引き出すのがうまいって言うほどのコトでもないと思った。映画の製作現場ってのはこうですよ、って言うことを武田鉄也に教えた事で彼には感謝されたらしいけど、その後の彼の作る映画を見たら、
は: ご、ご主人様、それ以上は言わなくて結構でございます(ーー;)。

ゆ: まあそういうことで、

この歌を聴いてこのキャスティングにすればこういう風にすれば面白いんじゃないかな、と人々が期待するそのまんまの映画を作る

という才能はあったというところだろうかなあ。
は: 寅さんシリーズをはじめとして、観衆の心をつかむ事にかけては天下一品ですもんね。
ゆ: 結局偉大なるマンネリズムの人なんだろうかねえ。

は: では監督としては全く評価なさらないと?
ゆ: いやいや、そんなことは無いんだよ、集客力のある監督というのは大事なんだということは十分分かるんだ。それに、当の時代劇三部作の嚆矢となった「たそがれ清兵衛」は近年稀に見る傑作だと思ったよ、彼がこんな時代劇を作れるんだ、と正直ビックリした。特に主演の真田広之は素晴らしかった。
は: 真田様と比べられると、キムタク様も剣道を習っておられたとはいえ、つろうございますね。
ゆ: おっ、良い事言うね、はむちぃ君!真田広之は、実際にも演技でも達人の粋に達しているからなあ。山田監督も彼と比べてしまうと辛いもんだから健さんを持ち出したのかもね。

たそがれ清兵衛
たそがれ清兵衛

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2006/02/01

Stranger Than Paradise

ストレンジャー・ザン・パラダイス
ストレンジャー・ザン・パラダイス

 ジム・ジャームッシュ監督の出世作です。彼独特のざらざらしたタッチの映像。ワンシーンワンカットを積み重ねていき、最後にーーー何も起こらない粋さ。親友の前衛音楽家ジョン・ルーリーの起用。いろいろと面白い作品でした。

 何故この映画を今頃取り上げたかと言うと、このブログ立ち上げ当時からいろいろとお世話になっているHPNuovo Cinema Paradisoの管理人さんが新しくブログを立ち上げられ、その名前がstranger than paradiseだから、なのであります。さっそくしゃれた企画として、自然(現象)から思い出す映画を語っておられます。私も真似をして挙げてみましょうか。

青空: 「ヒトラー最期の十二日間」の最後で、ヒトラー秘書と孤児がベルリン脱出に成功したシーン。「パリ・テキサス」で最初に主人公がさまよう砂漠の青空。
(stranger than paradiseでは「天空の城ラピュタ」「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」)

月: 「ペーパームーン」「アポロ13」「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」当たり前すぎ?もっとある気がするけどちょっと思いつきません(涙。「月夜のラプソディ」引き続きよろしく、なんちゃって^^;。
(「E.T.」「バットマン」)

星空: 「王立宇宙軍オネアミスの翼」のラストシーン。名作だと思います。ホリエモンが好きで続編を作ろうと言う企画があったらしいけど、もうないでしょうから安心。
(「ストレイト・ストーリー」「アイアン・ジャイアント」)

海: 「グラン・ブルー」「機関車先生」ダイビング好きとしてはグラン・ブルーは外せません。機関車先生には瀬戸内海の海が本当に鮮やかに美しく描かれています。おっ、そういやどちらも地中海だ!(^^)!
(「太陽がいっぱい」)
おおっ、太陽がいっぱいも確か地中海。--と言うと、これも外せません。
ニュー・シネマ・パラダイス」の冒頭シーン、トトの母親の家のテラスの向こうに広がるシチリアの海。

雨:「小さな恋のメロディ」マーク・レスターとトレーシー・ハイドの墓場でのデート・シーン。「ティファニーで朝食を」のラスト、オードリーが子猫を抱えてのキスシーン。
(「となりのトトロ」)

皆さんもいかがですか?

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2006/01/26

きいちご賞

週刊文春1月26日号に「2005年文春きいちご賞」が発表されています。この賞は、

アメリカの「ゴールデン・ラズベリー(きいちご)賞」に倣って創設。映画記者・評論家三十人で、いずれも、厳しくも映画をこよなく愛する人物ばかりである。(文春記事より)

さて、2005年度のワースト10は以下のように決まりました。

1:SHINOBI
2:TAKESHI'S
3:宇宙戦争
4:戦国自衛隊1549
5:オペレッタ貍御殿
6:春の雪
6:アレキサンダー
6:北の零年
9:鳶がクルリと
9:東京タワー

 2004年度は「デビルマン」「CASSHERN」という飛びぬけた存在^^;がありましたから、選考は楽だったと思いますが、今年のはどうなんでしょう。今ひとつ小粒(?)というか、突き抜けてないというか、選ぶ方もちょっとは困ったかな。何はともあれ、やっぱりSHINOBIは見なくっちゃね。公開時には結構好意的な評価が多かったような気がしたんですけど、とりあえずRed Shadowどっちが上?か見極めたいと思います。

 ところでこの中で私が見てるのは4:戦国自衛隊1549と6:北の零年なのですが、前者は十二分に納得できるとして、後者はちょっと意外でした。ああいう正攻法で大まじめに作られた作品はちょっと批判しにくいし、良い評価をするしかないだろうと思っていたんですが(だから拙ブログでも取り上げませんでした)ーーー。選考理由を引用してみますと、

「彼女(吉永小百合)の作品は、必ずアナクロになる。東映はいつまでこんな企画の作品を撮り続けるのか」(スポーツ紙記者)「二十四歳年下の石田ゆり子と同年代の役柄をやるなんて、無謀」(女性記者)

だそうです。彼女は私の一つ上の世代の女神様ですが、私の世代でも彼女の事は悪く言うのは憚られる雰囲気は引き継がれていました。だから、おおっ、ここまで言うのかと、ちょっと辛い意見でしたね。
 ちなみに同映画で、経済的に破綻した妻子を捨て、新たに女を作ってノウノウと暮らす元侍を演じた渡辺謙に、「最悪男優賞」が贈られました。これも訳が分かりませんねぇ、役柄だもん、仕方ないじゃん(-_-;)。

おまけ:
最悪監督特別賞: 北野武(TAKESHI'S)
最悪女優賞: 黒木瞳(東京タワー)

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2006/01/21

ヒトラー最期の12日間

は: おおっ、ご主人様、一転して恐ろしくシリアスなネタでございますねっ、はむちぃめ、うれしゅうございます。
ゆ: はむちぃよ、実はこれも息子が買ってきたのじゃ(-.-)(ボソッ)。
は: ひえ~、センター試験を前にしてまたしても(>_<)、で、ご注意なされましたかっ?
ゆ: 当然したぞ、何考えとんじゃ~、てな。
は: で?反応は?
ゆ: 結局その日に二人でなんちゃってホームシアターで観てしまいました。
は: (-_-;)やっぱり。
ヒトラー ~最期の12日間~ スペシャル・エディション
ヒトラー ~最期の12日間~ スペシャル・エディション

   1942年、ミュンヘン出身の若い女性が、アドルフ・ヒトラーの秘書になる。彼女は追いつめられたヒトラーの最期の日々を近くで目撃。独裁者をひとりの人間として見つづけた彼女の瞳に映った、本当のヒトラーの姿とは?
   指令本部から出ようとしない晩年のヒトラーは、部下たちの助言にもなかなか耳を貸さず、強いドイツを最期まで疑わなかったが、女性や身内にはやさし く、紳士だったのに驚きだ。ユダヤ人大虐殺など、ヒトラーが作りあげた残酷な歴史は、どんなに彼が人にやさしくしても決して消えることはないし、許せない 行為だが、この男がなぜ、独裁者になったのかと、ますます興味深くなること間違いなし。ヒトラーを演じるのはブル-ノ・ガンツ。自分という存在を消して、 ヒトラーになりきったその演技は一見の価値あり。(斎藤 香、AMAZON解説より)

は: なんとも陰鬱ながら、ぐいぐい画面に引き込まれてしまいました。
ゆ: 地下の作戦本部のカットと、降伏間近のベルリンの市街戦のカットが交互に繰り返されるだけだから、最初から最後まで白黒フィルムに近いような暗鬱なシーンの連続なんだけど、それが丁寧で首尾一貫したフレームワークに支えられているので見ごたえがあります。
は: それで、最後の最後に秘書と孤児が脱出に成功したシーンでの青空の美しさが目に染みる分けでございますね。
ゆ: おっ、はむちぃ君炯眼ですな。全くその通り、その絶妙の効果まで計算しつくされているという印象を受けました。

は: ヒトラーを美化しすぎているという批判もございますが。
ゆ: そは思わなかったけどな、狂気に取り憑かれているといえどヒトラーも人間、女性や民間人には優しい一面もあって当然、それをありのままに描いているという印象でした。だからこそ我々は、そんな人間がどうしてこれほどまでのジェノサイドを行い得たのかを学ばねばならないわけです。
は: そう言えば、ヒトラーがアーリア人の出生証明書を持っていないというシーンがございました。
ゆ: 手塚治虫先生の「アドルフに告ぐ」を思い出しました。ヒトラーには本当にユダヤ人の血が混じっていたんでしょうかね?もしそうだとしたら、つくづく思想的矛盾を内包した狂気の人物だったんですねえ。しかしそのヒトラーを演じるブルーノ・ガンツの演技の恐ろしいほどの見事さはどうでしょう。迫真に迫ると言う言葉でも足らないほどの凄みがありました。
は: 人間らしい一面と取り憑かれた狂人の一面を見事に演じ分けておいででございました。フィルムを昔の記録テープ風に加工したら、ヒトラーその人が出ている、と言われても分からないかもしれませんですね。
ゆ: あの時代に生きていたら影武者として活躍してたかもしれないと思わせてくれましたね。チャップリンが、自分の容貌がヒトラーが似ているので敢えて撮ったという「独裁者」にもひけを足らない演技だったと思います。それにしてもブルーノ・ガンツって「ベルリン 天使の詩」に出てた人なんですけど、名前を見るまで全く分かりませんでした。

は: 涙なくしては見られないゲッペルスの5人の子供をはじめとして、この映画では殆どの人物が命を落としていくわけですが、
ゆ: どういうわけか主役側は撃たれても刺されても死なない日本の戦争SFを直近に見ていたので、リアリズムの恐ろしさをいやと言うほど見せ付けられた思いでございます。
は: 生き残った方々についてはエンドロール直前にその後が語られます。ナチス幹部に関しては良く知られている事実ばかりでしたが、
ゆ: 特にシュペールは「ヒトラーの建築家」というドラマが最近話題を呼んだばかりでしたね。
は: 今回の主役級である秘書の方がつい最近までご存命だったとは驚きでございました。
ゆ: 彼女が語る

若いゆえの無知だからと言って済まされないことをしてしまいました

という言葉の重みはいかばかりでしょう。狂気の指導者の過ちについては何一つ語らずに戦没者を哀悼して何が悪いと開き直る亡国の指導者にも是非聞いてほしいものです。

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2006/01/13

福井晴敏3部作に思う

ゆ: 最近邦画の戦争シミュレーションSFものをちょくちょく見るのですが、
は: はいはい、「ローレライ」以降でございますね、それが何か?
ローレライ スタンダード・エディション
ローレライ スタンダード・エディション

ゆ: なんと全部福井晴敏氏原作。しかもなんと!
は: はあ?
ゆ: 彼の作品は読んだことがございませんっ。ターンAガンダムなら知ってますが。
は: はぁ~(-_-;)
ゆ: ということであくまでも映画評でございますが、みなさまおつき合い下さいませ。
は: はぁはぁ、「独断と偏見に満ちた」という前置きが必要な気もいたしますがおつき合いいたしませう。

は: 作品は「ローレライ」「戦国自衛隊1549」「亡国のイージス」の三作でございますね、。以前のレビューで

ローレライは思ったより良かった

と評価しておいででございました。
ゆ: はいはい、そうでした。仮にローレライを70点の作品といたしましょう。とすると、

戦国自衛隊1549: 45点
亡国のイージス: 55点

と言うことになりましょうか。

戦国自衛隊1549 標準装備版 (初回限定生産)
戦国自衛隊1549 標準装備版 (初回限定生産)

陸上自衛隊で秘密裏に行われた実験中に、暴走事故が発生。的場一佐(鹿賀丈史)率いる精鋭部隊が、460年前の戦国時代にタイムスリップしてしまった。か つての仲間だった鹿島勇祐(江口洋介)は、時空の彼方に消えた仲間たちと日本を救うため、神崎怜2尉(鈴木京香)とともに2度目のタイムスリップを敢行す る。(AMAZON解説より)

ゆ: 角川の60周年だかなんだかの作品らしいですが、何かが決定的に足りないので、ものすごく薄っぺらな映画です。
は: 何かとはまたアバウトな、一体何でございましょう?
ゆ: 全てが決定的に足りないと言い換えても良いくらいですが、一番は人物描写の浅さでしょう。この人一体何考えてこんなことやってんの?というところの説明が、単純なくせに大げさ、非常に漫画チックで、まるで心に響かない。原作はどうなんだろう?あのまんまなら、もともとの原作者であった半村良先生もお嘆きでございましょう。そのくせ、映画の登場人物の言葉を借りるなら、観ている我々は「駄眠を貪っている平成の民」と言うことになる、あんまりバカにするなよ、と言いたい。
は: なるほど、そういえば私メも、豪華キャストの割には印象に残る方があまりおられませんでした。斉藤道三役(伊武雅刀)くらいでございましょうか。

ゆ: その上プロットがお粗末ときたら救いようがないな、戦斗シーンの豪華さで目くらまししてるとしか思えません。大体から歴史を変えるとなんで虚数空間が出現するんだ?まちゃまちゃなら「はぁ~~~~~??」と目を剥いてるぞ、ほんと(怒怒。それがあっちにもこっちにもできてて何で地球が崩壊しないんだ?ディラックの海はエヴァだけでたくさん。
は: ご主人様またまたガイナックスねたをトホホ。

亡国のイージス
亡国のイージス

最新鋭の防空システムを搭載したイージス護衛艦「いそかぜ」に、沖縄米軍基地から盗まれた化学兵器「GUSOH」が特殊工作員によって持ち込まれたのだ。 「いそかぜ」の先任伍長の仙石はその情報をつかみ、新入りの如月が工作員ではないかと、目星をつけるが、副長から離艦命令が。そのあと「いそかぜ」の全ミ サイルの標的が東京に設定された。黒幕は対日工作員のヨンファ。彼の目的は?そして東京はどうなる?(AMAZON解説より)

は: この映画も豪華キャストでございました。奥様のお好きな寺尾聰様、世界に通用する真田広之様、ご主人様のお気に入りの佐藤浩一様、壬生義士伝で見直した中井貴一様、ヨコハマ・ホンキートンク・ブルースも懐かしい原田芳雄様等々、お正月映画かと思ってしまうくらいでございます。
ゆ: 何気なく渋い歌を出してますな、はむちぃ君(^_^;)。さすがにこれだけの役者陣が熱演すると画面が引き締まります。だから最初は凄く良い映画だ!ようやくハリウッド映画に近づく完成度を持った映画が出てきたか、という予感がしたのですが、残念ながら中盤までで息切れしてしまいました(涙。
は: と申しますと後半がーー、たしかに尻切れトンボ的なところはございましたね。
ゆ: 壮大な物語が最後は子供の喧嘩かというくらい卑小な戦いになってしまいました。というわけでネタバレ覚悟でしゃべりますが、なんでーー

主人公側はいくら銃弾を打ち込まれてもナイフで切られても死なないで
敵側雑魚キャラはあっという間に戦闘不能におちいるの?

というテレビドラマよりひどい依怙贔屓。しかも、救出へりが山ほど来てるのに、

まだ生きてる寺尾さんをどうしてほっとくの?それ以前の問題としてなんで艦のエンジンを停止させないで帰っちゃうの(-_-;)

どう考えても寺尾さんにこの船を爆破させたかったとしか思えない。そのくせ本部では「このままでは火力発電所にぶつかる~」ってアセってるし。大体から洋上とはいえあんな近くでイージスを爆発させたらただじゃすまんでしょうが。という事でクライマックスでプロットは完璧に破綻いたしました。
は: 見事なネタバレ解説ありがとうございました、トホホ。原作はかなり高評価を得ているようでございますが。
ゆ: らしいねえ。読んでみようかとは思っているんだけど、ここでもまた、我々平成の一般人は「守るに値しない堕落した人たちで日本は国体をなしていない」らしいからねえ、ちょっと食指が動かないんだよね~。このあたりの作者の人生観、ご存知の方がおられたら教えて下さいませ。

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2006/01/09

バタフライ・エフェクト

は: 続いてもう一本参りましょう、昨年のナンバー1ミステリ作品との噂もある「バタフライ・エフェクト(The Butterfly Effect)」でございます。ご主人様、大変楽しみにしておられましたので、てっきりこれが今年初のレビューになるかと思っておりましたがーー、
ゆ: う~ん、期待が大きかっただけに考え込んじゃったよ~、まだ評価に迷うところはあるんだけど、ハッキリ言って、個人的には駄作だと思います。
バタフライ・エフェクト プレミアム・エディション
バタフライ・エフェクト プレミアム・エディション

物語の主人公エヴァンは、ごく普通の少年だった・・・時折、記憶を喪失“ブラックアウト”してしまうことを除いて。精神科の医師は彼に、治療のために毎 日、日記をつけることをすすめる。やがて時は過ぎ、記憶が失われることの多かった日々はすっかり過去のものとなっていた。そんなある日、大学生になったエ ヴァンは、7歳の頃からつけていた日記を見つける。その日記を紐解いたとき、いつしか彼の意識は日記を書いた当日の陽光の中にあった。忘れていた、ある出 来事が鮮烈に蘇る。幼馴染みの少女ケイリー・・・そしてエヴァンと彼女が引き裂かれることになった決定的な理由。“君を迎えに来る”・・・かつてその約束 を果たせなかったエヴァンは彼女への思いゆえ、ある選択をする。それが取り返しのつかない新たな状況を引き起こすとは夢にも思わずに・・・。(Cinema Topics Onlineより)

は: 主人公が過去を変えようと努力するタイム・トラベルSFものと考えても良いような映画でございました。ミステリとしてもSFとしても良質なよく考えられたプロットと社会的問題への言及、そして三世代の主人公とヒロインの熱演で、はむちぃメは良くできた映画と思いましたが。
ゆ: 一般的評価を要領よくまとめたようなコメント有難う、ハムチイ君。私が疑問に思うのは、「バタフライ・エフェクト」という題名と、主人公の動機と行動の正当性なんだよね。
は: 「バタフライ・エフェクト」というのは

蝶々の羽ばたきが、時と場合によっては地球の裏側で台風を起こすこともある、というカオス理論である

と冒頭にクレジットが出ましたね。些細なことでもあとでとんでもない事態を惹き起こすということで、この映画の場合は、主人公が過去の重要なポイントで過去と違った行動をすることにより、目覚めて大学生に戻った時に今までと状況が全く変わっている、ということでございました。
ゆ: それなんだけど蝶々の羽ばたきというのは

1:ほんの些細な力である
2:意図された行動ではない

という特徴があるはず。結果に比して最初は全く偶然の僅かなアクションに過ぎないはずなんだけど、この主人公の場合、明らかに未来を変えようと意識しているし、全く偶然に過去に戻るのではなく、記憶を無くすほどの重大事件の現場へしか戻ら(れ)ない。ところがその結果は、地球全体が激変するようなものではなく周囲の人間の状況が変わるだけだろう。
 はっきり言ってドラエモン並の確信犯にしてセコさじゃないか。どこがバタフリャーエフェクトなんだ?
は: ご主人様、名古屋弁が入っております(ーー;)じゃあどんなのがバタフライ・エフェクトなんですか?
ゆ: 昔どこかで読んだSF小説でこんなのがありましたな、

時代旅行に出かけた主人公が恐竜時代に誤って一個の靴跡を残してしまった。歴史が変わっていないか心配した主人公だが無事現在に戻ってきた。ところが新聞を見るとーーアメリカ大統領の名前が先日敗北した筈の対立候補に変わっていた。

これならばバタフリャー・エフェクトと呼んでもいいと思うぞ。

は: ご主人様そんなにエビフリャーが食べたいんでございますか?でもまあ、なるほど納得いたしました。で、行動の正当性の問題ですが。
ゆ: タイム・パラドックスに抵触するので

過去に返る能力があっても過去を操作してはならない

と言うのが大前提のはず。それを、彼女をはじめとして僅か三家族の平和のために何回も歴史を変えようとする主人公は、悪いけど(映画中でも第三者に指摘されてますが)精神的に問題のある患者としか思えない。何回目かのタイム・トリップの時に友達から「そんなに自分たちのことばかり考えてないで、自分たちが犠牲にした親子のことも考えてやれよ!」と怒鳴られる始末。どう考えても感情移入しにくかったし、どこが

感動的な至高の愛の物語、で
映画史上最も切ないハッピーエンド

なんだよ(-_-メ)、と突っ込みたくなりました。ましてや別バージョンのエンディングのおまけなど、言語道断。もっと別の展開のシビアなエンディングを用意しているのか、と期待してたのに!
は: どんなエンディングなら納得されるのでございます?
ゆ: やっぱり主人公は精神病ですべて彼の妄想だったという、ラスト一本前の世界が真実だった。と言うのなら納得します。ただ、理論的に言うと、主人公はそこへもたどり着けない筈だったんだけど。

は: と、申しますとプロットに欠陥があると?
ゆ: そう、ネタバレになるから言わないけど、一回だけ本人の状況しか設定の変わらないタイム・トリップがあるんだよね、毎回毎回変えといてあれは納得できない。
は: はぁ、相変わらず理屈っぽいご主人様ですが、かなり期待はずれでガックリしておられますのはお気の毒でございました。

ゆ: まあ、あくまでも個人的な感想で、見ようによってははむちぃの言うとおり、良くできた映画です。
 と言っておきながらもひとつ文句言ってもいい?(^_^;)
は: どうぞどうぞ、こうなったらおつき合いしますですよ、何かまだおかしいところがございましたか?
ゆ: 主人公のMR所見なんだけど、見る人が見れば笑っちゃうぞ!

をい、そこのお医者さんよ、難しい御託並べて主人公に突っ込まれてる暇があったら、さっさと手術してやれよ

という所見なんですよー(>_<)、よくもまああんなMR持ってきたなあ、それともCG合成なんだろうか?

 

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2006/01/08

コンスタンティン

ゆ: はむさぃ君、今年初めての映画レビューをおっぱじめましょうでヽ(^o^)丿
は: はむちぃでございます、ご主人様(-_-;)。それにしても「コンスタンティン」とは年初からいきなりダークな映画をーー、何故に?
ゆ: 昨日レンタル屋さんを覗いたら、昨年のベスト20というコーナーがあってね、見てないうちの一本がこれだったのだ、はっはっは。
は: そ、そんな単純な理由でございますか(歎息

コンスタンティン
コンスタンティン

  アメコミ「ヘルブレイザー」を原作に、キアヌ・リーブスが、『マトリックス』に続いて救世主的なヒーローを演じる、ホラーテイストのアクション。この世に は、悪魔や天使が宿った人間が生息しており、私立探偵のジョン・コンスタンティンは、彼らを見分けることができる。死後、自分が地獄へ送られる運命にある と知った彼は、悪魔を倒すことで、天国に行こうと目論むのだった。そんなジョンのもとに、双子の姉妹を亡くした刑事アンジェラが現れ…。(AMAZON解説より)

ゆ: いきなりロンギヌスの鎗(ゴルゴダの丘でキリストを突き刺した鎗で、キリストの血が付着している)が出てきたときは、エヴァかと思いましたな。
は: またそんなマイナーなガイナックスネタを、トホホ。でも確かに両方ともアニメとコミックスと言う共通点はございますね。
ゆ: キリスト教関係でネタにしやすいんだろうね。しかしなんでメキシコからこの鎗が出てくるんだ?舞台であるLAに一番近い国というので安易に選んだとしか思えませんな(苦笑。
は: まあ、こう申してはなんですが、原作はアメコミでございますから。それにしても、キリスト教国のアメリカでよくもまあこんな漫画を作れたものでございますね。
ゆ: キリスト教信者の少ない日本ではあまり問題にならなかったのだろうけれど、敬虔なクリスチャンの方なら卒倒するようなネタが続出しますからね。どういうわけか

イスラム国のブルネイで上映禁止

になったらしいけど。
は: 特に最後で黒幕が判るところなどは、敬虔なカソリック信者の方なら卒倒されるやもしれません。
ゆ: あれは黒幕と言うより白幕かな。
は: ご主人様、ネタバレはいけません(;一_一)。

は: 俳優ではキアヌ・リーブスが、「マトリックス」シリーズの主人公ネオ役のあとに選んだというだけあって、かなり入れ込んで熱のこもった演技を見せております。
ゆ: マトリックスとは、CGを駆使したダークな映像世界と言うところで共通するものがあるので、余計そう思うのかもしれませんが、こういうタイプの映画のはまり役になってきたな、と思います。今回は肺癌で余命一年という不健康な設定も良くマッチしておりました。SFでなくてこういう不健康な主人公をやらせたらどうなるかな、という期待も抱かせましたね。
は: ヒロインの双子姉妹を演じるレイチェル・ワイズはいかがでございましたでしょうか?
ゆ: う~ん、可もなく不可もなくでしょうか。それよりも天使ガブリエルをやったティルダ・スウィントンという女優さんの方が出番は少ないのに圧倒的な存在感がありました。

は: さて、映像の方はいかがでございましたでしょうか?
ゆ: CGは丁寧に作られているし、地獄の映像は結構斬新だったと思います。でも、低級悪魔連中のグロテスクな描き方と言うのは正直なところ飽きてきたし辟易してしまいます。むしろ最後に大悪魔サタンが白いスーツ姿で登場するあたりの方が楽しめました。
は: 私メも虫の大群は気持ちわるうございました。ご主人様はが出てきたところで笑っておられましたがーー。
ゆ: 笑った笑った(^o^)、worm系は気持ち悪いけど、蟹はそれに比べるとかわいいもんなあ。それにしてもガソリンスタンドから蟹が出てくるか(苦笑。あれは私が思うのには

蟹 → cancer(英語)、Krebs(独語) → 癌

のしゃれではないかと思うんだな。主人公が肺癌の診断を受けたあとに出てくるからね。
は: あ、なるほど。

は: エンドロールのあとにおまけ映像がございますね。
ゆ: あそこまで辛抱して映画館で観続けた人がいるのかなあ。前田有一氏なんかは重要視してたけど、別にどうでも良いんじゃない?と思いました。最後の最後に来て「自己犠牲」とか、この映像とか、説教臭くなるのはどうかなあ、と思いました。神様、この不信心ものを許して下さいませ
は: 懺悔が出ましたところでお開きにてございますm(__)m

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2005/12/25

今年の映画、DVD回顧

pearl
は: 2005年回顧シリーズ3回目は映画でございます。映画らしく部門賞発表ということで楽しんでまいりましょう。
ゆ: エントリー作品は今年の記事から御覧のとおりでございます。

ハウルの動く城     2005.12.14
ハリー・ポッターと炎のゴブレット     2005.12.05
真珠の耳飾りの少女     2005.10.25
The Notebook     2005.10.18    
ゴジラ ファイナル ウォーズ     2005.10.04
インファナル・アフェアIII 終極無間     2005.10.03
チャーリーとチョコレート工場     2005.09.19
ローレライ     2005.09.10
赤影:何がRED SHADOWだよ(爆泣     2005.08.26
スクール・オブ・ロック     2005.08.25   
オーシャンズ12     2005.08.08
So uncivilized!     2005.08.02( Star Wars III)
カンフー・ハッスル     2005.07.24
ハリー・ポッターとアズカバンの囚人         2005.07.15
いま、会いにーー     2005.06.29
スパイダー・ボーイ     2005.06.26
Deep Blue     2005.06.23
LOVERS     2005.06.01
ポール・オースターの映画2本(SMOKE 、ルル・オン・ザ・ブリッジ)    2005.05.22
解夏ー救い様の無い観光映画     2005.05.01
機関車先生     2005.04.17
サイダーハウス・ルール     2005.03.09
下妻物語     2005.02.23   
The Great Gatsby     2005.02.03
邦画2題 (ジョゼと虎と魚たち、東京原発)    2005.01.23

まさに玉石混淆ですな(^_^;)

は: まずは最優秀作品賞からお願いいたします。
ゆ: ずばり、

最優秀作品賞:インファナル・アフェアIII 終極無間

でございます。一言だけ付け加えますと、三部作全体として差し上げたいと。
は: 香港映画の底力を見せていただきましたね。アンディ・ラウトニー・レオンをはじめとする俳優陣の充実ぶりは目を見張るものがございました。

は: 続きましては最優秀女優賞をお願いいたします。
ゆ: これは正直申し上げて色々と迷いました。池脇千鶴、チャン・ツイイーも有力候補でしたが、やっぱり

最優秀女優賞:スカーレット・ヨハンソン真珠の首飾りの少女

を選ばせていただきました。
は: フェルメールの絵からそのまま飛び出してきたような美貌、そしてラブシーン一切無しで見せるエロティシズムも瞠目すべきものがございました。今後が楽しみな女優さんでございますね。

は: では続いてまいりましょう、最優秀男優賞でございます。
ゆ: これも大変。アンディ・ラウ、ジョニー・デップ、ジャック・ブラックと何れ劣らぬ個性的俳優がひしめいておりましたが、敢えて

最優秀男優賞:坂口憲二(機関車先生

を推したいと思います。日本映画へのエールもこめて選ばせて頂きました。
は: TVドラマ等の影響か、俳優のスケールがどんどん矮小になってしまっている日本映画の中で、久しぶりに大画面に映える俳優さんでございました。

は: では注目の最優秀監督賞はいかがでございしょう!?
ゆ: これはもうすんなり私の好みで決まりです。

最優秀監督賞:ティム・バートンチャーリーとチョコレート工場

は: やっぱり、多分そうだと思っておりました。バートンらしいひねりの効いた、また過去の名監督へのオマージュともなっている作品でございました。

は: さて、最後に特別賞を2作品ご紹介いたしましょう。まずは功労賞から
ゆ: ゴジラにもあげたかったですが、最後の映画があれでは哀れです。ということで30年間ご苦労様ということで

功労賞:ジョージ・ルーカススター・ウォーズ・シリーズ完結)

長い間楽しませていただきました。ありがとうございました。

は: そして最後はーーートホホ賞でございます(ーー;)
ゆ: 文句なしで

トホホ賞:解夏

もう涙無くして見られません(情けなくて)。

は: さて、この辺でお開きにさせていただきますが、クリスマス・イブは何を御覧に?
ゆ: 一昨日は思わず交渉人 真下正義を見てしまいましたが、昨日はこれでございました。
ナイトメアー・ビフォア・クリスマス
ナイトメアー・ビフォア・クリスマス

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2005/12/14

ハウルの動く城

 宮崎アニメ「ハウルの動く城」がニューヨーク映画批評家協会のアニメ賞を受賞したそうです。この賞の方がアカデミー賞よりアカデミック、という印象がありますから、海外でも芸術作品として認められたと言って過言ではないでしょうね。既にベネチア映画祭をはじめ、多くの賞を獲得していましたし、もう宮崎作品、向かう所敵なしの感があります。
ハウルの動く城
ハウルの動く城

リンク: asahi.com: アニメ賞に「ハウルの動く城」 NY映画批評家協会�-�文化・芸能.

 愛国主義全盛の時代。王国の兵士たちが今まさに、戦地に赴こうとしている。銃には花が飾られ、歓呼の中を行進する兵士たち。荒地には、美女の心臓をとって喰らうという魔法使いハウルの、動く城まで現れた。

 そんな町から離れて歩く、ひとりの少女がいた。主人公ソフィーは18才。荒地の裾野に広がる町で生まれ育ち、亡き父の残した帽子屋を切り盛りしている。ソフィーはある日、町で美貌の青年と出会う。何かに追われているらしい青年はソフィーと共に天へ舞い上がったかと思うと、束の間の空中散歩にいざなう。 夢のような出来事に心奪われるソフィー。しかしその夜、ソフィーは、荒地の魔女と名乗る魔女に呪いを掛けられ、90才のお婆ちゃんに姿を変えられてしま う。このままでは家にいられない!

 ソフィーは荷物をまとめ、ハウルの棲む城があるという、人里離れた荒地を目指すのだった。(AMAZON解説より)

 家内はロードショーで見て原作も読んでいるのですが、私はDVDになってから初めて先日鑑賞しました。いろいろなブログで前知識はなにかと入っていて、

1:宮崎作品にしてはものたりない
2:原作を知らないとわからない部分が多い

という批評が多かったと思います。まあ、そのとおりなんでしょうけれど、ハリー・ポッターシリーズと同じく、単独の映画として見た場合にはまあまあ良くできていると思います。機械文明批判、自然破壊批判等、明確な主張のあるのが宮崎作品の特徴ではあると思いますが、今回は反戦ということなのでしょうか。といっても、それほど主張が前面に出ず大人しい印象です。まあ、原作もあることですしまあそういう作品があっても良いと思います。とりあえず原作も読んでみようかという気にはさせていただきました。

 映像的には中世ヨーロッパを意識した美しいもので、さすがジブリですね。いつもよりちょっとパステル調なのも好印象でした。動く城の造形も良くできていますし、各キャラクタの描き分けもきっちりとできています。が、一言言わせていただくと、さすがに宮崎流の顔の造形にはもう飽きましたねえ。どの映画も金太郎飴みたいに同じ顔が出てくるのはちょっと食傷気味かな。タッチの足立先生じゃないんだから(^_^;)

 キムタクのセリフが棒読みだ、という意見が多かったですが、棒読みでもかまわないようなキャラで悪くなかったです。美輪明宏さんの貫禄はさすがですが、もののけ姫のモロの印象が強すぎて困りました。

 次回作は懐かしのゲド戦記だそう。メガホンは宮崎駿さんの息子さんが取るようです。

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2005/12/05

ハリー・ポッターと炎のゴブレット

 10月の記事で何とか映画公開までに読み終わったと書いた「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」を昨日観てきました。
HarryPotter

14歳になったハリーは、初めてクィディッチ・ワールドカップを観戦。しかし決勝戦のあと、恐ろしい事件が起こる。さらにホグワーツ魔法学校では100年 ぶりに三大魔法学校対抗試合が開かれ、ハリーは選手に選ばれてしまう。ヴォルデモートが仕掛けた巧妙な罠が、ハリーを絶体絶命の危機に陥れる。しかも、い つも味方になってくれていた親友ロンに思いもかけない異変が…。次々に明かされるヴォルデモートの正体。そしてついに痛ましい犠牲者が…。(Pottermaniaサイトより)

 原作と切り離して一つの映画としてみた場合、大人の鑑賞に十分に耐えうる、実に良くできた完成度の高い作品に仕上がっていると思います。ストーリー展開はテンポ良く進みますし、CGを使った映像も見事です。特にボーバトン校の天翔ける馬車とダームストラング校の水中から現れる帆船の出現シーンは思わず息を呑んでしまうくらい凄かったです。

 感心するのはその様な特撮が違和感無く全体の映像の中、プロットの中に溶け合っていること。前回監督が替わり全体に英国を強く意識した色調になっていた印象がありましたが、今回は初の英国人監督になり更に色調がくすんだ寒色系で統一された感が強いです。もう子供だましの映画ではないぞ、一つの立派な映画作品を作ったんだぞという強い意思が感じられ、それが最後の闇の帝王の復活というダークな結末へと収攣していく様は撮影陣をはじめとするスタッフに「素晴らしい」と拍手を送りたいです。またそれだけに唯一の明るい場面であるクリスマス・パーティ(Yule Ball)の上品な美しさが際立っています。

 ちょっと面白かったのは音楽。クリスマス・パーティでダンス音楽から一転してロックが演奏されるのですが、実はその面子がちょっと凄いんです。公式ウェブサイトから引用してみましょう。

イギリスのロックバンド“パルプ”の大物ボーカル、ジャービス・コッカーに協力を求めた。コッカーは自ら結成した新ユニット“リラックスド・マッスル”のメンバーを動員。さらに“ラジオヘッド”のフィル・セルウェイ(ドラム)やジョニー・グリンウッド(ギター)にも声をかけ、舞踏会のシーンでオリジナル曲を披露してくれた。コッカーは音楽プロデューサーのマイク・ヘッジスに協力を仰ぎ、この映画のために「This is the Night(今宵こそ)」「Magic Works(魔法の効き目)」「Do the Hippogriff(ヒッポグリフになれ)」の3曲を書きあげた。

映画で使われていたのは Do The Hippogriff でしたが、このような裏話を知っていると余計に楽しめました。

 というわけでこの冬の娯楽映画の中でもおそらく群を抜く興業成績を上げるでしょうし、それだけの価値もあると思います。失礼ながら殆ど裏話も知らないでしょうし、原作を読んでもおられないだろうと見受けられる前田有一氏が

超映画批評で80点

というとんでもない高得点を叩き出しておられます。客観的に見ても優れた映画であるということがお分かりになるかと思います。

 しかーし、やっぱり原作を苦労して読んだ身としてはどうしても原作との違いに触れざるを得ないわけです。ご存知の方も多いかと思いますが、原作は回を追う毎に分厚くなっており、今回は最初のほぼ倍と考えていただいて良いかと思います。初回作が同じく3時間弱で原作の殆どをカバーできていた事を考えると、ほぼ同じ時間で今回作を作るには

原作の半分をカットしなければならない

という制約ができてしまいます。 実はこれが制作上最も難しいポイントであったと思われます。そういう目で見ると今回は

1:対抗戦の3つの課題
2:クリスマス・パーティ
3:最後の闇の帝王の復活


の3点だけしか描かれなかったという見方もできます。ですから、ばっさり切り取られている部分は多くありました。そういう点では前回作「アズカバンの囚人」の方が原作とリンクした完成度という意味では高かったと思います。

 最初の導入部が終わったと思ったら、いきなり4章分くらい吹っ飛ばされたのにはさすがに驚きました。だから、今回初めて今まで通過儀礼として描かれていたマグル(普通の人間)の家庭であるダーズリー家のシーンがカットされました。また、クイディッチのワールドカップのシーン、何と試合は全く描かれません。そりゃ無いだろう、と思わず心の中でツッコミを入れてしまいました。折角登場する世界最高のシーカーにして対抗戦のチャンピオンの一人、ヴィクトール・クラム君もウロンスキー・フェイントという大技をやってくれないと、あまり存在感が無いじゃあないですか、トホホ。

 そしてこれはある程度予想されたことですが、ファンには残念なのが屋敷しもべ妖精(House-elves)が全く出てこないこと。理論家でマグル生まれで正義感の強いハーマイオニーの階級制度への目覚めを示す「屋敷しもべ妖精解放戦線」というかなり高尚なテーマがばっさり削られた為、彼女の性格描写が浅くなってしまった印象が否めません。また第2作目で良い味を出していた懐かしのドビーが出てこないのは個人的にはとても残念でした。そして更には原作では伏線に重要に絡んでくる某女性妖精が出てこないため、プロットがかなり単純化されていまいました。

 また、原作では更にもう少し魔法省の人物が絡んで話が入り組んでいますのでそれを知っていると映画のプロットはやや直線的過ぎる感じがします。逆に真犯人と目される人物はあんなに早くから姿を現しませんし、彼がどうして脱獄不可能とされるアズカバンから抜け出せたのかが描かれていないので、やや人物及び家庭描写に深みが欠けるきらいがあります。

 まあ、何度も繰り返しますが、最初の倍の量の原作を同じ時間で映画にしろというほうが無理なのはよくわかります。2部作にすれば良いのに、とも思いましたが、原作と年齢がリンクしている肝心の主人公たちが育ち盛りなのでそれも難しいんでしょうね。また来年もわくわくさせてくれることを期待しましょう。

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2005/10/25

真珠の耳飾りの少女

 25日から兵庫県立美術館にてアムステルダム国立美術館展が始まります。フェルメールの絵がまた一点やってくるわけです。今回は「恋文」ですが、今日は家内が最も好きな作品をもとにした映画「真珠の耳飾りの少女」を紹介しましょう。
真珠の耳飾りの少女 通常版

「君を描こう。」少女は息をのみ、画家を見つめ返した。

 1665年、オランダ。天才画家フェルメールの家に使用人としてやってきた少女グリート。下働きに追われる中、色彩における天賦の才をフェルメールに見出されたグリートは、やがて弟子となりモデルとなり、画家に創造力を与えるようになる。主人と使用人としての距離を保ちつつも、次第にお互いが本能で理解しあえる運命の相手だと気づく二人。許されぬ恋。触れ合うこともできぬまま、押しとどめていた想いは、しかし画家とモデルとして向き合うことでやがて、押さえきれぬものとなっていく。だが、そんな二人を嫉妬に身を焦がす画家の妻、好色で狡猾なパトロンが許すはずもなく、少女はその想いを犠牲に、敬愛する画家と芸術のためにその身を危険にさらしていく・・・。(オフィシャルHPより)

 フェルメールの絵の中でも特に評価が高い「真珠の首飾りの少女」を題材にした小説の映画化です。1665 年、オランダのデルフトという時代設定。ルネッサンスを語る上でのアンチテーゼとして、中世ヨーロッパは人間性抑圧の時代とよく言われますが、この映画でもキリスト教による締め付けや商業の発達による経済格差がもたらした階級社会の形成などがさりげなく描かれています。だから、映画は全体的に暗いトーンで進んでいきます。だからこそ光の効果を追求し続けたフェルメールの絵が引き立ちますし、そのアトリエも美しく描かれています。フェルメールの絵に多く出てくる部屋のシチュエーションやカメラ・オブスクラといった装置などを忠実に再現しているあたりはフェルメールファンにはたまりません。
 一方キャスティングも主人公はもとより、家族、太った小間使い等々フェルメールの絵画で見たような人たちが多く思わずにやりとしてしまいます。
 以上脚本、映像、キャスティング等の妙か、小説を基にした作品にもかかわらずあまりにもリアルすぎて実話であるかのような錯覚に陥ってしまうほど。家内もグリートがあまりにもかわいそうで、フェルメール夫人の出てくる絵を見る気がしなくなった、とこぼしておりました。

 そして官能性。画家フェルメールと使用人グリートの交感は、ラブシーンが全く出てこないにもかかわらず濃厚なエロティシズムに満たされています。見つめ合う、手が触れる、カメラ・オブスクラを一緒に覗き込む、それだけでも十分官能的ですが、モデルになった時にフェルメールから唇をなめて濡らすように指示されたときの仕草には鳥肌が立つほどです。そしてピアスをつけるためにグリートの耳たぶにフェルメールが焼けた針を刺す場面でその交感はクライマックスを迎えます。よくぞキスシーンもセックスシーンも無しでこれだけの官能性あふれるシーンを作れたものです。ピーター・ウェバー監督はこれが長編映画デビュー作というから驚きです。(なお、肉屋の息子との間にはラブシーンがあります)

 それにしてもまあ、良くぞあの絵画に描かれた美少女とそっくりの女優さんを見つけてきたものです。スカーレット・ヨハンソンという女優さん無しではこの映画は成立しなかったのではないかとさえ思ってしまいます。全編にわたって殆ど髪の毛を見せないのですが、それでも十分に美しいのですから脱帽です。もちろん演技力も素晴らしい。先ほど述べた官能的な場面はもとより、フェルメールの絵に魅入られて彼女の中の芸術性が目覚めていく様、更には身分の低い教養のない使用人としての仕草等々見事なものです。まあ、

富も地位も教養もない使用人がこれだけ美しければ奥方が疳積を起こしても仕方ない

なあ、と思いました。意外に真実だったのかも。

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2005/10/18

The Notebook

ゆ: はむちぃ、久々に純愛ものを見ましょうで。
は: ええっ、ご主人様セカチューとか何とかソナタとか大っ嫌いなのでは(・・?
ゆ: この作品はアジアの片隅で(by 吉田拓郎(大嘘))ちょこっと流行ってるようなちんけな純愛ブームとは訳が違います。
は: で、この作品とはどの作品で?
ゆ: The Red Notebookといえばオースターですが、
は: ご主人様そんなマイナーネタをふらないで下さいませ(-_-;)
ゆ: スマソ。 The Notebook、邦題君に読む物語、最近には珍しく映画配給会社の良心を感じさせるいい題名です。
きみに読む物語 スタンダード・エディション

    とある療養施設で、記憶をなくした初老の女性に定期的に会いに来て、若い男女のラブストーリーを話してきかせる老人がいた。その物語は、1940年、ある夏に出会い恋に落ちたアリーとノアの物語。しかし身分の違いがふたりを引き裂き、アリーとノアは別々の人生を歩むことになるが…。(AMAZON解説より)

は: なるほど、ハリウッド映画にしてはCGもアクションも何もないという奇跡のような作品なのに心に沁みいる映画でございましたね、ハリウッドの底力を感じさせる名作と感じ入りました。
ゆ: 冒頭のシーンが全て!!だと思うんだよね。

夕焼けの湖(川かもしれません)を老人が漕ぐボートがゆっくりと進んでいく情景にタイトルロールが被せられるだけ

なんだけど、もうその素晴らしさにぐいっと映画の中に引きずり込まれてしまったよ。もうこの時点で見てよかったと思ったもんね。
は: 普段疑り深いご主人様がそこまで感じ入られるとは!?
ゆ: をいをい、慎重といってくれたまへ。このシーンが伏線となって若かりし頃の二人のボートシーンがまた泣かせるんだよね~。カメラワークにまで伏線があるとは一本とられました。
は: 白鳥の湖にボートを漕ぎ入れるシーンでございますね、はむちぃめ鳥肌が立つほど感動いたしました。
ゆ: はむちぃ君、鳥肌って(^_^;)?あるの?

   それはさておき、本当にカメラワークだけで一見の価値がある映画だけど、若い頃の主役にぴちぴちの新人、年老いた主役に名優を配するというキャスティングがまたお見事。
は: 若い頃のノアを演じるRyan Gosling、同じく若い頃のアリーを演じるRachel McAdamsお二人とも本当に活き活きとした演技で輝いておいででした。
ゆ: 夜更けの街角でダンスを踊るシーンなんかゾクッと来たね。引き離されてから365日間手紙を送り続けたノア、それを知らずにあきらめて新しいフィアンセを見つけたアリー、この二人の再会後の心理的葛藤を超えて心を開いていくシーンなんかも見事。
は: 一方現在のシーンでは老優の皆様が頑張っておいででした。
ゆ: 認知障害の老女を演じるのが往年の名女優Gena Rowlands、「グロリア」なんて映画よかったなあ。
は: 太目のおばあさんになった今でも気品があふれておられますね。
ゆ: そうそう、気品があるだけに認知障害の症状がでた時の演技にドキドキするほどの凄みがあったな。難しい役柄だけど、巧くと言うよりは堂々と演じていました。こういうタイプの女優さんがいると映画に重厚さが出るし、監督もやりがいがあるよね。
は: なんと監督Nick Cassavetes実の息子さんだそうです。
ゆ: オオッ、そうなのか。「グロリア」はご主人のJohn Cassavetesさんが監督だったし、役者冥利に尽きる人生をおくっておられるなあ。
は: それに男優陣はJames Garner,Sam Shepardとこれまた素晴らしいーー
ゆ: もう何の説明の必要もございません、このキャスティングは本当に見事です。

は: 肝心のストーリーはいかがでございました?
ゆ: 途中で先が読めちゃうし、宣伝で煽っているほどのサプライズはないね。はっきり言って平凡なストーリーだから力のない人が作るとロクでもない映画になっていたな。
は: ホントは「力のない国」と言いたいのではございませんか、ご主人様(;一_一)
ゆ: ピンポ~ン(*^_^*)
は: 認知症の扱い方はいかがでございました?
ゆ: 多分アルツハイマー型認知障害だと思うんだけど、難病ものの嫌いな私でも概ね納得できます。だけど、みんなが感涙を絞るというラストシーンだけは、そんなにうまい事いかないよ~とツッコミを入れさせていただきました(^_^;)。個人的には再び記憶を失った段階で終わってほしかったと思います。

ゆ、は: とにもかくにも純愛ものなどというジャンルにとらわれず、多くの方に見ていただきたい映画です。

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2005/10/15

Harry Potter and the Goblet of Fire

Harry Potter and the Goblet of Fire (UK) (Paper) (4)
 7月15日の記事で11月の映画公開までに読まねば、と書いていたHarry Potter and the Goblet of Fire (UK) (Paper) (4)をようやく読了しました。と言ってもしんどいとかいう感じはなく、なかなか充実した楽しい時間を過ごせました。

 いまや14歳となった魔法使いの孤児ハリーがマグル(非魔法使いの人間)の親戚を離れてホグワーツ魔法魔術学校に戻れる日まで、残すところ2週間となっていた。そんなある晩、ハリーは不吉な夢を見て、稲妻形の傷が激しく痛みだす。彼は不安になり、人目を忍んで生きている自分