2009/10/23

カムイ外伝

Kamui
ゆうけい: さあ、今日ははむちぃ君お待ちかねの「カムイ外伝」ですで。
はむちぃ: もうわくわくでございます、四の五のギャグ飛ばさずに早速参りましょう!
ゆうけい: ちょっと待ってくださいよ~(コンニチワ根岸風)

『 2008年日本映画 企画・配給:松竹
原作:白土三平 『カムイ外伝』(小学館刊)
監督:崔洋一 
脚本:宮藤官九郎 崔洋一 
キャスト:松山ケンイチ 小雪 伊藤英明 大後寿々花 イーキン・チェン 他

17世紀、日本社会の最下層で生まれ育った忍者カムイ(松山ケンイチ)は、殺戮に明け暮れる自由のない日々に嫌気がさし、抜け忍となった。永遠に追われ続ける運命となった彼は、かつての仲間たちでもある追っ手と激しい戦いを繰り返しながら、ふとしたきっかけである島にたどり着く。そこでカムイは同じ"抜け忍"のスガル(小雪)とその娘サヤカ(大後寿々花)と出会う。 』

は: す、素晴らしいカムイ様の術でございました(感激。
ゆ: やっぱりそこへ来ますか(笑、さすが「飯綱落とし」を修行していただけの事はありますな(^O^)
は: まあそれはそれといたしまして、前田有一様が30点をつけておられましたので心配しておりましたが、ストーリーとVFXがそれ程の違和感もなく融合した娯楽映画となっておりましてほっといたしました。
ゆ: 前田氏のおっしゃる事も分かるんですが、まあ我々カムイかぶれ組としてはせめて倍の60点はあげたいですね。

は: カムイ様の抜け忍としての孤独、封建時代の社会制度が産む悲しみや憎しみ、追忍側の非情さ、島人を皆殺しにする残酷さを原作に忠実に描いていたと思うのですが。
ゆ: 崔洋一監督は私と同じくリアルタイムでカムイ伝、カムイ外伝を体験した世代ですからその辺にはこだわっていたと思いますね、白土先生自身がそれを認めています。
は: その上でクドカン流のエンターテインメント性を加えているわけですが、その辺がちょっと評価の分かれるところなんでしょうね。
ゆ: 私は許容範囲内だったと思いますけれどね。特に序盤でカムイ対追忍の戦いをテンポ良く見せ、その中で早くも「変移抜刀霞斬り」「飯綱落とし」というカムイの必殺技を見せてしまうところなんかサービス精神旺盛でワクワクしましたよ。

は: そして話の中心は「スガルの島」編に移っていきます。
ゆ: この話は初期の少年サンデー連載当時の「カムイ外伝」には無くて、なんと15年の歳月を経てビッグコミックに連載されたシリーズ中のエピソードなんですね。だから絵もテーマも子供向きから大人向きに内容は深化していて随分驚いた覚えがあります。そう言う意味では子供向きの序盤の忍術合戦から人間ドラマとしての本題に入っていく流れとして、このエピソードの採用は良かったんじゃないですかね。

は: さて、俳優陣でございますが、何といっても松山ケンイチ様のカムイは素晴らしゅうございました。
ゆ: 以前どこかに

「彼はタッパがあるし演技もうまいし良いカムイになりますよ」

と書いた覚えがあるんですが、その通りになって嬉しいですね。頑張りすぎて怪我をして撮影が中断したり、小雪とのロマンスが伝わってきたり、ハラハラはしましたけど、ちゃんとやってくれました。
は: 漫画の映画化と言う事でデスノートDMCヨハネ・クラウザー2世みたいにならないか心配でございましたが、ほっといたしました。
ゆ: そんじょそこらのコミックと「カムイ外伝」を一緒にしてもらっちゃ困りますな(^_^;)。まあそれはそれとしてスガルが小雪?というのも心配だったんですが意外に似合っていましたし、とにもかくにもヘボ役者がいなかったのが幸いでした。
は: それにしても皆様、原作のキャラクターと良く似ていてビックリでございました。
ゆ: 佐藤浩市土屋アンナはやりすぎですけどね~(笑。俳優陣はもとより衣装、メイクさんたちは頑張りましたねえ。特に不動伊藤英明はあれでもやや線が細いくらいですけど原作を髣髴とさせてくれました。
は: 衣装担当の小川久美子様は、この時代と現代の日本人の体型が全く違う為、着物が洋服のように見えないように苦労したと語っておられます。
ゆ: なるほどねえ。伊藤英明の線が細く見えたのはスタイルが良すぎる事が原因なんですね。カムイは元々マッチョではなくどちらかというと中性的なので丁度良かったんでしょうね。
は: そう言えば老絵師がPANTA様というのはご主人様にはショックではございませんでしたか?
ゆ: パンタ~!!!(TKO Night Light風)ってか(笑。まあ随分前の「稲村ジェーン」で十分なショックを受けましたから今更どうと言う事はないですね。

は: さて最後に何といってもこの映画の肝でございますVFXについて語らねばなりません。
ゆ: 何度も言いますが見事でした。今年のベストVFX賞はもう早この映画に決定ですかな。
は: 浅野秀二様率いるVFXチームはあの「僕の彼女はサイボーグ」を担当しておいででございました。(-.-)
ゆ: さ、さよか(^_^;)。まあとにかく谷垣健治率いるアクション・チームとの連携が見事でしたね。まあ、小雪までワイヤーアクションをやるとは思いませんでしたが。
は: 「グリーン・デスティニー」のチャン・ツイィー様を意識しておいででございましょうか?
ゆ: そう言えばジョーズも出て来ましたな、瀬戸内海にあんな化け物はいませんって(笑。そう言えばあの海はどう見ても沖縄ですな~。
は: ご主人様、話が横道にそれております(-.-)、ちなみにこの映画には約650ものVFXカットがあるそうでございます。それにより白土ワールドに展開される様々な術合戦が実にリアルに描かれておりました。
ゆ: 「変移抜刀霞斬り」「飯綱落とし」「飯網落とし返し返し」「十文字霞くずし」どれをとっても今の時代だからこそ可能な映像で白土先生も感激された事でしょう。

は: という訳でございまして、カムイファンには決して失望はさせない娯楽作品でございます。
ゆ: 白土作品の映画化ですから「水戸黄門」の様にのほほんと楽しむ訳にはいきませんが、このブログでこれまで紹介して来たトホホ忍術映画の轍は踏んでおりませんので是非どうぞ。

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2009/10/03

ホノカアボーイ

ホノカアボーイ [DVD]
はむちぃ: 今日こそ「カムイ外伝」かと思いきや、同じ邦画でも少し以前に公開されました「ホノカアボーイ」でございますね。
ゆうけい: 何と言っても「蒼井優」様ご出演ですからね、それに製作に「つみきのいえ」のROBOTが参加しておりますし。劇場で見逃したのでDVDを楽しみにしておりました!はむちぃ君にはもう少しカムイ外伝は待ってもらいましょう(^^♪
は: はいはい、では早速観てみましょう。

『製作: フジテレビ、電通、ROBOT、2009年日本映画

スタッフ:
原作: 吉田玲雄「ホノカアボーイ」
脚本・プロデュース: 髙崎卓馬
監督: 真田敦

主題歌: 小泉今日子「虹が消えるまで」(曲/斉藤和義)ビクターエンタテインメント

料理: 高山なおみ

キャスト:
岡田将生、倍賞千恵子

長谷川潤、喜味こいし、正司照枝、蒼井優、深津絵里、松坂慶子

人気上昇中の岡田将生と倍賞千恵子ほか豪華女優共演の癒し系ドラマ。ハワイ島北部のホノカア村で唯一の映写技師見習いとして働く青年・レオ。そこで少し風変わりな日系人女性・ビーさんと出会った彼は、毎日彼女の手料理をご馳走になるようになり…。』

は: なかなかほのぼのとした、老いらくのほのかな恋心の物語でございましたね。
ゆ: ・・・・・・(゜o゜)

は: いかがなされました、ご主人様?ご主人様のツボにはまる「」「映画館」「料理」「さびれた町」といったアイテムがこれでもかと出て参りましたのに?
ゆ: ・・・・・・(゜o゜)・・・・・ゆ、ゆ、ゆうちゃぁぁぁ。。。。。。

は: はは~ん、蒼井優様が開始10分にして早や出番糸冬了~がショックで口がきけないと?
は: しょ、しょ、しょう~で~す(ToT)。おまけにふくれっ面しかしてないし~。

は: でもまあそのあとの展開は緩く静かで温かくて良かったんじゃございませんか?
ゆ: 倍賞千恵子さんがヒロインの映画なんて久しぶりですけど良かったですな。
は: ハワイに移住して夫に先立たれて50年一人で生きてきて、突然やってきた若い少年の世話をするうちにほのかな恋心を抱くあたりの演技など淡々としていながら、決めるところはばっちり決めておられましたね。
ゆ: 「西の魔女が死んだ」のサチ・パーカーと喋り方が似てましたな。

は: 喜味こいし様もいい味出されてましたね。
ゆ: さすがにビーグル38能勢もあの演技は真似できんでしょうな。
は: 意味も知らずに「同性愛」と書いたTシャツを着て、エロ本を嬉しそうに読んで、介護していた妻より先にあの世に逝ってしまわれて、なおかつ死んでからも普通に主人公に喋りかけますからね。
ゆ: そう言や、ビーグルの喋らん爺さんみたいなのもおりましたな。

は: 松坂慶子様は、もう映画によって体重を調節する事はお止めになったようですね(笑。
ゆ: アブトロかけてましたな。

は: もう一人のヒロインの長谷川潤様はいかがでございました?
ゆ: 綺麗でしたな。
は: 綺麗でスタイルが良くて完璧なバイリンガルで、これから引っ張りだこになりそうでございますね。
ゆ: 浜村淳さんがえらく褒めてましたが、まあむべなるかなですな。

は: どうもご主人様、茫然自失で心ここにあらずのようでございます(-_-;)、せめて映像に関して何か一言おっしゃってくださいませ(--〆)。
ゆ: 折角ROBOTがかんでるならMoonbowくらい見せろよ~。
は: Moonbowとはハワイでごく稀に見られる月にかかる虹の事で、見たものには幸せが訪れると言う伝説があるそうでございます。
ゆ: ちなみに映画に出てくるMoonbowの写真はダイビング界では高名な写真家高砂淳二様の作品でございました。

は: ではミエミエではございますが最後に一言、ど・う・ぞ!(;一_一)
ゆ: 優ちゃ~ん(号泣。

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2009/09/26

火天の城

Katen
はむちぃ: 本日の映画レビューは織田信長の最後の居城・安土城をつくった職人たちの物語「火天の城」でございます。
ゆうけい: 時代劇と言えば「飯綱落とし」を修行していたはむちぃ君は早く「カムイ外伝」を見たいでしょう(笑。
は: もちろんでございますが、前田有一様から「30点、今週のダメダメ」と烙印を押されてしまいションボリでございます。まあそれはそれといたしまして、この映画は城造りという珍しい題材でございますね。
ゆ: 探偵ナイトスクープに西田敏行局長がなんと嘉田由紀子滋賀県知事を引っ張り出すという力の入れようですからね、家内も是非見たいと言うもので、見てまいりました。

『 2009年日本映画、配給:東映

山本兼一が戦国時代の名工・岡部又右衛を描き、第11回松本清張賞を受賞した同名小説を映画化。天正4年、熱田の宮番匠・岡部又右衛門は、織田信長から安土に五重の城の建設を命じられる。又右衛門は即座にその命を即座に引き受けるが、城造りを指揮する総棟梁の座を名だたる番匠たちと競うことになってしまう。総棟梁の座を掴むため、城の図面作りに没頭する又右衛門だったが……。

監督:田中光敏
脚本:横田与志
原作:山本兼一
キャスト:
西田敏行、福田沙紀、椎名桔平、西岡徳馬、渡辺いっけい、寺島進、山本太郎、石田卓也、河本準一、大竹しのぶ 他』

は: 従来の時代劇と異なり、武士や忍者ではなく、信長が見込んだ熱田の宮大工・岡部又右衛門を中心に描いてなかなかの力作でございました。
ゆ: そしてこちらは史実として、できてからたった三年で消失した幻の巨大城である事を知っていますから、織田信長の天下の儚さをも知っているわけで、なかなか感慨深いものがありましたね。
は: 建築現場の俯瞰や、正確な情報のない安土城を視覚化したその映像には息を呑む思いでございました。
ゆ その辺のVFXは見事なものがありました。建築現場の壮大さと無数の働く人々の描写は「ロード・オブ・ザ・リング」の最終話を思い出させるほどの出来栄えでしたね。そしてラスト・シーンの、3年の歳月を費やして完成し信長がライトアップさせた城のショットにはさすがに感動しました、まああれだけでも映画館の大画面で見る価値があるんじゃないでしょうか。

は: さてストーリーに戻りますが、棟梁の西田敏行様の設計・建築への熱意と艱難辛苦を軸に様々な人間模様が綾なして描かれております。
ゆ: 「この安土の山一つを城にせよ」という椎名拮平の台詞がトレイラーで散々流れておりましたが、たったの三年で建てるように命じられちゃ西田敏行もたまりませんね(笑。それにしてもCADCAMのない時代。墨と和紙、定規、算盤であれだけの城を設計し完成させた日本の木工技術のレベルの高さを再認識いたしました。
は: その3年間の苦労の中でも、親柱となる檜の巨木を敵国である木曾に出向いて探し出す苦労、石工頭が祟りを恐れて動かしたくない三万貫の蛇石を築城奉行の命令で無理矢理運搬させられる事になった際の大事件の二点を中心に描かれてまいります。
ゆ: この二点に絞ったのは構成上正解だったと思いますし、見応えがありましたね。西田敏行の気概に惚れこんで命を賭して大雨の日に巨木を切り出した杣人頭緒形直人の最期には思わず目頭が熱くなりました。が、、、それ以外の泣かせどころが無理矢理であったり、展開の間が悪かったりで正直言って全体を通していえばイマイチつまらなかったですね。
ゆ: 西田敏行を支えた妻大竹しのぶの病死や、敵国の忍びであった水野美紀と彼女に惚れ込んでいた大工の悲惨な最期などでございますか?
は: そうですね、その辺の処理がどうもうまくないですね。もっと感動していいはずの場面がやけに軽いんですよ。これはカット割の間の悪さであるとか、細部の演出の不足であるとか、各シーンのつながりの悪さであるとか、原作を読んでいないと分からない機微の説明不足であるとか、要するに脚本・演出の責任でしょうね。

は: 裏を返せば俳優陣は頑張っていたと言えましょうか。
ゆ: 何しろ主演が西田敏行さんですからねえ(笑。そこまで気張ったらまた心筋梗塞再発しますよ、と言うくらい頑張ってましたね。信長を演じた椎名桔平に関しては家内はあまり良くなかったといってましたが、私は良かったと思いますね。その他も男優は芸達者のおっさんじいさんばかりですからね、見事に濃い演技を見せてくれました(苦笑。

は: 女優陣はいかがでございました?
ゆ: それを言わせますか(爆。。この映画の最大の問題なんですけど。
は: 大竹しのぶ様や水野美紀様は安心して見ていられたと思いますが。。。ということはやっぱり福田沙紀様でございますか。
ゆ: で・す・ね。まるで現代人があの時代にタイムスリップしちゃったような台詞と演技で一人見事に浮いておりましたね。
は: 時代考証をしてはいるんでしょうけど「とうさん」はないんじゃないかと私メも思いました。
ゆ: まあ言っちゃ悪いけど見事なミスキャストでしたね。彼女はやっぱりヤッターマンのような役柄で押していくべきでしょう。
は: 田中光敏監督は「化粧師」では菅野美穂様、池脇千鶴様をうまく使われておられましたのにね。
ゆ: まああれは大正時代の物語で漫画原作という事もあってうまく成立していたんでしょう。やっぱり最近の監督は若手女優に甘すぎますよね、本当に本人が時代劇をやりたかったのならもっと徹底的に演技指導するべきだったと思います。黒澤明監督なら多分10kgくらい痩せさせるくらいの指導をしてますよ、きっと。

は: では最後に一言お願いいたします。
ゆ: こう言う真面目な映画はなかなか貶しにくいのが難点ですな(苦笑。まあ監督・脚本家の力量不足を俳優の演技とVFXで補った映画でしょう。
は: と厳しい意見もございましたが大画面に耐えうる壮大な時代劇ではございます。時代劇ファン・城ファンの方はぜひどうぞ。

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2009/09/14

誰も守ってくれない

誰も守ってくれない スタンダード・エディション [DVD]
はむちぃ: 今日の映画レビューは亀山千広君塚良一の「踊る大捜査線」コンビの警察映画「誰も守ってくれない」でございます。
ゆうけい: こん**は、織田裕二です、キタ~、、、なんてね<`ヘ´>
は: 山本高広だかものいいの吉田サラダの新ギャクだかわかんないリアクションはおよしなさいませ(--〆)。
ゆ: レッドカーペット賞取ったんだけどなあ(苦笑、というわけでふざけてる場合じゃございません、シリアスな映画でございます。
は: だ、誰がふざけてんだか(-_-;)、さっさと話を進めましょう、今回は「加害者家族の保護」という新しい観点から君塚良一様が日本の病根に切り込んだ力作となっております。

『2009年日本映画
フジテレビジョン/日本映画衛星放送/東宝

製作: 亀山千広
監督: 君塚良一
脚本: 君塚良一/鈴木 智
音楽: 村松崇継
主題歌:リベラ「あなたがいるから」(EMIミュージック・ジャパン)

キャスト:
佐藤浩市、志田未来、松田龍平、石田ゆり子、佐々木蔵之介、佐野史郎、木村佳乃、柳葉敏郎 他

「踊る大捜査線」シリーズの君塚良一が、佐藤浩市と志田未来共演で描いたヒューマンムービー。平凡な4人家族の長男が殺人事件の容疑者として逮捕される。刑事・勝浦は、残された容疑者家族をマスコミと世間の目から保護するよう命じられ…。』

は: 「踊る大捜査線」のような派手さはございませんが、殺人容疑で逮捕された少年の家族を襲う、胸が痛くなるような理不尽な迫害と悲劇を観客に突きつける厳しいヒューマン・ドラマとなっておりましたね。
ゆ: まだ自白も得られていない段階で自宅前へ押し寄せる凶悪なマスコミ、警察の車を追うために暴走を繰り返すパパラッチ、2チャンネルや裏サイトを想像させる「祭り」と称して暴走する醜いネット社会、そして警察内部のキャリア組の出世欲、断片的にではありますが凶悪な少年犯罪が起こるたびに見え隠れする日本の醜い現実を系統立てて全て白日の下に晒したところに君塚良一の並々ならぬ意欲を感じますね。
は: 君塚良一様は「踊る大捜査線」の取材を重ねるうちに加害者家族の保護に関して興味をお持ちになり、10年間構想を暖めてこられたそうでございます。
ゆ: 興行的ヒットを狙うなら、一連の「踊る」のスピンオフ映画の一環として撮ってもよかったと思うのですが、そうしなかったところに君塚良一の並々ならぬ意欲を感じますね。所謂TV的リアリズム程度の誇張はされていると思いますし、ずばり賞狙いという意地悪な見方も無いではないですが、とにもかくにも賞賛に値するだけの出来になっているとは思います。

は: 映画自体の構成はいかがでございましたでしょう。
ゆ: 導入部が抜群に良かったですね。警察が少年宅へ踏み込み、少年の妹が学校で知らされ、表情が凍りつくあたりの経緯を説明する映像に一切のセリフや効果音を使用せず、リベラというボーイ・ソプラノ合唱団のテーマソングをかぶせるという手法が素晴らしい効果をあげていました。最近はエンドロールにテーマソングをかぶせる事が慣習化しているのでこれには意表をつかれました。
は: 普通の家族に突然降りかかってきた悲劇と美しく神々しいコーラスの乖離に強いインパクトがございました。
ゆ: 一連の「踊る」シリーズで過去にもこのような手法を使っていたような記憶はありますが、今回程強烈なインパクトを感じたことは無かったですね。それから加害者の自宅が只ならぬ騒動に巻き込まれ、佐藤浩市松田龍一が少年の妹(志田未来)を守るためにひたすらマスコミから逃げ回るあたりのスピード感は抜群でした。
は: そのマスコミを巻いたと思ったら今度はマスコミより恐ろしいネット社会が次々とプライヴァシーを暴き続けるあたりはホラーばりの恐怖感がございました。
ゆ: モントリオール世界映画祭で最優秀脚本賞を獲ったらしいけど、このあたりの展開には向こうの人もビックリしたんでしょうねえ。日本人の陰湿さを世界に晒したような不快感はありますけど、過去に「踊る」シリーズで培った実力は認めざるを得ませんね。

は: その後の展開がやや弱いように思いましたが?
ゆ: そうですね、家族が崩壊しかけている刑事の心の傷であるとか、二人の警察官の会話であるとか、娘へのプレゼントと少女の関わりであるとか、逃げ回って最後に頼るペンションの夫婦と刑事の関係であるとか、少女の彼氏の不可思議な行動であるとか、「踊る」シリーズでも良く出て来る小ネタと伏線のオンパレードなんですが、そのあたりの処理がチョット弱いかなあと思いましたね。
は: 本筋が良く出来ていただけにその辺の弱さからか、最後の少女の行動が微笑ましくはあっても今一つ胸に迫ってこないのが惜しゅうございました。
ゆ: 「一生追いかけまわされるんだ」と佐藤浩市が志田未来に言い放っておきながら、たった3日程度でマスコミやネットの耳目が他の少年犯罪に移ってしまって尻すぼみになるのも映画自体の構成としてはいかがなものかと(^_^;)。

は: 現実には近い事が起こっている事だけに余計に身につまされますよね。さて、俳優陣はいかがでございましょう?
ゆ: まっ、今の日本映画界で安心して主演を任せられるという点では佐藤浩市は一頭地を抜いてますね。そういう意味ではまあこれくらい出来て当然でしょう。「少年メリケンサック」のゲロ吐いてる中年のパンク親爺も良かったけど(笑。
は: 松田龍平さんはいかがでございましょう?
ゆ: 主人公と組ませると良い演技しますね、「背筋が凍るぜ」(笑。
は: 良い役者さんになられましたね。
ゆ: とは言え、父親の事を考えるとあと一皮剥けて欲しいところでしょうか。
は: いつもの「踊る」人脈からは柳葉敏郎様が友情出演というところでございますね。
ゆ: ギバちゃんはギバちゃん、何やらせてもあの演技、まあワンパターンですねえ、それが持ち味といってしまえばそれまでなんですが。

は: さて、少女を演じる志田未来様ですが、素晴らしい演技との評価が高うございます。
ゆ: 初めて見ましたが、まあまあ程度じゃないですか?少なくとも下手ではない、良く言えば堅実な演技でしたけど、全体に表情が暗すぎて一本調子でしたね。
は: どれほどの実力があるのか今一つ掴みきれなかったというところでしょうか。
ゆ: 起こった状況に適応しきれずにひたすら大人に反感を持って殻に閉じこもる、そして最後に心を開いて泣く、いかにもTV的で安直な演出をされると、はっきり言ってどんな美少女であろうと白けますね。そういう意味では監督の責任でもあるでしょう。しらけると言えば木村佳乃が演じる精神科医なんて、浮世離れし過ぎて思いっきり白けましたね。あんなに綺麗な人だとは不覚にして知りませんでしたけど(笑。

は: というところで、大筋としては硬派の力作で見るべき価値のある映画だとは申せましょう。
ゆ: そうですね、アイデアや演出自体はやや行き過ぎのところはあるにせよ良く出来た映画だと思います。あとはTVドラマっぽいキャスティングや演出から一歩踏み出せば、君塚良一は良い監督になるんじゃないかと思いますね。

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2009/09/04

20世紀少年ー最終章ー「ぼくらの旗」

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ゆ: は~むちぃく~ん、あっそびましょっ!
は: ともだちですか、あんたは、って2回続けて同じ事を言わせないで下さいませ。
ゆ: というわけでウォームアップも終わった事ですし、いよいよ最終章、まいりましょうか。
は: こういう伏線を張っておられましたか、やれやれ(--〆)。

20世紀少年ー最終章ー「ぼくらの旗」
2009年、日本、配給:東宝

監督・脚本: 堤幸彦
原作・脚本: 浦沢直樹
脚本: 長崎尚志

キャスト: 唐沢寿明 豊川悦司 常盤貴子 平愛梨 香川照之 石塚英彦 宮迫博之 藤木直人 古田新太 森山未來 小池栄子 黒木瞳 他

“ともだち歴3年”の2019年、世界は世界大統領として君臨する“ともだち”に支配され、殺人ウイルスがまん延する東京は壁で分断。都民の行動は完全に制限されていた。そんな中、カンナ(平愛梨)は反政府組織として武装蜂起する一方、“血の大みそか”以降、行方がわからなくなっていたケンヂ(唐沢寿明)が突然現われる。』

は: 沢山の有名俳優方や第二作でご主人様が褒めておられた平愛梨様が熱演されてなかなかの迫力でございましたね。
ゆ: 本物の遠藤賢司も出てくるしね(笑。CGやVFXも頑張ってるし、ようこれだけ掻き集めたなと言うくらいエキストラも動員してるし、監督もやれる事は全てやり尽くした、と言う感じだね。

は: では三作の中でも一番の出来でございますか。
ゆ: 個人的にはね。ただし、三作中最低の方の一番だよ。
は: ええっ!?これだけ褒めておいて。。。。。(-_-;)
ゆ: それが不思議なんだよねえ。もう、

エンドロール後の最後の10分間を見るためだけにひたすら我慢

と言うくらいつまらなかった。退屈で退屈で

何でこんなに退屈なんだ

と自問自答しながら観てましたよ。
は: その答えは如何に?
ゆ: ともだち暦になってからの話だから全体に暗い、と言う事もあるんだろうけれど、結局は

覆面をかぶった人間が復活した事を全世界の殆どの人間がトリックだと疑わない

という、漫画では通用しても現実世界ではおよそありえない荒唐無稽なシチュエーションから映画が始まるので、各俳優がその役柄を真剣に演じれば演じるほど馬鹿馬鹿しさが募っていくんですよね。衆議院選挙で2回続けて「空気」という実体のないものに振り回された日本人でさえ、かつてのオウムや今回の諸派を誰一人として当選させなかったでしょう。

は: 確かに世界大統領と言う設定も、東京を隔離して昭和時代の町を作りあげるという設定も無理がありまくりですよね。
ゆ おまけにともだち側の軍隊が「地球防衛軍」ですから、ちっとも恐くない(苦笑。だからゲリラとの戦闘(それすら殆ど描かれないんですが)も子供騙しにもならない。いくらカンナおっちょユキジが頑張っても、いや頑張るのに反比例するが如くにどんどんしらけていくあの雰囲気はもう如何ともしがたかったです。

は: いくら漫画と実写の違いとは言え、あれだけよく考え込まれた漫画を何とかならなかったものでしょうかね?
ゆ: 第二作のように少数の登場人物を重点的に掘り下げれば何とかなったのかもしれませんが、今回は登場人物が多過ぎて時間の制約上細切れで出てくるんですね。だから個々の主役級の人々のエピソードが原作に比べてあまりにも浅い。となると、観る方はとりたてて感動する暇もないうちに最後の野外コンサートの場面に突入してしまう。それでスーダラなんて気の抜けた歌聞かされても感動しろという方が無理ですよ。あれがロックだと言われてもね~、高橋ユキヒロまで引っ張り出して(-.-)。ケンヂが手渡されるギブソン・レスポールが泣いてますよ。
は: スタッフやキャストの皆様はとても感動してたそうでございますよ。
ゆ: 究極の自己満足ですな。映画作りで一番やってはいかん事でしょう。というか、

やっぱり実写化してはいけない素材

だったんでしょう。第一作の時に、前田有一のレビューを抜粋したけどもう一度読んでくれないかい、はむちぃ君。
は: かしこまりました。

『それにしても複雑なのは、(何度も繰り返したとおり)この原作が映画向きでないこと、傑作に仕上げることは絶対不可能ということを百も承知で、映画のプロたる人々が60億円ものビッグプロジェクトにGOサインを出してしまうという現実。 それについて、ビジネス面での理由以外に、納得のいく答えは見当たらない。いくら儲かるとわかっていても、60億円もかけてゴミを作るという発想は、私のような庶民には驚きであり、彼らの大物振りにはただただ驚嘆せざるを得ない。』

ゆ: ありがとう、もうこれ以上言う事もないし、おそらくその金を回収する事は可能な勢いですから日テレ系や東宝には御同慶の至りです。でも、三作付きあわせていただいた者として一言言わせていただくと、これが今の日本の映画作りのメインストリームかと思うと暗澹たる気持ちになりますよ。

は: さて、最後になりますが、冒頭でご主人様が言及されたラスト10分の「補完版」についてでございますが、これには満足されたと言う事でございましょうか?

(以下ネタバレになります、ご注意ください)

ゆ: そうですね、これがあったので辛うじて払ったお金に見合う作品となりました。おそらく色々なトラブルがあって21世紀少年で描ききれなかったラストシーンを浦沢直樹がこの10分間で描ききったのだと思います。結局原作とはかなり違った展開になったとは言え、ともだちの正体はやっぱり勝又君であり、彼が何故死んだ事になっていたか、という理由もはっきりします。また、堤監督が三作を通じてかけていたトリックのポイントがどこだったのかもはっきりしますね。
は: その少年時代の勝又くんをご主人様お気に入りの神木隆之介様が演じられてますね。
ゆ: 退屈なままなだれ込んだエンドロールで「神木隆之介」のクレジットを見て腰を抜かすくらいに驚きましたよ。
は: ええっ!?いつ出てきたんだって感じですか(^_^;)。
ゆ: そうそう。それであっ、ひょっとしたら、と思ったら、そうでした。 もちろんたかが10分程度ですから大した演技もしてないんですが、この映画観てて初めてドキドキしましたよ、彼はいいなあ、って私はホモじゃないですよ(笑

は: と言う事で、とにもかくにも前二作につき会われた方は最後の最後までお付き合いくださいませ。
ゆ: 日テレは第二作をTV版で思いっきり編集し直してきましたが、まあ、今度もやってみたらどうですかね。

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2009/08/25

少年メリケンサック

少年メリケンサック スタンダード・エディション[DVD]
はむちぃ: 本日のレビューは宮崎あおい様の「少年メリケンサック」でございますね、あおい様もお好みでございますか( 一一)?
ゆ: いやいや、あおいはあおいでも蒼井優一筋の私でございますから(^_^;)。
は: ちなみにお二人は大の親友だそうでございます(実話。
ゆ: まあ冗談はともかく、篤姫には全く興味なかったんだけど同時期に「闇の子供たち」のナレーションとかこの映画の主演とか、積極的にイメージの違う映画に挑戦しているんで、なかなか役者根性のある子だなとは思ってたんですよ。
は: それで、今回ご覧になろうと思われたわけでございますか?
ゆ: いやいや、今回はどちらかというとクドカン(宮藤官九郎)の線です。先日「サマーウォーズ」を観にいった時にクドカンの「カムイ外伝」のトレイラーが出来ててね、そう言えばこの「少年メリケンサック」をまだ観てないな、カムイ外伝の前にチェックしておこうかと思ったわけです。
は: 「舞妓Haaaan!!!」の次がこの作品でございますからね、では早速映画の紹介に参りましょうか。

『レコード会社OL・かんな(宮崎あおい)が、動画サイトで見つけた〈少年メリケンサック〉のライブ映像。そこには凶悪な絶叫パフォーマンスのイケメンが!!契約を取るために会いに向かうと、そこにはなぜか酔い潰れた50歳すぎのオッサン(佐藤浩市)が!!「これ誰っ!?」・・・かんなが見つけた映像はなんと25年前のものだったのだ。かんなの驚愕をよそに、〈少年メリケンサック〉の人気はネット上で大爆発!サイトはパンク寸前!全国のライブツアーが次々と決まっていく・・・。このまま出たら暴動必至。果たして、かんなと〈少年メリケンサック〉の命運は!???全国ライブツアーは成功するのか???

監督・脚本: 宮藤官九郎
キャスト:
宮崎あおい
木村祐一 勝地 涼 田口トモロヲ 三宅弘城 ピエール瀧 峯田和伸(銀杏BOYZ)
田辺誠一 犬塚 弘 哀川 翔 烏丸せつこ 中村敦夫
佐藤智仁 浪岡一喜 石田法嗣
ユースケ・サンタマリア
佐藤浩市

2009年、日本、「少年メリケンサック」製作委員会
(AMAZON解説より)』

はむちぃ: 以前レビューいたしました「デトロイト・メタル・シティ」と同様のバンド・コメディでございますが?
ゆうけい: 正直言ってぱっとしない映画でしたねえ、「舞妓Haaaan!!!」で見せたスピーディーで人を喰ったコミカルなセンスも今回は空回りしている感が強いですね。これと比べるとDMCが良い映画だった気がしてくるくらいです(苦笑。
は: DMCも本作品もまあトホホと言えばトホホなストーリーではございますよね。
ゆ: DMCの場合、鬼マネージャー(松雪泰子)や、実はなよなよ渋谷系のヘビメタ・カリスマボーカリスト(松山ケンイチ)のキャラが立っていたんで、話は馬鹿馬鹿しくてもそれなりに楽しくは観られたんです。
は: ところが今回はさえない中年パンク・バンドが主人公でございますから華が無いですね。
ゆ: そうそう、

「ブランクが長いわボーカルはヨイヨイだわで演奏ボロボロ」

という設定のために、途中ちょっとずつは上手くなっていくとはいえ、延々としまらない演奏を聴かされるハメになるわけです。パンクは演奏は下手でいいというのは、25年前の彼らの話であって、今の彼等が下手だと目も当てられません(苦笑。
は: それに苦労する宮崎あおい様の奮闘振りを見せる映画でございますからある程度仕方は無いのですが、
ゆ: 最後まで客を引っ張っていくにはかなり辛い脚本でしたねえ。佐藤浩市を起用してこれだけ冴えない映画を作るのはある意味画期的かもしれませんけどね(ーー;)。

は: さて、宮崎あおい様は如何でござましたでしょう?
ゆ: ポスターのメイクから想像して彼女が最後にボーカルをとるのかなと期待してたんですが、残念ながらマネージャーのままでした(苦笑。
は: とは言え、煮ても焼いても食えないような4人のおっさんと社長のユースケ・サンタマリア間に挟まれて孤軍奮闘する姿はいじらしくて良かったですね。
ゆ: たしかに、蒼井優とは一味違った喜怒哀楽を表現できる役者さんですね。いじめると拗ねちゃうあたりの演技は本当に上手い、と言うか地でできるのかな?それだけにマネージャーで終わっちゃわずにもうひとひねり欲しかったです。
は: それは宮崎様の責任じゃございませんね(^_^;)。
ゆ: そう、クドカンならあと一工夫しなくっちゃね(笑。

は: というわけで宮崎あおい様のファンには楽しめる映画でございますがクドカン・ファンにはイマイチ物足りない映画と申せましょう。
ゆ: 「カムイ外伝」はコメディではなくシリアス物になりそうな雰囲気でしたから、本作の轍は踏まないとは思いますが、さあ、どんな出来上がりでしょうね。我々の世代には白土三平先生のカムイは文字通り「」ですからね、中途半端な出来じゃ許せませんよ~。

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2009/08/22

サマーウォーズ

Summerwars
はむちぃ: 皆さんこん**は、本日はだたいま公開中の劇場用アニメ「スターウォーズ」でございます。
ゆうけい: チョット待ってくださいよ~、ジョージ・ルーカスちゃいますよ~、全員日本語喋ってますヤン(コンニチワ根岸風)
は: それをやりたいためにわざわざボケさせるんですから(-.-)、レッドシアター観てない人には何の事か分かりませんよ。というわけでございまして「時をかける少女」の細田守監督の最新作「サマーウォーズ」でございます。
ゆ: 噂通りの面白さで、怒涛の展開と映像の凄さに脱帽でした。もう時代はMAD HOUSEですね。

『 監督: 細田守
脚本: 奥寺佐渡子
キャラクターデザイン: 貞本義行
美術監督: 武重洋二
声優: 神木隆之介、桜庭ななみ、谷村美月、仲里依紗、富士純子 他

2009年、日/114分/ワーナー・ブラザース映画配給

数学だけは得意だが内気な健二(神木隆之介)は、学園のアイドル的な先輩夏希(桜庭ななみ)から「私と二人で実家に戻り、数日過ごすこと」という素敵なアルバイトの申し出を受ける。彼女の実家は由緒ある戦国武将の家系で、その日は現当主、栄(富司純子)の90歳の誕生日とあって、大勢の親類が集まっていた。すると夏希は、そこで健二にとんでもない真意を明かす。  』

は: 仮想世界の説明から始まり、現実世界でのどかな田舎へいざなわれたかと思うと、バーチャル空間はとんでもないサイバーテロに見舞われ、それがじわじわと現実世界を侵食していき、一旦終息したかと思いきやさにあらず、終盤では世界が未曾有の危機に直面するという、息つく暇もないほどのスピードで予想もしない大事となる展開でございました。
ゆ: チョット待ってくださいよ~、って言う暇もなかったですね(笑。この次から次へと畳み掛けるテンポの速さが細田守の持ち味なんでしょう。
は: 後から考えてみると実にご都合主義かつマッチポンプ的展開なんですが、
ゆ: 見ている時はそれを少しも感じさせない。
は: ストーリー展開の巧みさ、現実世界とバーチャル世界の映像の質感の切り替え、そして随所に仕込まれた小ネタと伏線が見事でございました。
ゆ: この映画の小ネタ道具の花札で言えば、赤短青短からコイコイで矢継ぎ早に役を上げていって最後に五光にもっていきました~、って感じですかね。


は: そのうまさの際立っているところを挙げるとすればどのあたりでございましょう?
ゆ: いろいろと感心するところはありましたが、例えば冒頭の数分であっという間に仮想世界と現実世界の関係をほぼ説明し終わるあのスピード。いきなり仮想世界OZの映像の凄さで呆気にとられて、コミュニティの規模に驚かされて、その末端の末端で保守点検している二つのアバター(仮想世界での個人)が喋ってると思ったら、現実世界で実際に部室のPCに向かって夏休みのバイトをしている高校生二人に切り替わり、そこに先輩の女性が入ってきて、別の素敵なバイトをオファーしてくる、見事な流れでした。

は: 仮想世界OZは今の「MIXI」や「セカンドライフ」を発展させたバーチャルコミュニティで、携帯やPCなどから国民のほぼ全てがアクセスし、娯楽・買い物から役所の手続き等、生活に必要なほぼすべての事務作業を行うことができる必要不可欠なインフラとして描かれています。
ゆ: 実際はゲームと社会のインフラが共存するような安易で危険なコミュニティは将来的にもありえないとは思いますが、サイバーテロという脅威が現実に存在する以上、映画的には十分納得できる設定ではあったと思います。それにジョンとヨーコがOZの守護神で、最強最悪の人工知能アバターがラブマシーンなんてネーミングはひねりが効いていて思わず唸ってしまいましたね。

は: 一方で現実世界の方は長野県上田市の戦国武将の末裔の大家族が中心となりますが。
ゆ: それぞれがいろいろな問題を抱えてはいても一旦事あらば結束して一族の存亡をかけて戦う、という封建制度の昔からの日本の美意識をうまく映画に取り込んだと思いますね。先ほど述べたように展開がご都合主義ではあるんですが、それを感じさせない不思議な説得力がありました。きっと屋敷と風景が大画面に映えて観るものの郷愁を誘うような出来上がりになっているのも貢献しているんでしょう。

は: 敢えて弱点を挙げるとすればどの辺でございましょう。
ゆ: やはりキャラクターデザインですかね、日本のアニメ共通の弱点ではあるんですが、ガンダムの頃から進歩しませんね~。特に主人公の造形に見るべきものがないのはやはり辛いですね。
は: 今回もキャクターデザインはガイナックスの貞本義行様ですから、エヴァンゲリヲンとだぶる印象が強かったですね。
ゆ: 鍵を握る重要なキャラの侘助なんか、まんま加持リョウジですし(苦笑。なんかしゃべり方まで似てましたね。

は: 声優さんについても、ご主人様が嫌っておられる主人公級に素人をもってくるという配役でございますね。
ゆ: 全くね、まあ神木隆之介君は前から俳優として評価してますし、そつなくこなしたとは思いますが、桜庭ななみなんてお嬢さんは初めてのアフレコだって言うじゃないですか、どこからどういうプッシュがあったのかは知らないけど、細田守も頭を抱えてたかもね。

は: とまあ、冷静に振り返ってみますといろいろと問題はございますが、
ゆ: とにもかくにも今のマッド・ハウスの勢いを感じさせる秀作だと思いました。映像も素晴らしく、大画面で見る価値のあるアニメーションだと思います、ぜひ劇場へ足をお運びくださいませ。

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2009/07/31

インスタント沼

Instantnuma
はむちぃ: ご主人様、急用とは何でございます?
ゆうけい: やあはむちぃ君、すまんね、ちとまた映画につきあってくれんかね?
は: はは~ん、奥様がお留守なのをいい事にまたまたトホホ系映画でも観る算段でございますね(;一_一)。
ゆ: いやいや、トホホ系じゃなくてユルユル系だよ(*^_^*)。
は: 分かりました、三木聡様の「インスタント沼」でございますね。そして目的はずばり麻生久美子様、ですね。
ゆ: 当ったり~。
は: はあ、まあようございます、久しぶりに映画館までお供いたしましょう。

『 監督・脚本:三木聡
キャスト:麻生久美子、加瀬亮、風間杜夫、松坂慶子、相田翔子、笹野高史、ふせえり、岩松了、他

2009年、日本映画、119分

非科学的なことは一切信じない、雑誌編集者の沈丁花ハナメ(麻生久美子)は、担当する雑誌が廃刊になって会社を辞することになり、母親の翠(松坂慶子)は何を考えたかカッパを探して池に落ち昏睡状態になるなど、泥沼の渦中にあった。同じ池から発見された母が投函した古い一通の手紙から自分の出生の秘密を知ってしまったハナメは、行方知れずだという実の父かもしれない男・沈丁花ノブロウ(風間杜夫)の居場所を探し、訪ねてゆくことにする。ノブロウは怪しげな骨董店「電球商会」を営んでおり、店にタムロするパンク青年・ガス(加瀬亮)からは「電球」と呼ばれていた。ノブロウのいい加減で身勝手な性格に呆れ果てたハナメだったが、彼らと触れ合っていくうちに骨董に興味を持ちはじめ、自ら骨董屋を開業する。なかなか商売がうまく行かずテンションの上がらないハナメに電球は「物事に行き詰まったら水道の蛇口をひねれ」という教えを伝授する。』

は: いやはや、何と申しましょうか、ふざけてるんだか真面目なんだか、、、
ゆ: 「亀は意外と速く泳ぐ」や「転々」を撮った三木聡のセンスがお好きな方は2時間クスクス笑い続けてられますし、
は: 麻生久美子ファンの方は、
ゆ: 2時間彼女の奮闘振りを楽しんでいられますね。
は: しかし、どちらでもない方が映画館でご覧になったら、、、
ゆ: 元気が出ますね!
は: 怒る元気しか出ませんよ、きっと(--〆)。
ゆ: まっ、そうかもね(苦笑。

は: 三木様のセンスと先程おっしゃいましたが、メインストーリーが奇想天外で人を食っていて、細部にはとことん拘るあたりでございましょうか。
ゆ: そうですね、パンフの三木聡のインタビューによりますと、土に水をかけると沼が出来上がると言う「インスタント沼」の発想は、昔彼が担当していた「北半球で一番くだらない番組」中の「日光テレフォンショッピング」というコーナーで取り上げた事があるそうです。
は: その馬鹿馬鹿しい構想を綿密な脚本・演出で意味不明なのに面白い映画に仕上げるという技は、まさに三木様の真骨頂でございますね。で、今回ご主人様のツボにはまった演出はどんなところでございます?
ゆ: 意外な事に三木映画初主演となる麻生久美子に、徹底して体を張った演技をさせてるところですかね。
は: やっぱりそこにきますか(-_-;)。
ゆ: いやほんと、麻生久美子の張り切り振りは凄いよ、余程三木映画に出るのが嬉しかったみたいです。先日のTV番組「情熱大陸」でリハと本番の演技の違いを見ておりましたので余計に楽しめました!

は: まあそれはそうと、映画レビューでございますので、演出技法的な所を説明していただきませんと(-.-)。
ゆ: そうですね、演出としては、映画冒頭に子フレーム中で展開される8mmフィルム風の短いカットの連続が面白かったですね。
は: 麻生久美子様がマシンガン・トーク的に自らの泥沼ぶりをおしゃべりになることにより、観客に手短にバックグラウンドを説明する技法でございますね。それにしても背中に「バカ」と書いた張り紙を張らせて駅構内を歩かせたり、ゲリラ撮影的なことをしてらっしゃいますね。
ゆ: だから言ったでしょ、体張ってるって(笑。

は: 他のキャストも三木常連組が大半ですので、安心して観ていられますね。
ゆ: そうそう、その下地の上にゲスト組がどう絡んでいくかが三木映画の見所なんですけど、
は: 「転々」での三浦友和様のような役割を今回は風間杜夫様が怪演しておられました。ご主人様は三浦様を高く評価しておられましたが、風間様はいかがでございます?
ゆ: まあ役割的に三浦友和ほど重いものを背負ってないので、怪演にとどまってますけどこれは仕方ないでしょうね。
は: 加瀬亮様はいかがでございました?
ゆ: トサカ頭が良かったですね(笑。「情熱大陸」で麻生久美子と絡むシーンだけ観た時はステレオタイプなチンピラ風演技で終始するのかなと思ってましたが意外に良かったです。「ハチクロ」「硫黄島」「それボク」「犬と私」とそれなりにいろいろな役柄をこなしているだけあって、三木監督の起用にちゃんと応えてましたね。

は: というわけでございまして、三木聡ファン、麻生久美子ファン限定でございますが、2時間楽しめて元気を貰える映画でございます。
ゆ: 張り紙やナンバープレートなどの小ネタやエンドロール後のサービスカットもお見逃しなく!

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2009/07/15

崖の上のポニョ

崖の上のポニョ [DVD]
はむちぃ: 本日ご紹介する映画はもう説明不要、興行成績155億円のメガヒット、作品に対する評価も極めて高かった宮崎駿様の「崖の上のポニョ」でございます。
ゆうけい: 彼が息子の「ゲド戦記」にダメ出しして、千と千尋以来7年振りに原作・脚本・監督の三役をこなした作品ですからね、そりゃいい加減な出来ではジブリ・ファンが納得しませんわな。
は: ご主人様は「ゲド戦記の失敗の責任は鈴木敏文と宮崎駿自身にある」と以前論じられたことがありましたし、余計にその思いは強うございましょう。
ゆ: そうですね、ですから世評が高かったのでまあさすがだなとは思っていたんですが、さあどうでしょうね、観てみましょうか。

『海辺の小さな町。崖の上の一軒家に住む5歳の少年・宗介は、ある日、クラゲに乗って家出したさかなの子・ポニョと出会う。アタマをジャムの瓶に突っ込んで困っていたところを、宗介に助けてもらったのだ。宗介のことを好きになるポニョ。宗介もポニョを好きになる。「ぼくが守ってあげるからね」
しかし、かつて人間を辞め、海の住人となった父・フジモトによって、ポニョは海の中へと連れ戻されてしまう。人間になりたい!ポニョは、妹たちの力を借りて父の魔法を盗み出し、再び宗介のいる人間の世界を目指す。危険な力を持つ生命の水がまき散らされた。海はふくれあがり、嵐が巻き起こり、妹たちは巨大な水魚に変身して、宗介のいる崖へ、大津波となって押し寄せる。海の世界の混乱は、宗介たちが暮らす町をまるごと飲み込み、海の中へと沈めてしまう―。
少年と少女、愛と責任、海と生命。神経症と不安の時代に、宮崎駿がためらわずに描く、母と子の物語。(AMAZON解説より)』

は: う~ん、、、どうなんでしょう(ーー;)?
ゆ: 折角何度もレンタル店に足を運んでやっとの思いで借りられたのに、終わるや否や家内に

なんじゃこりゃ、これジブリ?、がっかりやわ

と一刀両断に斬り捨てられてしまいました(涙。
は: さすが歯に衣着せぬ奥様、見事な切れ味でございます(-.-)。

ゆ: ということでもうこれで終わりまひょか(ショボーン。
は: それはご主人様あんまりでございます、ゲド戦記に6回もそれも超長文記事を費やしたではございませんか。。。
ゆ: と言われてもねえ、純幼児向けアニメをこのブログで語ってもしゃあないやん。
は: そこをなんとか、例えばディズニーと手を組んだジブリの世界戦略で、世界のアニメずれしていない幼児の方々のために、敢えて大人の評価に値するクオリティは重要視しなかったとか?
ゆ: それも考えて一応宮崎駿のインタビューなんぞをネットで漁ってみたんですが、情けない事に今までと同じスタンスで作っているみたいです、それでこれ?もう彼もダメかな?

は: 一応彼の生涯のテーマとも言える、人間が自然環境を破壊し続ける悪を軸に据えられてはおりますが?
ゆ: その描き方がまあ幼稚になったもんです。ナウシカの頃の志はどこへ消えたのかね?そう言えばあの頃からもののけ姫あたりで頂点に達した絵や色彩のクオリティも近年下がる一方だし。
は: それこそがジブリの真骨頂でございましたのにねえ。ジブリも外国へアウトソーシングしているんでしょうか?それとも極貧に喘ぐアニメーターがやる気をなくしたんでしょうか?
ゆ: 麻生太郎に聞いてください(笑。しっかし、こんなのでもブルーレイで観たら本当に綺麗なのかなあ?まあ健在なのは

「宮崎走り」

だけですな(毒。

は: 声優も相変わらずでございますね。
ゆ: 有名タレントを起用するジブリの悪い癖が全然治ってませんね。だからいつものように、子供と老人はそこそこしゃべっていても、中核となる大人世代の喋りが平板で絵空事が絵空事のまま。しかも聞きとりにくい。
は: 次々とスタジオに現れる有名人に鈴木様と宮崎様が相好を崩しておられる様が目に浮かぶようでございます。
ゆ: 彼等には何故「ルパンIII世 カリオストロの城」のルパン、次元、五右衛門、銭形、不二子たちが今なおあれだけ生彩を放っているのか、もう一度原点に立ち返って考えて欲しいですね。

は: そう言えば主題歌は大ヒットいたしましたね。
ゆ: 家内も待ち受けコールに使っていましたが、もうやめるわ、と申しておりました。要するに単純なフレーズの繰り返しによる洗脳ですからね。
は: ヒットしたからと言ってクオリティとは比例しないということでございますか。まあご主人様、そんなに落胆せずに、折角のレビューですので、どうか一言お褒めの言葉もお述べになって締めくくって下さいませ。
ゆ: 子供が親を呼び捨てにするという一点を除けば、幼児~学童初期のお子様には良い映画だと思います。それと、タイトルロールとバックに流れるソプラノ歌手林正子さんの「海のおかあさん」は素晴らしいと思います。まあ、そんなとこです。

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2009/07/01

ディア・ドクター

Deardoctor
はむちぃ: おや、先日のシネリーブルへのお出かけはてっきり「エヴァ・破」と思っておりましたが、「ディア・ドクター」でございましたか。医者もの嫌い、難病もの嫌いのご主人様にしては珍しゅうございますね。
ゆうけい: 先日「おと・な・り」を観た時にこの映画の予告編をやってたんだよね。それだけでストーリー的にはほぼ想像がついて、確かに辟易しかけたんだけど、なんと「ゆれる」の西川美和が監督だというじゃないですか。これはただの安っぽいドラマにはならないなと思いなおして、公開されたらすぐ観にいこうと思っていたんだよ。

『監督: 西川美和
キャスト: 笑福亭鶴瓶、瑛太、余貴美子、松重豊、岩松了、笹野高史、井川遥、中村勘三郎、香川照之、八千草薫

街まで車で2時間もかかる僻村にやって来た、医大を出たばかりの相馬(瑛太)。研修医として赴任してきた彼を待っていたのは、看護師と一緒に診療所を切り回している、物腰の柔らかそうな中年医師、伊野(笑福亭鶴瓶)。数年前、長く無医村だったこの地にふらりとやってきたこの医者は、高血圧から心臓蘇生、地方老人の話し相手まで、様々な病を一手に受け、村人から絶大な信頼を寄せられていた。そんなある日、伊野の元にかづ子(八千草薫)という独り暮らしの未亡人が診察にやってくる。ずっと診療所を避けていた彼女だったが、次第に伊野に心を開き始める。そして、彼女の診療を通じ、伊野が隠していた意外な素顔が浮かび上がってくる――。笑福亭鶴瓶が映画初主演を果たした、『ゆれる』の西川美和監督の最新作。

2009,日本,エンジンフイルム、アスミック・エース
(CinemaCafe netより)』

は: パンフレットを拝見しますとキャッチが「その嘘は罪ですか?」と、やや安っぽいですね。
ゆ: ホント、もうちょっと何とかならなかったもんかね、でもさすがに「ゆれる」を撮った西川監督だけあって、安易なお涙頂戴モノにはなっていなかったですからご安心を。
は: 「ゆれる」では黒沢明の「羅生門」的手法を使って、善と悪、良心と憎悪の間を揺れ動く人間心理を鋭く描いておられましたね。
ゆ: その「ゆれる」をとすれば本作はコメディタッチのになってるんですが、根っからの善人も登場しないし全くの悪人も登場しないあたりが「ゆれる」に通じるものがありますね。その不思議なリアリティが映画全体に微妙な影と揺らぎ感を与えていて秀逸でした。
は: 具体的にはどのような場面でございましょうか。
は: 村民が「神様よりあの先生だ」と崇めていた医師伊野(鶴瓶)が失踪して警察が介入してくる場面から映画は始まるんですが、刑事に聴取されれば誰も失踪した医師をかばうでもないし、平気で白も切る。おかしいと思わなかったのかと問い詰められれば、それで村全体がうまくいくならそれはそれで良かったと開き直る、そのあたりの登場人物のしたたかさが私にとってはとても腑に落ちるので快かったですね。
は: それはご主人様の実地体験から得たものでもございましょう(^_^;)。
ゆ: まあまあそのあたりは後程ということで。

は: 映像的にも西川監督は独特のセンスを持っておられますね。
ゆ: 映画冒頭、真っ暗な村の田んぼ道を遠景で撮って、自転車のライトらしき光が移動するのを追っかける、そのうちに道端に何か白いものが捨ててあるのが見える、光が止まって誰かがそれを着るとどうも白衣だと分かる、その白い影とライトがまた移動していく、あの映像センスでもう一本取られた感じになっちゃいました。
は: 普通農村風景というと、大体はのどかな田畑から描き始めますよね。
ゆ: もちろん昼の棚田を渡る風に揺れる稲穂の美しさもちゃんと描いているんですが、夜の暗い農村の侘しさとの対比が上手かったですね。陰陽の描き分けの上手い方です。

は: さて、初主演の笑福亭鶴瓶様でございますが。
ゆ: なにしろアフロヘアにジーンズのオーバーオールのペイペイの頃から知ってますから、友達が映画に出てるような変な感じでしたね、関西の深夜放送全盛時代に青春を過ごした人はみんなそう思ったんじゃないかな。だから最初の数シーン見ただけで

「ありゃ地でやってるよ」

と分かるんですけどそれでも上手い、まさにハマり役でしたね。
は: 先日はヤンタン時代にお世話になったMBS(毎日放送ラジオ)にプロモーションで出ずっぱりでございましたね。
ゆ: コンちゃん(近藤光史元MBS現フリーアナ、鶴瓶ちゃんやさんまちゃんとため口をきける数少ないアナウンサー(笑))との丁々発止には思わず昔を思い出しましたね。本映画に主演すると決まった時には

勘三郎西川美和は良い女だけどくれぐれも手を出すなよとメールしてきよったわ」

だそうですよ(笑。
は: 「なんでそんなに次から次へと映画の出演依頼がまい込んで来るねん!?」とコンちゃんに突っ込まれておられましたが、
ゆ: 友達つながりがどんどん増えて、方々から声かけられるねん、と答えてましたね。おそらくその通りなんだろうと思います。彼の人柄、人徳なんでしょう。
は: 昔ラジオでいちびり過ぎて大ナベ(伝説の超大物MBSプロデューサー)さんに謹慎を喰らってしまった事もござましたが(笑。
ゆ: その頃から芯はまじめで努力家でしたからね、タモリが昔

「関西から上京されて一番恐いのは鶴瓶だ」

と言ってたはさすがの慧眼でしたね。まあ時々TVでチンチン丸出しやらかしてますけど(爆。

は: 鶴瓶様以外の注目俳優はやはり「ゆれる」の兄役の香川照之様でございましょうか。
ゆ: 今回は鶴瓶に振り回される薬卸のセールスマンというバイプレーヤー役なんですが、それでも上手さは際だってますね。特に喫茶店で刑事(松重豊)から伊野の行動を問い詰められている時に急に椅子ごとひっくり返ってみせ、あわてて体を支えにきた刑事に

「あなたは私に愛情を持ってるわけじゃ無いでしょう、でもとっさに支えにきてくれましたよね、何故ですか、きっとあの先生もこんな感じだったんだと思いますよ」

と嘯くあたり、勿論演出も上手いんですが、こいつはやっぱりスゴいなと思いました。

は: 新米医師を演じる瑛太様は典型的な今風イケメンでございますが。
ゆ: 研修医の頃の私を見ているようでしたね(嘘x800、まあ私はその頃BMWのカブリオレを買う金は無かったですけど。
は: そっちでの「(違」ではないように思いますが(-.-)ボソッ。
ゆ: さすがに「余命なんたら」は見る気がしないですけど、「サマータイムマシン・ブルース」とか「アヒルと鴨のコインロッカー」とか、彼結構良い映画に出て活躍してますよね。この映画でも、鶴瓶との口論や刑事の聴取への対応などで見せる適度に抑制の効いた感情表現なんかは感心しました。
は: やっぱり役者は良い監督との出会いで育っていくんでございますね。
ゆ: 一言言っとくと、あの髪の毛は医師としては不適切ですね(笑。外科処置をやる以上不潔なものはぼさぼさ伸ばしちゃいけません。

は: 女優陣では、昔から八千草薫様のファンでいらっしゃいましたから嬉しかったんじゃないですか?
ゆ: これこれはむちぃ君、余計な事をイワンの馬鹿(*^_^*)。
は: おっ、久しぶりの照れギャグ(^_^;)
ゆ: まあそれはそれとして、伊野の素性をほぼ把握していながら彼を支え続ける看護師役の余貴美子が何と言っても光っていましたね。昔救急現場の経験もあるベテラン看護士という役柄を迫真の演技でこなしていたのには感服しました。「おくりびと」でも渋い演技をされてましたし、日本映画界の貴重な人材だと思います。

は: 美人の役どころは八千草薫様の娘で東京で女医をしている井川遥様でございましたが。
ゆ: 美人の上に結構上手い人で、女医役をそつなくこなしてましたね、それより何より彼女がふと漏らした

「ひとの親は沢山診てるんですけど、自分の親を診に帰る暇が無くって」

という一言がぐさっときましたね(苦笑。

は: というわけでございまして、題名が「Dear Doctor」、全国の医師の皆様に捧げられた映画とも取れますがご主人様、如何でございましたでしょうか。
ゆ: 勿論突っ込もうと思えばいくらでも突っ込めるんですけど、普通の医療モノドラマに感じるじれったさや無知と誤解への怒りなどは殆ど無かったですね。
は: 西川監督は日本の医療の現状、全人医療の理想と現実の乖離、さらには農村医療の現状と問題点など、結構深いところまでリサーチしておられたようですね。
ゆ: 映画一本作るにはこれくらいの努力が必要なのは当たり前なんですが、それをできていない映画が多すぎる現在、彼女のような監督がいるのは心強いですね。まあいくらなんでも往診や救急処置がちょっと上手くいったからって村民総出で万歳してくれる村なんかありませんけど(笑。

は: まあそこはコメディということで(笑。ところでご主人様も農村で往診とかされておられましたよね。
ゆ: 法人の勤務シフトの都合で3年くらい農村の診療所を任されてましたからね。ムササビが飛んでるような山道を往診にも出かけたし、自宅で看取りたいという人があれば夜中でも看取りましたし。この映画の冒頭のシーンのように生き返ったりはしませんよ(爆。
は: その視点でごらんになって如何でございました?
ゆ: まあ限界集落の問題は医療だけでかたがつくわけじゃないですから、力になれるといっても微々たるもんです。皆が皆喜んでくれるわけでも無いし、大病院信仰みたいなものも根強くあって、実際今の日本じゃ車さえあればどこかの大病院へ結局は担ぎ込めますしね。まあその上でですけど、確かに患者さんのバックグラウンドが良く見える、例えば家でどんな暮らしをしているのかが分かるだけでその患者さんの事をより理解できるようになる、またお互い少しは心が通じ合うようになって、大病院で流れ作業のような医療をするよりは全人的医療をできたように思います。それは確かにこの映画でも指摘されている通りですね。

は: そういえば診療所から見える田んぼの四季の移り変わりを見るのが好きだとおっしゃってましたね。
ゆ: 日本の四季を感じましたけど、減反調整で段々と田んぼが減っていくのを見るのは辛かったですね。それはそうと、先程大病院の流れ作業のような治療を批判はしましたけれど、今回の瑛太のように卒業してすぐにこのような場所でずっと研修し続けていても使い物になる医師にはならないことも観る人は知っておいて欲しいですね。むしろこのような場所へはある程度の研修を終えて一般医療に自信がついてから来るべきだと思います。
は: クライマックスの一つが緊張性気胸の急患に余貴美子様の指示で鶴瓶様が恐々エラスタ針を指す場面だそうでございますね。
ゆ: やろうと思えば数秒で終わる手技ですけど、確かにやったことのない人はビビるでしょう。二人共迫真の演技でしたね。実際緊張性気胸は一刻を争う上に判断や手技を誤れば死にますし、おまけにあれほど劇的に良くなる症例ばかりじゃないですしね。だからこそある程度の修練を経ないと自分一人で何でもしなきゃいけない職場へは行くべきではないです。

は: どこへ行こうと命がかかっている以上凄いストレスがかかるものでございますね。
ゆ: 冒頭で刑事がこんな辺鄙な農村の診療所で年収2000万円!?、と驚く場面があるんですが、まああんな事が起こり得て24時間コール状態である以上、決して高くはないですね。勿論私はそんなにもらってなかったですけど、医師不足の現在ではこれ以上の金額で募集しているところは実際にありますよ。

は: というわけで、日本の医療の現状に鋭く切り込みつつ笑いにも溢れている佳作でございます。
ゆ: ラストシーンにはみんな思わず笑っていました、「ゆれる」と違って後味がいいですから是非どうぞ。

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2009/06/21

いけちゃんとぼく

Ikeboku
はむちぃ: おっ、このいけちゃんストラップは!?
ゆうけい: 先着100名様プレゼント、二日目も残っておりました、ラッキ~(^O^)
は: というわけで「いけちゃんとぼく」のレビューでございますね。
ゆ: サイバラこと西原理恵子の絵本が原作ですからな、ベストハウス123で「絶対泣ける本」第1位に選ばれたこともあるし。
は: うそおっしゃい、ずばりいけちゃんの声を

蒼井優

様が担当しておられるからでございましょっ!
ゆ: き、今日のはむちぃ君はちょと怖いですな、さては同じバーチャルキャラのいけちゃんに嫉妬してるんじゃ(一o一)?
は: そ、そんなことはごじゃいましぇん、では映画紹介まいります(動揺。

『ふしぎな生き物「いけちゃん」とぼくは、ぼくが物心ついたときから一緒にいる。ぼくにはいけちゃんの正体は分からないが、いつもなんとなく傍にいてぼくのことを見守ってくれる。いけちゃんはうれしいことがあると数が増え、困ると小さくなり、ぼくが女の子と仲良くすると真っ赤になって怒り出す。ぼくはそんないけちゃんが大好きだった。

キャスト:
ぼく(ヨシオ):深澤嵐(大学生時代:池松壮亮、老後:峯のぼる)
いけちゃん:蒼井優(声)
ぼくのお母さん:ともさかりえ
ぼくのお父さん:萩原聖人
みさこ、ミサエ:蓮佛美沙子
哲:柄本時生
あずき洗い:岡村隆史
清じい:モト冬樹
池子: 吉行和子

スタッフ :
原作:西原理恵子
監督・脚本:大岡俊彦
主題歌:渡辺美里「あしたの空」

2009年、角川映画』

は: 田舎の一少年に寄り添う不思議な生き物が少年の成長を見守っていくほのぼのとした物語とのことでございますが。
ゆ: 高知の自然とサイバラらしい語り口が上手くマッチしていて、大人の鑑賞にも耐える良い映画になっていました。
は: 西原理恵子様は子供の残酷さ・大人の現実を遠慮なくリアルに描かれますが、今回はいかがでございました?
ゆ: ちゃんと実写でも描かれていましたね。理不尽な強者と弱者のヒエラルヒーの連鎖、トンボの頭をちぎりまくって万華鏡にいれたり、生きた蝶をノート一杯に貼り付けた後でむしって記念にしたりするイノセントな残酷さ、そして酔って愛人宅の傍の溝にはまって死んでしまう大人のいい加減さ、まさにサイバラ・ワールドでしたね。
は: そのあたりが普通の絵本の映画化と違って観客層を曖昧にしている傾向もあるのではございませんか?
ゆ: そうですね、子供連れで見に行って親子で語り合える映画と言うわけでもないですし、恋人同士で見に行くなら他に相応しい映画も色々あるでしょうし、大人が一人で見に行くにはちょっと恥ずかしいし、ちょっと観客層のターゲットを絞り込めていないきらいはありますね。

は: それでも西原様の原作を忠実に映画にしたい、という強い志がこの映画を産んだのでございましょうね。
ゆ: そう言うことでしょうね。大岡俊彦という監督のことはあまり知りませんでしたが、サイバラ・ファンが安心して観られる実写映画にした所は高く評価できると思います。
は: 大岡様はおかっぱ頭の女の子が活躍するクレラップのCFや、街中にシマウマを溢れさせた公共広告機構などのCFを撮った人だそうでございます。
は: 原作には無かった子供の描き方の上手さや、いけちゃんのCGが上手く映画に溶け込んでいたあたりは、そう言われれば才気溢れる彼のセンスなんでしょうね。妖怪連中はやりすぎで幼稚かなと思いましたけど(苦笑。

は: そして何と申しましてもこの映画の成功の鍵は蒼井優様でございますか?
ゆ: ずばり、そうです、唯一のCGであるいけちゃんの声を天才的なセンスで表現していましたよ。最初は友達目線の中性的子供声だったのが、少年の成長とともに少しずつ女性を感じさせる声になっていき、ラスト近くで主人公の後姿に

「愛してる」

と呟いて観るものの感涙を絞らせる、さすが千の表情を作れる天才女優の面目躍如たるものがありました。
は: そのつぼを心得た声の演技には西原様も大岡監督も感激したそうでございます。
ゆ: やっぱり何やかやいっても、今の日本の若手では群を抜く存在でな。

は: でもそんなことばかり言ってますと、実演で頑張っておられる役者様に失礼でございますよ(-.-)。
ゆ: 全くですね(^_^;)、失礼失礼。まあとにかく、子供も大人も皆さん楽しそうに演じておられましたね。特に主人公の子役の深津嵐君は良くやったと思います。好きだった父を唐突に亡くし、いつもいじめっ子にぼこぼこにされながら早く成長したいと頑張る姿を見せなければならない一方で、CG合成の見えない相手との親密感も演じなければいけない難しい役どころを上手く演じていました。
は: 萩原聖人は「鑑識・米沢守の事件簿」では主役級ながらトホホ役でしたが。。。
ゆ: 今回はあれと違って、酒好きで浮気モノだけどいい父親というはまり役でしたし、あと、ともさかりえも久しぶりに見たけど良かったです。彼女も母親役をやるようになりましたか。そうそうそれよりなにより、少年が憧れを抱く清純な高校生から一転してケバケバのネエちゃんになる連佛美沙子が秀逸でしたね(笑。

は: ではいけちゃんが見守る少年の成長譚、最後にこのお3人のメッセージで締めくくらせていただきます。

「”好き”がいっぱいつまってる作品なので、好きな人と一緒に見てもらえたら嬉しいです」(西原理恵子
「少年の成長について考えられる映画になっているといいなあと思います。あとは、『誰かのいけちゃんになってください』っていうことですね」(大岡俊彦
「この映画を観たあとに、いつも自分の隣にいてくれる人のことを見ると、より深くその人の事が見えるんじゃないかなと信じているんです。」(蒼井優

ゆ: では私もいけちゃんの台詞を紹介しましょう。

「大人になったらわかるよ、君はみんなに愛されて、みんなの自慢になる」
「わすれないでね、好きだと必ず帰ってこられるの」

これを優ちゃんの声で言われたらたまりませんね(笑。

Ikechannoaji
は: はいはい(-_-;)
ゆ: はむちぃ君、妬くな妬くな(^_^;)、このブログが続く限り、ゆうはむコンビでやっていきましょうで。
は: ご、ご主人様、、、
ゆ: 今日は「いけちゃんのだいじょうぶのあじ」を作って一緒に食べようよ。
は: ありがとうございます、とき卵にネギとチリメンジャコを入れて炒めて醤油で味付けするだけの超簡単料理ではございますが、とっても嬉しゅうございます(ホロッ

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2009/06/04

ICHI

ICHI  スタンダード・エディション [DVD]
はむちぃ: こん**は皆様、本日の映画レビューは綾瀬はるか様の「ICHI」でございます。「おっぱいバレー」じゃないのか、とクレームが殺到しそうな気配もございますが(^_^;)?
ゆうけい: 「人の行く裏に道あり花の山」ですな(笑。
は: 株の話ではございませんよ(--〆)
ゆ: まあ、綾瀬はるかファンがあまり触れたがらないこの映画にも見所はあるということですな。
は: 「僕の彼女はサイボーグ」と「ハッピーフライト」「おっぱいバレー」の間に挟まれてあまり人気がない、という点では例の宿題のあの作品と似ているような気がしますね。
ゆ: マニアにはたまらん危険な香りがしますな(苦笑。


2008年公開
製作:映画「ICHI」製作委員会 
配給:ワーナーブラザーズ

監督:曽利文彦
原作:子母澤寛
脚本:浅野妙子
音楽:リサ・ジェラルド
殺陣指導:久世浩
主題歌:SunMin

キャスト:
綾瀬はるか
大沢たかお
中村獅童
窪塚洋介
柄本明
竹内力
杉本哲太

勝新太郎の代表作『座頭市』を、綾瀬はるか主演で描いたアクション時代劇。
三味線を手に1人で旅をする盲目の女旅芸人・市(綾瀬はるか)は、チンピラとのいざこざの中で浪人・藤平十馬(大沢たかお)と出会う。十馬は市を助けようとするものの手が震えて刀を抜けない。そんな時市は仕込み杖を一閃し、チンピラをあっさり倒してしまう。その後2人はとある宿場町へとたどり着く。そこは街を仕切る白川組と町外れに根城を構える万鬼一党が抗争を繰り返す場所で、市と十馬も抗争に巻き込まれてしまう。
(AMAZON解説より)』

は: それにしても面妖なスタッフでございますね。監督が「ピンポン」「APPLESEED」「ベクシル2077日本鎖国」の曽利文彦様、脚本が「ラブジェネ」「大奥」の浅野妙子様でございまして、映画音楽はハリウッド、主題歌は韓流でスンミン様となっております。
ゆ: さすがTBSが掻き集めただけのことはありますな(毒。まあコアは曽利文利窪塚洋介中村獅童の「ピンポン」組ですね、だからまあああいう雰囲気の映画になるんじゃないかと思ってましたが、まあ当たらずといえども遠からずでしたね。
は: やはりピンポンばりの荒唐無稽なシーンも無くはありませんでしたが、殺陣指導に黒澤組の久世氏をお願いしたことは正解でしたね。
ゆ: 氏が肝心の部分だけはしっかりした殺陣を指導されたようで、一応時代劇らしくはなっていたし、クロサワっぽい感じがほのかにしましたね。筋は露骨に黒澤映画のパクリっぽいですけど(笑。

は: さて、そのストーリーでございますが、確かにどこかで見た様な筋をつぎはぎでくっつけた雰囲気がございました。
ゆ: 「座頭市」に「用心棒」「はなれ瞽女おりん」をつぎはぎしたみたいな感じでしたね。ついでに言えば「隠し砦」とか「砂の器」とか。
は: 時代考証とか設定とか、時代劇ファンからは白眼視されそうな脚本でございますね。
ゆ: 今時のドラマの脚本家に過大な期待をしてもね。それに勝新の座頭市シリーズだって後半は随分ひどかったんですよ。まあ好意的に考えれば展開が読み易いので安心して綾瀬はるかの活躍を見ていられますしね。所詮それだけが目的の映画ですし(苦笑。
は: 結局そこへいっちゃいますね。
ゆ: いやあ、勝新太郎北野たけしの次に市をやるのが綾瀬はるかとは一体誰が予想したでしょうか。彼女も麻生久美子とはキャラこそかぶりはしませんが、

「来るもの拒まず」

ですねえ。サイボーグ以上にはっきりとした汚れ役なんですが、よくチャレンジしましたね~。
は: 無難に演じておられたんじゃないでしょうか。
ゆ: 運動神経はいいんでしょうね、殺陣はほお~っと思うくらいよくできていましたし、三味線を弾く場面も一応様になってましたし。
は: それに比べると露出シーンや濡れ場はほんのちょっぴりでしたね。
ゆ: まあ一応アイドルですから、あんなもんでしょうね。
は: あの時代にあのボロの衣装で何で肌があんなに綺麗なんだとか、盲目であんな生活でどうしてあんなに綺麗な顔やスタイルになれるんだとか、突っ込みどころは満載でございますが?
ゆ: まあ現代の娯楽映画でそれを言ってもしょうがない。それより時折見せる表情や仕草に色気を感じ取るのがファンの楽しみなんじゃないですか。そう言う意味では、結構女座頭市がはまってたんじゃないかと思いますね。悪いけど北野たけしさんの市をもう一度みたいとは思わないけれど、彼女の市ならシリーズにしてくれてもいいよ、みたいな(笑。

は: 他の方の演技はいかがでございましょう。
ゆ: まあ中村獅童の演技を超越したような演技以外はどうでもいいような(笑。大沢たかおは前も言ったけれど、あまり好きな役者さんじゃないんだよね~、それにしても可哀想なくらい主役にしては印象が薄いですな(苦笑。

は: では最後に一言どうぞ。
ゆ: この時代に今更この映画を観て時代劇を冒涜してるとか正論を吐いても始まりません。「サイボーグ」に比べれば「はるか」にまともな映画でございます、「はるか」を心ゆくまで楽しんでくださいませ。

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2009/05/31

おと・な・り

Otonari
はむちぃ: 今回の映画レビューは「おと・な・り」でございます。
ゆうけい: 音が一つのテーマとなっておりますゆえ、オーディオファイルとしては見逃せません。
は: 嘘おっしゃい、当然ながら麻生久美子様狙いででございましょう。
ゆ: あ、やっぱそうなっちゃいます~?(^_^;)
は: Q太郎ネタはマンネリでございます(-.-)。
ゆ: まあ冗談はともかく先日の「情熱大陸」の麻生久美子さんは本当に魅力的でしたからね。その番組中で3つの映画の撮影シーンを紹介していたんですが、「ニライカナイからの手紙」で蒼井優、「虹の女神」で上野樹里の素晴らしい演技を引き出した名シェフ熊澤尚人麻生久美子をどう料理するのか興味をそそられ、この映画を選んで観てきました。ゆるゆる派の三木聡(インスタント沼)はまた今度ね(笑。

『 
キャスト: 岡田准一 麻生久美子
監督: 熊澤尚人
脚本: まなべゆきこ
2009年 J・STORM

【耳をすませば、恋がはじまる。】

人気モデルの撮影に忙しい日々を送りながらも、風景写真を撮りたいという思いを抱えるカメラマンの聡。フラワーデザイナーを目指して花屋でアルバイトをしながら、留学を目前に控えた七緒。同じアパートのお隣同士であるふたりは、ともに30歳、恋人なし。顔を合わせたことは一度もないが、壁越しに聞こえてくる音はいつしか、互いにとって心地いい響きになっていた。口ずさむ「風を集めて」のメロディ、フランス語、コーヒー豆を挽く音・・・。

音によって心を通わせるふたりの恋の行方は・・・。

監督は『ニライカナイからの手紙』『虹の女神 Rainbow Song』など、揺れ動く若者たちの感情をナチュラルかつ丹念にすくいとってきた熊澤尚人。主演に岡田准一・麻生久美子。透明感あふれるふたりが、新しい物語を紡ぎだす。』

は: ほんのりと心温まる佳作でございましたね。
ゆ: いやあ、よかったですね~、泣くほどの物語でもないのにちょっと最後はウルウルきちゃいました(笑、帰って即はっぴぃえんどのLPを引っ張り出して「風を集めて」を聴いてしまいましたよ。
は: さすが「虹の女神」を撮った熊澤尚人監督ですね。
ゆ: 「虹の女神」では惹かれ合いながらも素直になれずに結ばれる事のなかった二人を上野樹里と市原隼人に上手く演じさせましたが、今回は恋愛未満の二人の生活を淡々と描いていきながら終盤少しずつ二人の距離が縮まっていくところを上手くコントロールして「はっぴぃえんど」の物語に観客を引き込ませましたね。 

は: 映像面で熊澤監督は岩井俊二派とでもいうんでしょうか、光と影を上手くお使いですね。
ゆ: 日暮の湖のシーンやコスモス畑のシーンにその本領が発揮されていましたが、基本的にはストーリーと同じであまり凝りすぎずにオーソドックスに撮ってましたね。ただ、二人の生活の色分けにちょっとしたこだわりを感じました。
は: 麻生久美子様は花屋さんに勤めていて様々な色に囲まれており、片やカメラマン役の岡田准一様の所属するオフィスは白と黒のモノートーンで統一されていて対照的でございました。
ゆ: 二人の生活環境の違いを上手く演出していましたね。 

は: その二人が古いアパートの隣同士でありながら生活時間の違いからお互いを見かけた事はないものの、様々なでお互いを意識しあっているわけですね。
ゆ: 映像とともに今回の重要なテーマですね。鍵のジャランと響き合う音、ドアベルの音、コーヒー・ミルの音、フランス語レッスンCDの声、そして「風を集めて」の鼻歌、色んな音に意味を持たせていましたね。ただ、それがストーリー展開に少しばかり無理を強いていたり、逆にストーリーに今一つ絡みきれていないきらいはありましたけれど。
は: そのあたりはまなべゆきこ様の頭の中で描いた音と実際の演出での効果の齟齬があったのでございましょうね。
ゆ: ことほど左様に音を扱うとは難しいものなのですな(笑。でもね、映画が終わった後パンフレットを読んだらまなべゆきこさんが

「モノローグ無しで書こうと決めていた」

と語っておられたんだよね、これには一本取られました。観ている間は全然気づかなかったんですが、これを読んでから思い返すと、対談で麻生久美子が語っていたように鳥肌が立ちました

は: 音楽としてははっぴぃえんどの「風を集めて」が効果的に使われておりました。麻生久美子様がいつも鼻歌として歌っておられ、岡田准一様はそれを高校時代合唱した事があるから知っている、と言う設定でございました。
ゆ: 二人が全く別世界に暮らしているように見えて実は と言う伏線のネタとして、リアルタイムで聴いていた世代としては嬉しい採用ですね。それにしても30歳前後の世代だとこの歌を高校時代合唱するんですねえ(笑。
は: この伏線をうまく一番の見せ場のシーンに繋げておりましたね。
ゆ: 壁越しに見知らぬ二人が初めて気持ちを通じ合う場面ですね、今年見た映画の中でも出色の名シーンだったと思います。

Otonari_2
は: さてお待たせいたしました、麻生久美子様ですがいかがでございましたでしょう。自分と等身大の役柄がやっと来て嬉しかった、と語っておられますが。
ゆ: 今まで等身大の役柄が無かったとはねえ、麻生久美子の七不思議ですな(笑。本当に先日の「情熱大陸」での素の部分と殆ど変わらない感じでしたね、それでいてちゃんと演技になっていて何の違和感もない。オダギリジョーをして麻生久美子は生まれついての映画女優だと言わしめたのが良く分かりますね。
は: とは言え、パンフレットのまなべゆきこさんとの対談を読みますと、脚本をよく読み込んで理解していることも分かります。
ゆ: そうですね、でも彼女の場合理解と言うよりは肌で感じ取ると言ったほうが正しいかもしれませんね。

は: お相手役の岡田准一様はいかがでございました?
ゆ: 男前は得やのう(笑。まあ冗談はともかくとしてスクリーンの大写しに耐えられるだけの演技はしていましたよね、
は: ジャニーズでも何人か映画俳優として合格の人はいますけど、その一人でございましょうね。
ゆ: おっ、はむちぃ君言うねえ(笑。付け加えると音の映画に臨むということで「善き人のためのソナタ」を意識した、とパンフレットで語ってましたがこれには感心しました。

は: その他の役者さんはいかがでしたでしょうか?
ゆ: 堅実に脇を固められる人を配していますね、厳しい事をいえばそれ以上でも以下でもないキャスティングですけど。まあ、森本レオさんは久しぶりにはまり役でした。一点だけ文句を言わせていただくと、デリカシーのない女に関西弁を喋らせるのだけは勘弁して欲しかったです。

は: と言うわけでございまして、麻生久美子ファン必見の佳作でございます、是非どうぞご覧下さいませ。
ゆ: 映画館に行きますと、野島聡(岡田准一演じるカメラマン)撮影の写真も見られますよ、それにつけてもサイン入りのポスター欲しいのう。

は: ところでご主人様の基調音(普段意識していないけれどいつも聞こえていて、聞こえなくなると不安になるもの)は何でございます?
ゆ: そうですねえ、アンプのスイッチを入れる音ですかね(^_^;)。学生時代からず~っと長い間Sansui AU-607を使っていたんだけれど、そのトグルスイッチを上げると

「カシーン!」

っていう金属音的な付帯音を伴う音がしたんだよね、あれが好きでね、あの残響の無いスイッチを入れても今一つオーディオを聴く、と言う心構えにならないんだよね。
は: 今はオールアキュでございますが?
ゆ: パワーアンプクリーン電源のスイッチにそれに似た残響音があるんだよね、この感覚は残していって欲しいですね。

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2009/04/16

つみきのいえ

つみきのいえ (pieces of love Vol.1) [DVD]
はむちぃ: 今日は趣向を変えまして、短編アニメーションのつみきのいえ(La Maison en Petits Cubes)をレビューいたします。
ゆうけい: みなさまご存知の第81回アカデミー賞短編アニメーション賞をはじめとしてなんと20の賞を受賞した作品でございます。アカデミー賞受賞スピーチでは「サンキューべりマッチしか言えんのかこの人は」とはらはらしながら聞いてましたが、
は: 最後に「ドウモアリガトミスターロボト」で喝采を浴びましたね。
ゆ: その節は今日の一言・今日の一曲にも採用させていただきましたm(__)m

『まるで「積み木」のような家。
海面が、どんどん上がってくるので、
家を上へ上へと「建て増し」続けてきました。
そんな家に住んでいるおじいさんの、家族との思い出の物語。

監督・アニメーション 加藤久仁生(ROBOT)
脚本 平田研也
音楽 近藤研二
日本語版ナレーション: 長澤まさみ
(AMZON解説より) 』

は: 海外での評判が高いのも良く分かる、静かで切なくて心温まる物語でございました。
ゆ: 約20分と言う時間の中に一人の孤独な老人の人生を上手くまとめましたね。
は: 幼なじみと結婚し女の子が生まれ、その子の成長も見守るうちに恋人を連れてきて結婚し、老齢期には妻の介護をし見送ったという、何も特別なことの無い人生を逆回転の走馬灯のように見せる手法が光っておりましたね。
ゆ: それと水に沈みゆく世界を上手くシンクロさせましたね、地球温暖化への警鐘でもあるのでしょうか。

は: DVDには2バージョン入っておりまして、一つは無声、もう一つは日本語で長澤まさみ様がナレーションを担当されておられます。
ゆ: 長澤まさみのちょっと舌足らずのゆっくりとした喋り方もこの映画には悪くは無いけれど、無声の方が海外の絵本のようで味わい深い気はしますね。

は: アニメの画質や色使いもいかにも欧州風でございますしね。
ゆ: 色鉛筆風、パステル風、油絵具風といろいろと工夫を凝らして、欧州の絵本の雰囲気を狙っていますね。表記もフランス語で統一してありますから前情報無しに見せられたら誰でもフランスの作品と思うでしょうね。そのあたりがおそらくアカデミー賞の審査員に受けが良かった理由の一つかもしれません。
は: 脚本の平田研也様が仏文卒でいらっしゃることもあるのでしょうね。
ゆ: とてもあの「SHINOBI」の脚本を書いた人とは思えないですね(笑。

は: 意外と言えば音楽を担当されたのがウクレレシリーズの、、
ゆ: 栗コーダーカルテットのメンバーの近藤研二さんですね、まあこちらは不思議でも無いですけれど、静謐で美しい音楽でノスタルジアを上手く表現していますね。

は: と言うことでございまして、約20分と短い映画ではございますが2バージョン楽しめますし一見の価値はございましょう。
ゆ: ちょっと意地悪な言い方をすれば、日本人はどんなタイプのアニメでも作ってしまうんだな、と世界が認めざるを得ないような作品ですね。それにしてもこういう地味な短編映画って、受賞と言う事実がなければどこで誰が見るんでしょうねえ、そのあたりがちょっと不思議です。

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2009/04/08

スカイ・クロラ

スカイ・クロラ (通常版) [Blu-ray]
はむちぃ: みなさまこん**は、久々の映画レビューは、これまた久々のアニメーション映画「スカイ・クロラ」でございます。
ゆうけい: まあ、こないだのヤッターマンなんかもともとアニメですし、そんなんばっかりかよ、とも言われそうですが(笑。
は: そのタツノコプロの四天王のお一人だった押井守様の作品でございますね。
ゆ: そうそう、我々の世代には「うる星やつら」シリーズでお馴染みだけど、最近はすっかりアニメ映画界の巨匠になりましたね。
は: で、このスカイ・クロラは押井様としては「イノセンス」以来4年振りの作品で去年公開でご覧になりましたね。
ゆ: そうそうそうそうなだそうそう、結構期待して観たんだけど結果ちょっとレビューするにはどうかなあという感じだったんですね。でも今回ブルーレイ盤も出るとのことなのでこのタイミングで取り上げてみました。

『日本が誇るアニメ界の巨匠・押井守監督が手掛けた長編SFアニメ。現代に似たもう一つの世界。平和を実感するために“ショーとしての戦争”が行われる中、思春期のまま戦闘機のパイロットとなることを余儀なくされた通称“キルドレ”たちの運命を描く。

声優:菊地凛子 加瀬 亮 谷原章介 栗山千明
原作:森 博嗣「スカイ・クロラ」シリーズ(中央公論新社刊)
監督:押井 守
脚本:伊藤ちひろ
音楽:川井憲次
(AMAZON解説より)』

は: 確かに今までの押井作品と毛色が違いますし、評価の難しい作品ですね。
ゆ: 小説の映画化ということもあるでしょうけれど、今までとは違った寒色系で静かな映画であると言う印象がありますね。舞台をヨーロッパに設定していることもあるのでしょうけれども。
は: ショーとしての戦争を遂行するために産み出されたキルドレという設定も人間性を否定するような冷ややかさを感じますね。
ゆ: そこがこの映画の肝なんで、生命の尊厳を考えさせてくれるという点では優れた映画ではあると思います。だた、そのテンプレートとしてのSF的設定をどう感じるかによって大きく評価は分かれるでしょうね。正直言って私みたいにSFずれした者にとっては大して新味はなかったです。

は: アニメーションとしての出来は如何でございましょう?
ゆ: 押井さんがこだわる空戦場面や戦闘機に関しては文句のつけようがないほど素晴らしい出来です。日本のアニメの水準の高さをあらためて感じますね。それにひきかえ、人物造形があまりにも素っ気ないですね、これがこの映画の一番のウィークポイントで映画としての魅力を半減させていると思います。
は: たしかに空戦場面のリアリティに比べるとあまりにもスケッチ風の造形で淡白ですね。
ゆ: ただ、これを例えば「ベクシル」のようにキャプチャーモーションなどを導入したフルCG合成で3D映像にすればリアルになるのかと言えば、これまたうそ臭くなるし困ったもんだねえ。
は: 本当に今日本のSFアニメは難しいところに来ているのかもしれませんね。
ゆ: 初代ガンダムの作画レベルの頃が日本のSFアニメ界の一番幸せな時代だったのかもしれませんね。

は: 声優さんたちは如何だったでございましょう?
ゆ: まあ、一言で言うと、、、、、話になりませんね(苦笑。オーディションで選ぶより、しっかりした声優さんを使えと声を大にして言いたいです。それはまあベクシルの松雪泰子さんでさえ例外じゃないけどね。

は: という事でございまして、日本のSFアニメのレベルの高さと限界点の双方が問題提起された作品と言えましょう、ちなみに押井様には今後どのような展開を期待しておられますか?
ゆ: 「うる星やつら」の新作とか(笑。まあ、冗談はともかくとして私と同じく熱狂的な光瀬龍ファンと聞いているので、「百億の昼と千億の夜」の映画化は是非彼にやって頂きたいです。

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2009/03/14

ヤッターマン

Fukakyon
はむちぃ: こ、これはヤッターマンのドロンジョ様、、、松雪泰子様の次は性懲りもなく深田恭子様でございますか、トホホ。
ゆうけい: ちっちゃい事は気にするな、あ、それ、ワカチコワカチコ~!
は: ゆ、ゆってぃ、、、、、 (-_-;)。
ゆ: まあはむちぃ君、そう肩を落とさんでも(^_^;)、それなりに面白かったですぞ。

『玩具店の息子ガンちゃん(櫻井翔)は、ガールフレンドの愛ちゃん(福田沙紀)とともに、ヤッターマンとしてドロンボー一味と日夜戦っている。ある日彼らは、一味が狙うドクロストーンのひとつを発見した海江田博士(阿部サダヲ)の娘・翔子(岡本杏理)と出会う。博士が消息を絶ったエジプトに、ドロンジョ(深田恭子)、ボヤッキー(生瀬勝久)、トンズラー(ケンドーコバヤシ)らが向かったと知ったガンちゃんたちは、ヤッターワン(山寺宏一)に乗って追いかける。

監督:三池崇史
原作:竜の子プロダクション
脚本:十川 誠志 

出演:櫻井 翔、福田沙紀、岡本杏理、阿部サダヲ
生瀬勝久、ケンドーコバヤシ、深田恭子』

は: 竜の子プロの代表作にして、TVアニメ・タイムボカンシリーズ最大のヒットシリーズ、ヤッターマンの実写化でございますが。
ゆ: 不思議な事にタイムボカンシリーズで唯一タイムトラベルしないんだけど、何と言ってもドロンボー一味のキャラが人気の秘密だね。
は: それに加えまして奇妙奇天烈なメカの数々、それに「説明しよう」などの様々なお約束事がてんこ盛りの偉大なるマンネリズムでございましょう。
ゆ: 監督の三池崇史もその辺のことは良く分かっていてヤッターマン・ワールドを忠実に再現しながら思いっきり遊んでいましたね、見事な吹っ切れぶりです。特筆すべきはそのテンポの良さでしょうね。いきなり戦闘場面から初めてパターン化されたヤッターマンの筋立てや約束事のギャグを目一杯詰め込みつつTVシリーズ三本分くらいの分量を一気にこなしてクライマックスに持っていくところなんかは見事なもんだと思いました。
は: そのあたりは真面目に作らないといけないハンデがある「20世紀少年」と違って楽しんで作ってますよね。
ゆ: そうそう、漫画を実写化する愚かさを分かってやってるところがいいです。同じうん十億かけるのでも、原作や映画会社に臆せず遠慮せずパロディ化すると監督の個性が光ってきますよね。
は: 少々お下劣な漫画の実写化を任されるのなら、一見子供向けに作りながらあちこちに毒を効かせてやろうという魂胆がそこかしこに見られましたよね。
ゆ: 子供が下世話でシンプルなシモネタで大笑いしている一方で、付き添いのお父さん方はそこかしこに仕組まれたパロディがツボにはまってニヤニヤするという感じですね。

は: 大人といえば竜の子プロ黄金時代がリアルタイムだった世代には懐かしいあくびちゃんやみなしごハッチなどのキャラもさりげなく出しておりましたね。
ゆ: リメーク版のヤッターマンの初回にも出てましたからね、今回はそれに加えて、去年復活したインディアナ・ジョーンズも出てきましたね(笑

は: さて、いよいよ出演陣でございますが。
ゆ: 一に深キョン、二に深キョン、三、四がなくて五に生瀬、阿部といった所ですかね(^_^;)。
は: そ、それではジャニーズ事務所や完璧な美女と言われる福田沙紀様、ヒロイン役の岡本杏理様の立つ瀬がございません(--〆)。
ゆ: 多分三池監督はそれが分かっていてなおかつ惜しみ無い愛情を深キョンに注いでますね、エコヒイキ結構という彼の強い意思が見てとれて痛快でした。お父さん世代としてはやっぱり実写のドロンジョが見たいわけですから、この姿勢は高く評価したいと思います!
は: は、はあ、いつもの蒼井優礼賛はどこへいったのでございましょう(嘆息。
ゆ: 深キョンは確かに所謂ダ●コンなんですけど、その美貌とダ●コン振りがぴったりはまる役柄をやらせると、とんでもない輝きを放つんですね、「富豪刑事」なんかがそうでしたけど、面白い女優さんです。

は: 他の役者さんはいかがでしたでしょうか?
ゆ: 生瀬勝久はそとばこまちの槍魔栗三助の頃の荒削りなパワーがちょっと戻ってきた感じがしましたね、何故かネズミ男の大泉洋の演技とかぶるような気もしましたが。阿部サダヲは出演時間は短いんですけど舞妓Haaan!!の怪演を髣髴とさせるところがありました。まっ、そんなもんですか。
は: ほんとに深キョン様以外見てなかったんじゃございませんか(;一_一)。
ゆ: そんなこと無いよ、小原乃梨子さん(ドロンジョの声優)が出てきた時は嬉しかったよ。

は: はいはい、という事で春休みにお子様を映画に連れて行かなきゃならないお父様方にはお勧めでございます。
ゆ: エンドロールの後でお約束の「来週の予告だべ」もございますのでお見逃しなく(^O^)

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2009/03/07

デトロイト・メタル・シティ

デトロイト・メタル・シティ スタンダード・エディション [DVD]
はむちぃ: 今回のレビューも「20世紀少年第2部」に引き続きまして、コミックの映画化でございますね。
ゆうけい: まあ、TVも映画も猫も杓子も漫画原作の時代ですからねえ、まあ20世紀少年と違ってお気楽映画ですから肩の力を抜いていきまひょか。
は: お目当ては「カムイ外伝」主演の松山ケンイチ様の偵察でございますか?
ゆ: 白土先生~大丈夫でしょうか~(ToT)、ってチャウチャウ、松山君は「男たちの大和」「NANA」「人のセックスを笑うな」あたりで十分評価してますよ。タッパもあるし、カムイは十分演じられるでしょう。それよりもこの映画と「容疑者Xの献身」で日本アカデミー賞助演女優賞をかっさらった松雪泰子さんお目当てですね(笑。
は: 今度は松雪様ですか~なんて突っ込みいれられますよ(;一_一)。

『若杉公徳の人気漫画を松山ケンイチ主演で映画化。お洒落な渋谷系ポップソングミュージシャンを夢見て上京した心優しき青年・根岸崇一は、なぜかデスメタルバンドのギターボーカル、ヨハネ・クラウザー2世として活動することになり…。

松山ケンイチ、加藤ローサ、秋山竜次、細田よしひこ、宮崎美子、松雪泰子、ジーン・シモンズ(KISS) 他出演』

は: 。。。。。(-_-;)
ゆ: 。。。。。(・・;)、予想以上にひどいもんですな。
は: 確かに娯楽作品としてお約束どおりの起承転結にはなっておりますが、
ゆ: 若い人はこれにある程度のリアリティを見出せるんですかねえ。ありえんだろ、と言うシチュエーションのオン・パレードですな。

は: デスメタルと渋谷系ポップの歌い分けくらいでしょうか、ちゃんとできてたのは?
ゆ: 確かに松山ケンイチは上手く演じ分けていましたね。ただ、あれがデスメタルかと言われると違うんじゃないかね、確かに歌詞は映画の最後にお断りを入れなきゃいけない様な内容だったけど、ビジュアルや音楽的にはKISS聖飢魔IIの模倣だよね。大体バンド名のDMCからして、KISSの「Detorit Rock City」のもじりでしょうしね。
は: 特別出演されたジーン・シモンズ様のKISSもデスメタルではありませんしね。
ゆ: そうそう、メークとパフォーマンスのインパクトが強すぎるんで誤解されるんでしょうけれどもKISSの全盛期にデスメタルという言葉はなかったですね。ハードロック/ヘビーメタルの端境期に位置していたバンドだったと思います。
は: 一方で主人公の地の方は、渋谷系フォークはみんななよなよのオカマちゃんなのか?と言われそうな描き方でしたね。
ゆ: デスノートのLもそうでしたが、松山ケンイチは上手いんだけど極端に演じますね。楽曲を提供したカジヒデキも心が広いねえ(笑。

は: さて、主人公をデスメタルに引き込んだ社長の松雪泰子様でございますが、、、
ゆ: 「容疑者X」での鬱憤を一気に晴らすような見事なはじけ方でしたな(笑。本人はもうこの映画には触れられたく無いらしいけど、そりゃまあそうでしょうな。
は: タバコを舌で消すわ、蹴りまくるわ、決まり文句は「そんなんじゃ濡れねえんだよ」ですもんね。
ゆ: 助演女優賞というよりは「アンタようやらはるわ賞」を差し上げたいくらいですね。まあ存在感は抜群ですから彼女を見るだけでも借りて見る価値があるんじゃないですかね。

は: というわけでまあ暇つぶしにちょっと刺激が欲しい、という時には最適の映画でございましょうか。
ゆ: できればジーン・シモンズには本来の火吹きをやって欲しかったですけどね。

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2009/02/28

20世紀少年-第2章-最後の希望

20th2nd
はむちぃ: おや、20世紀少年の実写映画は第1章で懲りて、レンタルまで待つと言っておられたような(;一o一)?
ゆうけい: いやあ、やっぱり気になってねえ(^_^;)、観てきちゃいました「20世紀少年-第2章-最後の希望」を。

『 西暦2015年。2000年に起こった「血の大晦日」は、ケンヂたちが行ったものとされ、それを阻止した“ともだち”は世界の救世主として崇められていた。ケンヂの姪、カンナは高校生に成長し、学校で習う「血の大晦日」に憤りを感じていた。そんなカンナは学校で問題児扱いされ、「ともだちランド」に送られることに。それは、社会のルールからはみ出した人間を洗脳する施設だった。

監督 : 堤幸彦
原作・脚本・監修 : 浦沢直樹、長崎尚志
出演 : 豊川悦司 、 常盤貴子 、 平愛梨 、 香川照之 、 ユースケ・サンタマリア 、 藤木直人 、 石塚英彦 、 宇梶剛士 、 小日向文世 、 佐々木蔵之介 、 黒木瞳 、 唐沢寿明
(goo映画より) 』

は: 第1章は原作のコアだけを時系列でまとめたダイジェスト版のような作りになって失敗しているとおっしゃいましたが?
ゆ: それが驚いた事に、ブリッジに過ぎない中間部にしてはわりと良く出来ていたんですよ!今回は構成を映画用に徹底的に練り直しましたね、後でパンフレットを読んだらやっぱりその旨を長崎氏が書いてました。
は: 長い中間部ですから、そのまま作っていると恐ろしく長時間になってしまいますもんね。
ゆ: そうそう、だから取捨選択して切り取られた部分も多いし、原作とは異なる展開もあったりして、ファンには賛否両論があるだろうと思いますが、一本の映画としては良くまとめてあると思います。

は: 前回も役者は原作の雰囲気を忠実に再現していて良いキャスティングだとおっしゃってましたが、今回15年経ったメークはいかがだったでございましょうか?
ゆ: これも良かったですね。今回生き残り組では豊川悦司のおっちょ、香川照之のヨシツネ(冒頭写真左)の二人が中心となるのですが、メーク、演技とも原作のイメージ通りで素晴らしい出来でした。それ以外では13番(ともだち側の殺し屋)のARATAが鮮烈な印象を残してくれましたね。
は: 新たな登場人物ではやはり遠藤カンナ役の平愛梨様(冒頭写真右)、小泉響子役の木南晴夏様が中心でございますね。
ゆ: カンナになりきろうと努力すると、天然でそっくり過ぎる木南の対比が面白かったですね(笑。

は: 最近のマルチメディア戦略の常で細部にも凝ってありましたでしょうね。
ゆ: まあ色々とね、一番気に入ったのはサダキヨ(ユースケ・サンタマリア)の乗る、たった330台しか作られなかった幻の名車TOYOTA 2000GTのナンバープレートを「20-00」にして実際に公道を走らせているところですね(笑。

は: では映画としては合格点だと言う事でよろしゅうございましょうか?
ゆ: それが難しい所でね、キャストやスタッフがどう頑張っても実写だとあまりにも荒唐無稽になってしまうところがこの原作の泣き所ですよね。前田有一の発言を前回も引用しましたが、何億と言うお金をかけてこのような幼稚な映画を作っていいものかどうか、本当に考え込んでしまいますね。
は: あんな変な党首を日本が、ましてや全世界が支持するとはとても思えませんよね。
ゆ: 「あ~そびましょ」に「ばっはっは~い」ですからねえ(苦笑。でもまあ、原作ファンなら一見の価値はあると思いますよ。

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2009/02/23

ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌

ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌 スタンダード・エディション [DVD]
はむちぃ: 皆様お久しぶりでございます、はむちぃでございます、見事「おくりびと」がアカデミー外国語映画賞日本アカデミー賞10冠に輝きましたこの時期に何故か「ゲゲゲの鬼太郎」第二弾「千年呪い歌」のレビューでございます。
ゆうけい: 皆さんこんにちは~、中山功太です~、R-1取るのと前髪無くなるのとどっちが早いか心配してましたけど、お陰さんで取る事ができました~、はは、違うかっ!
は: 違いますっ!功太ファンのご主人様にはおめでたい事でございますがR-1GPではございません、それも何でゲゲゲでございますか、と訊いております(-_-;)。
ゆ: ただいまから、「そこまで日本の法律厳しく無いよ」をお送りいたします、ピ、ピ、ピ、ピ~、「Ge3もあこまでオカルトチックなのは確信犯やで~」、違うかっ!
は: 違います、オーディオのGe3ではございません、エ・イ・ガ!ですってば(--〆)

ゆ: まあまあ、はむちぃ君そうそう興奮せずに(^_^;)、まあ「おくりびと」、当ブログでは結構厳しい評価をしましたが賞はそこそこ取るとは思ってました。けど、なんぼなんでも日本アカデミー賞10冠は取りすぎでしょう。
は: おまけにモックンの義母様を司会に持ってくるなんてちょっとあざとうございましたね。
ゆ: そうそう、主演男優賞はあの中じゃどう見ても堤真一でしょうねえ、まあそれはそれとしてゲゲゲの鬼太郎、第一弾を取り上げた時に第二弾公開が決まっておりましたし、渾身の名演技が向こうが山埼努ならこっちは故緒形拳さん、ヒロインが向こうが広末ならこっちは麗奈ちゃんだぜ!と言うわけで取り上げてみましょうか。まあ敢えて向こうがモックンならこっちはウェンツだぜ、とは申しませんが(危。

『水木しげる原作の人気漫画を豪華キャスト共演で実写映画化したシリーズ第2弾。“かごめの歌”を聞いた女性が失踪する怪事件が発生。事件の背後に妖怪の関与を感じ取った鬼太郎は、千年の時を経て蘇った悪霊の呪いが原因であることを突き止める。

【キャスト】
ウエンツ瑛士
北乃きい
田中麗奈
大泉 洋
田の中 勇
間 寛平

河本準一(次長課長)
ブラザートム
星野亜希
上地雄輔
中川翔子(友情出演)

寺島しのぶ
ソ・ジソブ
佐野史郎
笹野高史
萩原聖人
室井 滋
緒形 拳

【スタッフ】
原作; 水木しげる
脚本; 沢村光彦
監督; 本木克英
製作; 松本輝起・亀山千広
(AMAZON解説より)』

は: 今回は第一弾に比べて安心して観ていられましたね。
ゆ: ウェンツの鬼太郎に慣れた事と、敢えて下手な子役を出さずに人間側の主人公を北乃きい一人に絞ったところが良かったですね。
は: 脇を固める俳優さんも良かったのではないでしょうか。
ゆ: それでも人間を守るのか、と迫るぬらりひょんが緒形拳さんですし、人間に恨みを持ち、ぬらりひょんに騙されて人間の魂を集める薄幸の妖怪が寺島しのぶですからね、良いキャスティングでお遊び映画の中に一本筋を通したところに好感が持てましたね。

は: 前回は全然怖く無いのが致命的と申されておられましたが?
ゆ: そうですねえ、前回よりは笑いと怖さのバランスは改善しましたが、やっぱりあまり怖く無かったですねえ~(苦笑、導入部でもっと怖がらせてくれないと北乃きいの恐怖が全然伝わって来ないですよね。妖怪同士の戦いもまだ笑いの要素が勝ってますし。
は: 鬼太郎様の活躍も今一つでしたね。
ゆ: 前回よりは演技できてたのは評価できますが、相変わらずうじうじしてますねえ、もっと強い鬼太郎が見たいですね。
は: 強い鬼太郎綺麗な猫娘でございますね(一o一)。
ゆ: 麗奈ちゃんの衣装だけは前回の方がよかったですね~(^^ゞ。

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2009/02/05

ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発

ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発 [DVD]
はむちぃ: 皆様こん**は、はむちぃでございます。2月に入りまして、いよいよきいちご賞が間近となって参りました。
ゆうけい: どもっ、トホホ映画探検隊のゆうけいどぇっす、じゃあ前祝でトホホ映画を鑑賞しましょうか、はむちぃ君!
は: どうしてトホホ映画になるとこうテンションが高くおなりになるのでございましょうかね、で、何をご覧になるので?
ゆ: 北野たけし大先生のおふざけ怪獣映画にして、松竹唯一の大怪獣ギララを現在に蘇らせた「ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発」でございます!(^^)!。

『 第65回ヴェネツィア国際映画祭・公式招待作品 「日本以外全部沈没」を超える大スケールで贈る、爆笑特撮パニック・ムービー!
<ストーリー> G8(主要8カ国首脳会議)の首脳が一堂に会して行われるこの夏一番の国際イベント<北海道洞爺湖サミット>。地球温暖化防止など重要な議題の数々に会議が白熱する中、札幌に宇宙から飛来した大怪獣がギララが出現した!サミットは急遽、<G8宇宙怪獣対策作戦本部>に変更され、各国首脳が様々な退治法を提案、地球防衛軍がそれを実行するがそのすべては失敗、さらに地球制服を企む悪の集団に会議場はジャックされ、ついに人類滅亡と地球崩壊のカウントダウンが始まった!! 取材に訪れていた記者・すみれは、伝説の守り神“タケ魔人”に助けを求めるが…。』

は: これはまた、60-70年代怪獣映画へのオマージュでもありながら、政治的に危ないネタ連発のスリル万点の映画でございますね。
ゆ: 全く、五社協定を何と考えているのでしょう、松竹怪獣に大映の大魔神をぶつけるとは失礼千万な(^_^;)!
は: ちがいますっ、G8の各国の弱みをバンバン突っこみつつ最後は某隣国を「地球制服を企む悪の集団」に仕立てるところなどでございましょっ!
ゆ: チープな物真似芸人に安部元首相、小泉元首相、金正日氏なんかをやらせるところなんか、たけしのセンスなんでしょうねえ。
は: それにしても現実世界でサミットをやる頃にはや~めた、で福田(これまた前)首相になってたところなんか、現実政治の方がチープでしたね(毒)。
ゆ: 全く、あの頃から安部元首相は腹が痛かったんですねえ(笑。ヘタレ振りをアメリカ大統領に笑われるところなんか、同じ日本人として真剣に情けなかったですね。

は: まあ、他の国の代表もそれなりに弱みを突っ込まれておられましたし、、、(^_^;)
ゆ: 某フランス代表はスケベだし、某ロシア代表は要人暗殺をほのめかすしね(笑。おまけに最後はポテドンまで飛び出すし、まあそれでもギララタケ魔人の敵ではなかったですね(^O^)。
は: それにしてもギララの造形は懐かしいとは言え、今見るとトホホでございますねえ、カネゴンをパクってごてごてあれこれくっつけたとでも申しましょうか。
ゆ: それに比べると大映の大魔人は意匠的に古さを感じさせませんね。ガメラもそうですし、大映は東宝のゴジラシリーズには及ばないにしても、当時しっかりと特撮映画に取り組んでいた事が分かりますね。

は: と言うわけでやっとストーリーに参りますが、しっかりとあの頃の怪獣映画の作法を守っているにもかかわらず、トホホになってしまうのは時代の流れでございましょうね。
ゆ: では恒例に従いまして不詳不肖ゆうけいが列挙させていただきますm(__)m。 

・宇宙からやってきた胞子の突然変異での怪獣化
・都市の破壊(必ずビルは叩き潰す)→発電所の破壊(必ず電線はちぎられる)
・火山エネルギーを利用してのおびき寄せ
・珍妙な作戦による全く無駄な攻撃
・対策本部へ迷い込んだ少年が怪獣を命名する(ガメラシリーズのギャオスがそうでした)
・新聞記者とカメラマンが解決の糸口を発見する(よりによって東スポ(笑))
・魔人を呼び出す変な踊りをする集団(ネチコマ!で誰が出てくるか一発で分かります)
・やられた怪獣は必ず爆発する

は: お見事でございます。それに出演陣もなつかしの顔を揃えておりましたね。
ゆ: ウルトラマンの黒部進、キャプテンウルトラの中田博久、健在ですね。ベータカプセルが出てきたのには笑いましたが。あとはもう何と言ってもトホホ映画には欠かせないこの方、故水野晴郎大先生ですね、痛々しいお姿でしたが、しっかり脳裏に焼き付けさせていただきましたm(__)m。

は: 何だか今日のレビューはトホホ系の臭いがしませんね(・・?
ゆ: まあ百聞は一見にしかずで、見ればしっかりトホホ系でございます、トホホ系竹をさし上げましょう。
は: おおっ、竹は初めてでございますね、多分、ん?ひょっとしたらたけし様で
ゆ: おあとがよろしい様で~。

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2009/02/01

おくりびと

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はむちぃ: 皆様こん**は、本日はモントリオール世界映画際グランプリに輝き、アカデミー外国語映画賞にノミネートされました「おくりびと」をレビューいたします。
ゆうけい: こん**は、ブラッド・ピットです~、ベンジャミン・バトンで今度のアカデミー賞は頂きです~、ははっ、違うかっ!(^O^)
は: 違います、外国語映画賞でございます(--〆)。
ゆ: まあ、向こうの人にはこういうのは目新しいでしょうからひょっとしたらひょっとするかもしれませんが、まあそれよりキネマ旬報の2008年度ベスト1に選ばれていますから、それなりの映画なんでしょうね。

『 楽団の解散でチェロ奏者の夢をあきらめ、故郷の山形に帰ってきた大悟(本木雅弘)は好条件の求人広告を見つける。面接に向かうと社長の佐々木(山崎努)に即採用されるが、業務内容は遺体を棺に収める仕事。当初は戸惑っていた大悟だったが、さまざまな境遇の別れと向き合ううちに、納棺師の仕事に誇りを見いだしてゆく。(シネマトゥデイ)

監督: 滝田洋二郎
脚本: 小山薫堂
音楽: 久石 譲

キャスト: 
本木雅弘
広末涼子
山埼努
余貴美子
吉行和子
峰岸徹、杉本哲太、山田辰夫 他 』

は: 笑いあり涙ありで、死と向き合う仕事と親子の絆を捉えた佳作ではございますが、、、
ゆ: 何とも雑な映画ですね~、これが1位ですか~、キネ旬さん?脚本が生硬で先が読めてしまうのは、まあ映画初脚本の小山薫堂だからある程度仕方無いにしても、演出にアラがやたら目立ちすぎますね。とても「壬生義士伝」を撮った滝田洋二郎だとは思えませんでした。
は: 演出の瑕疵とは例えばどういうところでございますか?
ゆ: ストーリーがばれない程度に細部にこだわって言いますと

山埼努につけられた頬の傷が次のシーンではかけらも残っていない本木雅弘
タコが生きていると貰った時にわからない広末涼子
そのタコをわざわざ「」に放流したら死んでしまって唖然とする本木雅弘
隣の人が絞めてくれた鳥の「」を皿に乗せる広末涼子
の遡上が完全にオモチャ
親が残してくれたクラシック喫茶に残されたJBLDiatone(多分)をアナログで鳴らす場面があるのに、全くそういう風にイコライジングしていない
に実家に帰りに戻ってきて「妊娠」を告げる広末涼子
その間、やたら川原の土手でチェロを弾く本木雅弘
死後もう手を組んで貰ってるのにまだを握り続けていた故・峰岸徹(お悔やみ申し上げます)

ああしんど、これを見ると先日大した事が無いと言ってたクロサワの完全主義が懐かしいわ(爆。
は: 良くそれだけ並び立てたモノでございますねえ、オーマニならではのご意見もございますし(-_-;)。でも確かに言われてみればそうでございますね。で、脚本が生硬とはどういうところでございましょう?
ゆ: まあ、起承あたりはテンポもまずまずで良いんですが、そのあたりで誰と誰が死んでストーリーが転結するかミエミエになってしまうところが一番の欠点でしょうね。途中でラストがわかってしまう映画程情け無いものはありません。それでも吉行和子さんが亡くなって泣かせてくれる所くらいは評価して良いですけど、あとは商売柄もあってか全然泣けませんでしたね。

は: 商売柄、というお言葉が出ましたが、彼等がおくりびとならご主人様は

「おくりだしびと」

でございますね。
ゆ: まあね、言ってみれば我々の敗北から彼らの仕事が始まるわけで辛いのは辛いんだけど、結構繋がりの深いお商売なんですよね。
は: 病院でもある程度の処置はされるんですよね。
ゆ: そうそう、どこの病院の詰め所にも「エンゼルセット」て言うのがありましてね、この映画で納棺師が行う程では無いにしてもそれに近いような処置は、大抵の場合看護師がしてさし上げるんですよ。
は: それにしても納棺師と言うご職業が存在するのは存じ上げませんでした。
ゆ: 外国人の方が見ると日本の伝統技術集団だと勘違いしそうですが、昔は大抵親族が行っていたし、今も必ずしも遺族の前であのような方が納棺されるわけではなく、葬儀会社が見えないところでされている場合も多いと思いますけどね。
は: パンフレットによりますと、1969年ごろに函館で漁船沈没事故があった際に30以上ものご遺体を納棺する際地元の花屋さんが手伝ったのがきっかけらしゅうございます。
ゆ: 歴史は浅いんですね。まあ、「死」というものが見えにくくなっている事が現在の日本人の精神の荒廃に影響していると常々思っていますので、こういう形で目の当たりに「死」を見る事ができるのは良いことだと個人的には思いますね。

は: それなのにこのお仕事が忌み嫌われているのがこの映画でも大きいテーマになっておりますね。
ゆ: 井沢元彦氏曰くの「穢れの思想」ですね。広末涼子がこの映画で一番難しかったと語った

穢らわしいっ!

と叫ぶ場面がいみじくもそれを象徴していますね。彼女が「穢れの系譜」やこの職業におつきになっている方のバックグラウンドまで理解して演じていたかは分かりませんが、日本人の無意識の精神の中に刻み込まれているのが良くわかるシーンですね。
は: 職業に貴賎の区別は無いとうわべでは申しておりますが、、、
ゆ: 実際は日本人が文明を築き始めた頃からはっきりとつけてきたんですね。同和教育とか大きな事を言ってても、こういう映画を見ると現実がどういうものかが良くわかりますね。

は: さて、俳優陣の頑張りはいかがでございましたでしょう。
ゆ: これもまずまずと言うところですね。山埼努、吉行和子、余貴美子あたりのサポートあってこその、本木、広末の好演だったと思いますが、これで広末にハリウッドからオファーが来ると言うのもちょっと過大評価かなと思いますね。それにしても本木君、服を脱ぐと凄いんですね(笑。

は: という事で最後に一言お願いいたしいます。
ゆ: はっきり言って、外国人には物珍しいので過大評価され、それを日本人が真に受けているところがあると思います。虚心坦懐に見ればもっと改善点があったと思いますから、今回のスタッフはもっと精進してよりよい映画を作って欲しいです。

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2009/01/22

椿三十郎

椿三十郎 通常盤 [DVD]
はむちぃ: 皆様お久しぶりでございます、筆頭執事のはむちぃでございます。最近執事と羊を間違えるCFが流れておりますが、「しつじ」でございます。
ゆうけい: 良く家内に、「ちょっとそこのひつじひつじ」、と呼ばれておりますからな(笑。
は: ショボンでございます(涙、とまあ前置きはさておきまして、今回のレビューはその奥様が大ファンの織田裕二様主演「椿三十郎」でございますね。
ゆ: そうそう、私も彼の演技力や映画への情熱は評価しておりますので、クロサワ映画への挑戦は興味があったんです。劇場へは行けませんでしたがやっとDVDで観る事ができました。
は: 一部には無謀な挑戦できいちご賞の方に近いんじゃないかという噂もございますが?
ゆ: 私はクロサワ映画にそれほどの幻想は抱いていないんですよ。彼の映画は芸術映画ではなく大衆映画だと思ってるクチですので名前負けなんか気にせずに面白いリメーク版ならどんどん作っちゃえば良いと思うんですよね。三船敏郎にしても以下同文です(笑。
は: 承知いたしました、では解説から参りましょう。

『1962年に公開された、巨匠・黒澤明監督と主演・三船敏郎コンビの不朽の名作『椿三十郎』の主人公は、当時日本全国の観客の圧倒的な支持を受けた。

一見、無精ひげを生やしたただの素浪人。しかし類まれなユーモアで人を煙に巻き、卓越した知恵で多くの試練を乗り越え、その必殺の剣で絶体絶命の危難をなぎ倒す。しかし、なにより人々を魅了したのは「弱い立場の人々を、困っている人を見て見ぬフリができない!」という、その心意気。ちょっとおせっかいかも知れないが、頼りになる男・椿三十郎の手に汗握る活躍を描いた、超一流のエンターテインメント作品が、ついにDVDで登場!!

製作総指揮:角川春樹
監督:森田芳光
原作:山本周五郎「日日平安」
脚本:菊島隆三・小国英雄・黒澤明
音楽:大島ミチル
出演:織田裕二・豊川悦司・松山ケンイチ
風間杜夫・西岡馬・小林稔侍
中村玉緒・藤田まこと 他
2007「椿三十郎」製作委員会
(AMAZON解説より)』

は: 脚本を殆ど変更せずになおかつなかなか面白く楽しめる娯楽映画になっておりましたね。
ゆ: 普通の映画としては十分合格点じゃないでしょうか、織田裕二の侍姿とあの疳高い声も意外と違和感がありませんし、豊川悦司もタッパの大きさが幸いして好敵手としての存在感を示していましたね。
は: マスコミや評論家の方々には織田裕二様に対する反感が結構多いようでございますね。
ゆ: すぐにみんな三船・仲代と比べるとどうしても見劣りが、なんて言うんですよね。名前だけで頭から向こうは大物こっちは小物なんて決めつけちゃあいけません、個人的には娯楽映画として十分な演技をしていたと思いますよ。

は: あえて俳優陣で難点を探すとすれば、いかがでございましょう?
ゆ: そうですねえ、やっぱり今の若い女優さんには着物姿と台詞回しが似合いませんね。鈴木杏なんか、蒼井優ちゃんとの名コンビ作「花とアリス」ではハマり役でしたが、今回はちょっと違和感ありましたねぇ、まあこれはもう時代や若い方の体型からして仕方ないんですけどね。
は: その点、中村玉緒様など、手なれたものでございましたね。
ゆ: 実は時代劇映画は久しぶりでいらっしゃるそうなんですけど、何の違和感も無く良い味出しておられますよね。

は: 原作は当然モノクロでございますが、今回はカラー映画でそれを活かした演出もございましたね。
ゆ: 椿の色を出すのに昔は苦労したという有名なエピソードがあるのを意識したんでしょうね、それを今回は逆手に取ってど派手に演出しましたね。これはまあ賛否両論出ても仕方ないでしょうけど。それと対象的なのが最後の対決シーンでの血しぶきですね。
は: 1960年代には衝撃的なシーンでございましたでしょうけれども、今の時代あの程度の血しぶきではそれほどの刺激はございませんものね。
ゆ: そうですね、その点が森田芳光には辛いところだったでしょうけど、敢えて無理な演出はしなかったですね。だから映画の流れの中で特に違和感無く演出されており、こちらは無難におさめたと評価できると思います。

は: では森田芳光監督のクロサワ映画のリメークの手腕は合格点ということでよろしいでしょうか。
ゆ: まあまあそうですね、前田有一の35点はご愛嬌としても(笑、60点以上はあげて良いんじゃないでしょうか。あえて言わせてもらうと、テレビの影響なのか織田裕二のリクエストなのか、どアップのシーンが多くて原作と比べるとちょっとテンポが停滞するところがあったように思います。原作があの時代にしては凄くテンポの速い映画でしたので現代の映画のテンポから考えるとせわしないくらい速くなるかと思ったんですがその点は意外でしたね。
は: そういたしますと、黒沢様はあの時代には傑出した軽快なテンポの時代劇を作っておられたんでございますね。
ゆ: もちろん編集の野上照代さん、脚本の菊島隆三さんといった所謂「黒沢組」全体での評価をしなければいけないと思いますが、そう考えて良いでしょうね。

は: では最後に一言お願いいたします。
ゆ: 「世界のクロサワ」と言う名前に引けをとらないだけの価値のある作品になっていると思います。若い方でこの映画を面白いとお感じになれば、ぜひ原作の方も観て頂きたいですね。あと一言言わせてもらえば、もともとこの映画は「用心棒」の続編として製作されたという経緯があります。できれば織田裕二にはその順番でやってほしかったかなと思いますね。

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2009/01/10

クライマーズ・ハイ

クライマーズ・ハイ (Blu-ray Disc)
はむちぃ: 皆様こん**は、今年初の映画レビューはとんでもない事(カンフーパンダ)になってしまいました故、邦画の方はキネマ旬報2008年度第8位を獲得しました力作「クライマーズ・ハイ」を選んでみました。
ゆうけい: 我々の世代に強烈な衝撃を与え、私自身未だに鮮烈に記憶に残っている日航ジャンボ機墜落事故を扱った映画ですので見たいのが半分、追いかける地元新聞社の内情を描いた映画ということですので見たくない気半分、と言うところだったんですが、大変な力作という評判でしたので見てみましょう。

『 走り、叫び、書いた。
 新聞記者たちの激動の一週間。横山秀夫原作による同名原作を『魍魎の匣』の原田眞人監督が映画化した社会派ドラマ。85年8月、群馬県御巣鷹山に日航ジャンボ機が墜落。未曾有の大惨事を取材することになった地元新聞の記者たちの激動の一週間を、緊迫感あふれるタッチで描く。

 群馬県,北関東新聞社。地元が現場となった,航空機事故の全権デスクに任命されたのは,組織から一線を画した遊軍記者・悠木和雄(堤真一)だった。モラルとは?真実とは?新聞は<命の重さ>を問えるのか?プレッシャーに押しつぶされながらも信念を貫き通そうと必死にもがいた悠木が見たものは?これはあの暑かった夏をひときわ熱く駆け抜けた新聞記者たちによる濃密な日々の記録である。

【スタッフ&キャスト】
《製作》若杉正明
《監督》原田眞人
《脚本》加藤正人/成島出/原田眞人
《出演》堤真一、堺雅人、山崎努

AMAZON解説より』

は: 地元新聞社を通して描いたあの夏の記録として見応えのある映画でございましたね。
ゆ: 確かに主人公の堤真一をはじめとして社内各部署の人物像を実にリアルに的確に描いており、その辺はさすが原田眞人だなあと思いましたね。携帯電話もPC端末もデジタル印刷も無い時代の新聞社の苦労というのも良く分かりました。でも、逆に言うとそれだけなんですよ。後は何も描いていないし、分かりにくいところも多い。。。
は: 導入部で幾つかの年代が細切れに錯綜して分かりにくうございましたし、高嶋政宏様など何のために出てきたのかさっぱりわかんないままくも膜下出血で倒れちゃいましたね(苦笑。
ゆ: やっと事情が分かるのが中盤近くで、しかも日航機事故とは何の関係もない

「社内事故処理係」

だったんだよね。
は: 何じゃそりゃ(--〆)みたいで気の毒でしたね。

ゆ: でもそれより何より許せないのは、日本航空機史上最大の犠牲者を出した事件だというのに、彼等のやってる事が浅ましすぎるんですよ。
は: コップの中の嵐、と言うことでございましょうか?
ゆ: そうそう、

「インテリが作ってヤクザが売り捌く」

と昔々から言われてる新聞社内の抗争実録に過ぎない内容でした。
は: 確かに出てくるのは地元新聞社の意地、拡販の思惑、政治家への配慮、全国紙への敵愾心、社内の出世欲、名誉欲、各部署や上下の確執、そんなことばっかりでしたね。
ゆ: その通り、新聞を読む側にとっては記事が一日遅れようが、他紙に出し抜かれようが、テレビに先に報道されようが、そんな事は正直言ってどうだって良いでしょう、そんな事に血道をあげてる連中を感動的に描くのはなんか違う気がするんだよね。

は: だから肝心要の日航機墜落事故の生存者や遺族は一人も出てこられませんでしたね。
ゆ: もちろん彼らも血も涙もある人間たちなんでしょう、この事件に涙する場面だって出てはきます。
は: あまりの悲惨な現場に発狂してしまう記者もいました。
ゆ: でもそれら諸々が「クライマーズ・ハイ」に例えられる社内の狂騒状態に埋没されていく様を見てると、この映画が描きたかったものが事故の悲惨さではないことが分かってきて段々と情けなくなっていきました。

は: その悲惨さに関して、先程鮮明な記憶があると申しておられましたが?
ゆ: 良く覚えているよ、あの日チームで頑張って治療していた女の子が亡くなってね、みんな辛い思いに沈んでいたところへ「日航機行方不明」の速報が飛び込んで来たんだ。一人の幼い患児の長い闘病の末の死亡、500人超の健常者の一瞬の失命、命というものの重さが分からなくなって眩暈を覚えたよ。新聞を見るのがそれからしばらくは辛くてね。

は: そうでございましたか、一方で「見たく無さ半分」とおっしゃっておられたのはどの部分でございます?
ゆ: 新聞社のスクープ合戦には強い反感があるんだよね。この映画でも

「圧力隔壁の金属疲労による破壊」

と言う超特ダネを、結局ダブルチェックが100%でないという判断で堤真一は見送るんだ。これはとても立派な姿勢だと思うんだけど、、、
は: 結局「スクープの毎日」と言われた毎日新聞がすっば抜いて脚光を浴びるのでございましたね。そして最後に

「この見解が100%正確であるかどうかは未だに判明していない」

旨のキャプションが流れて映画は終わります。
ゆ: そう、毎日は今でもその体質が変わってないよ。近年の大淀病院事件なんて、事件でも医療ミスでも何でもない段階から先ずスクープありきで突っ走ってさ、青木某という女性記者は何とか賞を獲得してさ、結果奈良県南部の産科医療を崩壊させてさ、大嫌いだね、あの世界は。だから、この映画を見てても、社長の山埼努が出し抜かれた翌日の新聞を叩きつけて

「こういうのを恥の上塗りと言うんだ!」

と叫んだ時には、堤真一の替わりに本当に殴ってやろうかと思いましたね(苦笑。

は: まあそれはともかく、俳優陣の頑張りは賞賛に値しますね。
ゆ: それが無きゃこの映画は二流に成り下がってたよね。それにしても堤真一はそれ程華のある顔立ちでもない二枚目なんだけど、この映画や「容疑者Xの献身」みたいなシリアスな演技から、「三丁目の夕日」シリーズの二枚目半役、更には「舞妓Haaaan!!」みたいなコメディまで実に幅広くこなすよね。その他にもベテラン人から若い人まで演技の下手な有名人は使わなかったところに製作サイドの見識を感じますね。
は: 堺雅人様くらいでしょうか、売れっ子の若手は?
ゆ: 壬生義士伝やハチクロなんかでも見かけたけど、良い表情を作れる役者さんですね。
は: 他に印象に残った方はおられますか?山埼努様はご主人様を本当に怒らせてしまいましたが(^_^;)?
ゆ: まあ、彼ならあれだけの事ができて当然ですけど、その演技力に見合う役どころを上手く見つけてもらったというところですかね。あとは反目しながらも理解を示す社会部長役の遠藤憲一が美味しいところを持っていきましたね。

は: と言うわけでございまして、ご主人様も社会部長並みに反感半分理解半分というところの様でございます。では最後に一言どうぞ。
ゆ: キネ旬8位はまあまあ妥当なところじゃないでしょうか。あの暑い夏を忘れられない方、泥臭い人間模様のドラマがお好きな方には是非ご覧になっていただきたいと思います。

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2008/11/15

容疑者Xの献身

Yougishax_2
はむちぃ: 本日の映画レビューはTVガリレオシリーズの映画化で話題の「容疑者Xの献身」でございます。
ゆうけい: お仲間のブログやマイミクさんの間で評判が高かったんで見なくちゃとは思ってたんですけど、なんとなく億劫で遅れてしまいました。
は: 原作が出た当時、内容に批判的でございましたものね。
ゆ: まっ、それについては後で検討しましょう。

『惨殺死体が発見され、新人女性刑事・内海(柴咲コウ)は先輩と事件の捜査に乗り出す。捜査を進めていくうちに、被害者の元妻の隣人である石神(堤真一)が、ガリレオこと物理学者・湯川(福山雅治)の大学時代の友人であることが判明。内海から事件の相談を受けた湯川は、石神が事件の裏にいるのではないかと推理するが……。(シネマトゥデイ) 』

キャスト
湯川学 - 福山雅治
内海薫 - 柴咲コウ
草薙俊平 - 北村一輝
花岡靖子 - 松雪泰子
石神哲哉 - 堤真一

[編集] スタッフ
原作 - 東野圭吾     
製作 - 亀山千広
監督 - 西谷弘 
脚本 - 福田靖
音楽 - 福山雅治、菅野祐悟

は: TVドラマシリーズからの映画化としては良くできた映画でございましたね。
ゆ: 全く、意外と言えるほどしっかりとした脚本、演出、撮影で驚きました。
は: 監督の西谷弘様はTVドラマ「ガリレオ」シリーズも演出しておられますので気心が知れてるスタッフ・キャストだったんでしょうね。
ゆ: フジTVの場合は気心が知れすぎてるとTVをそのまま映画に持って行っちゃう愚をおかすところがあるんですが、「映画」として評価できる作品を作ったこと、それにかなり原作に忠実に作った点も評価できると思います。その上で敢えて言わせてもらえば、TVドラマからの流れの演出は仕方ないとしても、必然性のない雪山シーンとかラスト近くの愁嘆場とか、余計な修飾を加えないでほしかったですね。これは当たり外れの多いプロデューサー亀山千広のサシガネかもしれませんが(苦笑。

は: 雪山のシーンは真相を知られたと確信した容疑者Xが湯川を殺すかもしれないという緊張感を映画に与えるためとも受け取れましたが?
ゆ: それに加えて地味目なドラマに派手なシーンが欲しかったんでしょうね。賛否両論あって良いとは思いますが、私は論理的に整合性のない行動はしないと言う容疑者Xのすることではないように思いました。

は: さて、俳優陣の演技でございますが、ご主人様はいつもTVタレントと映画俳優の共演は難しいとおっしゃってますが?
ゆ: 今回はスタッフの演出やカメラワークに応えて、TVドラマのレギュラー陣が約一名を除いて十分映画のスクリーンに耐える演技をしていていたと思います。それにゲスト俳優のキャスティングが適切でしたね、これがこの映画成功の最大のポイントだったんじゃないでしょうか。
は: 特に主役級の堤真一松雪泰子のお二人でございますね。
ゆ: 手堅く中堅どころの役者を持ってきたことによって、TVドラマレギュラー陣と上手く融合しましたね。脇にも敢えて格上の大物俳優を起用しなかったことも良い見識だと思います。

は: 世評では堤真一様の演技がとても高く評価されているようでございます。
ゆ: あれくらいはできる俳優さんで、あの程度の演技で凄い凄いと騒いでいる日本映画のレベルが問題なんですけどね。それに原作からすると男前過ぎますよね。
は: 原作では女には見向きもされないような中年男と言う設定でございますからね。
ゆ: ダンカンと役を交代した方が良かったと思うけどね。
は: まあ、今回は比較されるのが福山雅治様でしたので相対的には釣り合いがとれていたのではないでしょうか(^_^;)。
ゆ: まあそうだね、メイクさんも頑張って冴えない中年男に仕立てましたね(笑。

は: 松雪泰子様はいかがでしたでしょう?
ゆ: 白鳥麗子様が変われば変わるもんですね、と「フラガール」でも言った気がしますが(苦笑、彼女がヒロインをやる時代が終わったんだなあと思うと感慨深いものがあります。
は: 今回の演技は登場人物の中でも一際精彩を放っている印象を受けましたが。
ゆ: 地味で薄幸な女性が生彩を放つというのも変ですが、ホステス上がりの弁当屋さんという難しい役柄を見事にこなしましたね。その演技力をクライマックスで存分に発揮させようと最後の愁嘆場のような陳腐なシーンを用意したんでしょうけど、あれだけの演技が出来る人ならもっと抑制の効いた重厚な脚本を書いても良かったと思いますけどね。
は: なかなか厳しゅうございますね。
ゆ: 良い出来の映画で良い演技をしていた二人の最後のシーンだっただけに余計に残念なんですよね。あれで観客が泣くとスタッフは信じてたんですかね?
は: 実際泣いた方も多くおられるんですから、過激な意見は避けた方がようございますよ(-_-)ボソッ。
ゆ: う~ん、そうですかね~、スマソ。

は: そうおっしゃるからには東野圭吾様の原作を評価しておられるはずですのに、原作にも批判的でございましたよね。
ゆ: 原作は犯罪の詳細を冒頭で提示する、所謂倒叙推理小説なんですが、その倒叙推理の約束事を破っていましたから、今一つ納得できなかったんですよね。
は: 映画になりますと謎解推理小説の側面が薄れて丁度良い塩梅になったんじゃないでしょうか?
ゆ: そうそう、「2時間サスペンス・ドラマの映画版」と考えれば出色の出来栄えなんですよね、だから原作を知らずに映画を観たほうがむしろ感動できるんじゃないでしょうか。

は: では最後に一言お願いいたします。
ゆ: TVドラマの映画化は安易な集客作戦で今一つ感心しないのですが、まあこれくらいきっちりとした映画を作れば映画ファンもある程度納得できると思います。それにしても適当に正当防衛工作をしてさっさと自首させて有利な証言をして恩を売る方が論理的と思うのは私だけでしょうか?
は: それでは小説も映画も成り立ちません(ーー;)。さて、最後にお知らせでございます。皆様のご愛顧を持ちまして続けております「映画」カテゴリーでございますが、かなり重くなって参りました故、新たに本年度の記事より

「邦画(08-)」
「洋画(08-)」

に分割させていただく事と頂しました。同様に重重の「オーディオ」「日記」からも

「オーディオ(08-)」「歳時記」

を分離・追加しております。これでカテゴリーが大分軽くなったと思いますので今後ともよろしくお願いいたしますm(__)m。

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2008/11/01

僕の彼女はサイボーグ

僕の彼女はサイボーグ 通常版
ゆうけい: はむちぃ~君、あっそびましょっ!
はむちぃ: 20世紀少年の「ともだち」ですか、あんたは(ーー;)、で、そう言うアプローチをされる場合のご主人様には嫌~な予感がいたしますが、ひょっとして今日の映画レビューは。。。
ゆ: ピンポーン、ついに「僕の彼女はサイボーグ」を借りてきましたで!
は: つ、ついにあの前田有一の超映画批評で「採点不能」を叩きだした問題作を、、、まあ某所でのUENO様との御約束もおありのことでございますし致し方ございません。しばしお待ち下さいませ。
ゆ: ん?何か準備でも?ハンカチは要らないと思うよ(笑。
は: (無視) では吟じますっ、「風誘う 花よりもなほ 我は今、、、
ゆ: その辞世の句は「デビルマン」の時にもうやってるよはむちぃ君、大丈夫ですって、もうトホホ系映画には二人ともかなり免疫ができてますがな(笑。

《 『猟奇的な彼女』『僕の彼女を紹介します』クァク・ジェヨン監督最新作
パワフルな“彼女”とちょっと頼りない“僕”のピュアで切ないラブストーリー

【ストーリー】
ひとりぼっちで過ごす20歳の誕生日。寂しい大学生ジロー(小出恵介)の前に、突然キュートな彼女(綾瀬はるか)が現れる。彼女と過ごした数時間は人生の中でも最も輝ける時間となるが、突然彼女は姿を消してしまう。そして1年後の21歳の誕生日、ジローは再び彼女に出会う。似ているけど、どこか違う、“完璧”な彼女に─。しかしそれは決して起こるはずのなかった、運命を変えてしまう“恋”の始まりだった─。
(Amazon解説より)》

は: す、凄い。。。。。
ゆ: あ、唖然呆然ですな。。。。。
は: どこをどうすればこんな映画が出来上がるのでございましょう?
ゆ: 韓流ラブコメにハリウッドの「Terminator」を注入したらとんでもない化学反応が起こった、としか言い様がありませんな。
は: まさにメントスにコーラでございますね。
ゆ: その喩えは喩えようもなく見事ですな、はむちぃ君(苦笑。

は: そう言う意味では今勢いのある韓流ドラマというのは大変有用な触媒でございますが。
ゆ: まさに。序盤の神戸元町関西学院大ロケでの韓流ラブコメ・タッチは神戸人としては悪くないと思ったんですけどね、夜景はいきなり東京副都心に変わりましたが(苦笑。
は: 後半前田有一様が敢えて伏せられた驚愕の展開が問題でございますね。
ゆ: 神戸で撮っておきながら神戸の人間のトラウマを逆撫でする様な展開ですね(^_^;)、おまけにタイムパラドックス・マニアの気持ちも逆撫でしておりますな。まあパラレル・ワールドの概念を導入すれば説明できなくもないですが、それほどのドラマかよ、とも思ったり(笑。それはともかく、2008年に大学生の主人公の小学校時代の風景がどう見ても昭和20-30年代にしか見えないのは一体どう言うことなんでしょうか!
は: この映画最大のタイム・パラドックスでございますね(^_^;)
ゆ: 監督が韓国人だから仕方ないと言ってしまえばそれまでですが、回りの日本人スタッフは何も意見しなかったんでしょうか(笑?

は: と、比較的余裕のあるレビューとなっておりますのは、主演の二人が悪くないからでございましょうか?
ゆ: ずばり、綾瀬はるか、綺麗ですね(*^_^*)。演技も見事、普通あれだけマバタキを我慢できるものではありません(断言!
は: またまた褒めているんだか貶してるんだか(ーー;)、確かにクァク・ジェヨン監督は彼女を綺麗に撮ることだけに執念を燃やして撮った感がございますね。
ゆ: 前田有一氏が「採点不能」を出しながらも

本年度ベストスローモーション賞」(綾瀬はるかが仰向けのままベッドに倒れこむ場面)

を無理やり設定したのもむべなるかなですな(笑。
は: 男性客はそれで良いとして、女性客に小出恵介様はどんな印象だったのでございましょう?
ゆ: さあねえ、それほどのイケメンでもないし、やっぱりクァク・ジェヨン監督の「猟奇的な彼女」の主人公と同じキャラですから、あの映画をお好きな女性ファンには母性本能をくすぐられてたまらないのかもしれませんね。
は: 「キサラギ」のレビューでは褒めておられましたのに、今回はイマイチでございますか?
ゆ: 今回はあの声に「のだめカンタービレ」の奥山真澄ちゃんの声がかぶってしまいましたね(爆。

は: ということで最後に一言お願いいたします。
ゆ: まあ若い方がな~~~んにも考えずに見る分には楽しい映画なんでしょう、そう言う意味では韓流の至れり尽くせりのサービス精神には感服いたします。ただ、ラストシーンだけはいくらなんでもサービスしすぎかと、あれが無くてもトホホはトホホですが、採点不能まではいかなかったかもしれませんね。

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2008/09/13

映画「20世紀少年」第一部

20thcenturyboypart1
はむちぃ: 皆様お待たせいたしました、今回の映画レビューはいよいよ超話題作「映画「20世紀少年」第一部」でございます。
ゆうけい: そんなに待ってる人もいないような気もしますが、コワイモノミタサで観て参りました。
は: はて、コワイモノミタサとは(・・?、確かに細菌兵器なども登場いたしますが、原作はそれ程ホラーっぽくもございませんが?
ゆ: 違いますがな、前田有一の超映画批評30点を叩きだしたからですがな。
は: はあはあ確かに「今週のダメダメ」認定作でございますね。でも他人の意見に左右されるようではゆうはむレビューの価値がございませんよ。
ゆ: 確かにね、でも初めから私は実写化には否定的だったんですよ。ぜ~ったいつまらないモノになるという自信はありましたね、それをわざわざ確かめに行ったんですから褒めてもらわないと(エッヘン。
は: 威張るほどのもんですか(-_-;)、では恐る恐る参りましょう。

『1997年、失踪中の姉(黒木瞳)が残していった赤ん坊カンナを背負い、売れないコンビニ経営にいそしむケンジ(唐沢寿明)。この時代、世界各地で致死性ウィルスの被害者が発生、日本では正体不明の教祖"ともだち"率いる新興教団が勢力を増すなど、不穏な空気が蔓延していた。ユキジ(常盤貴子)やマルオ(石塚英彦)、ドンキー(生瀬勝久)ら小学生時代の仲間たちと交流する中、ケンジは最近の事件、災害が、自分が子供時代に人類滅亡の様子を描いた"よげんの書"をなぞったものと気づき愕然とする。タイの闇社会で生き延びていたオッチョ(豊川悦司)も加わり、ケンジと仲間たちは地球を守るため立ち上がる。』

ゆ: いやあ、つまんなかったですね~、ここまでつまんないとは思いませんでしたね~。第一部がこれだけつまんないと二部三部が思いやられますね~。
は: いきなり身も蓋も無い感想を、それも最大フォントで(--〆)、原作はあれほどお好きですのに。
ゆ: 原作が好きな私でさえこうなんですから、前田有一が30点をつけても少しも不思議じゃないですね、だから実写化しちゃいけないとあれほど言ったのに。
は: 独り言でいっても誰も聞きゃしませんって、で、ご主人様はどうすれば良いと思っておられたのでございます?
ゆ: もちろんアニメですよ、それもガンダムと同じ手法で、先ずTVドラマ化してワンクール終わる度にダイジェスト映画化するのが王道でしょうね。日テレが真っ先に手を挙げたんでしょ、責任持ってTVでアニメ化しちゃえばいいのに、余程映画のヒット作が欲しいんですかね~、ジブリと提携してりゃ十分じゃないですか(毒。

は: それにしても何がそんなにいけなかったんでございましょう?
ゆ: 監督は堤幸彦だし、キャストは大体良い線いってるし、原作には忠実だし、実に優等生的な映画ではあるんだよね。三部に分けて今回は2000年大晦日まで、と言うのも合理的な構成です。結局脚本だよね。
は: きゃ、脚本って申されましても、4人のうち2人は原作者の浦沢直樹様&長崎尚志様でございますよ!!
ゆ: だからいけないんですよ。この2人、映画脚本家としては素人じゃないですか、彼らの意向を尊重して堤監督曰くの「原作原理主義」でいけば2人がチョイスするシーンの「絵コンテ」を繋いだ様な映画が出来上がるに決まってるでしょ。
は: 要するに端折ったストーリを見せられるだけだと。
ゆ: そうそう、だらだらキーになるシーンがだらだらと続くだけ。だから最後の「空想科学シーン」もちっとも盛り上がらず、
は: かといって人間ドラマにも程遠いものにならざるを得なかったと言うわけでございますですね。
ゆ: おっちょなんかもっと深い人間的バックグラウンドがあるのにあまりにも気の毒です。豊悦君、キンチョールに勝るとも劣らないはまり役だと思ったのにね~。
は: またまた関西限定ネタを(--〆)
ゆ: 関西限定と言えば主役の唐沢寿明、関西電力のeo光の宣伝で関西では物凄い露出度なんですよ、ちょっと食傷気味でしたね。

は: そんな豪華絢爛な、何と三部作で300人以上の俳優陣の中でどなたかサプライズはございましたか?
ゆ: 洞口依子さんを久々にお見かけしてビックリしました。子宮ガンを患われていたと聞いていましたが、確かにお痩せになっていましたね、でも綺麗でしたよ。
は: 男優さんでは?
ゆ: 佐野史郎の双子には吹き出しそうになりましたね。原作ではあの双子はもう一回太るので、次回作ではみられないかもしれないのが残念ですね(^_^;)。
は: もうちょっと中心人物を語ってくださいませ。
ゆ: そうだねえ、やっぱりはまり役はおっちょの豊悦だよね。あと、ヨシツネの香川照之、漫画家の森山未來が面白そうですね。

は: では最後に一言お願いいたします。
ゆ: 今回は申し訳ありませんが前田有一氏のコメントを引用させていただきます。これ以上的確なコメントは思いつきませんでした。

『それにしても複雑なのは、(何度も繰り返したとおり)この原作が映画向きでないこと、傑作に仕上げることは絶対不可能ということを百も承知で、映画のプロたる人々が60億円ものビッグプロジェクトにGOサインを出してしまうという現実。 それについて、ビジネス面での理由以外に、納得のいく答えは見当たらない。いくら儲かるとわかっていても、60億円もかけてゴミを作るという発想は、私のような庶民には驚きであり、彼らの大物振りにはただただ驚嘆せざるを得ない。』

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2008/08/29

虹の女神 Rainbow Song

虹の女神 Rainbow Song
はむちぃ: 皆様お久しぶりでございます、はむちぃでございます。久々の映画レビューは先日の「暗い所で待ち合わせ」のレビューの最後にゆうけいが「機会があればやります」と申しておりました「虹の女神」でございます。
ゆうけい: いやあ、なかなかやる機会が無くってねえ、遅くなってしまいました。
は: なにか、本心がチラッと垣間見えたような気がいたしますが(^_^;)、要するにオードリー・ヘップバーン様、田中麗奈様に続きまして蒼井優様の盲目女性役映画でございます。

2006年、日本映画
監督 : 熊澤尚人
原作・脚本 : 桜井亜美
プロデューサー: 岩井俊二

出演 : 市原隼人 、 上野樹里 、 蒼井優 、 酒井若菜 、 鈴木亜美 、 相田翔子 、 小日向文世 、 佐々木蔵之介 、 尾上寛之 、 田中圭 、 ピエール瀧 、 マギー 、 大橋未歩

『  空に水平に走る珍しい虹を写メールして、アメリカにいる友人・あおいに送った智也。だが彼女からの返事はなく、帰ってきたのは彼女の事故死の知らせだった。葬儀などが行われたりする中で、いつしか智也はあおいとの出会いなどを振り返っていくのだが…。
   気持ちいいくらいに時間がかっ飛び、物語が進んでいく中で、実はお互いに好きあいながらも、その関係がどこかで熟しきれなかった男女のせつない絆を、スーパーリアルな映像でつづった感動作。主人公たちを演じる市原隼人と上野樹里の本当に演技なのかと疑いたくなるほどのリアリティすぎるやりとりには脱帽。またその関係にそこはかとなくユーモアも取り入れつつ、見事な日常表現をしてみせる熊澤尚人監督の演出も拍手モノだ。また上野の父親役の小日向文世ら脇の演技も相当に泣かせる。(横森 文) (AMAZON解説より)』

は: なかなか良くできた青春映画でございましたね。鈍感なのかずるいのか、傷つくのを怖がっているのか、お互いに好意を抱きながらもすれ違ってしまう男女の感情の機微が良く描かれておりました。
ゆ:  熊澤尚人と言う監督は蒼井優主演の「ニライカナイからの手紙」を撮った人なんですが、全体のトーンが岩井俊二そっくりだったんで観ている間中ずっと不思議な感じがしてたんですが、エンドロールで彼がプロデューサーをやっていると知って笑ってしまいましたね。まあ、悪いと言ってるわけじゃないんですけど。

は: 何はともあれ、主人公の女性が飛行機事故死する直前に男性の主人公が不思議な虹の写メールを送る、という場面から始まる所謂倒叙型のストーリー展開で且つ細かく章分けをした構成は大変見事でございました。
ゆ: 良く出来た映画ですし、感覚的にもはっとする演出が随所にありました。タイトルロールからして最近の日本映画では出色でした。静かなピアノ曲をバックに平行な虹を背景にして

   playworks
   a naoto kumazawa film
   hayato ichihara
   juri ueno
   rainbow song
   虹の女神

と6つのクレジットが流れるだけなんですね。この出だしの静けさは岩井俊二のセンスでしょう、「リリィ・シュシュのすべて」にエリック・サティを持ってくる人だからなあ。
は: 海外の映画祭への出品も意識していたのかも知れませんね。その他にもホルストの「木星」が効果的に使われておりました。
ゆ: そうそう、やっぱり一番有名な第二楽章なのがステレオタイプと言えば言えなくもないけどね。主人公の回想の中の上野樹里の姿と重なっていきなり流れてきた時はビックリしたけど、彼等が大学の映研で作っていた映画中映画「The End Of The World」であることが徐々に分かってきてなるほど、と思わせるところはなかなか手が込んでいましたね。

は: その主演のお二人の演技は素晴らしかったですね。
ゆ: 上野樹里には驚きましたね。「スウィングガールズ」「亀は意外と速く泳ぐ」のぬぼ~っとしたイメージしかなかったからね。完全に一皮も二皮も剥けた演技で「女優」の肩書に見合う女性に変貌しましたね。その他にはどんな映画に出ているのかあまり知らないんですが、これからは要注意ですね。
は: 彼女が市原隼人に演技をつけるシーンがございますが、ああやって成長して行くのであれば良い監督との出会いというのが如何に大事か分かりますね。
ゆ: そうですね、その市原隼人君にしても同じ事が言えるでしょうね。良い映画に巡り会えてよかったと思います。

は: さて、蒼井優様でございますが。
ゆ: 来ましたね(笑。上野樹里の妹の盲目少女役なんですが、今回ばかりは上野樹里の圧倒的な存在感に押されてチョイ役だなあと思っていたんですがぁ、、、
は: ラストシーンでございますね(^^♪
ゆ: そう、「終章:虹の女神」でのたった二つの台詞でこの映画の質を一段高いものにしてしまいました。
は:

「お姉ちゃん、岸田さんの事好きだったんだよ」

「バカだな、お姉ちゃんも岸田さんも」

これだけで今までの彼女の行動を全て納得させ、そしてストーリーに深い陰翳と余韻を与える、という実はこの映画で一番難しい役割を背負わされていたんですね。
ゆ: 熊澤、桜井、岩井の三人とも絶大な信頼をおいて起用したんでしょうけど、完璧な台詞回しでしたね、やっぱり凄い女優だなあと思いました。

は: 結局蒼井優賛美で終わってしまいましたが、本当に良くできた映画でございます、是非どうぞDVDでご覧くださいませ。
ゆ: と、ここまでで終わればいいんでしょうけど、一言だけ言わせて貰えれば、最近紹介している日本映画の良品はこういう風な、感覚的には優れているけれど内容は大した事ない小品が多くて今一つ物足りない気もします。
は: そう言われればこの映画だって、煮え切らない男と女しか出てこんじゃないかと言われてしまえばそれまでですしね。
ゆ: 大作を書けば荒唐無稽になってしまう今の映画界を救う存在はいつ現れるんでしょうか?
は: 「二十世紀少年」は堤監督で60億かけているそうでございますよ。
ゆ: まあ「二十世紀少年」に期待しても無理だとは思いますけどね(苦笑。

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2008/07/30

暗いところで待ち合わせ

Kurai
はむちぃ: 本日の映画レビューは田中麗奈様主演の映画「暗いところで待ち合わせ」でございます。ちょっと古い映画でございますがこれはまた蒼井優様と田中麗奈様のバランスを取ろうという魂胆目的での紹介でございますか?
ゆうけい: ヒットせずといえどもノットトゥーファーですな(笑、取り敢えず良い映画は紹介せねばなりません(キッパリ。
は: またまたいい加減な事を(--〆)、ホントのところをおっしゃいませ。
ゆ: 実は先日深夜にオードリー・ヘップバーンの「暗くなるまで待って」をやってたので録画して観たんですよ。

は: 巨匠テレンス・ヤング監督の名作にしてオードリー様が一旦引退される直前の貴重な映画でございますね。そう言えばこの映画の製作者でオードリー様の元夫であったメル・ファーラー氏が先日他界されました、ご冥福をお祈りいたします。
ゆ: ありがとう、はむちぃ君、この映画はオードリーが盲目女性を演じるサスペンスなんですが、久しぶりに観てもハリウッドっぽいラストを別にすれば実に良くできていました。
は: オードリー様の演技力が大変高く評価された映画でございましたね。
ゆ: それで思い出したのが例のお二人なんですがぁ、つまりは蒼井優田中麗奈も盲目女性を演じた事があるなあと思ってたんですがぁ~、先日某ブログでこの映画を観よと背中を押してくださった方がいてぇ~、やっぱりぃ~観る事にしたんですよぉ~。
は: またまたいきなり若い女性のようなダルな会話を(-_-;)、ご主人様の頭の中のゼンマイがゆるんできたようでございます故、このはむちぃメがとっとと映画紹介に参らせていただきます。

『2006年日本映画
監督・脚本: 天願大介
原作: 乙一

キャスト:
ミチル: 田中麗奈
アキヒロ: チェン・ボーリン

井川遥
宮地真緒
岸部一徳
佐藤浩市

事故により視力を失い、父をも病気で亡くし、住み慣れた一軒家でひとり静かに暮らしているミチル。職場の人間関係に上手く馴染めず、孤立しているアキヒロ。そんな寂しさを抱えたふたりを引き合わせたのは、殺人事件だった。容疑者として警察に追われるアキヒロが、ミチルの住む家へと忍び込む。気配を消して居間の隅にうずくまるアキヒロと、自分以外のものの気配をなんとなく感じながらもいつもと同じリズムで生活を続けるミチル。ふたりの不思議な共同生活は、どこに向かっていくのだろうか……。』

は: うるうる、田中麗奈様のけなげなお姿に私メ痛く感動してしまいました。
ゆ: よかったですね麗奈ちゃん、本当に演技力がついたなあと思います。チェン・ボーリンもセリフが少ない設定がうまくはまって相手役としてリアリティがありました。
は: 脇をうまい俳優さんが固めておられるのも現実感溢れる映画になっていると思いました。
ゆ: 岸部一徳が出てきた時は「またかいな(^_^;)」と思いましたけど、うまく出番を「抑制」していて良い味が出ていました。佐藤浩市はまあ安心して観ていられますね、悪役で強烈な印象を残した「ホワイトアウト」の時よりもまだ憎憎しかったですけど(笑。
は: 麗奈様の他のお二人の女優さんも好演しておられましたね。
ゆ: 麗奈ちゃん、宮地真緒さん、井川遥さんと三者三様に全く違った雰囲気の美人ですね、脇を固めるのに好い人選だったと思います。

は: こうしてみますと実質6人舞台は田舎町だけ、特段の派手な演出もございませんし、結構低予算で出来そうな映画ではあるんですがそれ程の安っぽさを感じさせませんでしたね。
ゆ: 丁寧に作ってあるからでしょうね。例えば冒頭部でクレーンショットを撮ってるんですけど、駅のホームからパン・ティルトして螺旋状に目線が上がっていき駅を見下ろす主人公の家の窓(冒頭写真)まで風景を連続してみせるロングカットがあるんですね。かなり大掛かりなクレーンで俯瞰してるんだろうと思うんですが、一気に観客を物語の舞台に引きずりこむだけの迫力がありました。一見なんでもないシーンではあるんですが、そういうところにもそれなりの金をかけただけの効果があがってますよね。

は: 細か~、と奥様に突っ込まれそうですね、では良くできた作品と言う事で、、、
ゆ: ちょっと待っておくれやす~(嫋
は: ちょっと難しい事を言うとすぐにゼンマイが緩むんですから(;一_一)、で、何でございます?
ゆ: 演技や演出は堅実で良かったと思うんですが、脚本がね~、のっけからしてなんで父親がいきなり死ぬかね~、何の説明も無しに。
は: た、確かに(^_^;)。
ゆ: で、葬式に離婚した妻が表まで来るんだけど中には入らないんだよね、まあそれはいいけど、麗奈ちゃんが泣き叫んでるのに電車に乗ってとっとと帰っちまってそれ以後出番無しなんですからこの薄情ものめ(苦笑。
は: た、確かに、盲目の娘が一人取り残されたというのにあまりにも無責任でございますね。でもまあその位の事は目をつむりませんと話が進みませんよ。
ゆ: そ~なんだよ、はむちぃ君、これなんか、ほんの序の口なんです。もうこれ以上ネタバレさせるわけにもいかないんで具体的には書きませんが、

「こいつには体臭というものがないのか?」とか
「そ、そんな登場の仕方ありかよ」とか

もうツッコミどころ満載なんですな。一人一人の境遇や行動についてはきっちりと書けているのに複数の人物が絡んでくると矛盾や突拍子もない設定が次から次へと出てくる、これが今の日本映画の弱点なんだと思いますね。

は: な、なるほど、そう言えばラストシーンの雰囲気は良いのですが、今後どうなっていくのか不可解なまま終わってしまいましたね。
ゆ: すっきりしないなあという方もおられるでしょうけれど、私はそれに関してはハリウッド的でなくて良かったと思いますね。最初に紹介した「暗くなるまで待って」なんて、災難の原因を作った夫とその災難を一手に引き受けた妻が抱き合って喜ぶんですよ、どっちらけましたわ(笑。
は: そこまでの脚本が良くできているだけにいかにもハリウッド的な強引さでございましたね。
ゆ: そうそう、だから最後をハッキリさせるためにその伝でこの映画を作ったら、二人が結婚式を挙げてるとか、子供が産まれてるとかのハッピーエンディングを用意するしかなくなっちゃうんですよね、それを考えるとファジーなまま終わった方が余程良いと思います。
は: というわけで終わり良ければ全て良しでございまして、田中麗奈ファンはもちろん、そうでない方も是非ご覧下さいませ。で、蒼井優様の盲目役の方は?
ゆ: 「虹の女神」という映画なんですがこれまた脇役なんだよね~(涙。また機会があれば紹介します。

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2008/07/26

百万円と苦虫女

Nigamushi_post_05
はむちぃ: さてオーディオネタは一段落いたしまして今日は映画レビューでございます。取り上げますのは天才女優蒼井優様久々の主演映画「百万円と苦虫女」でございます
ゆ: はははっ、森山未來君うらやましいぞっ、なっ、はむちぃ、違うかっ!
は: それは「ものいい」の吉田サラダのギャグ、、、(ーー;)
ゆ: 何もYoutubeにリンクする事もなかろうに(笑。
は: なにやら不安一杯ではございますが、取り敢えず作品紹介に参ります。

『監督・脚本: タナダユキ

キャスト:蒼井優 、 森山未來 、 ピエール瀧 、 竹財輝之助 、 齋藤隆成 、笹野高史、佐々木すみ江

短大を卒業後、就職もできずアルバイト生活を送っている鈴子(すずこ)。ひょんな事件に巻き込まれ傷ついた彼女は、家族のもとを離れ、貯金が百万円になるごとに誰も知らない土地へ移り住むことにする。海の家、山の桃畑、郊外の街・・・行く先々で様々な人たちと出会い、笑ったり、怒ったり、恋をしながら、少しずつ人の温かさに触れ大切なものを見つけていく・・・。 』

は: ライトなロードムービーと言ったところでございましょうか。
ゆ: ライトと言うか、浅いですねえ、飛び込み台は高いのに水深が浅いプールみたいな危うさを感じる作品でした。
は: またまたマニアックな比喩を(-_-;)、タナダユキ様は女性監督でいらっしゃいますので、そのあたりが映画のタッチに出ているのでしょうか。
ゆ: いわゆる感覚派と言ったところなのかな。タナダユキと言う人の作品は初めて見ましたが、確かに女性ならではの演出を感じるところもあるにはありましたけど、押しなべて人物造形やストーリー展開が浅くて話が胸に沁み込んで来ないですね。折角蒼井優と言う抜群の素材があるんですから、脚本からもっと丁寧に作りこんで欲しかったと思います。

は: 例えばどの辺が浅いんでございます?
ゆ: 主人公の鈴子を例にとってみますと、彼女が何故前科一犯を喰らってしまってそれで家を出て行く決心をしたのかと言うところからして

「バカみたい」

なんだよね。
は: 詳しくお願いいたします。
ゆ: ひょんな経緯から全く他人の男とルームシェアしなくちゃいけなくなって、そいつがバカみたいに自分勝手な奴で、鈴子の拾ってきた子猫を勝手に捨てちゃって、路上で死んでしまってたんですよ。それに怒った鈴子が男の荷物を全部捨てちゃったので刑事告訴された、と言う設定なんだけど、刑事事件になれば当然こちらにも弁護士が付くわけだし、つけられないような家庭でもなさそうだし、そうなりゃ相手のバカ男を所有小動物の虐待・殺傷で逆告訴してやりゃあいいんですよ、どう考えたって弁護士同士で和解に持ち込むしかないでしょ、拘置所に入れられたり、前科が付いたりするほどの事やってないですよ。あの性格の悪いバカ男の方がよっぽど制裁が必要ですね。
は: おおっ、蒼井優様をいじめる奴には情容赦ございませんね(^_^;)。
ゆ: もちろん(ー_ー)!!(キッパリ。まあそれは冗談としても、前科一犯の内容があまりにも浅過ぎてその後のエピソードに活かしきれていない印象を受けました。鈴子が旅に出るなら出るでもう少し深みと陰影のある人物像になるようなエピソードを用意して欲しかったです。そうでなきゃ、屁理屈つけないでさっさと旅に出しゃあいいんですよ。あとは蒼井優がどうにでもしてくれるんですから。

は: な、なるほど、ご主人様今日は切れまくっておられますね(大汗。で、では逆に女性監督ならではの感覚を活かした良い場面を挙げていただけますか?
ゆ: そうだねえ、反発ばかりしていた弟が心を寄せてきて二人で公園を横切って帰るシーンをロングで撮って、その次のシーンでいきなり海辺の町に切り替わるところは空気の匂いまでさっと変わった感じがして良かったですね。あと、鈴子が地方都市で知り合って恋心を抱いた森山未來君にファーストフード店で今までの事一切合切を吐き出しちゃった後、恥ずかしさで居たたまれなくなって突然店を飛び出し、怒ったように速足で歩くシーンとか、ですかね。

は: というわけで蒼井優様を語っていただきましょう。
ゆ: タナダユキも蒼井優の為にこの映画を用意したとのことですし、森山未來も蒼井優と共演できるという一点でこの映画出演をOKしたそうです。まあスタッフ、キャスト全てが彼女の為に頑張ったと言えるんですが、それ以上に彼女が良く脚本を理解して努力している姿が好もしいです。
は: やっぱりべた褒めでございますね(^_^;)。説得力のある具体例を挙げていただけますか?
ゆ: タナダユキのインタビューを参考に、ラストシーンを例にとってみましょう。若干の未練を残しつつ森山未來君と分かれて町を出て行くため駅へ向かう鈴子。実は森山君が必死で追っかけてきていたのにすれ違ってしまいそれと知らず歩道橋の上で

「来るわけないか」

とにっこり微笑む。というシーンなんですが、タナダユキが最後の表情をどう指導しようか悩んでいたのに蒼井優があっさり演じ切ってしまってタナダユキは「あ、なるほど、これなんだ」と納得してしまったそうです。さすがですね。私も表情、セリフともに完璧だと思いました。
は: そう言えばカキ氷作り桃もぎもお上手でしたね。
ゆ: 彼女実生活でもカキ氷が大好きらしいんで、それを脚本に取り入れたのかもしれませんね。海も山も町も彼女が出てくると活き活きしてきてロードムービーという選択自体は良かったと思いますね。

は: ではついでに共演者の方についても一言お願いします。
ゆ: と言ってもまあ演技を語れるくらい絡んできているのは森山未來だけですけどね。「世界の中心で愛を叫ぶ」は脚本がひどすぎて無茶苦茶でしたが、彼の演技自体はフレッシュだったと思いますし光るところのある子だなとは思ってました。今回もいささかトホホな役柄なんですが、まあそれはいいっこ無しにして、蒼井優のお相手としては合格だと申しておきましょう。

は: 結局蒼井優を誉める事しか考えていないようなレビューでございましたが、ロードムービーがお好きな方にはお勧めです、是非どうぞ。ではご主人様最後に一言。
ゆ: 優ちゃん、いくらなんでも痩せすぎです、おじさんは心配だよ(オロオロ。

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2008/07/19

純喫茶磯辺

Isobe
はむちぃ: 先日の記事でご友人に頼まれて映画を観てきた、と書いていらっしゃいましたが、それがこの映画でございますか?
ゆうけい: そうそう長いつきあいの友達でT君というんだけどね、珍しく「純喫茶磯辺」という映画是非見てくれ!と言うんだよ、普段そんなことに興味のないヤツなので不思議に思ったんだけど、訊いてみると彼の所属している団体が出資しているそうなんだな。
は: なるほどそう言うカラクリでございますか、でもT様のご職業とはあまり関係なさそうな映画でございますね。。。
ゆ: そうなんだよ、嫁さんに愛想つかされて高校生の娘と二人暮しの冴えない中年おやじにたまたま親の遺産が入ったもんでスケベ心からやった事もない喫茶店を始めて結局見事に失敗する話(笑。
は: 身も蓋もない紹介でございますね(-"-)、で、とりあえずのご感想は?
ゆ: おかげで麻生久美子の超ミニメイドコスプレを拝ませていただきました(^_^;)、とりあえずそれだけ。ポスターの右下にちみこく写ってますよ~。ちなみにハリセンボンの近藤春菜もメイドコスプレやってまっせ、カドノタクゾウじゃねえよ!
は: はあ(-_-;)、まあストーリー紹介から参りましょう。

『 水道工の磯辺裕次郎(宮迫博之)は、8年前に妻・麦子(濱田マリ)と離婚してからというもの公営団地にひとり娘の咲子(仲里依紗)と暮らす やもめの中年おやじ。 ある日、実父が急死し 多額の遺産が舞い込むと、いい加減な性格の裕次郎は、何の躊躇いもなく仕事を辞め、即座にプータローと化する。

 そんな折、何気なく入ったオシャレなカフェで、小粋なマスターが美しい女性といちゃついている現場に遭遇。それを見て、「喫茶店のマスターをやれば俺もモテる!」と裕次郎の妄想は暴走し、その遺産を元手に喫茶店経営を始めることを決意する。しかし、裕次郎は、喫茶店の経営どころか客商売もはじめてのズブの素人。何の目処もないまま“純喫茶磯辺”を開店する。咲子は、そんなダメ親父にうんざりしながらも、夏休みを利用して止む無く店の手伝いをはじめる。

 バイトの募集で太めの女性・江頭(近藤春菜)を採用するが、数日後に美しい女性・菅原素子(麻生久美子)が募集を終了したことを知らずに面接にやって来ると、理不尽極まりないこじつけの理由で、江頭をクビにし素子を雇う。それを機に裕次郎の素子を口説く日々が始まるが、それは単なるアホなおじさんのセクハラに過ぎず、咲子も呆れ返っている。店には客が一向にやって来ず、裕次郎は思いつく限りの様々なあの手この手を駆使して客寄せ(謎の行動)を始めるが、その頭の悪さから成果をあげることができない。

しばらくして、素子と咲子のおかげで店に客が入るようになるが、類は友を呼ぶのか、“純喫茶磯辺”に集う客は、皆少し頭がおかしく店の中では問題が絶えない。

果てさて、純喫茶磯辺はどうなってしまうのか?
そして、磯辺家の行く末とは・・・

監督・脚本・編集:吉田恵輔

出演: 宮迫博之 仲里依紗 濱田マリ
近藤春菜(ハリセンボン) ダンカン
和田聰宏 ミッキー・カーチス
斎藤洋介
麻生久美子 』

は: なるほど、これに感動を求める方が無理でございますねえ。
ゆ: 典型的な低予算映画ですな、こんなの出資金要るの、Tちゃん?(笑
は: でも、意外とまともな成り行きで落としどころもちゃんとしてますし、トホホ系まではいかないですね。
ゆ: そうそう、そう言う意味では観て損した気にはなりませんね、丁度

「吉本新喜劇の起承転結を蒸留して毒抜きして一応まともな俳優さんに演じてもらった」

という感じですかね。

は: なるほど、とりあえず笑わせて少しほろりとさせて客に元は取らせて、ってあたりは吉本的ですね。実際主演は吉本の宮迫博之様ですね。
ゆ: 「下妻物語」でもそうでしたが、こういうダメおやじをやらせたらもう天下一品ですね。20世紀少年ではケロヨン役をやるそうだけど、これも適役っぽいね(笑。
は: 娘役の仲里依紗様はいかがでした?
ゆ: 高校生役を等身大で演じていて演技には好感が持てますね、ああいう今時の女子高生が苦手なので感情移入はしにくいですけど。それより初めて見る子なのに声をどっかで聞いた事があるなあと思ってたんだけど、後で調べて分かったよ、アニメ版の「時をかける少女」の主人公の声をやってたんだな。ちゃんとした声優を使ってるな、と思ってたら女優さんでしたか(笑。

は: で、ご主人様の希望によりまして途中はすっ飛ばして麻生久美子様でございますが。
ゆ: 「時効警察」で開花したコメディエンヌの才能が見事に出ていました、彼女の喋りや笑い声を聞いてるだけで楽しいですね。
は: 時効警察の三日月しずか様を髣髴とさせるようなシーンもあったそうですが?
ゆ: そうそう、元カレに殴られて鼻から一筋鼻血が垂れるシーンとか、超巨大ドラ焼きをパクつくシーンとか、明らかに三日月キャラを意識してるね。ところではむちぃ君、ビッグニュースがあるんだよ!
は: は、何でございます?麻生久美子様が結婚された事は存じておりますよ。
ゆ: 夢を壊さないでくれ~(ToT)、実はね、時効警察のおとぼけ上司の岩松了さんがね、「たみおのしあわせ」と言う映画を撮ったんだけどね、そこでついにオダギリジョー麻生久美子を結婚させるらしいんだ(^^)v

は: なんか最後はこの映画なんかどうでもいい雰囲気になってしまいましたが最後に一言どうぞ。
ゆ: まあお金を払っただけ笑わせてくれますから、Tチャンのためだと思って観てやってくださいませ<m(__)m>
は: ご覧になってる方は誰もTチャンなんて知りませんて(--〆)。

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2008/07/09

西の魔女が死んだ

Wetwitch6_2
はむちぃ: ご主人様、先日はまた奥様とお出かけでございましたね。
ゆうけい: 所用があって家内と出かけたついでに映画「西の魔女が死んだ」を観てきました。
は: 先日手嶌葵のアルバム紹介の記事に、この映画の事をコメントしてくださった方がおられましたね。
ゆ: そうそう、それで気になってたんです。ちょうど出先の近くのシネ・リーブル神戸で公開中だったし、それに夫婦だと一人千円になるしでね(笑。
は: 渡りに船、でございますか、で如何でございました?
ゆ: 解説の野島孝一氏の言葉をそのまま引用すると

「シンプルで力強く、しかも繊細で美しい映画」

でした、静かな感動を得る事のできる佳作ですね。

Weatwitch2 『 「魔女が倒れた。もうダメみたい」。中学3年生になった少女・まい(高橋真悠)に、突然の知らせが届く。魔女とはイギリス人の祖母のこと。まいはママ(りょう)の運転する車で、おばあちゃん(サチ・パーカー)の家へ向かう。2年ほど前、学校に行くのが苦痛になってしまったまいは、一時期だけおばあちゃんと暮らしていた。脳裏にあのころがよみがえる。豊かな大自然に囲まれて、“魔女修行”に励んでいた日々。いつも見守ってくれた優しいおばあちゃんのまな差し……。

Westwitch7 おばあちゃんは学校に行かない理由も問わず、無条件にまいを受け入れる。大好きなおばあちゃんのもとで、自然とともに生きる暮らしが始まった。おばあちゃんはまいを尊重し、一人前に扱ってくれる。おばあちゃんから魔女の家系だという話を聞いたまいは、自分も魔女になりたいと願う。おばあちゃんが課した“魔女修行”とは、早寝早起きをして規則正しい生活をすること。そしてもう一つ、「何事も自分で決める」ということだった。

Westwitch4 まいはスケジュール表を作り、“魔女修行”に励む。ジャムを作り、ニワトリを飼い、野菜やハーブを育てる毎日。新鮮な体験を重ねる中で、まいは次第に本来の自分を取り戻していく。だが、近所に住む謎の男ゲンジ(木村祐一)だけが気に触る。ゲンジのことをきっかけに、まいとおばあちゃんは、大きなわだかまりを抱えたまま別れてしまった。おばあちゃんの死に直面し、後悔の念に押し潰されそうになるまいを救ったのは、いつかおばあちゃんと約束した、“秘密のメッセージ”だった……。(Yahoo!映画ー西の魔女が死んだより、文、写真とも)』

は: 少女がひと夏の祖母との生活を通して成長していく物語ですが、祖母が英国人と言うところが普通の子供映画と様相を異にしておりますね。
ゆ: 英国人ですから日本のお祖母ちゃんとは違って確固たる個人主義があり、それに「魔女」というスパイスを効かせていますから、確かに邦画の雰囲気とは随分違いますね。
は: この祖母を演じられたサチ・パーカー様はシャーリー・マクレーンのお嬢様で、子供時代10年間日本にお住まいだったそうでございます。
ゆ: 「適役」とはまさに彼女のためにある言葉ですね、この映画を観た後で梨木香歩の原作を読んでみたのですが、サチ・パーカーの台詞の言い回し以外の表現方法はありえないだろうと言うくらい原作の祖母になりきっていましたね。長崎俊一監督も良くぞこんなにぴったりの女優さんを探してきたものですね。

は: 先程「シンプル」という評価がございましたが、確かにストーリーは淡々としておりますね。
ゆ: 確かに映画としては物足りない面もありますが、ほぼ原作通りなんですよね。脚本も長崎監督が担当しているんですが、原作に忠実に脚本を書き上げるか、改変してメリハリを付けるか、いろいろな考え方があると思いますが、今回彼は前者を選んだんですね、敢えて小品で良いと割り切ったところなど彼も老成してきたのかな(笑。

は: その代わりセットには思いっきり凝りましたね。
ゆ: 美術監督の矢内京子さんが精魂こめて作り上げたお祖母ちゃんの家と広大な庭はそれは素晴らしいものですね。CGに頼らない自然なセットで作る映画の良さをしみじみと感じますね。
は: 来年1月まで清里のオープンセットが一般公開されてるそうでございますよ。
ゆ: 元気なら是非行ってみたけどな~(涙。もし映画に出てくる料理が出るなら無理してでも行くけどね(笑。

は: さて心に沁みる原作、それに忠実な脚本、そして素晴らしいセットと揃えばあとは役者さんですね。
ゆ: 先程も言いましたが、サチ・パーカーを選んだ時点でこの作品の成功はほぼ決まりましたね。後でパンフレットを読んで彼女が何とまだ51歳で、実はそれ程日本語が堪能ではないと知った時はびっくりしましたが。
は: 孫娘役の高橋真悠様も好演されていたようですね。
ゆ: 原作の母親に言わせると「扱いにくい子」、祖母に言わせると「生まれてきてくれて本当に嬉しい子」という難しい役柄ですが、うまく演じていましたね。美少女ではなく演技が上手い子を選んだところに長崎監督の慧眼を感じますね。

は: 美人と言えばハーフの母親役のりょう様はいかがでしたか?
ゆ: 彼女には今まであまり良い印象を持っていなかったのですが、今回は見直しました。もちろんハーフらしい顔立ちと言うところも適役ではあるんですが、実はこの物語は祖母と孫だけの物語ではなく、母子の信頼と反発の葛藤と言うテーマの裏打ちがあってこそ深い物語となっているんですね、それを短い登場時間で見事に演じ切っていたと思います。

は: そしてストーリーにアクセントを付けるのはお笑い系のお二人、高橋克実様、木村祐一様でございます。
ゆ: 高橋克実の役柄は原作には無いんですが、あれくらいのメリハリは好もしいと思います、ほのぼの系の笑いを取れるいい役者さんですね。キム兄はサチ・パーカーに負けず劣らず原作のイメージどおりの適役でした、「ゆれる」でも好演していましたし彼も日本映画界に欠かせない存在になりつつありますね。

は: 最後に音楽でございますがトベタ・バジュンという方が担当しておられます。
ゆ: 所謂「癒し系」の方なんだと思うのですが小品であるこの映画に無理なく溶け込んでいて出しゃばりすぎず引っ込みすぎず、いい仕事をしていますね、そしてエンドロールに手嶌葵を持ってくる、今回長崎監督が仕掛けた唯一のケレンかもしれませんね(笑。

は: ところで、スピリチュアル系には嫌悪感を持っておられるご主人様が本作はすんなり誉めておられますね。
ゆ: おっ、あえて避けてきた話題を(笑。まあ、児童文学の範囲内で許容していいんじゃないでしょうか。
は: 例えば最後のシーンで曇った窓ガラスに描かれたメッセージをお祖母ちゃんの死後に起こった「奇跡」ととるか、死ぬ前に書いた「孫との約束」と取るかですが?
ゆ: それは人それぞれで良いんだと思います。まさしく、

「自分で判断するんですよ」(祖母の口癖)

ですね。もちろん、成長とともに考え方が変わる事もあるでしょう。私は主人公の父と同じく

「人は死んだら何も残らない」

と思っていますが、幼い子にそういう事を押し付けてはいけないと、今回このお祖母ちゃんから教わりましたね(苦笑。
は: そう言えばシャーリー・マクレーン様は熱心な輪廻(reincarnation)の信者でいらっしゃいますね。
ゆ: サチ・パーカーがその影響を受けている事はインタビューでも語っていますが、役柄の通りしっかりとした個人主義で軸のぶれない人のようですから、

「自分で判断するんですよ」

と、決して他人に強制することはしないでしょう。

は: 今回は作品が作品だけにあまりボケやツッコミがございませんでしたが、最後に一言お願いします。
ゆ: 戦後、真の意味での西洋の「個人主義」を日本人は理解・消化しきれないうちに物質文明の奔流に飲み込まれてしまい、その結果現在の様々な社会問題が発生しているのではないかと思います。そう言う意味でこういう児童文学を映画化する意義は大きいと思います、多くの人に観ていただきたい映画ですね。

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2008/07/04

秒速5センチメートル

秒速5センチメートル 通常版
はむちぃ: 今日は久しぶりにアニメの紹介でございます。心の琴線に触れるアニメでカルト的人気を博している新海誠様の短編集「秒速5センチメートル」でございます。
ゆうけい: 秒速5センチメートルとは桜の花びらが落ちていくスピードなんですが、この映画ではその他にも沢山秒速5センチメートルで動くものが出てきます。
は: そして若い男女のお互いの心の近づく心高鳴るスピードかもしれないし、或いは離れていく切ないスピードかもしれませんね。
ゆ: おっ、はむちぃ君も思春期かな(笑、本当に切なくて哀しくてそして美しいアニメですね。


Phg_15 第1話: 桜花抄

東京の小学生、遠野貴樹と篠原明里はお互い「他人には分らない特別な想い」を抱えていた。だが小学校卒業と同時に明里は栃木へ転校してしまう。中学に入ってからも文通を重ねていた二人だったが、その年の冬に今度は貴樹が鹿児島へ転校することが決まった。鹿児島と栃木では絶望的に遠い。「もう二度と会うことが出来なくなってしまうかもしれない。」そう思った貴樹は、栃木の明里の元へ会いに行く。しかしその日大雪が降りだして・・・・。その日、2人の間に「永遠」と「瞬間」が交錯して降り注いだ。

Phg_b8 第2話: コスモナウト
種子島の高校生、澄田花苗は、中学の時に東京から転校してきたクラスメートの遠野貴樹に恋をしていたが言い出せずにいた。貴樹が東京の大学へ行くと知った花苗は、想いを告げようと決心する。二人での下校途中花苗のカブが壊れてしまい、薄暮の道を歩く二人。花苗は自分の思いが決して届くことがない事を悟り、涙が止まらなくなる。振り向いて驚く貴樹の背中越しに轟音とともにロケットが遥か遠い宇宙へ旅立っていく。

Phg_29 第3話: 秒速5センチメートル
遠野貴樹は高みを目指そうとしていたが、それが何の衝動に駆られてなのかは分からなかった。大人になった自らの自問自答を通じて、魂の彷徨を描き、そのBGMに山崎まさよしの「One More Chance, One More Time」が優しくも哀しく 響く。貴樹はある踏み切りで偶然すれ違った女性を明里だと直感する。「僕が振り向けばあの人もきっと振り向くはずだ」双方向に電車が通り過ぎる間の長い時間。そして踏み切りの向こうには。

オフィシャルHP、Wikipedia参照) 

は: 男性主人公の中一、高三、そして社会人の三つの時間軸でのエピソードを描いておりますが、どれも切なくてそしてとても映像が美しくて感激いたしました。
ゆ: 桜、雪、星空、どれも丁寧に描きこまれていますね。特に宇宙センターのある種子島の空は非現実的なくらいに美しく描きこまれていて感心しました。それに比べると人物の作画がややステレオタイプと言うか、今風アニメの域を脱していない印象があります。ストーリーがどれも心の琴線に響いてくるものだけに、少し残念に思いました。

は: 声優さんはどうでしたでしょうか?
ゆ: 監督がインタビューで声優の選択について述べていましたのでフンフンなるほどな、と彼のこだわりが分かったような気がしました。ただ、第一話の中一の主人公の台詞は老成し過ぎていてちょっと違和感がありますね。もちろん第三話の時点での自分が過去の自分の心理を語っていると考えればそれでいいのかもしれませんが。

は: 内容をもう少し吟味いたしますと、第一、二話がしっかりと起承転結のあるストーリーになっているのに比べますと、第三話はエピローグ的な散漫さもあるように思いますが?
ゆ: アニメとして描きたいテーマは二つの作品で語りつくしてしまったんでしょうね。二作で少年少女の心の距離の揺らぎに重点が置かれていたのに対し、第三話は「大人になる事の痛切さ」が前面に出ています。監督には色々と考えるところがあったのでしょうが、おそらくあれ以上踏み込んで描く痛みを敢えて避ける事を選んだのでしょう。それは自身のためでもあり観客のためでもあるのかもしれませんが、出来ればもう少し細やかな心使いを以てストーリをもう少し練って欲しかった気もします。

は: とにもかくにも日本のアニメーションの質の高さを世界に誇れる作品でございます。青春の入り口に立った頃の自分を思い出してみてくださいませ。
ゆ: 明里が持っている本はトルーマン・カポーティの「草の竪琴」です。これもとても嬉しい設定でした。確かにカポーティの初期の小説の持っていた少年期の切なさに通じるところのある作品だと思いますので是非どうぞ観てくださいませ。

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2008/06/24

ザ・マジックアワー

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(オフィシャルHP壁紙より)
はむちぃ: ご主人様、先日の日曜日は雨の中、奥様と映画鑑賞にお出かけでございましたね。
ゆうけい: そうそう体調を崩してからは余程のことがないと出かけないんだけれど、夫婦揃って三谷幸喜ファンなもので、「ザ・マジックアワー」を観に行ってきました。
は: 日曜日でございますから混んでいたのではありませんか?
ゆ: それがまあ大変(^_^;)、丁度「インディー・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」の公開後初の日曜日ということと、当日「僕の彼女はサイボーグ」の舞台挨拶に綾瀬はるか小出恵介が来るというのでまあ、朝から大変な騒ぎでございました(苦笑。でも、「ザ・マジックアワー」は8分入りくらいでしたが、さすが目の越えた方ばかりだったようで落ち着いて楽しく鑑賞できました。

は: とは言えもう観客動員160万人を突破したそうでございますよ。三谷様が余りにTVに出て宣伝し過ぎるので顰蹙を買っているという話もございますが。。。
ゆ: 探偵ナイトスクープに依頼を出したり、レッドカーペットでお気に入りの世界のなべあつを鑑賞したりしてましたね(笑。確かに今回は凄い露出度なんですが、裏情報によると最近ヒット作が出ずにピンチの亀山千広を助ける為という漢気で頑張ってるようですよ。CX系列以外はいい面の皮かも知らんけどね(苦笑。

は: で、三谷様の最新作の出来栄えはいかがでございました?
ゆ: もう良い意味でも悪い意味でも三谷幸喜は「日本のウッディ・アレン」と呼んで良い存在になりましたね。映画そのもの或いは映画作りそのものへの愛に溢れていて

「この映画の主人公は映画そのもの=主人公は三谷幸喜

だと見終えた直後に思いました。エンドクレジットの横の画面でホテルのセットが組み上げられていくので特にその印象を強くしたのかもしれませんが。

『港町・守加護(すかご)でギャング・「天塩商会」のボス(西田敏行)の愛人のマリ(深津絵里)に手を出した備後登(妻夫木聡)は、自分の命を見逃してもらうため伝説の殺し屋「デラ富樫(?)」を連れてくることになる。探しても一向にデラ富樫を見つけられない備後は苦肉の策として、売れない俳優・村田大樹(佐藤浩市)を映画の撮影と騙してデラ富樫に仕立てて乗り切ろうと画策する。相手が本物のギャングとは知らずデラ富樫を熱演する村田、村田と「天塩商会」に嘘がばれないよう四苦八苦する備後、村田をデラ富樫と信じる「天塩商会」の面々。それぞれの思いやすれ違いが行き交う中、次々と予期せぬ展開が待ち受ける。』

は: すかごという港町の名前からして、禁酒法時代のシカゴを描いたハリウッド映画のノリでございますね。
ゆ: 西田敏行局長がアル・カポネ(笑、それに加えて映画中映画も凝っていて、ジャン・ギャバン全盛時のフィルム・ノワール原健三郎大先生が脚本を書いてた頃の日本の無国籍アクション映画なんかを思い出しました。映画中映画の一つの監督役が市川昆さんなんですが、これが出演作としては遺作となったそうです。ご冥福をお祈りいたします。

は: そう言えば冒頭写真の街のセットがたまらなく懐かしい感じがいたしますね。
ゆ: そうなんだよね~、映画中でそう言うセリフを入れているところもニクイよね、個人的にはフランシス・コポラ監督が個人的楽しみの為に作ったんじゃないかと揶揄された「ワン・フロム・ザ・ハート」のセットをちょっと思い出していたのですが、後でプログラムを読んだらこの映画の事も言及されていて嬉しかったです。
は: ご主人様が大好きなナスターシャ・キンスキー様が胸キュンな役で出ておられた映画でしたね。
ゆ: 深津絵里がペーパームーンに乗って歌うところなんか、ちょっとナスターシャとダブってウルウルきました(笑。

は: ではその深津様をはじめとする俳優陣はいかがでしたでしょう?佐藤浩市様を初めとして、比較的三谷作品に縁の薄かった方がメインキャストに起用されていますね。
ゆ: 彼を初めとして本筋に三谷色の薄い俳優さんを多く起用したのは吉と出てると思いいます。その分常連さんは映画中映画に出てもらって帳尻を合わせてましたね(^_^;)、いやいや粋な演出だと思います。
は: 二枚目の佐藤様にコメディの才能がこれだけあったとは驚きでございます。
ゆ: 前作の「THE 有頂天ホテル」ではクソまじめな汚職国会議員役だったんですが、それを演じる彼を見てやれると確信したんでしょう、やはり三谷さん慧眼だと思います。
は: ヒロインの深津絵里様は?
ゆ: 映画「(ハル)」で良い女優さんが出てきたなと思ったんですが、「踊る大捜査線」シリーズ以降CX系列の作品ばかりと言うのは女優としての成長を妨げているんじゃないかと思ってました。でもまあ、この作品に出会って良かったんじゃないでしょうか。それにしても随分痩せましたねえ、病気じゃないかと心配なくらいです。
は: その他の方はいかがでございましょう?
ゆ: やはり「日本映画」を支え続けてきた伊吹吾郎さんが光ってますよね。あとはやはり三谷映画の押さえとして欠かせない戸田恵子さんでしょうか。彼女、やっぱり変幻自在だなあ。

は: というわけでほのぼのと笑って楽しめる小粋な映画でございます。
ゆ: 「映画」が好きな方ならどなたでも楽しめると思います、是非どうぞ。では、エンドロールに参りましょう(笑。
 

村田大樹(売れない三流役者) : 佐藤浩市
備後登(ボスの手下・クラブ「赤い靴」支配人) : 妻夫木聡
高千穂マリ(ボスの愛人) : 深津絵里

鹿間夏子(クラブ「赤い靴」従業員) :綾瀬はるか
天塩幸之助(ギャングのボス) : 西田敏行
マダム蘭子(港ホテル女主人) : 戸田恵子

黒川裕美(天塩商会代貸し) : 寺島進
長谷川謙十郎(村田大樹のマネージャー) : 小日向文世
鹿間隆(クラブ「赤い靴」バーテンダー) : 伊吹吾郎
清水医師(港ホテル滞在客) :浅野和之
菅原虎真(天塩商会・会計係): 市村萬次郎
高瀬允(かつての映画スター) :柳澤愼一
江洞潤(江洞商会会長) :香川照之
太田垣直角(天塩の手下) :甲本雅裕

今野貴之介(CMディレクター) :近藤芳正
西さん(ベテラン特機部):梶原善
野島(操演担当) :阿南健治
なべさん(弾着の名人) :榎木兵衛
市長 : 梅野泰靖
警察署長 :小野武彦
映画監督 : 市川崑

映画中映画の出演者: 中井貴一、鈴木京香、谷原章介、寺原康文、天海祐希、唐沢寿明

スタッフ:
脚本と監督:三谷幸喜
製作:亀山千広 島谷能成 
制作プロダクション:シネバザール
製作:フジテレビ 東宝

Magichour012_1024
(オフィシャルHP壁紙より)

「太陽が消えてから、周囲が暗くなるまでのほんの僅かな時間、それがマジックアワーだ」

『 市川監督は、この撮影の後、92歳でお亡くなりになりました。完成品を見て頂けなかったのが残念です。でも現場で台本を誉めて下さいました。今でもその時の言葉を覚えています。

「なかなかよく描けている。でも長いな」

(三谷幸喜プロダクションノートより、「描けて」はママ)』

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2008/06/03

亀は意外と速く泳ぐ

亀は意外と速く泳ぐ デラックス版
ゆうけい: どうも、蒼井優天才説論者のゆうけいです。
はむちぃ: はいはい、オーディオ界の東の雄のDolonさんと西の雄のUENOさんに賛同していただいたからってあまり頭に乗らない方がようございますよ(--〆)
ゆ: あっちは嬉しいでやんす)^o^(
は: ご主人様がおせんの真似しても気持ち悪いだけですよ(-"-)。というわけで今日の映画レビューは「亀は意外と速く泳ぐ」という、まあけったいな題名の映画でございますね。
ゆ: なんせ「時効警察」や「転々」の三木聡監督の作品ですから。皆様のご想像の通りユルユルの映画でございます。

『 学生時代から平凡な女の子だった片倉スズメ(上野樹里)は、結婚しても平凡な専業主婦だった。幼馴染のクジャク(蒼井優)はエキセントリックな変わり者で、いつもスズメは振り回されていたが、それでも怒ることもなく、なんとなーくいまでも友達だ。ところがある日、ひょんなことからスパイ募集!の広告を発見し、夫が海外出張中で退屈極まりない日々を過ごしていた彼女は思わず電話をかけてしまう。
 三日後、彼女は指定された安アパートに向かう。スズメを迎え入れたのは、クギタニシズオとエツコ夫妻(岩松了ふせえり)。普段は商店街のアナウンス嬢と無職の男である。彼らは自分達がある国のスパイだという。そしてスズメのように典型的な平凡人こそスパイ向き、ぜひスパイになって欲しいと説得する。彼女は半ば強引に活動資金として500万円を渡されてしまった。こうしてスズメのスパイ生活は始まった。』

は: ゆるいね。
ゆ: ゆるゆるだね。
は: ここまでゆるくていいんだろうかね。
ゆ: というわけでまたまた草野心平ネタを使い回してしまいましたが、さすが三木聡、ゆるい映画を作っております。それにしてもこの人、貼り紙が好きやねえ(笑。
は: 小道具さんも大変でございますね(笑、それにしても「スパイ募集」の貼り紙のちっこさには笑いました。
ゆ: 丁度はむちぃサイズだね(笑。配役も岩松了ふせえり松重豊緋田康人等々相変わらずの三木聡人脈ですし、そう言う意味では安心して観られますね。

は: さて問題は主人公女優のお二人でございますね。
ゆ: そうそう、ユルユル映画の主人公にぴったりのちょっとボーっとした上野樹里と、切れまくる蒼井優、「クワイエットルームにようこそ」に勝るとも劣らない良い組み合わせですね。
は: 上野樹里様ファンに怒られても知りませんよ(--〆)。
ゆ: まあ、スイングガールズとのだめで十分そう言うキャラを確立してますから(^_^;)、それにまあ役柄がそうなんだと言うことでご了承くださいませ。
は: それに引き換え確かに蒼井優様は目一杯はじけておられますね。
ゆ: 最初の登場シーンで、昭和時代のようなパーマ(名付けて永久パーマ(爆))をかけちゃった上野樹里に向かって、拾った虎柄の拡声器

「ナンじゃオマエその頭は~!!」

と叫ぶだけで

キタ━(゚∀゚)━!!!!!

って思いましたね。やっぱり蒼井優は天才だわ。
は: またまたベタなアスキーアートまで使って(-"-)、三木聡監督も確かにその辺を心得て思いっきりエキセントリックな役柄にされてますね。名前からしてスズメとクジャク(笑。
ゆ: 二人は同じ産院で同じ時間に産まれて同じ学校を卒業して、という過去を紹介する場面があるんですが、女学生の時のカバンの対比には笑いましたね。
は: スズメ(上野)様がカバンの四隅にかわいい動物柄をあしらっておられて、
Americanlife ゆ: クジャク(蒼井)は「American Life」のジャケットになっているチェ・ゲバラの扮装のマドンナやビョークのロゴなんかを一面に貼りまくってました。このあたりの三木聡のセンスは好きだなあ。
は: もろにご主人様のツボにはまっておりますね。そう言えば住んでる家も凄かったですね。
ゆ: 海岸の洞窟(笑。あれ、時効警察にも出てきたような気がするけど(苦笑。

は: というわけで主人公お二人の対比は見事でございましたが、結局何が言いたい映画だったのか良く分かりませんでした。
ゆ: まあ敢えて言えば平々凡々たる日常も見かたを変えれば刺激に満ちた面白いものになりますよ、ということをユルく主張してるのかもしれませんね。
は: さすが「トリビアの泉」を仕掛けた人だけのことはありますね。
ゆ: でもあまり誉めすぎるとまじめに観た人が怒り出すかもしれませんので言っときますが、

「くっだらない映画」

ですから(笑。三木聡ファンと蒼井優ファンだけには必見ですと申し上げておきましょう。

は: そう言えば亀が速く泳ぐシーンはありませんでしたね(・・?
ゆ: トレイラーの一つでは温水洋一亀にマブチモーターをくっつけて泳がせるシーンがあるんですが、いい子はマネをしないようにね(^_^;)。

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2008/05/14

相棒-劇場版-

 家族一同水谷豊とTVドラマ「相棒」のファンなもんで、「相棒劇場版」を観てきました。GW公開の映画の中ではぶっちぎりの人気だそうでTV朝日には御同慶の至りです。TV朝日系の総力を挙げての宣伝が見事効を奏したようですね。特に探偵ナイトスクープの顧問に水谷豊が出演されたのには本当にびっくりしました。でも。。。見事な駄作でした(涙。いつもは映画レビューははむちぃと一緒にやってますが、今日は呼び出す気もしません(苦笑。

『東京郊外の巨大なテレビ塔で、元・人気ニュースキャスターの仲島孝臣が死体で発見された。現場に残されていたのは、「f6」という不可解な記号。警視庁特命係の杉下右京(水谷豊)と亀山薫(寺脇康文)は、小包爆弾のターゲットとなった衆議院議員・片山雛子の護衛を命じられた。雛子は爆発物で襲われるも、襲撃現場にはまたしても「d4」という謎の記号が。右京と薫は、会員制WEBサイトに「処刑リスト」と名づけられた掲示板があることを知り、仲島と雛子の事件が予告殺人だったことを突き止め、一連の事件は連続殺人であると確信する。そして右京は「処刑リスト」サイトを乗っ取ったという正体不明の人物と真剣勝負の対局へ。その投了図から驚愕の事実が発覚、未曾有の大事件の始まりを告げる! 右京と薫が史上最大の難問に挑む、人気TVドラマ「相棒」待望の劇場版。(CinemaCafe.Netより)』

監督:和泉聖治
脚本:戸田山雅司

キャスト:水谷豊、寺脇康文、鈴木砂羽、高樹沙耶、岸部一徳、木村佳乃、西田敏行、西村雅彦、原田龍二、松下由樹、津川雅彦、本仮屋ユイカ、柏原崇、川原和久、山中崇史、山西惇、六角精児 、平幹二朗

 TVの常連は映画でもそれなりにそれぞれの役割を果たしています。そのTV陣からはいささか浮いてはいますが、西田、津川、平などの名優の映画俳優らしい重厚な演技はさすがだなと思います。本仮屋ユイカとか言う若い女の子のたどたどしい演技も御愛嬌でしょう。

 そしてテーマは悪くないし、とりあえず導入部はスリリングで、これはひょっとしたら瓢箪から駒的傑作か?と言う期待感を抱かせます。

 でも、ここまでで脚本が力尽きてしまうんですねえ(嘆息。まず真の犯人が途中で容易に推測できてしまいます。そしてその犯人が壮大な数のエキストラを動員したと思われるマラソンに仕掛けた数々のトリックの悉くが、結果的に何の必然性も無いのです。派手な爆発などのアクションシーンもまあネタバレにならない程度で言うと

「マラソンと何の関係も無い」

そして犯人はあっさりつかまり、その後は尻すぼみもいいとこ。

 脚本家は社会派を気取ってるのかもしれませんが、正直なところ映画ファンをなめてるとしか思えませんね。最近のTVドラマの映画化の特徴である小ネタをあちこちに仕込んでネットと連携して楽しませるやり方も踏襲していますが、それよりはもっとまともな脚本を書くことに全力を挙げてほしかったと思います。

 結局のところ、TV人気に便乗してド派手な大作にして、いくいくは「踊る大捜査線」のようなドル箱映画シリーズにしたいという根性がミエミエなんですよね。まあ、相棒ファンにならお勧めできないことも無いですが、相棒を御存じない方にはもう少しまともな映画を観た方がいいです、と申し上げておきます。

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2008/04/29

転々

転々 プレミアム・エディション

はむちぃ: 先日ゆうけいが「夕凪の街 桜の国」のレビューで「やるじゃん、三日月君」てなボケをかましておりましたが、これはTVドラマ「時効警察」ネタでございました。
ゆうけい: 本日のレビューはその「時効警察」のスタッフと主演のオダギリジョーが組んで作った映画「転々」を取り上げてみました。

『監督・三木聡×主演・オダギリジョーという『時効警察』のコンビが贈る、ひとりぼっちの男ふたりの心ほどける東京散歩ムービー!両親に捨てられ、育ての父親は逮捕されてひとりぼっちになってしまった大学生の竹村文哉。いつのまにかこしらえた84万円の借金の返済期限を前日に控えたある日、借金取りの福原から借金をチャラにする方法を提案される。それは吉祥寺から霞ヶ関までの散歩に付き合うということだった…。(ORICONデータベースより)』

は: 随所に三木聡風のお笑いネタはちりばめられてはおりますが、、、
ゆ: プロットはでたらめもいいとこですけど、内容は意外にほのぼの系でしたね。
は: 東京の街中を散歩するだけの映画と言うアイデアは面白うございますが、たいした盛り上がりもなく淡々と話は進みますね。
ゆ: 一応ロードムービーと言えるんでしょうけど、コマ割りとか演出とかは、いかにもTV監督の映画だなと言う感じでした。でもって中盤まではあまり感心はしなかったんですけど、どういうわけか徐々に心に沁みてくるんですよね。後半にキョンキョンの家に二人が2,3日居候するところなんかは結構うまく主人公二人の情感を描いていたと思います。
は: オダギリジョーさんが最初嫌っていた三浦友和さんに感情移入していくところなど、結構心憎い演出でございますね。
ゆ: この映画での三浦友和の演技は本当に見事ですね、キャストの中で彼だけが本当に映画俳優らしい俳優だなあと思いました。

は: もちろん時効警察のキャストもたくさん出ておられますが。
ゆ: スーパーの事務所なんか時効警察の机の配置とそっくりでしたね(笑、岩松了ふせえりのかけあいなんてまんまだし。
は: 三日月しずか様も、
ゆ: それは言わない約束でしょ~、ま、一瞬だけ出てきますので麻生久美子ファンはお見逃しなく。

は: という訳で時効警察ファンはもちろん、ちょっと切ない映画を観たいな、と言う時にはよろしい映画かと思います。
ゆ: その切なさをムーンライダーズの音楽がひきたてております、「髭と口紅とバルコニー」、「スカンピン」なんて懐かしいナンバーが出てきますので鈴木慶一ファンもぜひどうぞ。

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2008/04/20

クワイエットルームにようこそ

クワイエットルームにようこそ 特別版 (初回限定生産2枚組)

はむちぃ: 皆様、お元気でいらっしゃいますでしょうか、またまた映画レビューでございます。今回は「クワイエットルームにようこそ」を取り上げてみたいと思います。理由は言うまでもございませんが、一応ご主人様から言ってもらいましょう。
ゆうけい: どもっ、ゆうけいどぇっす。当然ながら日本映画の宝、蒼井優さんの切れるような演技を鑑賞する為でございます。

『バツイチのフリーライター佐倉明日香(内田有紀)は、目覚めたら真っ白な部屋で手足を拘束されて寝ていた。彼女は閉鎖病棟の中でもやっかいな患者が入れられる“クワイエットルーム”にいたのだ。この病院には、自分の髪を燃やしたり、拒食症(蒼井優)で吐いたり、何度も閉鎖病棟から出ようとしてはがい締めにされたりといろんなタイプの病んだ人がいた。でも私はフツーなのに…。やってきた恋人(宮藤官九郎)に聞くと、どうやらオーバードーズで倒れて運ばれたらしい。睡眠薬の量が多すぎたのだ。明日香はずっと不眠症で、それは離婚したときから始まっていた。いったい何があったのか? 彼女は閉鎖病棟から出ることができるのか?
 “大人計画”の松尾スズキが、芥川賞候補になった自身の同名小説を映画化したブラックな味わいのコミカルな人間ドラマ。(斎藤香、AMAZON解説より)』

は: ご主人様は難病ものとか病院サスペンスものは大嫌いなんじゃないんですか?
ゆ: 日本のものはスタッフの知識不足、取材不足で荒唐無稽すぎるからね。ところがブラックコメディのはずのこの映画、プロが見ても不思議なリアリティがあるんだよ、松尾スズキって余程閉鎖病棟に詳しいのかね?。
は: 松尾様に怒られますよ(--〆)、で、例えばどんなところがでございます?
ゆ: 普通の方はいきなりの五点拘束にびっくりされるかもしれませんが、その後明らかになっていく経過から見ても当然の処置ですね。最初に出される気持ちわる~い流動食もあるある(^O^)、ってな感じです。また、りょうが演じてる婦長は

「冷酷な鬼婦長」

って言う設定だけどプロから見ると非常に優秀なナースですね。
は: 患者に首を刺された過去があるって設定でございますが、そんな事されたら普通辞めますよね。
ゆ: あれだけ切れるナースなら自分が院長でも是が非でも引き止めますね、きっと(笑。

は: なるほど、しっかりした医療現場の取材に基づいた上でコミカルな脚本を書いていると言うわけでございますね。
ゆ: ただ一点だけ現在医療の変化についていってない点を挙げておくと、内田有紀が最初の救急病院でやられて死ぬほど苦しむ胃洗浄は今はやりません。嘔吐による窒息や誤嚥の危険性が高いからです。まあ、それを知らずに未だにやってる医者も皆無とは言い切れませんけど。
は: では今はどうするんでございますか?
ゆ: 今は薬用炭に薬を吸着させて下から出します。もちろん点滴はして利尿も促しますけどね。
は: 以上で「ゆうけいの医学講座糸冬了~」でございます(-_-)。
ゆ: を~い、2ちゃん用語で勝手にしめないでくれよ~(T_T)

は: はいはい、分かっております、俳優陣でございましょ、じらすわけでもありませんが、先ずは主人公から伺いましょう。
ゆ: ややだらしなくて自棄的なところもあるけど不幸が染み付いた気の毒な女、と言う設定なんですが、それを実生活でも苦労した内田有紀にやらせたスタッフが凄いな(^_^;)。
は: 実生活での人間的成長が良い演技を引き出したようですね。
ゆ: そうですね、でも彼女の場合あくまでもごく普通の演技力なのですが、それについては後で検証しましょう。

は: 旦那役の宮藤官九郎もさすがの怪演でございます。
ゆ: 自分でも演出の出来る人ですからツボを心得ているよね。警官の目の前でガンジャを隠したマトリョーシカが転がるシーンには笑いました(^O^)。
は: 過食と嘔吐を繰り返し金に汚い元AV女優を演じる大竹しのぶ様も堂に入った演技ですね。
ゆ: をいをいまだかよ~(涙、まあ大竹しのぶはあれくらいお茶の子さいさいで演技しますわな、最初親切に見えて最後は憎たらしくなるところなんかホントうまいもんです。さっ、いよいよ蒼井優さんに行きましょっ!

は: 蒼井様はこの映画で拒食症の女性を演じるためにかなり体重を落とされたようですね。
ゆ: 見上げた女優根性ですな。
は: 閉鎖病棟の中では一番まともそうではございますが、それでもやはりそこから出られない女性を演じておられます。
ゆ: にたっと笑ってぼそぼそっと台詞をしゃべるだけで内なる狂気を表現するところなんかやっぱり天才だなと思いますね。
は: 実際閉鎖病棟からこちらの世界に戻って来れるか来れないかは紙一重に見えて凄い断層があるんでしょうね。
ゆ: そうなんだよ、そしてその戻ってこれる女性をごく普通の演技力の内田有紀、戻って来れない女性を天性の才能を持つ蒼井優に設定したところにスタッフの慧眼を感じますね。

は: 以上精神科病棟という暗く重いテーマをコミカルに描いた佳作でございます、荒唐無稽に陥る事のない脚本と演出、適材適所の俳優陣の頑張りで楽しめる映画になっております。
ゆ; 一応ハッピーエンドに見えて、実際この映画に出てきた患者たちの将来は正直なところ暗澹たるものであろうことは容易に想像がつきます。それを分かっていて敢えて笑い飛ばして明るく描いた松尾スズキのセンスはブライアン・良~の~(笑

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2008/04/15

夕凪の街 桜の国

夕凪の街 桜の国
は: さてみなさん、浜村淳はむちぃでございます。頃は桜の季節、原爆ドキュメンタリーの「ヒロシマナガサキ」のレビューも終わりました事ゆえ、今回はいよいよみなさんに「夕凪の街 桜の国」をご紹介いたしませう。
ゆ: さあみなさん、ハンカチの用意はいいですか~、1、2、3、ダ~(ToT)
は: そのネタは2チャン用語で「がいしゅつ」でございます(--〆)、まあ私メの浜村淳様風のイントロもそうですが。
ゆ: スマソ、でもね~この映画、夫婦揃って滂沱の涙を流しまくった記憶しか残っとらんのだ、はむちぃ君一緒にもう一回観ないかね?
は: はいはい(ーー;)、そんな事ではないかと思っておりました、ではなんちゃってホームシアターに参りましょう。

『「夕凪の街」昭和33年、復興が進む広島で、平野皆実(麻生久美子)は母親・フジミ(藤村志保)と貧しくも平穏に暮らしている。弟・旭(伊崎充則)は戦時中に水戸へと疎開し、そのままおば夫婦の養子になっていた。ある日、皆実は会社の同僚・打越(吉沢悠)から愛の告白を受ける。しかし、原爆で自分が生き残った罪悪感を感じる皆実は幸せに飛び込んでいけない。そんな皆実の思いを打越は優しく包み込む。

「桜の国」平成19年、夏の東京。定年退職した旭(堺正章)と一緒に暮らす娘の七波(田中麗奈)は、父親の最近の行動を心配していた。今夜も一人、家族に内緒で出かけていく旭のあとをつけてみると、広島へと行き着く。七波は広島で旭が立ち寄る先や会う人々を遠目に見ていくうちに、亡くなった祖母・フジミや伯母・皆実へ思いをめぐらせる。七波は家族や自分のルーツを見つめ、広島でかけがえのない瞬間をすごしていく。(AMAZON解説より)』

は: 、、、、、泣けますね、確かに。
ゆ: 、、、、、沁みますなあ。
は: こうの史代様の原作が優れている事ももちろんでございますが。
ゆ: 変に原作をいじらず、昭和33年の広島を描いた「夕凪の街」と平成の東京を描いた「桜の国」の二つにきっちりと分けた脚本が成功していますね。
は: その二つの物語において、原爆直後から約半世紀にわたって一人の男性と4人の女性が原爆禍でお亡くなりになるわけですね。
ゆ: 原爆の遺伝子に与える長期的影響の恐ろしさ、そしてそれによる偏見や差別が平成の今の時代にまで影を落としている事を、二つの物語に分けることによりうまく描いていましたね。
は: 監督が「半落ち」で感涙を絞った佐々部清監督様でございますからそのあたりもお上手なのでしょう。
ゆ: 実は「半落ち」はわざとらしい部分や医学的に納得できないところがあって個人的には必ずしも好きな作品ではなかったんです。だからこそ、今回はドキュメンタリーの「ヒロシマナガサキ」であざとい作為の有無の裏づけを取りたかったんです。
は: その結果納得されたわけでございますね。
ゆ: その通りですね。むしろ穏便な描き方なんだなと思ったくらいで、この映画のご家族には失礼ですが、もっと苛烈な人生を歩まれてこられた方も沢山おられるという現実には言葉もありません(涙。

は: さて、映画の内容なのですが、前半「夕凪の街」はまだまだ復興途上の貧しい広島の町を舞台に、原爆で父と妹を亡くした被爆者女性皆実様の哀しい運命を描いております。
ゆ: 原爆時、当時6歳の妹が背中に負われたまま

「姉ちゃんは長生きしてね」

と言い残して息絶えてしまい、自身も左手にケロイドを残している女性が、内心では好きな人の好意をその心の傷ゆえに受け入れられず苦しむ姿が哀れを誘いますねえ、あ、書いていてまた涙がキーボードに落ちるよ(オロオロ。
は: ご主人様、ポストモダン的表現は控えられますように(-_-)。そしてその恋人打越様が

「生きとってくれてありがとうね」

と抱きしめる場面がこの映画の一つのハイライトでございますね。
ゆ: オロロ~ン(ToT)、そして被曝後13年を経た彼女にも原爆症と言う過酷な運命が容赦なく襲ってくるんですね。まだバラックの立ち並ぶ、夕凪で蒸し暑い太田川のほとりでの皆実、恋人、疎開先から見舞いに帰ってきた弟の3人の語らいのシーンも深く印象に残ります。

は: 前半の主人公、皆実を演じられた麻生久美子様は素晴らしかったですね。
ゆ: 三日月さん、すごいじゃん(゜o゜)!
は: 時効警察オダギリジョーですか、あんたは(--〆)!
ゆ: いやいやほんとにびっくりしましたね、過去にも「カンゾー先生」みたいな佳作もあるにはありましたけど、一方で「赤影」や「魔界転生」をはじめとする数多くのトホホ映画に「美人だから」というだけで担ぎ出されてて気の毒でした(^_^;)。まあその苦労が実り(^_^;)?、ついに彼女の美貌と実力が遺憾無く活かしてくれる監督と出会う事ができましたね、キングあおぽんさんやhomさんもさぞお喜びでしょう(笑。
は: この熱演で昨年度の報知映画賞、ブルーリボン賞の主演女優賞を獲得されておられます。
ゆ: 薄命の美人役というのは脚本さえよければ、それ程の演技力はなくても感動を与える事ができるとも言えるんですが、それを越えた何かが今回の彼女にはありましたね。
は: 多少広島便は拙かったとは思いますが、

「(原爆は)落ちたんじゃなく、落とされたんよ」
「私らが死ねばいいと思って落とした人がおったちゅうことでしょう」
「十年経ったけど、落とした人はわたしを見て「やった、またひとり殺せた」とちゃんと思うてくれとるん?」

と振り絞るように思いを語るところなどは本当に鬼気迫るものがありましたね。
ゆ: ああまた涙が(以下略)、、、ホントあのスカタンの日本アカデミー賞も、主演男優賞が東京タワーなんたらかんたらのオダギリジョーで主演女優賞が麻生久美子なら面白かったのに(笑。
は: 確かにどっちも読売系の協賛映画でございますが、それじゃあTV Asahiの思うツボでございます(-.-)。

は: さて後半「桜の国」にはいよいよご主人様のマイブーム田中麗奈様の登場でございます。前半の主人公皆実の弟石川旭(堺正章)の娘役をされていますね。父の不審な行動の秘密や病弱だった弟と同級生だった友達の思わぬ関係を探るうちに、原爆が家族に残した傷跡を少しずつ理解していきますが。
ゆ: 現代っ娘らしいサッパリとした娘役を好演しておりますね、麻生久美子の亡くなった歳を少し過ぎてしまってまだ独身、原爆の事は良く知らないという設定で、今昔の女性像の違いをくっきりと際立たせた監督の手腕は大したものだと思います。
は: この配役が逆なら映画は失敗してたかも、と思いますね。
ゆ: そう、適材適所だったわけですよね。

「オマエは死んだ皆実姉さんに良く似ているんだ」

というマチャアキのセリフにはかなり無理があると思いますが(笑。

は: 堺様も「機関車先生」でもこの映画でも実に自然体で良い演技をなさっていますね。
ゆ: 原爆直後に父と次姉を、13年後に長姉を亡くし、そして歳月が流れ、母の反対を押し切って結婚した妻を亡くし、最後に母を亡くし、息子の遺伝を心配しているという役柄なんですが、彼がやると重すぎず軽すぎず、映画に絶妙のバランスを取ってくれますね。
は: それだけの不幸を背負っているにしては演技が淡白すぎるという見方もあるようでございますが。
ゆ: 私はこれくらいで良かったと思いますね。できれば娘が父の記憶の中に入り込むようなSF的設定じゃなくて、素直に父と娘が語り合ってほしかったと思いますが。
は: 淡白な表現ということで言えば、広島で皆実さまのお知り合い数人と再会されるところを娘の視点で遠景で撮る手法が控えめで好感の持てる演出かと思いました。
ゆ: その通りですね、特に先程述べた昭和33年の太田川のバラック街と川辺が、現在の見事な緑を敷き詰めた河川敷に変わっていている場面が良かったですね。その風景の中で打越さん(皆実の恋人)と再会を果たすのですが、遠景でいながら堺さんならではの人間味がにじみ出ていて素晴らしかったですね。

は: ところでどうしてご主人様は田中麗奈様がそれ程お気に入りなんです?
ゆ: う~ん、正面切って訊かれると困ってしまうんだけど、ダイヤの原石みたいなところかな。とびきりの美人でもないし、蒼井優のような凄みのある演技力もないんだけど、ちょっとした仕草や物言い、目線の動き、表情の変化などにキラッと光るものがあるように思うんです。これからもそういう部分を伸ばしていって欲しいですね。
は: TVドラマ「猟奇的な彼女」も始まりますね。
ゆ: 素材としては彼女の魅力を活かせる面白い企画だと思うんですが、SMAPの使い回し枠ドラマでしょ~(ゲンナリ。あろうことか、TBSったら前宣伝にあの日本沈没」を持ってきましたよ、呆れてモノがいえませんね(--〆)。まあ麗奈さんにしても優さんにしても今後も映画をメインで体調に気を付けて頑張って欲しいものです。

は: 最後は愚痴になってしまいましたが、去年の邦画の中でも際立った名作だと思います。是非どうぞご覧ください。
ゆ: できれば「ヒロシマナガサキ」とセットでご覧下さいませ。

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2008/04/01

ゲゲゲの鬼太郎

ゲゲゲの鬼太郎 スタンダード・エディション
はむちぃ: くっさ(93)~いトホホ映画を観たばかりですのにまたでございますか(-_-;)?
ゆうけい: まあまあ、はむちぃ君そう言わずに、夏には早くも第二作「千年呪い歌」も封切られることだし、取り上げてみようよ(^o^)。

は: 本当にそれだけが理由でございますか(;一_一)?
ゆ: いや、もちろん水木しげる大先生の代表作だし、それにオーマニにはGe3はお馴染みだしいいんじゃない(^_^;)。
は: またまたマニアックな方に振るんですから、大体本心の見当はついておりますよ!
ゆ: えっ(ドキ)
は: 何故ご主人様がこのブログで「がんばっていきまっしょい」を連発されるのか!
ゆ: ズキッ!
は: CFになど興味の無いご主人様が何故「大豆ですから」だけは注視されるのか!
ゆ: グサッ!
は: どうせなら「夕凪の街 桜の国」を取り上げればいいものをっ(決め)!
ゆ: へへ~、おそれいりました~m(__)m
は: まあ仕方ございません、さっさと参りましょう(強気。

『鬼太郎史上、最大のピンチ!
リミットは満月の夜!
運命を変える最凶の石を取り戻せ!
世界を揺るがす戦いが、今始まる!

ゲゲゲの森で父親の目玉おやじや仲間たちとのんびり暮らす鬼太郎のもとに、ある日届けられた一通の手紙。それは恐るべき魔力を秘めた妖怪石をめぐり、妖怪界と人間界を揺るがすことになる大事件のはじまりだった。ひょんなことから妖怪石を手に入れたのは人間の実花と健太姉弟。石のパワーを手に入れようと、次々に襲い掛かる邪悪な妖怪たちから2人を助けた鬼太郎は、妖怪石を盗んだ張本人として濡れ衣を着せられ、妖怪大法廷にかけられることに。満月の夜までに石を取り戻せなければ命はない。今、善と悪、様々な妖怪たちを巻き込み、史上最大の戦いが始まる!』(AMAZON解説より)

キャスト:
ウエンツ瑛士(鬼太郎)、井上真央、田中麗奈(猫娘)、大泉洋(ねずみ男)、間寛平(子泣きじじい)
小雪、中村獅童(特別出演)、谷啓(特別出演)、田の中勇(目玉親父)、利重剛、橋本さとし YOU
室井滋、西田敏行

スタッフ:
原作 水木しげる
監督 本木克英(「釣りバカ日誌」シリーズ<11~13作>)

は: 、、、、、(ーー;)
ゆ: 、、、、、(>_<)
は: やっぱりトホホ映画のレビューパターンではないですか!
ゆ: う~む、予想以上に主人公の鬼太郎と人間姉弟の演技が壊滅的だったなあ。
は: 子役の年齢が幾ら低いとは言え、やはり妖怪大戦争の神木隆之介様あたりと比べると見劣りがいたしますねえ(嘆息。

ゆ: まあそれより何より

全然怖くない

と言うのが致命的でしたな。
は: 原作は恐ろしく怖いものがございましたのにね。
ゆ: 妖怪に祟られる、無残な殺され方をする、異界に連れて行かれる、そして鬼太郎を裏切ると死ぬより恐い目にあう、といったところが原作の持ち味だったのに、この映画の脚本の意図は一体何なんだと言いたいですね。
は: 大泉洋様が演じられたねずみ男が主人公の喜劇みたいでしたね。
ゆ: 全く(--〆)。鬼太郎弱すぎるし。どこが「鬼太郎史上最大のピンチ」なんでしょ?原作ではもっと悲惨な状況から蘇ってますよ。
は: と言うわけで、次回作に期待するしかございません、と言うことでお開きに、、、

ゆ: ちょ~っと待った~
は: ダメでございます(キッパリ。
ゆ: い、いや、はむちぃ様、そこを何とか(^_^;)、、、
は: はいはい、言いたい事はわかっておりますが。
ゆ: 猫娘、可愛いですよ~(*^_^*)

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2008/03/25

0093女王陛下の草刈正雄

0093女王陛下の草刈正雄
はむちぃ: な、何でございます、今回のレビューは(ーー;)?
ゆうけい: エディット・ピアフのレビューで君が「ゆうけいの映画レビューはジャンルがころころ変る」と申したであろう、その時に気が付いたのじゃ、この頃「トホホ映画」を見ていないとな。
は: はあ、確かに一時トホホ映画探検隊とか言って狂ったように探しまくっておられました。デビルマン尻怪獣アスラなど、はむちぃメ大変な思いをいたしました(>_<)。。。でもって、いかにもの雰囲気プンプンの0093女王陛下の草刈正雄でございますか(嘆息。
ゆ: 正解!しかしこの映画にリンクできるオフィシャルサイトがあるとはね(笑。
は: 不安たっぷりでございますが、皆様お付き合いくださいませ。
ゆ: がんばっていきまっしょい。

『 二枚目俳優の草刈正雄(草刈正雄)は押しも押されぬ大スター。だがそれは世間をあざむく表の顔。真の正体は女王陛下の元で働く諜報部員、その名もコードナンバー”0093”だった! 木を隠すなら森の中。敢えてマスコミに素顔をさらすことで、スパイである身分を隠すために始めた芸能活動だったが、意外にも天性の才能を発揮し、草刈自身も自分がスパイである事実を忘れかけていた。
しかしある日、20年ぶりに女王様からの指令が下る。新たにテレビ局を開局するIT企業社長の三輪嘉門(嶋田久作)が、英国の研究所から盗まれた洗脳信号ディスクを手に入れ、電波を通じて全国の視聴者を洗脳する陰謀をたくらんでいるというのだ。問題のCDを奪回し、悪による世界征服を防ぐため、三輪の元へ出向く草刈。そんな彼を、日刊スポーツの記者である霧島ハルキ(黒川芽以)が、スクープを狙って追いかけていた……。
一方、草刈の愛娘・草刈麻有(麻有)は父親の反対を押しきって女優を目指し、三輪の会社のイメージガールに選ばれていた……。愛する娘を守るため、そしてスパイとしての使命を全うするため、スターとして、スパイとして、父として、草刈正雄はたった一人で巨大な陰謀に立ち向かう(AMAZON解説より)! 』

キャスト: 草刈正雄、黒川芽以、彩輝なお、麻有、和田聰宏、唐橋 充、水野晴郎、森田正光、嶋田久作
スタッフ:
プロデューサー : 丹羽多聞アンドリウ
監督 :篠崎 誠
脚本 :加藤淳也

は: 、、、、、(--〆)
ゆ: 、、、、、)^o^(
は: 久しぶりの点々々々々+顔文字が全てを物語っております。
ゆ: ハナからまじめに作る気の無いお馬鹿スパイ映画ですね、まあパロディと言えばパロディなんですが。
は: お馬鹿スパイものというのは海外には山ほどございますが、考えてみれば日本では殆どなかったですね。
ゆ: そうですね、まじめに作ってトホホだった映画は山ほどありますが、はじめから笑い飛ばす目的でこれだけかっちりと作ったものは記憶に無いですね。
は: ご主人様、なにか誉めておられるような?

ゆ: 、、、ですね、取り敢えず草刈正雄さんの勇気だけは賞賛しないと(^_^;)。それでもトホホに変わりはないですけど。うまい役者と下手な役者のどうしようもない落差とか、とんでもないキャスティングとか。がお天気の森田正光さんなんてあんまりだあ(T_T)。
は: あの!、究極のトホホ映画「シベリア超特急」の水野晴郎さんもお約束の如く顔を出されてますし。
ゆ: 老けたねえ、水野さん、痛々しいくらいに。
は: 悪役は怪優というお約束だけはしっかりと守られておりますね。
ゆ: 伊武雅刀や竹中直人を出さないだけ、プロデューサーの見識を感じますね(苦笑。それにしても嶋田久作さん、適役は適役だけど、スケールが随分小さくなったねえ(歎息、帝都物語の頃は大型新人が出てきたなあと思ったんだけど。

は: 女性陣はいかがでございましょう?
ゆ: ボンドガールですか(^_^;)、まあどうでもいいです。ただ一点、世界初の親子共演お馬鹿スパイ映画を謳っておりますが、草刈さんの娘はひどすぎです。
は: 麻有さんですか、デビュー作ですのであんなものかと。
ゆ: いやあ他のイモ女優陣でさえ可哀想に思いましたね。ありゃ映画に出すレベルじゃないです(涙。彼女さえいなけりゃ立派なトホホ映画なのにねえ。

は: スゴい誉め方でございますね(-.-)。で、その立派なトホホ映画をお作りになったプロデューサーの丹羽多聞アンドリウ様でございますが。
ゆ: 確信犯的にトホホ系を目指してますね、なんせ悪役の名前が「にわたもん」ならぬ「みわかもん」ですからな(笑。ある意味貴重な人材かと思いますが、なにか?
は: はむちぃメの調べましたところでは、文豪丹羽文雄様のお孫さんでございます。
ゆ: げげっ、スゴい血筋じゃあ、あ、あ~りませんか(チャーリー浜風)。
は: 晩年は認知症で介護を受けておられたことも話題になりましたね。
ゆ: 孫のにわかもん君にはにはにはとりが、じゃなかった、にはまだまだボケずにボケ道を邁進して欲しいものですな。
は: はむちぃメ頭がこんがらがって参りましたが、とにかくトホホ系には間違いありませんので興味がおありの方も覚悟はしてご覧下さいませ。ではご主人様ご評価を。
ゆ: トホホ系梅を差し上げましょう(^_^)。

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2008/03/13

明日への遺言

Ashitahenoyuigon
 最近封切の邦画の中で一番気になっていた「明日への遺言」を観てきました。まだ映画館で映画を観る体力があるかどうか不安だったのですが、ほぼ100%還暦過ぎという観客の皆さんに勇気付けられて(^_^;)、見通す事が出来ました。

『 第二次世界大戦終了後、元東海軍司令官・岡田資中将は、名古屋空襲時における一般民衆への無差別爆撃を実行した米軍搭乗員処刑の罪に問われ、B級戦犯として戦犯裁判にかけられた。岡田中将の弁護人フェザーストン主任弁護人と対するバーネット検事、裁判官のラップ大佐をはじめ、裁判を実施するのは戦勝国アメリカ。岡田中将は自己の信念を曲げることなく、すべての責任は指令を下した自分にあると主張。法廷闘争を法における戦い、「法戦」と名づけ飽くまで戦い抜こうとたった一人立ち向かった。連日法廷に立つ夫の姿を、不安を抱きつつも毎日じっと傍聴席から見守る妻・温子とその家族。言葉を交わすことは許されないが、笑いを交換することでお互いを深く支え合う夫婦の姿がそこにあった。「司令官は、その部下が行ったすべてにおいて、唯一の責任者である」 部下を守り全責任を負う覚悟を見せる岡田中将の潔い佇まいは、次第に、敵国の検事や裁判官をはじめ法廷内にいる全ての人を魅了し心動かしていく。そして、判決が下る ──
岡田資が命を懸けてまでも伝えたかったこと、守り抜いたものは何だったのか──』

スタッフ
監督:小泉堯史
製作:原正人、豊島雅郎
原作:大岡昇平
脚本:小泉堯史、ロジャー・パルバース
制作:シネマ・インヴェストメント、アスミック・エース エンタテインメント

キャスト
岡田資中将:藤田まこと
妻:富司純子
フェザーストーン主任弁護人:ロバート・レッサー
バーネット主任検察官:フレッド・マックイーン
裁判委員長ラップ大佐:リチャード・ニール
弁護側証人:蒼井優
弁護側証人:田中好子
弁護側証人:西村雅彦

 「誇りや品格といった人間としての美徳を失おうとしている現代にこそ観て欲しい」というキャッチコピーからも分かるように、B級戦犯として裁かれ、部下の罪を一身に背負って絞首台に上っていった岡田中将の誇り高き行動・言動が見所として描かれているのだろうと思っていました。

 しかしそれは正解なようで正解でも無いようで、と言うやや中途半端な印象で終わってしまいました。小泉監督は黒澤組から出てきた有能な監督ですが、「阿弥陀堂だより」にしても「博士の愛した数式」にしても、過度な演出をせず淡々と話を進める印象を受けます。それがこの映画ではより徹底されていて、

時系列に沿って裁判所とスガモ・プリズンとが交互に出てくるだけ

と言う極端に情緒性を排した演出を行っています。その手腕は確かに映画を一本芯の通ったものとしていますし、それに応えた藤田まこと富司純子をはじめとする日本人俳優陣の演技も見事ではあるのですが、

理詰めで「さあ泣け!」と説得されている

気がしないでもない(笑。

 むしろリアリズムに徹した映画であるだけに法廷映画として出色の出来栄えであるように感じました。岡田中将が主張する

1:無差別爆撃の違法性
2:略式処刑は当時の情勢を鑑みて止むを得ず
3:処刑は報復ではなく処罰である
4:責任の所在は司令官たる自分にある

という主張を巡るバーネット主任検察官、フェザーストーン主任弁護人、裁判委員長ラップ大佐の丁々発止のやり取りには手に汗を握りました。

 厳しく責めながらも理解を示すようになるバーネットを演じるのはスティーブ・マックイーンの息子さんです。顔も良く似ていますが、映画以外のキャリアが長い人だった点も似ています。そういう肥やしがあったためか、素晴らしい演技でした。アメリカ人でありながら一貫して岡田中将を弁護し、彼の家族に暖かいまなざしを注ぐフェザーストーンは美味しい役柄ではありますが、演じたロバート・レッサーはちょっとロッテのヴァレンタイン監督を思わせる温かみのある風貌で良い配役でしたね。

 また弁護側証人となる蒼井優、田中好子、西村雅彦の証言も短い時間ながら三者三様にきらりと光る演技でした。

 いたずらに岡田中将の主張の正当性ばかりを強調せずアメリカ側の主張も公正中立に受け入れる小泉監督の手法は大変好ましいものだったと個人的には思います。特に攻撃に直接参加してはいないがB29に同乗せざるを得ない立場の無線手を処刑したことの正当性を巡る攻防には感じ入るものがありました。

 そのような法廷での論戦に関して、おそらく英語側の脚本を全面的に担当したロジャー・パルバース氏の貢献が大であった事は想像に難くありません。このブログを見ていただいておられる方ならこの名前に覚えがあると思います。以前坂口安吾の「桜の森の満開の下」の英訳で紹介した方です。あの時は日本文化への造詣が深い反面やや誤解されている点もあるのではないか、なんて考察をしましたが、こういう実録ものではそういう心配もなく素晴らしい仕事をされたと思います。

 700円と比較的良心的な値段のパンフレットにはスタッフ・キャストへの詳細なインタビューが載っており、大変興味深かったです。ただ一点残念なところは、日本人俳優の方々が押しなべて

「戦争は絶対にしてはいけない」

と言うステレオタイプな感想に終始していること。小泉監督とロジャー・パルバース氏がこれだけ考察しがいのある脚本を書いてくれているのですから、もう少しレベルの高い意見を述べてもらいたいものです。

 またまた勧めてるのだかけなしてるのだか分からないレビューになってしまいましたが、主体的に見ようと希望される方には良い映画だと思います。そしてそのような方が一人でも多くおられる事を願ってやみません。

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2008/02/21

文春きいちご賞2007

蒼き狼 地果て海尽きるまで 通常版
 今年もやっと週刊文春のきいちご賞が発表になりました。以前にも紹介しましたが、日本版ラズベリー賞で、37人の映画記者・評論家の投票によって決定する日本映画界唯一のワースト映画賞と言うのが売りです。が、今年は先駆けて一月に「映画芸術」の方でもワースト10が発表になっており、それと比べるのも一興でしょう。

第4回文春きいちご賞
1位: 蒼き狼 (澤井信一郎監督)
2位: 恋空 (今井夏木監督)
3位: ラストラブ (藤田明二監督)
4位: 愛の流刑地 (鶴橋康夫監督)
5位: 監督・ばんざい!(北野武監督)
6位: どろろ (塩田明彦監督)
7位: 西遊記 (澤田鎌作監督)
8位: 俺は、君のためにこそ死ににいく (新城卓監督)
8位: HERO (鈴木雅之監督)
9位: インランド・エンパイア (デイヴィッド・リンチ監督)
10位: 殯の森 (河瀬直美監督)

きいちご賞: 角川春樹(「蒼き狼」プロデューサー)

参考: 映画芸術ワーストテン
1 大日本人 (松本人志監督)
2 俺は、君のためにこそ死ににいく (新城卓監督)
3 監督・ばんざい! (北野武監督)
4 恋空 (今井夏木監督)
5 さくらん (蜷川実花監督)
6 オリヲン座からの招待状 (三枝健起監督)
7 スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ (三池崇史監督)
8 遠くの空に消えた (行定勲監督)
8 どろろ DORORO (塩田明彦監督)
10 蒼き狼~地果て海尽きるまで~ (澤井信一郎監督)

 劇場で予告編を見て、

これは間違いなく一位になるに違いない

と確信した「蒼き狼」が映画芸術ではなんと10位だったので、邦画の凋落恐るべし!と思っていたのですが、きいちご賞ではぶっちぎりの一位、おまけに今年は監督や俳優を差置いて角川春樹氏が受賞と、落ち着くところに落ち着いて少しほっとしました(笑。

 昨年のきいちご賞一位の「ゲド戦記」は監督がボロかすに叩かれましたが、私は個人的には鈴木プロデューサーの責任だと思っています。そういう意味では二年続けてプロデューサーがダメな映画が選ばれたのは考えさせられますね。

 8位を文春が選ぶとは思ってませんでしたが(^_^;)、まあ映画記者の見識であって文春は関知してないということかな。リンチ監督の映画は知らないのでなんとも言いようが無いですが、そんなにひどい映画を撮るようになったのかな。某フランスの監督以上?

 邦画で監督の勘違いが目立つのは北野武河瀬直美松本人志(映画芸術一位)あたりだと思いますが、まあこれはこれで討論の余地はありますよね。
 
 でも、、、後はもう予告編を見ただけでレベルの低さの知れるものばかり。それでも無理してみた映画も何本かありますが(見てるのかよ^^;)、結局学芸会以下の映画ばかりでした。本当に文春の寸評にあるとおり「恋空」程度の映画しか理解できない若者が増えているのなら、日本の将来そのものが心配です。

 一方でお勧め映画はなかなかユニークでしたが、これも賛否両論ありそうなものが多い印象を受けます。ちなみに先日紹介した「キサラギ」が5位に入ってました(笑。これ以上書くと週刊文春を買う意欲が失せるでしょうから、この辺でやめときます。是非立ち読みして買ってくださいませ。

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2008/02/03

サイドカーに犬

サイドカーに犬
はむちぃ: 皆様お久しぶりでございます、久々の映画レビューで駆りだされて参りました。
ゆうけい: 週刊文春がなかなかきいちご賞を発表しないもんでネタに困ってるんだよね~(苦笑。
は: いつもは1月中旬には発表されますのにね。と言うことで今回は昨年度キネマ旬報邦画ベスト10の中から、6位に輝きました「サイドカーに犬」を選んでみたわけですが。
ゆ: まだ観てないものの中で食指が動くのがこれくらいしかなかったんですよ。この映画は浜村淳さんが「竹内結子さんが新境地を開拓した素晴らしい作品でございます!」と絶賛してたもんで気になってたんだよね。

『1980年代初頭の時代をバックに、小学4年の少女・薫が家を出て行った母親に代わって現われた父親の愛人との奇妙な共同生活の中で体験するひと夏の出来事を爽やかに描いた、芥川賞作家・長嶋有のデビュー作を映画化!小4の夏休みの始まった日、父と喧嘩ばかりしていた母が家を出て行った。数日後、薫の家にヨーコという若い女性が突然やって来たが…。(AMAZON解説より)』

は: なるほど、良く出来た佳品でございましたね。
ゆ: ミムラのモノローグの下手さに最初はどうなることかとドキドキしましたけど、回想シーンで子役の松本花奈に変って、主役の竹内結子が「おっす!」と出てきてからは安心して観られました。
は: 竹内結子さんは本当に美しくて溌剌とされておられました。大雑把で、大胆で、いい加減で、タバコもスパスパ吸うけれど、ホロリとさせるような翳も見せるという難しい演技を見事こなされましたね。キネマ旬報の主演女優賞に輝いたのもむべなるかな、でございます。
ゆ: 出産後初めての映画で、私生活でも色々と騒がれてと、大変な環境の中で見事に化けましたね。浜村さんが褒めるのも良く分かりました。後半分は監督の手腕だろうね、以前取り上げた「いま、会いにゆきます」でもそうだったけど、彼女の美しさを存分に見せながらなおかつ映画の中に自然に溶け込ませるというのはどんな監督でも難しいと思うんだな。

は: そこはさすがベテランの根岸吉太郎監督、手堅くまとめましたね。
ゆ: 日活ロマンポルノ出身の人ですからもっと派手な濡れ場でもあるのかと思ってましたが(^_^;)
は: さすがに竹内結子さんには遠慮したみたいですね。
ゆ: まあ冗談はともかく、彼女をうまく1980年代に溶け込ませましたよね。映像もノスタルジアを感じさせるように全体の彩度を落とし目にしたり、小道具をうまく使ったり、結構気配りが行き届いてました。

は: 小道具と言えば音楽はご主人様のツボにはまったんじゃございませんか?
ゆ: わざわざ国立を舞台にしてRCサクセションの「いい事ばかりはありゃしない」をメイン曲に持ってきてくれたからね、嬉しかったよ。
は: あの時代の雰囲気をよく醸しておりましたね。そう言えば忌野清志郎様と同級生だった三浦友和邸を見にいこうというシーンもございました。
ゆ: 当然ながら出てきませんでしたけどね(笑。そう言えば竹内結子が自分の名前を女の子に教える時に

「カタカナでヨーコと覚えて」

みたいな事を言ってましたが、あの時代でヨーコというと、、、
は: オノ・ヨーコ様でございますか(^.^)?
ゆ: オ~♪、ヨ~オオオ~コ~♫、って何でやね~ん、「ジョンとヨーコのバラード」は60年代でんがな(;一_一)。
は: さすがのボケ突っ込み、出てきた甲斐がございました(^_^;)、分かっております、

港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ~♪

ですね。
ゆ: そうそう、ダウンタウンブギウギバンドの一世を風靡した曲ですから、ひょっとしたらそのヨーコを気取ってたのかもしれませんね。

は: 他の出演者も監督の期待に良く応えていたんでは無いでしょうか?
ゆ: そういう評価が多いですね。確かに子役の二人は良かったと思います。
は: 樹希樹林さんは相変わらずの怪演でございますね。
ゆ: あれはやりすぎかなあ(^_^;)。最近CMなんかで露出度の多い温水洋一さんも良い味出してましたね。でも世評に反して個人的には

他の男優陣が全く冴えない

なあと思いましたね。特に主人公の親父、何であんなに魅力の無いのを持ってきたんでしょう?強気を装っている竹内結子の流す涙がこの映画の大きな見所の一つだと思うんだけど、なんであんなろくでもない男の為に泣くの?って感じで正直シラケちゃうんですよ。
は: 古田新太様ですね。嫁さんに逃げられて急遽愛人を家に引っ張り込んだり、小悪事に手を染めながらヤクザと関わるのを嫌がったりと優柔不断な男ですので魅力が無いのも当たり前かと?
ゆ: 原作があの通りなんだとしたら、それに忠実に映画化しようとすれば確かに古田新太は適役なんでしょう。でもこれは映画ですから、仕種一つ、目線一つで、

「ああ、こんな男ならあんな小股の切れ上がった良い女が惚れてしまってもしょうがないよな」

と思わせなくっちゃいけないと思うんですよ。
は: そう言われればそういう気もいたします。ラスト近くで主人公の女の子が父と別居することになった時、何度も父親に頭突きを食らわす場面も今一つ煮えきらなくて、共感しにくうございました。
ゆ: あまり大げさに感動させたくないのか、それともさせることに失敗したのか良くわからないまま終わりましたね。という事で

「竹内結子の目の醒めるような好演」

以外にはあまり魅力のない作品でした。キネ旬も甘くなったなあ。

は: ミスキャストと言うことでございましょうかね。で、ご主人様ならあの親父役に誰が良かったと思われますので?
ゆ: 中村獅童(キッパリ(ー_ー)!!
は: はいはい(--〆)、私メの想像を超えたボケでございました、これにてお開きでございます。
ゆ: え~ん(ToT)、本気なんですけど~。
は: シャラップ!竹内結子様に申し訳ないと思いなさいませ!

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2008/01/21

キサラギ

キサラギ スタンダード・エディション
はむちぃ: さて、今回の映画レビューはいつもの趣向に戻りまして、邦画の話題作「キサラギ」でございます。
ゆうけい: キサラギですか、キサラギねえ、キサラギキサラギ→ギンザ→ザッカ→カニ→ニク→クジラ→ラッパ→パナキ!やたー(^O^)!
は: 関西限定の尻取りネタ「パナキ(byサバンナ八木)」なんて誰も知りませんて(ーー;)。

『グラビアアイドル如月ミキが自殺して、1年がたった。その一周忌に彼女の思い出を語り合おうとファン5人が集まった。しかし、ファンサイトの常連である彼らは、彼女がなぜ自殺をしたのかを知りたくてたまらない。そんなときひとりが「彼女は殺されたんだ」と言う。他殺説を繰り広げるうちに、ハンドルネームしか知らなかった彼らの素性が浮き彫りに。そしてお互いを犯人だと疑いはじめる…
   アイドルの死をめぐり二転三転していくドラマが密室で繰り広げられるワンシチュエーションコメディ。主演の小栗旬、小出恵介、ユースケ・サンタマリア、塚地武雅、香川照之らが、脚本に惚れて出演を決めたというほど練られたセリフがこの映画最大のチャームポイント。笑いを散りばめながら、ひとりのアイドルの死が二転三転していく展開はスリリングでさえある。そして最後には、どこかホッとするカタルシスがある愛嬌たっぷりの作品だ。脚本は『ALWAYS 三丁目の夕日』の古沢良太、監督は『シムソンズ』の佐藤祐市。(斎藤香)』(AMAZON解説より)

ゆ: まずまず良くできていて笑えました。今風の密室推理劇で、舞台でやっても面白いかなとも思いますね。脚本もまあまあ良く練られていると思いますし。
は: 「Always 三丁目の夕日」の古沢良太様でございますね。
ゆ: 元々舞台の方の人みたいで、だからこの手のモノは得意なんでしょうね。今TVで数少ないまともなドラマといっても過言ではない「相棒」もてがけているようですし、これからの活躍に期待しましょう。

は: 出演陣も「」のいい役者さんを5人揃えましたね。
ゆ: おっ、うまいねはむちぃ君(^。^)、何せ実質5人しか出ない映画ですから、キャスティングが命ですもんね。幸いそれぞれのキャラが立っていて、うまく各俳優の個性を活かしてました、そういう意味ではこれもスタッフの勝利ですね。
は: 5人の中でどなたがよろしかったですか?
ゆ: やはり香川照之塚地武雅(ドランクドラゴン)の二人の個性は際立っていて、邦画に無くてはならない存在になっていることを感じました。でも、今回はスネーク役の小出恵介が美味しいところを持っていってしまった感じがしました。「のだめカンタービレ」でも出てくれば主人公より目立っちゃうし、賑やかな役をやらせれば天下一品ですね(笑。
は: 玉木宏様にも小栗旬様にも勝っちゃうんですからね(^。^)。逆にこれはいかんなという方はおられましたか?
ゆ: ユースケ・サンタマリア、雰囲気は良く出してるんですけど、以前から気になっていた滑舌の悪さが全く治ってませんね。あれも個性だと言ってしまえばそれまでですけど、それなら彼にあまり長い台詞はしゃべらせない方がいいいですね。それにハンドル・ネームがオダ・ユージってとこは笑えましたけど、「踊る大捜査線」ネタを引っ張りすぎた気もしました。

は: で、内容の方はいかがでございましたでしょう。
ゆ: 内容ねえ、要するに如月ミキというD級アイドルが自殺だったか他殺だったか、それとも事故だったのか、という推理劇なんですけど、
は: 芥川の「藪の中」と密室推理劇をミックスしたような感じですね。
ゆ: そういうとかっこいいんだけど、内容は軽いですからあまり小難しいことは考えずに素直に流れに身を任したほうがいいかと思いますね。うちの家内も見終わって「あほらしっ」って言ってましたし(^_^;)。

Zappa_2は: さすが奥様無敵でございます。
ゆ: ムテキ→キサラギ→ギンザ→ザッパ→パナキ!
は: もうええっちゅうに、ザッパは反則でしょザッパは
(;一_一)。
ゆ: スマソ、最後に一言だけ言わせてもらうと、エンドロールの後のお遊びみたいなどんでん返しは全く不要な勇み足でしたね、残念です。
は: ご主人様の尻取りもおんなじ様なもんだと思いますが、と言うわけでちょっとした暇つぶしによい面白い映画でございます。是非どうぞ。

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