2009/10/18

ルーツサウンド試聴会2009

Accujbl0910
 ルーツサウンド主催の試聴会に出かけてきました。アキュフェーズの最新機器でJBLのK2-S9900を鳴らすという2社のコラボ企画です。単独での試聴会でこういうコラボは極めて稀で、長年2社の機器を扱っておられるルーツさんならではの催しでした。

 アキュフェーズのラインナップの素性は大体把握しておりますので、個人的にはJBLの最新のProject K2機種であるS-9900が楽しみでした。新製品といっても2月のデビューですからデモ機の音は十分にこなれており、最新のJBLサウンドを堪能する事ができました。エベレストを半分に割っただけ、と言う皮肉な見方をする人もいますが、どうしてどうして、さすがJBLと唸らせる気合の入ったスピーカーです。特に

「ジャズの為のJBLが帰ってきた」

という印象を強く受けました。ジャズ・プロパーで聴かれるオーディオファイルにはこれ以上のスピーカーはそうそう無いだろうと思います。もちろんジャズならJBLというのは昔からの常識ですが、前作のS9800(特にSE)がオールマイティを目指して路線変更したのに対して、本機は再びS9500の持っていた「至高のジャズ再生」を目指す姿勢に回帰し、なおかつそれを凌駕する完成度を示していると思います。「究極のジャズ再生」とでも申しましょうか(笑。

Mgcompdrivers9900 具体的な一番の変更点はコンプレッションドライバーです。前作のS-9800(SE)はコンプレッションドライバーにベリリウムを搭載しビロードのような滑らかさを持つ美しい中高域を獲得しましたが、今回のS-9900ではJBL初の高純度マグネシウムダイアフラムを採用し、サイズを100mm径に大型化してきました。この変更により、きらびやかな美しさは影を潜め、ボディ感のある質実剛健な中域に変化した印象を受けました。
 そしておそらく世界最高レベルの38ウーファーである1500AL-1!S9800の1500AL、EverestDD66000の1501ALを更に改良したこのウーファーは素晴らしいの一言。俊敏さと力強さの双方を兼ね備えた低域(といっても900Hzまで受け持っていますが)はもう麻薬的な魅力を感じます。
 この2ユニットによる2wayが基本となりジャズに最適化されたサウンドを手に入れ、なおかつお得意のBeのUHFユニットを加える事によりオールマイティさも残しています。敢えて言うとジャンルを問わないと言う点ではS9800SEの方が優れているとは思いますが、けっしてジャズだけしか楽しめない機種ではありませんでした。では詳細をレポートしましょう。

新製品試聴会 in Kobe Live Pleasure 2009  Vol8」
主催: ルーツサウンド
協賛: ハーマン・インターナショナルアキュフェーズ 

Date. Oct. 17th., 2009,  14:00-16:00
Place:  チサンホテル、あじさいの間

 場所はルーツサウンドさんの向かいにあるホテルで部屋は結婚式などに使われています。下は絨毯張り、壁はオーディオには貧弱です。DG-48で計測した部屋特性としてはやはり定在波の影響で低域にディップがあるようでした。聴感上では絨毯張りにもかかわらず中低域の残響が多かった気がしました。SPは冒頭写真のようにやや内振りで、壁からはかなり離してセッティングされていました。以下、セットリストと簡単なコメントを記しておきます。

Jbls9900
Part 1 Harman International Presentaion ( by Mr. Fujita)

Loudspeakers: JBL Project K2 S9900
CD Player: Accuphase DP-700
Preamplifier: Accuphase C-2810
Digital Equalizer: Accuphase DG-48
Power Amplifiers: Accuphase M-6000 x2

 DG-48はCDPとプリの間にアナログ接続されており、ハーマンのプレゼンではヴォイシングは使用せずブーミーな低域をすこしイコライジングで絞っただけで使用されていました。パワーアンプはM-6000のシングルワイアリングです。開始間際に到着したためSpターミナルへの結線がどうなっていたかは確認出来ませんでした。

1: But Not For Me: Tiffany (アメージング・グレース )
 さすがにハーマンさんも心得ていらっしゃる。イントロにウッドベースのソロが入っているナンバーを最初に持って来られました。このウッドベースの音でもう降参、JBLはどこまでジャズ・ベースの再生に長けているのかと呆れてしまうくらいです。昔村上春樹氏が「ポール・チェンバースのベースを再生するためにJBLを使っている」と述べておられたくらいですので昨日今日に始まった事では無いんですが、過去最高のベースの音を聴いた気がしました。

 今年の東京のインターナショナル・オーディオ・ショウでの新しい試みとしてTiffany and Friendsのライブ演奏もが催されたそうですが、実際のライブでも席・場所によってはこれだけの音が聴けるかかどうか、というくらいの凄みがありました。
 一方でTiffanyのボーカルはリアルだけれども、ちょっときつい感じがしました。3~4mの距離で左のコンプレッションドライバーが真正面に見える位置に座っていたからかもしれませんが。

ハーマン解説: Mgは随分前からジェリー・モロが注目していた。最近では純度100%のMgも使えるようになったが、音があまりにも綺麗過ぎるので敢えてそれは使わなかった。

2: アーウィン・シュロット/デビュー
 ボーカルのボディの分厚さを感じてもらうため2曲目はバリトンの歌唱を選択されました。胸板の厚さまで分かるような再生でした。

ハーマン解説: MgはS9500のチタンの2倍の厚さがあり、それが力感や音のボディ感の表現に貢献している。

3: Branford Marsalis Trio (トリオ・ジーピー )
 ブランフォード・マルサリスのピアノレス・トリオの、かけあいの声まで入ったご機嫌な演奏。ブランフォードのサックスの音色が素晴らしいし、リードに当たる唇の擦過音まで聞こえます。故ミルト・ヒントンのベースの力強いドライブ感も絶品、スラップでしょうか、弦が指板に叩きつけられる音が物凄くリアルでした。

ハーマン解説: ウーファーの1500AL-1は1500AL,1501ALから更に改良を重ねた自信作。とかく重いと言われがちな38だが俊敏で軽やかな動作を可能にしている。ネットワークも改良されているが逆起電力を解消するためのダンパー抵抗を廃止しているのでアンプのドライブ力が要求される。

4: ウィスペルウェイ、ラツィックBeethoven: Complete Sonatas & Variations [Hybrid SACD]
 クラシックのチェロとピアノの演奏。クラシック楽器の質感もちゃんと表現されていますし、録音の良さも感じ取る事ができます。

5: Tears in Heaven / Chie Ayado (GOOD LIFE )
 いつもの綾戸節健在。ピアノの音の拡散によるスタジオの空間表現が見事なのはベリリウムのスーパーツィーターの威力でしょうか。

ハーマン解説: 綾戸智恵には深い思いいれがある。2001年に故朝沼先生とJBL本社でS9800を初めて試聴した時に朝沼先生が先ずかけられたのが彼女の「悲しみのジェットプレーン」だった。声も出ないほどの素晴らしい再生で、終わって一言朝沼先生が「素晴らしいスピーカーだ」とつぶやかれたのが印象に残っている。

6: I Remember Clifford / 高橋達也、西直樹菅野レコーディングバイブル (SS選書)
 オーディオファイルの皆さんご存知の付属SACDから、録音の良さの忠実な再現振りを体感。JBLの基本方針である原則2-wayにUHF unitを加えるという思想が良く分かる演奏でした。

7: Basie 40th. Ann Live Demo / Hank Jones and Friends
 最後は嬉しいサービスで、先日一関ベイシーで行われたライブの録音を聴かせていただきました。ジャズ喫茶での録音で条件は良くは無いので好録音は望むべくもありませんが、あの薄暗いベイシーの空間が濃密な熱気で満たされる様子が目に浮かぶようでした。

ハーマン解説: 伊藤八十八さんが録音を担当し、記念盤と言う事でglass CDで販売される。今までのglass CDは金コーティングだったが音が華やかになり過ぎるので銀コーティングを選択されたとのこと。予価は5万円。

Accu
Part 2 Accuphase Presentation (Mr.Takamatsu)
Loudspeakers: JBL Project K2 S9900
CD Player: Accuphase DP-700
Preamplifier: Accuphase C-2810
Digital Equalizer: Accuphase DG-48
Power Amplifiers: Accuphase M-6000 x2(L)
                                           A-65 (M&H)

 次いで第二部はアキュフェーズのお馴染み高松常務のプレゼンです。システムの変更点は二点です。

1: A-65を中高域側に加えてバイアンプ構成とした事
2: DG-48でフラットにヴォイシングした上にステサンに掲載されていた石井伸一郎先生推奨のカーブにイコライジング処理を施した事

 上記のような変更と高松さんのお好みから当然ながらクラシックメインとなります。高松さんも冒頭から

「JBLだからと言ってクラシックがうまく鳴らない筈がありません」

と強気のお言葉(笑。

1: 野バラ / Bostridge,Drake (Schubert: Lieder / Bostridge, Drake )
 まずはボストリッジのテノール。ハーマンのプレゼンに比べて中高域がマイルドになり、某評論家の先生が良く使われる言葉をお借りすると、なんとも言えない色気のあるとろんとした音調。これはA-65とDG-48のイコライジングカーブの相乗効果だと思います。S9900の下側のクロスオーバー周波数が900Hzと高いので、AB級とA級両アンプの音色の違いが出ないか心配でしたが全く違和感はありませんでした。M-6000にもMOS-FETが使われている事で、両者の音調が似通ってきているのかもしれません。

アキュフェーズ解説: ドレイクというイギリスのピアニストは凄いと思う、これからどんどん表舞台に出てくるはずです。

2: 幻想即興曲 / ユンディ・リショパン・リサイタル ユンディ・リ/デビュー
 飛ぶ鳥を落とす勢いのリのピアノ。でもちょっと部屋の残響が多くて一音一音の分離が悪く、全体にもこもこしていました。

3: ヴァイオリンとピアノのための変奏曲 / 和樹・ヘーデンボルク、カニーノチェルニー:ヴァイオリンとピアノのための3つのソナチネ
 高松常務と親交のあるウィーン・フィルのヴァイオリニスト、ヘーデンボルグのヴァイオリン。これは良い音でした。カメラータ・東京から出ています。

アキュフェーズ解説: チェルニーと言えばピアノの練習曲集で有名ですがこれはちょっと変わったヴァイオリン曲集。この変奏曲はどこかで聴いたような曲です。(演奏後)ベートーベンのクロイツェル・ソナタにそっくりでしょう。調べてみると同じ時代の人なんですね、その時代に著作権があれば問題になっていたかも。ちなみにヘーデンボルグはアキュフェーズのDP-78,C-2800,P-7000を使っています。

4: Fever / Ray Charles feat. Natalie Cole (Genius Loves Company )
 これは素晴らしかったです。特にレイの声は絶品。なんやかや言ってもやっぱりJBLにはこういう曲があいますよ、やっぱり!

アキュフェーズ解説: ステレオサウンドに載っていた石井伸一郎先生の推奨カーブに私も凝っている。この曲もそのカーブで良い演奏再生になっていると思う。

5: 歌の翼に / ギトリス【HQCD】ツィゴイネルワイゼン(ヴァイオリン名曲ア・ラ・カルト)
 この曲でDG-48のヴォイシングのon/offとイコライジングのフラット/石井式の聴き比べ。このソースが一番効果が分かり易かったので、と高松さんはおっしゃってましたが、個人的にはもっと分かり易いソースはいくらでもあると思いましたけどねえ。何しろ結構癖のあるバイオリンで、どう処理しても結構耳につく演奏なんですよね。

6: ビゼー:歌劇「カルメン」より/カラヤン&VPOビゼー:歌劇「カルメン」(全曲)
 録音の良い演奏をかけましょう、とのことで1964年にカラヤンがウィーンのソフィエンザールで演奏したカルメンから、足音やウィーン少年合唱団のパート。RCAから出ていますがこれを録音したのは当時DECCAのメイン・プロデューサーだったジョン・カルショウ。彼が早逝したのは本当に惜しいと嘆いておられました。

A65 7: The Dialogue / Takeshi Inomata(ds)&Yasuo Arakawa(b) (Accuphase Specisal Sound Collection)
 最後はアキュフェーズのサンプラーから猪俣猛のドラム。当然録音は菅野沖彦先生。拙宅でも良く調整にかけていますが目の覚めるような鮮烈な録音です。これを大音量でかけてA-65に最大何ワット入るかをチェック。写真のごとく、中高域ではありますが70W以上入っています。勿論それくらいへっちゃらですよ、というデモですが、低域で試していただきたかった気もします(笑。勿論それでもびくともしなかったでしょうけど。

 ということでお開きとなり、帰りには景品でJBL60周年記念CDスタンドをいただきました、ありがとうございました。

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2009/03/01

Accuphase C-27試聴会@ルーツサウンド

C27assembly
(C-27のアッセンブリー)
 久々のオーディオネタです。昨年のオーディオショウで、アキュフェーズの32年振りの単体フォノアンプC-27の音の良さが話題になっており、プリアンプ挿入型ユニットのAD-290Vを使っている私としては興味津々でした。残念ながら試聴の機会がなかったのですが、本日ルーツサウンドさんで試聴会があったので聴いてきました。

Exclusive
AD Player: Pioneer Exclusive P3a
Cartridge: Mysonic Ultra Eminent BC
Phonoequalizer: Accuphase C-27
Preamplifier: Accuphase C-2810
Power Amplifiers: Accuphase M-6000 x2
Loudspeakers: Sonas Faber Guarneri Mement

 ラインナップに概ね不満はありません(笑。いやいや、マイソニックのカートリッジは凄いですねえ。三浦先生がほめちぎるのも分かる気がします。Dレンジ、fレンジを十分確保して情報を余さずフォノイコへ伝える、所謂現代型のカートリッジの最右翼に位置している機種ですね。

C27
 で、C-27の音ですが、普段AD-290Vで聴いている私からすると、全てに余裕があると言う感じです。まあ単体で電源も別、フォノイコとは思えない大きなトランスを2基積んでいりゃあ当然ですよね、車で言うとエンジンの気筒数、排気量が違うという感じです。
 番外でC-2810内蔵のAD-2800との聴き比べもありましたが、音質的にはより柔らかく、音場も一回り大きく展開する感じでした。ちなみに冒頭写真はアキュフェーズの方が持ってこられたアッセンブリーを撮らせていただいたものですが、贅沢にテフロン基盤を奢っています。この辺が音質の柔らかさ、上品さに貢献しているのかもしれません。
 以下セットリストですが基本的には100Ω受け、70dBゲインで聴いています。

Setlist:
1:Jacintha: Danny Boy (45rpm)
 先ずはヴォーカル。CDで良く知っている曲ですが、やっぱりアナログは良いなあと思わせるしなやかさがあります。45rpmの特別ボーナストラックなので余計に音質は良いようです。

2: Cannonball Addaley with Bill Evans: Waltz For Debby from "Know What I Mean?" (45rpm)
 アナログ全盛で、モノラルからステレオに変わっていく時代、1961年のステレオ録音。アダレーのアルトサックスの音が伸びやかで素晴らしい。

3: Oh Holy Night! from Cantate Domino
 C-27はMCで6段階、MMで3段階という豊富な負荷インピーダンス選択が可能なのですが、その切り替えで音質をチェック。3Ωから1kΩまで切り替えてみましたがUltra Eminentは超低インピーダンスのため、それ程の破綻は来たさず、3、10Ωあたりでちょっと硬く音場も狭まったかなと言う程度でした。拙宅のLyra Heliconでは3段階の負荷選択で大きく音が変わりますから、凄いカートリッジです。という風に話がカートリッジの方へ逝ってしまいました(苦笑。

4: LA Philharmonic: Firebird Suite (Sheffield Lab)
 ダイレクトカッティングで有名なシェフィールドラボのアルバムで、ゲインの違いによる音質差をチェック。C-27はMCでは60、70dBの2段階選択可能です。これは割合はっきりと差が出ました。当然ながらハイゲインの70dBの方が良いです。「上流を絞るな」という鉄則ですね。言い換えればそれだけ優秀なフォノアンプなのでしょう。

5: Gary Karr: from "ジョスランの子守唄"
 コントラバスの音色をゲーリー・カーで。アキュさんはゲーリー・カーがお好きですね。良い音色でした。ガルネリではちょっと迫力には欠けていましたが。

6: Harry James: Caravan (Sheffield lab)
 最後はシェフィールド・ラボの録音でビッグ・バンドを聴きました。アナログではこれだけの音が出せるのだ、という誇らしげな音でした。アキュフェーズの方も、アナログにデジタルがかなわないのは、まだまだデジタルには見逃されている点があるのでは無いかと日々自問自答しているとおっしゃってました。ちなみにDP-700を開発された方だそうです。

 終了後、持参したジョニ・ミッチェルの「Blue(重量盤)」から、「Calfornia」をかけて頂きました。普段聴きなれている曲なので、やっとこのシステムの凄さがわかりました。まあ、全ての機器が拙宅より上なので仕方ないですけどね。それにしても良いアナログシステムでした。

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2008/02/10

クラブステラ試聴会@神戸

Puresystem2
 久しぶりにオーディオネタです。ルーツさん主催の試聴会が9日の土曜日にあり、大雪の中、久々に出かけてきました。傳先生の楽しい話と元気のいいサウンドを楽しんできました。

クラブステラヴォっクス試聴会:
場所: チサンホテル神戸 「梅の間」 
時間: 2/9(土) PM14:00~16:00

主催: ルーツサウンド
協賛: ステラヴォックス・ゼファン
講師: 傅信幸

Goldmundcdpandpreスピーカー: AudioMachina The PURE System
パワーアンプ: GOLDMUND TELOS 400A(Setlist pre-1 ~4) / TELOS 200A(5~14)
プリアンプ: GOLDMUND MIMESIS 37 Signature(新製品、写真最上段、上から三番目が電源ユニット)
CD/SACDプレーヤー: GOLDMUND EIDOS 20A(新製品、写真上から二番目)

参考展示: Integrated Amp GOLDMUND MIMESIS  330L(新製品、写真最下段)

 Goldmundの新製品もさることながら、今回のメインは何と言っても昨年のSSGPを獲得したスピーカー、オーディオマシーナの「The Pure System」です。その奇怪な(笑)エンクロージャー形状、フォステクスのユニットの採用、そして菅野先生が絶賛した音質で、オーディオファイルに大きな話題を巻き起こしております。

Puresystem1 一言でいうと「元気の良いハイエンド」といったところでしょうか。剛性が高くフロントバッフルの小さな特殊形状のエンクロージャーと行き届いた位相管理により、見かけよりはるかに広大でS/N比と定位が良い音場を作り出す上に、8Ω、90dBと言う高インピーダンス高能率の優れたユニットが大変元気の良い音を放っている様は確かに圧巻でした。例えて言うならウィルソン・オーディオとJBLの良い所を組み合わせたような音、前に出てこないJBL、鳴らしやすいシステムX、てなとこでしょうか(^_^;)。
 JBLのユニットを駆使して現代的ハイエンド・サウンドを構築しておられる菅野沖彦先生が

「自分の部屋の音と全く違和感が無かった」

とおっしゃるのも頷ける気がします。

 さて、この吸血鬼の棺桶みたいな形のスピーカー、Systemというくらいで上下2ユニットから構成されています。上がフルレンジ+スーパーツイーターの「Melodyモニター」、下がアクティブ型サブウーファーの「Symphonyモニター」と呼ばれています。

 Melodyのユニットは、話題になっているように両方とも日本製のフォステクスのユニットを使用しています。特に菅野先生曰く「鬼の金歯」のようなフルレンジユニットFW168HPは凄い。UENOさんがこのユニットを使ってスピーカーを自作されていますが、彫れ込むのも頷けます。個人的にはやや高域がきついかなと思わないでもないですが(ちなみにエージングは十分な個体だそう)とにもかくにも非常に能力の高いユニットだと思いました。

 傳先生がわざわざフォスター本社まで出向いてスペックシートを見せていただいたという裏話を披露されていましたが、高域の落ちていくところに全く凸凹が無く非常に滑らかだそうです。あの独特の形状により分割振動が殆ど無いんですね。そう言えば元気の良い音が印象深いティールのCS3.7のウーファーも同じような形状です。フォステクスは日本で、ティールはアメリカでそれぞれ特許を取っているそうです。
 ちなみに本機では7KHzでSTとクロスさせ-6dB/Octでロールオフさせているとのことですが、フォステクスの技術陣がこのSPを聴いて、自社のユニットでこれだけの音を出せるとは、と驚いたそうです。

 下のサブウーファーは、ジェフ・ローランドと同じ1000WのICEパワー・モジュールを使用してピアレス社製260mmユニットをドライブさせています。今回は低域がブーミーになる部屋の状況だったのでレベルを下げて鳴らしていましたがガシッとした土台を構築しているように感じました。

Img_3795 今回のGoldmundのシステムはラインナップからするとミドルレンジですが、音と金額は立派にハイエンド、The Pure Systemをドライブするには十分すぎるほどです。ただ、一つだけ気が付いたのは、パワーアンプの差。比較的鳴らしやすいSPなので写真中央のTelos 200Aで十分鳴っているなと思っていたのですが、400Aに替えた途端音の芯がしっかりして抜けも格段に良くなりました。おそらく筐体とメカニカル・グラウンディングだけでこれだけの差がついているのでしょうけど、凄いですねえ。聴いてはいけないものを聴いてしまいました(笑。

 というわけで、素晴らしい可能性を秘めたスピーカーを知ることが出来て勉強になりました。傳先生もおっしゃってましたが、ルーツさんの試聴室やルームチューニングのされた個人宅などで追い込めば、恐ろしく鮮明で広大なサウンドステージと口元が見えるようなピンポイントな定位が得られると思います。まあ問題はデザインと金額(ペア460万円に値上がりしたそうです)ですね。

 では最後に恒例のセットリストと傳先生の指摘されたポイントを記しておきます。ルーツサウンドさん、ステラ&ゼファンさん、そして傳先生、楽しい時間をありがとうございました。

Setlist:
pre-1: 「アヴェ・マリア」 アーロン・ネヴィル「ウォーム・ユア・ハート
 雪のため開始時間が遅れた間のj傳先生のサービス。まずはボーカルの質感。
pre-2: ストコフスキー指揮RCAヴィクター交響楽団 「ラプソディーズ」
 1961年録音にこれだけの音が録音できていたのだという驚き。Fレンジが狭くともこれだけの音は出る。

1:  「I'm old fashioned」 マルガリータ・ベンクトソン「アイム・オールド・ファッションド
 今傳先生がはまっておられるボーカリスト。ちなみに東京の石丸電気には「傳先生推薦盤コーナー」が本人無許可のままあるそうです(笑。
2: 「Over the rainbow」 Tommy Emmanuel「Endless Road
 オーストラリアのバカテクギタリストのギターの音。試聴会でかけると一番反響が大きいそうです。
3:  「Mona Lisa」 same as above
 個人的にはこちらの方が良かった。ちなみに2は「モナリザ」をかけますといって間違って出てきました。
4:  「月の庭」 松本俊明「PianoiaI
 ベーゼンドルファー・インペリアルの響きの多い音。ちなみに特注の95鍵のピアノだそうです。
5:  「子供の領分」 J.E.パウゼ: ドビュッシー「12のエチュード、子供の領分」(エクストンOVCT0024)
 こちらは典型的なスタインウェイの音。やっぱりオーディオマシーナにはこちらの方が合うような気がしました。
6:  「Dialogue」 アキュフェーズSACD/CDサンプラーより
 菅野先生録音のドラムとベースの音。特にドラムの方はあまりのリアルさに息を呑みました。ちなみに傳先生がこのサンプラーを手に入れる方法をアキュに聞いたところ、ショップと仲良くなるしかないそうです(笑。
7:  パガニーニ「ヴァイオリン協奏曲第一番」 ヒラリー・ハーン(vn)、大植英次指揮スウェーデン放送交響楽団「パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番
 ヒラリー・ハーンの正確無比なヴァイオリンの音。それ故このアルバムはオーディオ評論家だけでなくオーディオメーカーにとっても必聴盤だそう。
8:  アリア「歌に生き、愛に生き」:カバリエ、カレーラス、コリン・デイヴィス指揮コベントガーデン歌劇場管弦楽団・合唱団「プッチーニ:「トスカ」(全曲)
 引き続きクラシックからアリアを。ソプラノのカバリエはさすがの声量で、SPがクリッピングするんじゃないかと思いました。
9: モーツァルト 交響曲41番「ジュピター」 マルク・ミンコフスキ指揮ルーブル宮音楽隊「モーツァルト:交響曲第40番&第41番
 古楽器ファンにはたまらない演奏だそうです。
10:  ショパン「ピアノ協奏曲第二番」 ツィマーマン(ピアノ、指揮)、ポーランド祝祭交響楽団「ショパン/ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 作品11
 私も一押しのクリスチャン・ツィメルマンの、ツィメルマンによる、ツィメルマンのための演奏(笑。まあ冗談はともかく、傳先生によると、プロの術懐するように長いライブツアーの中でも完璧な演奏というのは滅多にできるものではないが、これはその滅多にない「天使が降りてきた」完璧な演奏をグラモフォンが録音したもの。ポーランドで無くトリノで降りてきたところが面白い。
11:  「Bird On A Wire」 ジェニファー・ウォーンズ「Famous Blue Raincoat 20th Anniversary Edition
 バーニー・グラントマン入魂のリマスタリング。ミミタコになるほど聴いたアルバムですが、もう腰が抜けるほど音が違いました。果たしてこのシステムだから出せる音なのか、それとも旧盤とレベルの違う音なのか、はたまたラウドネスウォーの犠牲者なのか、早速注文しましてしまいました。ジェニファー命の傳先生の策略にはまってしまった気がしないでもない(笑。
12: 「トスカ」第一楽章終盤 
 8と同ディスクです。多少クリッピングするところもあるが世紀の名演の名録音だそうです。カレーラスも癌を患う前でええこえ~(by岡けん太師匠)してます。
13:  「For All We Know」 Carpenters「Singles 1969-1981
 やっぱりカレンの歌声は和みます。生きてれば何歳なんて話題が出てました。ジョー・オズボーンのボヨヨ~ンとしたエレベも良いです。
14:  「人生の扉」 竹内まりや「Denim (通常盤)
 最後は年輪を重ねて50歳になった竹内まりやの歌。暗くならないように間奏にマンドリンを入れているところがミソだそうです。とは言え、このシステムで聴くほどの曲かなと思わないでもないでもないでも(以下略)。

 以上でお開きでした。さすがにこの後ルーツさんに押しかける体力はありませんでした。傳先生のリストにはありませんでしたが、個人的にはEva Cassidyのライブあたりがぴったりはまるシステムじゃないかなと思いました、聴きたかったです。

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2007/02/17

ステラヴォックス試聴会@河口無線

Stellavox
 今日は大阪日本橋の老舗オーディオショップ河口無線で催されたステラヴォックスジャパンの試聴会に出かけてきました。今まで一度も聴き込む機会が無かったViolaBravoと、超弩級のお値段を誇るGoldmund Telos2500の機器比べを先日クラッセで十分鳴ってたJBLDD66000で行うというところにそそられたもので(^_^;)

主催:ステラヴォックスジャパン 
会場:河口無線3F「ハイフィデリティ 試聴室」 
日時:2月17日 1部:午後1:15~3:00  2部:午後3:15~5:00

1部: 最新のハイエンドモデルの競演(太字4機種が新製品)
LineUps:
CD/SACD: GOLDMUND 「EIDOS36REF」
PRE: GOLDMUND「MIMESIS22SIG」
PRE: GOLDMUND「MIMESIS27.3ME」、
POWER: GOLDMUND 「TELOS200」
POWER: GOLDMUND 「TELOS600」
SP: VIVID 「B1」
SP: PAWEL ACOUSTICS「ELEKTRA」
TURNTABLE::ROLF-KELCH 「BABY BLUE」
TONEARM: HELIUS「OMEGA-RUBY」(写真)
CARTRIDGE:WILSON-BENESCH「HYBRID」
PHONO EQ: GOLDMUND「 PH3」

Paelektra1部の日本初上陸、パウエル アコースティックの「ELEKTRA」は、小型SPながら厚みのある低域が印象的でした。今後注目されて来るのでは
ないでしょうか。(河口無線HPより)

 うっ、本家のアップ早っ!、私の後頭部も写ってるし^^;。という訳でまずはEnsembleの流れを汲むPawel Acousticsの新スピーカーがお目見え。冒頭写真のように小型でWilson AudioのWATTを思わせる台形SPですが、左写真の如く後ろにパッシブラジエターが付いてるのが特徴でしょうか。その為見かけ以上の低音が出ていましたが、だからといって低音ブリブリのソフトをかけまくるといったタイプではなく、小編成の器楽曲や声楽を美しく聴かせるSPでした。税抜き168万円と言うプライスタグの左端の1が無ければクラシック専用で欲しいです。ステラヴォックスの方のお話によると某評論家先生に

「高いと言われたらマジコよりは安いって言えば?」

と知恵を授けられたそうです(爆。

B1 次のSPは特徴的なフォルムで話題をさらったVIVID AudioのB1です。形状からも想像できるように所謂「SPが消える」タイプの現代型SPでした。個人的にはクラシックの通奏低音などで何か共鳴音のようなボーボーした感じがあるのが気になりました。あの特徴的なバスレフポートが前後についている影響かな、とか思いながら聴いてました。
 このSPの試聴で面白かったのはプリ、パワーの切り替え比較。激変したのはプリ。十分な実力のある27.3MEですが、新製品の22Sigに切り替えた途端雰囲気がガラッと変わったのにはビックリ。これは凄いプリだな、と思いました。デジタルに走っていたレバションさんがまだアナログの需要が多いという理由で22MEをブラッシュアップしただけの事はあります。値段も600万円台に乗って凄いですが。
 パワーのTelos200600の比較は、B1程度のSPでは200で十分と思いました。勿論ギターの胴鳴りの深さや懐の深さで600の優位性は良く分かりましたが、CP比を考えると200の圧勝。ただしプリが22Sigですけどね(苦笑。
 
 しかしまあなんですね~(桂小枝風)、冒頭写真見たらTelos 600が小さく見えちゃいます。という訳でお次は怒涛の超弩級アンプ対決です。

2部: 特別講師:オーディオ評論家 柳沢 功力氏 
 第2部はGOLDMUND 「MIMESIS22SIG」+「TELOS2500」とVIOLA 「CADENZA」+「BRAVO」でJBLの60周年記念モデルDD66000を徹底試聴と言う企画です。ちなみにVIOLA BLAVOは1セットをブリッジ接続でモノラルとして使用しているため2セットで鳴らしてます。めでたく両パワーアンプとも1000万円超(ただし税込み)です!

Bravotelos25002部のJBL「DD66000」をビオラとゴールドムンドの聞き比べでは、「BRAVO」との相性が良かったと感じました。(河口無線HPより)

 身も蓋もない感想だな(爆。実際そうなんですけど。勿論どちらもDD66000をドライブすると言う点においては何の問題もないですし、ビッグバンドジャズや大編成オケでは、先日のルーツサウンドさんのDD66000試聴会で用いていたクラッセのパワーアンプとの差ははっきり感じました。その上での話なのですが、Goldmundの方に100Hzあたりに妙に硬質な盛り上がりを感じました。これだけの機種ですから敢えて耳障りとは言いませんが、耳に痛い感じがずっと付きまとって離れませんでした。

 ただ、河口無線のHPに書いてあるのはそのような個人的な感想ではなく、ソフトとの相性の事です。柳沢先生の定番ソフトであるローズマリー・クルーニーの「酒と薔薇の日々」での聴き比べで明らかにBRAVOのほうが相性が良く

「やはりアメリカ人の声にはアメリカのアンプが合う、これは血の問題ですね」

と言う話だったんですね。そしてその他の色々なソフトでもBRAVOの方が概ね良かったのは、やはりアメリカのSPとの相性だったのだと思います。だから逆に言えばムントのフル・エピローグとか、あるいは同じスイスのアクラボやピエガとかで鳴らしてたら結果は逆だった可能性は高いでしょう。でも、カナダのフランスで作っているクラッセも結構JBLに合ってましたけどね。

 柳沢先生のしゃべりは今日も好調でした。あのいかつい風貌に似合わない人懐っこい語り口は健在です。やっぱりついつい話題がJBLにシフトしていくので、ステラヴォックスの人に謝りっぱなしでしたね。
 かけていただいたソフトは定番でハイエンドオーディオショウでもおなじみのものばかりでしたが、一応書いておきます。個人的には4枚組みと聞いて購買意欲の無かったオランダ放送管のラフマニノフの2番がやはり良かったです。アマゾンポイントで買うかな(^_^;)

ローズマリー・クルーニー 「酒と薔薇の日々」
フォン=オッター 「I Am Just A Girl」
フォン=オッター 「鱒」
ハーゲン管弦楽団 「ショスタコビッチ弦楽四重奏8番3rd Mvt」
菅野邦彦 「枯葉」(多分)
カウント・ベイシー・オーケストラ 「CBエキスプレス」
エド・デ・ワールト&オランダ放送管「ラフマニノフ交響曲2番2nd Mvt」
クヴァストホフ&ネトレプコ 「The Mozart Album」より
内田光子「モーツアルト幻想曲ニ短調」
レべッカ・ピジョン「Auld Lang Syne/Bring It On Home To Me」

Heliusomegaruby_1 アナログをもっとかけて欲しかったですが、今日は一曲、それもステラヴォックスお馴染みのハリー・ベラフォンテだけ(苦笑。写真はロルフ・ケルヒのBABY BLUEに装着されたHeliusと言う会社のトーンアーム「オメガ・ルビー」です。セクシーな曲線を描く逸品ですがやっぱりお値段は高くて80万円程度するそうです。結構芯の太い音を出すようですね。ちなみにカートリッジはウィルソン・ベネッシュのハイブリッド、PEはGoldmundのPH3。
 そうそう、数年前のルーツサウンドの試聴会では「絶対作らない」と言っていたターンテーブルをレバションさんついに作る気になっているそうです。来年初めくらいにはお目見えするそうで楽しみ、といっても手の届くお値段ではないんでしょうけど。

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2007/01/29

JBL:DD66000試聴会@神戸元町

Doublewoofer
 1月28日にルーツサウンドさんの主催でJBLの60周年記念スピーカーProject EVEREST DD66000の試聴会が行われました。オーディオファイルの方なら、去年のオーディオ界の話題と賞を掻っ攫ったこのスピーカーを知らぬ人はいないと思います。でも日頃ウィルソンやらアヴァロンやら現代型SPにしか関心を示さないオマエが何で?と言われそうですね。ルーツさんのイベントだから、と言うのももちろんありますが、11月のハイエンドオーディオショウで短時間しか聴けなかったものの、その音色が結構気に入ったんです。丁度オールマイティでしかも低音の量感がでるSPはないかな?と物色中だったものでそのアンテナにひっかかったものの一つでした。世評が分かれてるようにスタイルはどうかとも思いますが(^_^;)、昨日斜め横からずっと見てたら冒頭写真のように大きな目で流し目をくれているようで結構可愛かったですよ(苦笑。値段は可愛くないですけどね。

Miura
日時: 平成19年1月28日14-16時
場所: JUST IN TIME(元町の喫茶店)
講師: 三浦孝仁先生
主催: ルーツサウンド
協賛: ハーマン・インターナショナル(株)
 場所はルーツサウンドではなく神戸元町のおしゃれな喫茶店、パラゴンが置いてある事でも有名なJUST IN TIMEでした。そう言えばロルフ・ケルヒのターンテーブルを新しく導入されたようなので普通の時にもまた行ってみたいです。
 講師は三浦孝仁先生。グリークラブで鍛えられた良く通る声で、各試聴ディスクについて聴くポイントを的確かつ丁寧に事前に説明していただけるので、先生の試聴会はとても勉強になります。休憩時短時間ですが御話をさせていただくことができ、最近導入されたAyreのパワーアンプMR-Xや新製品の話、チャールズ・ハンセン氏の現況についてなど聞かせて頂く事ができました。

システム構成:
SP: JBL Project EVEREST DD66000 (Rosewood)
SACD/CD Transport: Accuphase DP-800
DAC: Accuphase DC-801
Preamplifier: Mark Levinson 326S
Power Amplifiers: Classe 400M x2
Cables: Siltech
Speaker Stand: Harman International Original (非売品)

 上記の如くのシステムで聞かせていただきました。総計1000万円超の贅沢なシステムの上、合計で一体幾らするのか想像もつかないSiltechの豪華ケーブルで繋いでありました。また、椅子での試聴に合わせてハーマン・オリジナルの足をはかせていましたが、これは非売品だそうです。また、マイフォトにでもそのうちアップさせていただきますが、DD66000の形に合わせてあって決まってましたね。
 これだけのシステムですから音は悪くあろう筈はありませんが、出ていた音の性質を思い出してみると、CDの音のグレードの高さはアキュフェーズの新製品800+801の性能の高さでしょう。そして低音の骨格のがっしりした安定感はマーク・レビンソンのプリの性格ではないかな、と思いました。クラッセのパワーは以前しゅうへいさん宅で聞かせていただきましたが何の心配も無くSPをドライブする安心感と肌理の細やかさが印象に残っています。今回もそれを感じました。

 と言うわけで、裏を返せばDD66000は、各機器の個性なり性能なりをそのまま提示するタイプのスピーカーであるとも言えます。そして三浦先生もおっしゃってましたが、ソフトの個性や録音の良し悪しもそのまま提示する、やはりJBLらしいモニターライクな製品ですね。

 じゃあ、今までのJBLのホーンスピーカーそのままの音なのか、と言われるとそうでは無かったです。所謂ホーン臭さのない、ハイスピードで精緻な音で、fレンジも広大、透明感溢れる音は私好みでした。これはまさしくコンプレッションドライバーとスーパーツイーターに奢られているベリリウムの個性なんだろうと感じました。だから高音域の音色にはフォーカル社のユートピアシリーズにも通じるものを感じましたが、実際、三浦先生によるとこの特殊な圧延加工したベリリウムの出所は両社とも「ウェルシュ・ベルマン」と言う会社なのだそうです。

 一方低音はさすがJBLと言う感じで、磁石も他社が真似できないほど強力らしいですし、更には横一列でサブウーファー(外側にするよう指定されているそう)を足すことにより、より密度感が増し力感の溢れるものとなっていました。また、以前良く同社のスピーカーに感じていた高音と低音で別のスピーカーが鳴っている様な音色のつながりの悪さも無く、良く仕上げてあるな、と思いました。

 実際その様な印象を裏付けるエピソードを三浦先生が語って下さいました。オーディオファイルの方は良くご存知だと思いますがS9500S9800のような高級シリーズが知られているのは実は日本だけと言っても過言ではなく、本国アメリカでは廉価なスピーカーを多産しているメーカーと受け取られています。しかし、この1月に行われたCESでは、このDD66000の試聴室をかなり大きな部屋に設けてグレッグ・ティンバース自身がデモを行ったところ、現代型スピーカを信奉するうるさがたのオーディオ評論家諸氏が驚き絶賛したそうです。

Classem400

では以下に試聴会のセットリストを記しておきます。三浦先生のおっしゃった試聴ポイントも簡単に記しておきますので参考にしていただければ幸いです。

Setlist:
01: Lights Of Louisianne(Jennifer Warnes: The Hunter)
 先ずはボーカルでSPの特徴を大まかにつかむ為のソース。このソースは拙宅でも試聴会でも何度と無く聴いているソースですが、質感はまさしく現代型高級SPのそれで、しかも前に出てくる感じでした。でもやはり低域のファンダメンタルがしっかりしている事が印象的でした。

02: アランフェス協奏曲(バスター・ウィリアムス、SACD Hybrid)
 続いてはベースで横一列のダブルウーファーの量感を確認する為のソース。やっぱりベースはJBLだなあと言う感じで溜息が出ました。それも重くないですし、音量がそれ程大きく無くても十分な量感がでるところが良いですね。

03: Mediterranean Sundance/Rio Ancho (Al Dimeora: Friday Night in San FranciscoSACD)
 ギターで476Beドライバーの音色の自然さ、鮮やかさと音の飛び方の両立を感じる為のソース。この頃のディメオラの指使いは凄かったんだなあと言う事が実感できます。

04: ポンセ (ウィリー長崎:海上への道、SACD)
 倍音成分の多いパーカションで045-1Beスーパーツイーターの効果を確認するためのソース。実際STに布巾をかけてある無しの音の差を試してみられました。シャリシャリとした音の付帯音の多さと音場の深さにやや差が出た気がしました。

05: ヴァイオリン協奏曲第1番第3楽章 (ヒラリー・ハーン: パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番、CD)
 CD優秀録音で音の素性をそのまま出してくる性格を実感する為のソース。ヒラリー・ハーン独特の強くややきつめの音が良く出ていました。アキュフェーズの送り出し機器の効果でしょうか、それが嫌なきつさにならず大変品位のある音でした。CDでこれだけの音が聴けるのか、と感嘆しましたね。

06:  バッハ:コンツェルトDm (ハイフェッツ) 一方古い録音でもそれなりの雰囲気を出すと言うところでハイフェッツ。最近シリーズででているRCAリビングオーディオSACDシリーズの新譜らしいです。オリジナルのアナログを手に入れようと思うと大変ですから嬉しい企画ですね。

07: On The Sunny Side Of The Street (エミリー・クレア・バーロウ: ライク・ア・ラヴァー) 三浦先生最近お気に入りの女性ボーカル。若々しい声での歌唱の活きのよさ、ベースの音の跳ね方など、音が楽しいのはやはりJBLの個性でしょう。

08: Black Coffee ( Peggie Lee: Black Coffee、MONO) モノラルで古い録音ですが大変味があります。この曲で前半を締めてコーヒータイムに移るところなんかニクイ選曲ですね。

~Intermission~

09: Misty (山本剛トリオ: MISTY(FIM) SACD Hybrid) TBMの名盤中の名盤ですが、アメリカの高音質録音で有名なFIMから出ているハイブリッド盤です。山本剛独特の名前の通りの強い打鍵のタッチ、倍音成分による音質の高さ、ベースの雰囲気、そしてヒスノイズの違いなどをSACD層、CD層で聴き比べて体感しました。ヒスノイズが随分大人しくなりますね。

10: アクア・マリーン (鈴木勲トリオ: ブロー・アップ、SACD(TBM、リンク先はSonyのCD) これもTBMの名盤ですね。三浦先生がこの頃の日本のジャズは凄かったんだなあと実感できる演奏ですとおっしゃってましたがまさにその通り。今回の試聴の中で一番感銘を受けた演奏でした。ちなみに今TBM(スリー・ブラインド・マイス)の音源はなんとSCEの久夛良木社長がお持ちだそうです。

11: プロコフィエフ交響曲第一番(ピアノ連弾) (マルタ・アルゲリッチ&ポリーナ・レスチェンコ、プロコフィエフ交響曲第一番 古典的交響曲、SACD Hybrid(Avanti Classics))  続いてはピアノの連弾でスピーカーのダイナミクスを感じてもらうためのソース。

12: In A Sentimental Mood (星乃ケイ: イン・ア・センチメンタル・ムード、SACD)
 この頃良く三浦先生が雑誌に書いておられますが初めて聴きました。如何にも日本のジャズシンガーと言うまじめな歌い方ですが、もともとはポップス系の歌手だったそうです。シャープの1ビットプロジェクトに絡んだディスクだそうで、今回はオンキョーハウスからもらったレーベル面の印刷のないデモディスクを聴かせていただきました。

13: コリオラン序曲 (ウィーン・ラジオシンフォニー・オーケストラ)
  ここまで賑やかなオケの音が無かったからと言うことで。これも凄く良い演奏でしたし、良い録音でした。ドイツのマイナー系レーベルから出ているSACDで2千円しないそうです。この値段でこれだけの演奏を聴かせてもらえるとは、確かに幸せな時代に生きているのかも。

14: ニュー・シネマ・パラダイス (いむちじん: Rui
 ギターDUOで空気感を感じてくださいとのことでした。確かに眼前で演奏されているような雰囲気がありましたね。

15: Hymn To Freedom (Arne Domnerus: Heart Felt)
 サックスでホーン型の良さを、パイプオルガンでダブルウーファーの威力を感じていただく、というJBLの最高機種の性能を最も良く感じられるソースで締めると言う考え抜かれた構成に脱帽しました。この曲はオスカー・ピーターソンの作品だそうですが、涙が出そうなほど感動的な演奏でした。

 まあ、おいそれと買える値段ではないですし、日本のホームユースにはかなり無理のあるデザインではありますが、ステサンをはじめ各雑誌がこぞって絶賛するだけの事はあるな、と思いました。ルーツさんにも違う個体ですがしばらく置いてあるそうなのでまた機会があれば聴きに行こうかなと思います。

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2006/11/13

オーディオセッションイン大阪(2)印象に残った製品

Melody
 さて、昨日のオーディオセッションin大阪で、高島電機以外で気になった製品をいくつか紹介します。先ずは完実電気さんのブースにおいてあったMelodyの300Bシングル・プリメインアンプH300B-WE(WE300B付きは42万円)です。

 名前の通り、ウェスターン・エレクトリック社の「名球」300Bを使用した管球アンプです。小型ながらピアノブラック塗装がとても綺麗で、AE社のAE1 Classicから精緻でしかもとても心地よい音楽が流れていました。300B独特のさわやかな繊細感も良く出ていたように思います。Melodyという会社のことは知らなかったので訊いてみたところ、オーストラリアのオーディオメーカーだそうです。WE社の300Bを使ってこのお値段はなかなか魅力的ですね。

Bw
 「マランツコンシューマーマーケティング」ブースよりB&Wのスピーカーです。大阪のハイエンドオーディオショウでは実はスピーカーメーカーの一方の雄であるB&Wが聴けないんです。その事をいつも残念に思っていたので、今回はまだ聴いた事のない800Dをじっくり聴いてみようと目論んでいました。
 最初入った時には手前の白い郵便ポストみたいなのが鳴ってました。な~んだ、800D鳴らしてないのか、とがっかり。音も大したこと無かったので早々に退散。でもこの新しいモデルSignature Diamondと言う名前らしいですが、調べてみると何と

801D(230万円ペア)と同じくらいのお値段らしい

です、ええっ(?_?)って感じ。B&W一体何考えてるんでしょうね(^_^;)。
 さてしばらく他ブースをうろついてからもう一度入ってみると、運良く丁度800Dと入れ替えるところでした。そそくさと席につき待つ事しばし、やっとデモが始まりました。なんせ世界でも有数のプレイバックモニター機ですから、プレゼンターの上品そうなおじ様が、得意げにアビーロードスタジオの説明をのたまわれるとともに、これでもかとばかりに大砲の音やリミッターをかけていないジャズのライブ録音などで我々を圧倒しようとしてくれます。でも、何分にも

部屋狭すぎですから~(涙

 ただでさえ狭い部屋を仕切ってリスニングルームにしてあるものだから、とても800Dの素晴らしさを堪能する、と言う雰囲気では無かったですね。

 さてこの難物スピーカーをドライブするのは、当然ながらマランツの威信をかけた最高峰のシステムで、伝統の7番9番の名前を次ぐSA-7S1SC-7S2MS-9S2です。これだけの駆動システムを以ってしても800Dの底無しの実力は発揮されているとは言えず、軽く受け流している感じでした。確かに凄いモニタースピーカーです、そういう点では畏れ入りましたとしか申し上げようがないです。
 このマランツのシステムの音は良く言えば、「上善如水」、悪く言えば徹底的に短所を消して仕上げていくトヨタ的な無個性さを感じます。
 当然ながらマランツの開発陣はB&W、それもこの機種で音決めしているんでしょうから、これがマランツの音である、と同時にこれが800Dの素の音なんでしょうけれど、正直なところこんな音で音楽を聴かされてもあまり楽しくないなあと言う気がしました。傅先生が800Dをして

際限なくアンプ選びに悩むことになる

と表現されたのは今回試聴してけだし名言だなあ、と思いました。

Littlejammer_1
( Little Jammer Pro. tuned by Kenwood

 さて、このオーディオセッションがハイエンドオーディオショウと少し性格を異にしている点として、大企業の参加が多くそれらの会社の出展の殆どがAudioVisualのマルチチャンネルのデモであると言う特徴が挙げられます。
 実際今回初めて一通り回ってみましたが、大企業の名が泣くほど閑古鳥が鳴いてましたね。殆どのブースががらがらです。唯一ヴィクターが満員で入れませんでしたが、どんなデモをしてたんでしょう?

 住居の制約の大きさからして日本ではアメリカほどにはAVマルチチャンネルは普及しないだろう事は素人目にも分かりきっているのに、日本橋商店街とのおつき合いで断りきれないからか、あいも変わらずおんなじ様な展示でお茶を濁しているのは正直言って興醒めです。そのくせ

「単に美しいだけの音ではない、アーティストが楽曲に込めた、魂の叫びをリスナーに届けたい」(某大手メーカーのパンフレットより)

などと空々しい宣伝文句を、一般家庭ではこうはいかんでしょうと言うようなおしゃれなインテリアの写真とともに載せるのは正直言ってサギに近いんじゃないでしょうか。

日本の標準的な家屋における、本当に5.1chなり7.1chなりで配線した部屋の状態

をパンフレットに載せてみろよ、と申し上げたい。

  また、一時は世界に名を轟かせる様な最先端のスピーカーを生産していた企業が今出しているスピーカーの殆どが、どうみても海外ハイエンドのサル真似にしか 見えないデザインです。「プライオリティ」と言う言葉をどこかへ置き忘れたような代物を恥ずかしげも無く出してきて、古き良き時代の「伝統」を云々するのは長 い間日本の伝統であった「恥」の精神を忘れたとしか私には思えず、無性に悲しくなりました。(一応言っとくとパイオニアのTADのシリーズはまだましな ほうだと思ってますよ。)

 それよりは今回KenwoodがデモしていたようなCDレシーバー一体型アンプ+小型高音質スピーカーの組み合わせによって、若い方にミニコンポから一歩踏み出してもらおうとする姿勢の方が好感が持てますし、実際良い音が出ていました。

Eclipse
 さて菅野先生ばりに苦言が長くなってしまいましたが、マルチチャンネルで唯一興味を惹かれたのが、独特の卵型形状のスピーカーを作り続けている富士通テンの「Time Domain Audio System」シリーズでした。今回は待望のサブウーファーTD725swが初お目見えしていました。私の下手な写真では感じがつかみにくいかもしれませんが、結構大きくて高級感があります。
 パンフレットなどをみるとやっぱりこのシリーズの売りであるハイスピードをこのサブウーファーでも強調しています。絨毯張りの部屋でセッティングも詰めずの状況でデモで数曲聴いただけではその真価は測りかねますが、少なくとも鈍重な感じは無く、エクリプスシリーズ独特の音離れの良さ、定位のクリアさを邪魔していなかったので良いSWなんだと思います。

 思えばデビュー当時ルーツサウンドさんで入ったばかりのデモ機を聴かせて頂いた時に、ゾクッとするほど深い音場の中にびしっと定位が決まっており、おおこれがタイムドメイン理論なのかと感心しました。しかしやっぱり各楽器の音の質感は10万円台のスピーカーのものでしかありませんでした。それから数年良くぞここまでブラッシュアップして来たものだと思います。

 5.1のマルチチャンネルもドナルド・フェイゲンの「Morph The Cat」とマーツァル&チェコフィルの「マーラー3番」で聴かせて頂きましたが、前者のマルチがやや作り物っぽい感じが強くてなじめなかったのに対して、後者は自然な音場が広大に広がり、また低音の出方も自然で好感が持てました。じゃあ自宅に導入するか?と言われたら、そこまでせんでもええわと思いましたけどね。

 最後に今回唯一大失敗したと帰宅後後悔したのは「ロッキーインターナショナル」のブースへ行き忘れていた事。というか知らなくて帰ってからパンフを見てあっ、と思ったんですがAfter the festival、後の祭り。QUADESLシリーズ聴きたかったぁぁぁぁ~(号泣。

 という訳で大変長くなってしまい申し訳ありませんでした。他の写真はまたそのうちマイフォトにでもぼちぼちとアップしますのでよろしければご笑覧くださいm(__)m。

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2006/11/12

オーディオセッションイン大阪(1)祝!高島電機初ブース

Takashimadenki
左上:高島さん、右上:「Over」大庭好司氏、左下:「トライオード」山崎順一社長、右下:「PhaseTech」藤原伸夫氏

 先週のハイエンドーディオショウに引き続いて第16回オーディオセッションinOSAKA2006に出かけてまいりました。先週に比べると割と空いていて、ゆっくりと見聴きする事ができました。

Spendor100micropurejpg(写真左の小さいSP:マイクロピュアCz302ES、右:スペンドールSP100

 今回訪れた主な目的は高島電機ブース。今回初ブースを持たれた高島さんは、以前は河口無線、三宮上新店におられました。私がオーディオ再挑戦を志した頃、神戸ではハイエンドオーディオを聴ける店はとても少なくなっており、三宮上新店で毎日曜日開催される試聴会だけが唯一の機会でした。それを毎回主催されてたのが高島さんでした。考えてみれば私の使用しているスピーカーは、メインのCub2,サブのスペンドールS3/5ともに高島さんから買ったもの、松浦さんとともに私の師匠とも言える方ですね。

 その高島さんに先週トライオードブースでお会いした際、

「ゆうけいさんっ、来週是非来てくださいよっ!素晴らしいスピーカーがあるんですよ!」

と声をかけていただいていたので、今日は少し無理して出かけてきました。

Over さて、そのブースの音ですが、お世辞抜きで素晴らしかったです。このような趣味の世界で

作っている人、売っている人の顔が見える

機器というのは大変魅力があります。その「音の匠」と言える方を今回は3名もお呼びしての講演会でしたので、他のブースにない熱気がブース全体に満ちていてとても充実していました。

 さて、その一番手は神戸の新ブランド「Over」の大庭さん。まだデビュー前のプリメインアンプ、写真2段目のまだプロトタイプで何の刻印もない機械の作者です。大庭さんはアンプを自作されていたのですがその音質の良さが友人の間で評判になり、上新電機の協力により商品化にこぎつけたそうです。特徴は

FETシングル無帰還

で出力は控えめの25W。無帰還ならではの正確な音の階調性が音の新鮮さに寄与しており、大変瑞々しいサウンドでした。特にフェーズテックのフォノアンプEA-3と繋いで聴いたアナログの音は素晴らしかったです。この時点でのSPはスペンドールS100+タンノイのスーパーツイーターでしたが、ジュリアーニのギター協奏曲に聴くギターの豊穣な音色ときっちりとした定位、コールマン・ホーキンスのサックスの往年のジャズ喫茶のような熱気、いずれも素晴らしかったです。

 大庭さんが口下手なもので(^_^;)、冒頭写真右下の藤原氏がご自身のフェーズテックのEA-3との共通点である、無帰還のトランジスタ、電源トランスのダイレクトグランディングを中心に説明してくださり、とてもいいアンプで真空管のような音がする、と誉めておられました。

Micropure2 さて、次が本日最大のサプライズ、高島さんお勧めのマイクロピュアのスピーカーCz302ESです。説明は販売を手がけるトライオードの山崎社長さん(冒頭写真左下)に替わりました。本当に面白い構成のスピーカーで以下のような特徴があります。

1: 私も使っているmuRata supertweeterをマウントしている。村田がOEM供給するのは初めてだそうです。しかもこれをネットワークなしで用いています。まあ考えてみれば私も単純に並列で使っていますけどね。下とのクロスオーバーは15KHzあたりだそうです。

2: 下はオリジナルのフルレンジ・ユニットで70-15KHzをカバーしています。振動板はメタルっぽいですがラミネートコーティングのペーパーコーンだそうです。とても10cmとは思えないスケール感とワイドレンジを可能にしており、SP100が鳴ってますと言われても分からなかったと思えるくらいでした。

3: そしてそのマウント方法が変わっており、普通クリアな音と定位感を得ようとするとがちがちに固めがちですが、わざと隙間をつくって音圧を逃がすようにしているそうです。その手法で特許を取っている、と言われてふと思い出したのが、昔雑誌で一時話題になったパストラル・シンフォニーという会社のスピーカーでした。講演会が終わったあと、パンフレットを見て納得、やっぱりその会社の製品だったのでした。

4: そしてキャビネットも6-7mmのメープルの単板と薄いもので、製作はなんとギターのフジゲンに依頼しているとの事。仕上げは非常に美しく、しかも軽量、なんと2.5kgしかありません。

Triord2_1  こんな軽・薄・小なスピーカーから信じられないほどの広大な音場としっかりした定位感、大型SP並みの低音が出るのですから、本当にオーディオって分からないものです。最初に聴かせていただいたセリーヌ・ディオンのボーカルは試聴位置が近すぎたせいか音圧に圧倒されるとともに、やや高音がきついかなと思いましたが、フジゲンから連想されるように、ギター・ヴァイオリンの音色は非常に美しいとともにリアルで、ギターの胴鳴りや爪弾き、ヴァイオリンの弓が弦を擦る様子等が正確に再現される様は圧巻でした。また小型SPにはきつい鬼太鼓座の打楽器音も見事な定位で再現されました。特に奥行きの深さが印象的でこのあたり村田のSTが効いているようですね。

 最後には再びSP100に戻してOverFETアンプトライオード300Bパラシングルアンプとの聴き比べを、シュトラウスの「こうもり」序曲で行いました。Overも相当いいと思いましたがやっぱりトライオードの真空管アンプは素晴らしいですね。
 私がS3/5の購入を決意したのもトライオードさんの試聴会でした。今はラックスマンの真空管アンプで聴いていますが、やっぱりトライオード300Bで聴きたい!と思わせてくれました。くーっ、罪作りだなあ山崎さん(T_T)。

 と言うわけで大変充実した講演会で、気がつけば小さいながらも会場は満員、終わってからもあちこちで歓談の花が咲いていました。私も後ろ髪を惹かれつつ、高島さんに挨拶して会場を去りました。思わぬ長文になってしまいましたが、会場の熱気が少しでも伝われば幸いです。高島さん、作り手の顔が見える講演会ありがとうございました、今後の益々の活躍を期待してますよ。

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2006/11/04

大阪ハイエンドオーディオショウの写真

Everest
 昨日に続いて大阪HASの写真を順次アップして行こうと思いましたが、数も多いし、homさんやライ麦畑さんに比べると見劣りするしで、考えた末直接マイフォトにアップして行くことにしました。右側のサイドバーの「オーディオ選集」をクリックしてみてください。レイアウトも見にくかったので変更しています。取り敢えず今日は6-10階のブースをアップしました。ぼちぼち更新して行く予定ですのでよろしければご覧くださいませ。

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2006/11/03

大阪ハイエンドオーディオショウ2006

Electra
 本日から3日間大阪で開催される大阪ハイエンドオーディオショウに行ってまいりました。homさんと朝から夕方まで一通り見て回りましたが、感心したもの、がっかりしたもの、色々でした。印象に残ったものを、ベタですが打ち上げ宴会での表彰状風にご紹介します。

Isis1度肝を抜かれたで賞
Avalon ISIS
(大場商事
スタンダードウッド:850万円(ペア)

 畏れ入りましたとしか申し上げようがありません、もう圧倒的に素晴らしい音。全てに於いて他から抜きん出ていた存在でした。もちろんdCSJRDGの組み合わせも素晴らしいのでしょうけれど、このスピーカーはそれら全ての機器を従えて王のように君臨している感じがしました。音の気品、全域にわたる質感、定位、ノイズフロアの低さ、ジャンルを問わない鳴らしっぷり、完璧に近いですね。このSPを家庭で所有できる人は幸せです。

System8がっくりきたで賞
Wilson Audio System 8
(大場商事
スタンダード:370万円

 いやあ、まいりました、一番期待して出かけたのに(T_T)。同じ大場商事のブースで感動と失望の両方を味わうとは思っても見ませんでした。入った時にはピアノが鳴っていたのですが、まあ綺麗な音だけど、こんなものか?と言う疑問符が。続いてかかったノラ・ジョーンズの「Come Away With Me」に驚愕。リーのベースがとても彼が鳴らしているとは思えないひどい音。と言うより、これは

本当にベースの音なのか?

まるでゴムのようにグニャグニャねじれた様な歯切れの悪い音です。位相が狂ってるのか、それともセッティングのせいか、これがシステム8の音とは信じたくなかったので、早々に引き上げました。
 アキュフェーズのブースでの音を期待したのですが、残念な事に今回システム8を入れる予定はないとの事でした。Hoteiさんによると東京IASでのアキュブースでのシステム8の音は良かったとの事だったので、やはりセッティングなんでしょうかねえ。

Thielc372鮮烈なデビューを飾ったで賞
Thiel CS3.7 Prototype
AXISS
価格:約160万円を予定

 「ゴミ箱」みたいという噂の斬新なデザインのティールの新機種のプロトタイプが嬉しい事に東京からそのまま本国へ送り返されず大阪に来てくれました。入った途端に鮮烈な音が耳に飛び込んできてびっくり。一昨年のオールFMアコシステム、去年のオールクレルシステム、それに今年はこれとアクシスさんには毎年驚かされます。あのちょび髭の社長さん、良いセンスしてるなあ(^_^;)。
 
 ティールの定位の良さ、各楽器の音像の明確さはそのままに、中高音域の鮮度が一段と高くなった感じ。低音もタイトに且つ十分出ます。能率の良さ(90dB)と言うのは菅野先生がいつも口を酸っぱくしておっしゃってますが、結構大事なんですね。ちなみにウーファーは一基で、やっぱり下のは伝統のパッシブラジエターでした。

 クレル、エアー、FMアコとアンプも只者ではないとは言え、100万円台でこれだけの音を得られるのは大変な魅力です。アンプ3者の内では、最初に聴いたクレルのシステムがオールマイティで一番良かったです。エアーもフレッシュで軽快な感じが魅力的。Wadia+FMアコの超弩級お値段シリーズが一番もっさりしてる感じなのは皮肉。でも、柳沢先生がかけてくださったアルゲリッチとプレトニヨフのピアノ連弾の鳴りっぷりは凄かったです。ピアノの音に悩んでいる私としてはとても惹かれました。ただあまりにも鮮烈過ぎて家庭で長時間聴くと聴き疲れしそうかも。

耳馴染みの音だったで賞
フォーカル_JM lab Electra 1027 Be
(NOAH)
冒頭写真、一本46万円

 拙宅のCUB2+muRata ES-103の中高音域の音に良く似ていて違和感がなく驚いたのは、JMラボのユートピアシリーズの一つ下のラインアップであるエレクトラシリーズでした。このツイーターも金属製で逆ドームになっているので良く似ているのかもしれません。拙宅の場合スーパーツイーターをたして高音域を滑らかにしているのですが、Beの場合それが必要のないくらいスムースに超高音域まで伸びているんでしょうね。
 もうすぐ販売になるChorus800Vシリーズのコストパフォーマンスの高さにも驚きました。トールボーイ型の836Vは一本182000円ですが、信じられなくらい高品位の音が出ていました。なお、ツイーターはベリリウムでなく、アルミニウム・マグネシウム合金です。

Blu_1隠れ名機で賞
ULTRASONE edition 9(Headphone)
Lehmann audio Headphone Amplifier Black Cube Linear
Chord Blu & DAC64Mk2
(タイムロード)
 homさんが「凄いヘッドフォンがありましたよ」と教えてくださったのがこれ。homさんも私もSTAX使いで今までSTAXが一番と信じて疑わなかったのですが、これはそれを凌ぐ可能性を秘めた驚異的な音でした。普段ヘッドフォン試聴を余儀なくされているhomさんにはとても気になる機種でしょう。

 他にも色々とブースを回りましたが、ホテルの狭い部屋の中で結構良い音してるブースが多くて感心しました。また機会があれば紹介したいと思います。CD,LP,本ブースも一応物色したものの食指はあまり動かず。Swiftyさんのサイン入り本はちょっとそそられましたが、殆ど読んでますしちょっと高かった。と言うわけで半分ジャケ買い・半分アーチスト信用買いでアマンダ・マックブルームのLPを一枚だけ買って帰りました。

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2006/06/05

Accuphase C2810&P7100試聴@ルーツサウンド

C2810p7100
 ルーツサウンド さんでアキュフェーズの新製品、プリアンプのC-2810とパワーアンプのP-7100のデモが行われていたので、キャパ写真展の後で聴いてきました。
 上記写真はルーツサウンドの試聴室。画面右下、山本音工のラックの中段がC-2810、左上方奥に旧型で私の使用機P-7000の上にスタックしておいてあるのがP-7100です。アキュの正統進化の常で、ぱっと見には殆ど外観は変わりません。特にプリなんか、ウッドケースが拙宅のC-290Vと瓜二つ。一方P-7100は右の方にゲインスイッチがついたのとグラスパネルが少し引っ込んだのが主な変更点でしょうか。といってもP-7000を使ってるから気になるのであって、普通分かりませんよね。
 

C2810 さて音の方はというと、これがやっぱり最近のアキュの音です。傅先生をして底無しと言わしめたノイズフロアの低さはしっかり受け継がれています。JBLのS9500を鳴らしていたのですが、JBLをこれだけS/N比が高く残留ノイズのかけらも感じさせない音で鳴らせるプリアンプは先ず無いだろう、と思いました。音質的にはC-2800がからっと明るくあっけらかんとしたイメージがあったのに比べると、少しC-290Vに近づいたようなかっちりとした大人の音作りを意識している気がしました。マスターによると、まだ音が少し硬いけれど、前作よりエージングを要する時間がずっと短くて良い音が鳴り出してるとのことでした。C-2800より10万円高くなる予定だそうです。もうルーツさんで一台予約が入っているそうです。

P7100 P-7100については個人的には特にP-7000と変わったところは無いように思いましたが、ルーツさんの印象としてドライブ力はかなり増しているとの事でした。P-7000ではB&WやJBLの大型機を鳴らしきれないところがあったそうですが、この新機種だと十分鳴らせるそうです。ということで、普通のサイズの部屋で中型機種を鳴らしている限りはP-7000で十分と思いますが、鳴らしにくいSPを広い部屋で聴いておられる方には朗報でしょう。

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2006/05/21

大場商事試聴会@大阪

Obashojidemo
 大場商事の試聴会が21日大阪でありました。今回はウィルソン・オーディオの新製品2種がメインでしたのでCub2ユーザーの私としては見逃せない、ということで出かけてきました。

第24回 試聴会「WILSON AUDIO 新製品発表会」
日時: 平成18年5月21日午後1-3時
講師: 傅 信幸氏
場所: ハートンホテル心斎橋・別館3階 桜の間

System-1
SP: Wilson Audio Duette
CD Player: dcs P8i ver1.10
Pre-Amplifier: JRDG Concerto Pre (途中故障)
Power Amplifier: JRDG Model102

System-2
SP: Wilson Audio Sophia 2
CD Player: dcs P8i ver1.10
Power Amplifier: JRDG Model201 x2

Duette 第一部はウィルソン初のブックシェルフ型スピーカーDuetteです。大場商事の試聴会のご経験のある方は、冒頭写真に違和感があると思います。そう、カーテンが開いているのですね。この部屋で外の景色を見たのは始めてかも。傅先生の解説によると、予想通り、小型スピーカーなのでできるだけ壁に近づけて低音を増強するためとのことでした。

 このSPを制作するきっかけは、D.ウィルソン氏がニューヨークのディーラーに小型SPを制作してほしいと依頼されたからだそうです。ウィルソン氏はそれから、JMラボのマイクロユートピアやB&WのS805、ディナ、クレルLAT2000等を聴き込んで研究したとの事。しかしその結果、同じようなスピーカーを作っても仕方ないとの結論に達し、本当に本棚に入れられるスピーカーを作ろうということになったそうです。

Duetteunit 壁面あるいは本棚に入れて一番の問題は、低音が増強されその結果音像がボケること。それを克服するため、下記三つの改良により音の指向性を高めたとの事です。

1:当初18cmのウーファーを使うつもりだったが、20cmに変更した
2:トゥイーターにフェルトのギザギザ模様をつけた
3:ネットワークの工夫

Duette2 そして、本棚に入るサイズにするととてもネットワークを内蔵できないため、ウィルソン史上初めて外付けになったと言う訳です。写真を見ると一見バイワイアのように見えますが、パワーアンプからの端子はやはりウィルソンの主義であるシングル・ワイアリングとなっています。また、肌色のケーブルは壁面近くのセッティング用で、別に60cm以上離す場合のグレイのケーブルも付属しているとの事。ウィルソン氏のこだわりが見て取れますね。ただし、ウィルソン氏は

壁から離して使うならソフィア2を買って貰うように

とレクチャーしたそうです(^_^;)。実際問題として、Duetteをスタンド込みで買うと30万(190万VS220万)しか違わないんですよ、高いブックシェルフです、本当に。
 実際音を聴いてみて一番驚いたのは、
小型らしからぬ低音ーーでもなく、
指向性を高めた音像定位の正確さーーでもなく、
トゥイーターの音色でした。ウィルソンの特徴であるあの独特の高音のチリチリ感がほとんど無く非常に滑らかで癖がありませんでした。逆ドーム型で無い普通のドーム型にあのフリフリがついているのはどうも馴染めませんが、ウィルソンオーディオの新しい可能性の一端を見た気がしました。

Sophia2 一方ソフィア2は一見初代モデルと大きな変更はなさそうに見えます。伝統のフォーカル社製逆ドーム型トゥイーター、Vifa社製ミッド、アルミウーファーの構成は細かい改良を重ねてはいるそうですが、一見しても分かりません。グリルの取り付け法の変更もありバッフル面が平坦になった事位でしょうか。
 音の方も見事にウィルソンそのものでした。トゥイーターに全面的な改良が加わったとのインフォメーションに期待していましたが、やはり高域に独特の癖のあるチタン逆ドーム型トゥイーターの音でした。やはりこのスピーカーを特徴付けるのはメタル振動板のウーファーでしょう。独特の低音ですが、こちらは熟成を重ねているせいか、安心して気持ちよく聴けます。初代ソフィアを評して菅野先生がシステムXを軸としてCub2と対極にある、音楽を楽しむスピーカーとおっしゃった事があり、そのときは疑問に思っていましたが、今日は納得できました。

 さて、kimuraさんが書いておられたシステム8の話も傅先生から少し出ました。傅先生もウィルソン氏にトゥイーターにダイアモンドやベリリウムを使う気が無いのか訊いてみたそうです。氏も実は試聴は重ねておられるそうですが、ティール&パートナー社製のダイアモンド・トゥイーターは振動板は良いがボイスコイルが弱い、フォーカル社のベリリウム・トゥーターは門外不出で試せないそうで、まあ結局のところ、音楽のダイナミズムを重視すると現行のチタンを続行せざるを得ないそうです。しかし逆に言えば、チタンに拘っているわけでもなさそうですね、将来的には変わることもあり得るのでしょう。
 
 そう言えばウィルソン氏、もう8人もお孫さんがいらっしゃるそうで孫は可愛くて仕方ないと、傅先生と孫談義がはずんだそうです。また、三男さんがスピーカー制作を引き継いでくれそうで嬉しいとも語っておられたそうです。
 25年前始まったウィルソン・オーディオも今50人規模になり、WATTの生産はもう12500本に達したそうです。中国の安い人件費を使った生産にも批判的で、氏は今後も生産をアメリカから移すつもりは無いとの事でした。これからも質の高いスピーカー生産を続けていただきたいですね。

Jrdg102201 最後にDuetteをドライブしていたジェフ・ローランドの新ステレオパワーアンプModel 102(写真上段の黒の筐体)のドライブ力の凄さも印象的でした。小さい筐体から片チャンネル100Wを叩き出し、更には大場商事史上初めてアンプで30万円を切ったそうです(^o^)。近々ペアになるプリも発売されるようで、これは爆発的に売れそうな予感がします。

Setlist
Part 1: System-1
1.映画「グリーンマイル」サウンドトラック盤 Tr23
2.「You Don't Know Me」 ジェニファー・ウォーンズ「The Well」(輸入盤)
3.「And So It Goes」 ジェニファー・ウォーンズ「The Well」(輸入盤)
4.笹路正則&LA All Stars 「Afro Blue」(SACD)
5.「Slang」 ブライアン・ブロンバーグ「ポートレイト・オブ・ジャコ」
6.「第一楽章」 チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」=プレヴィン指揮:ウィーン・フィル、アンネ・ゾフィー・ムター
7.「第二楽章」 チャイコフスキー「交響曲第5番」=小林研一郎指揮:チェコフィル
8.「Your Latest Trick」 Dire Straits 「Brothers In Arms」(輸入盤)

Part 2: System 2
9.Rene Froger 「PURE」
10.「Don't Give Up」 Peter Gabriel「So」
11.バッハ「フーガの技法」=新世紀サキソフォンクァルテット
12.Same Track as No.6
13.「第三楽章」 ラフマニノフ「交響曲第2番」イヴァン・フィッシャー指揮:ブダペスト祝祭管弦楽団
14.リンダ・ロンシュタット「Box Set」

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2005/12/19

クラブステラヴォックス年末大試聴会@神戸

germanphysiks
 18日の日曜日にルーツサウンド主催の試聴会に出かけてきました。

クラブステラヴォックス年末大試聴会
Date:  Dec.18th, 2005
Place: 神戸チサンホテル
講師: 菅野沖彦先生
司会: ステラヴォックスジャパン 西川社長
セッティング: ゼファン 安藤氏

 新レコード演奏家論を著わされたばかりの菅野沖彦先生のご講演と総額ウン千万円の豪華なシステムでクラシックを聴く、まあ贅沢な時間を堪能してきました。実は今まで不思議と菅野先生の御講演をお聞きする機会が無かったので、やっと拝聴できた、という感じでした。
 内容はもちろんレコード演奏家論が中心で、紙面では度々目にしていましたのでデジャブのような気がしないでもなかったですが、先生から直にお聞きすると説得力も倍増、というところでしょうか。先生も某巨大掲示板等で展開されている批判はご存じのようで、

レコード演奏家と言うのはあくまでも敬称

として尊敬の念をこめて申し上げているのだ、と強調されていました。

Syetem 1
CD Player: EIDOS 36-2CH  \3500K
Preamplifier: MIMESIS 24ME  \5000K
Poweramplifier:  TELOS 600×2 \5100K(pair)
Loudspeaker: German Physiks HRS120 \2500K

演奏曲目
1:ブレンデル、マッケラス、スコットランド室内響モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番&第17番よりTr1;ピアノ協奏曲第12番イ長調 K.414第1楽章
2:ポリーニショパン:夜想曲全集(初回限定盤)よりTr.2;作品9 第2番 変ホ長調(第2番)

 今日のメインはタイムロードからゼファンに扱いが変更になったGerman Physiksのスピーカーです。でも駆動する機器だって凄い。まずはフルGoldmundです。このシステムで鳴らせないスピーカーなんてあろうはずもありませんが、HRS120から聴こえてきたモーツアルトとピアノ協奏曲は大変優雅で幽玄でさえありました。ただ、ホテルの一室という条件の悪さなのか、ウーファーの音がにじんでいるようで、それは気になりました。菅野先生もウーファーまで無志向性にこだわることはないんだが、とおっしゃっておられました。

 2曲目のポリーニで菅野先生もいよいよエンジン全開。

これはご婦人方には理解できないかもしれないが宝石と同じなんですよ。ポリーニの演奏をいつでも自宅で聴けるなんてこんな贅沢な話はない。こんな素晴らしい演奏を、それこそ10万円以下のシステムで聴くと言うのはあまりにも失礼な行為だとはおもいませんか!

 確かに素晴らしい演奏でした。ショパンのノクターンの中でおそらく最も有名な9-2ですが実に高潔で深みのある演奏です。1と同じスタインウェイらしいのですが、全く質感が違い高音のきらきらした感じをあえて抑えて弾いている気がします。
じゃあ

いくらかければポリーニに失礼がないんだ?

というまぜっかえしが聞こえてきそうですが、まあ、今回のシステムは十分すぎるくらい十分であることは間違いありません。ただ惜しむらくは前回のフルGoldmundで聴かせてもらった次元の違う音が聴けなかったこと。今回は結線の説明がなかったのですが、ひょっとしたらデジタル伝送でなくTelosまではアナログで入っていたのかもしれません。まあ、Epilogue1&2と比べるのがいけないのかも知れませんが。

System 2:
CD Player: EIDOS 36-2CH  \3500K
Preamplifier: Viola Spirito \4900K
Power Amplifier: Viola Bravo 2 Box Set  \4700K
Channel Devider: Accuphase(?)
Environmental Equalizer (今回はスルー)
Tweeter Unit: German Physiks Troubadour 40 (300Hz, -24dB/Oct専用ネットワーク) \1000K
Woofer Unit: JBL Plympus Woofer Unit 1500AL(これはいつもルーツさんにあるやつ)

演奏曲目
3:ヴァンスカ&ラハティSO、カレリア組曲より2トラック
4:ホルツマイアー(バリトン)シューベルト:歌曲集「冬の旅」よりTr11;春の夢
5:クヴァストホフ(バスバリトン)シューベルト:歌曲集<美しい水車小屋の娘>よりTr18;枯れた花
6:バルトリ(メゾソプラノ)ゆかしい月よ/イタリア歌曲集よりTr8;ドニゼッティ;愛と死
7:バーバラ・ボニー(ソプラノ)わが夢の都ウィーン~ウィーン・オペレッタ集よりTr8;J.シュトラウス2世;「ヴェネツィアの一夜」~ほろ酔い気分
8:庄司紗矢香、メータ、イスラエルPHO:パガニーニ:VN協奏曲第1番より
Tr1:ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調op.6

 第2部は単体のDDDとJBLのウーファーの組み合わせです。このほうが低音も締まり、全体のバランスか好ましい感じがしました。このウーファーはルーツサウンドさんにいつも置いてあるOLYMPUSに入っている1500ALです。だからできればルーツサウンドさんの試聴室で入念にセッティングされた状態でその上にトルバドールを置いて聴いてみたかったです。
 まあとにもかくにもDDDは無志向性ドライバーですのでどこにいても音がちゃんと定位している、というのは大変な長所です。また菅野先生によると今まで言われていたほどセッティングは難しくないそうです。音質的にも、ステサンを読んでおられる方には周知の事実ですが、

あいつは狂ったとよく言われる(爆笑)が、僕はこの音は大変ナチュラルで、ミキシングの現場に最も近い音がすると感じている

と惚れ込んでおられます。まあ、この値段ですからあとは好みの音かそうでないか、という問題になってはくると思います。個人的には今までにない定位の仕方に若干の戸惑いがありました。また、輪郭の描き方がクラシック的でジャズやロックにあうんだろうかという気はしました。でも300Hzあたりから30000KHzあたりまで一本でカバーしてしまうツイーターというのは確かにマルチウェイを組まれる方には魅力的ですね。菅野先生も

今はスピーカーと言えば一本で全部ついているものを指すようになった、昔はマルチを組むのがスピーカーでしたよね、ここに居られる皆さんはそういう方々ばかりだと思いますが

と笑いをとっておられました。先生、すみません私は違います。---でも、考えようによってはマルチか?チャンデバは通してないけど(^_^;)

 申し送れましたがアンプはViolaに替わっています。柳沢先生を始め多くの先生方がべた褒めされておられるアンプですが、うーん、もちろん駆動力には何の不足もないんですが、私はもう一つピンと来ませんでした、スマソ。

 ちなみに試聴のメインはボーカルの質感の違いを感じていただく、と言うことで、4から7まで4人の有名どころのクラシック歌手をじっくりと聴かせていただきました。やっぱりこのあたりの歌を言語も理解して楽しめるような方々にはViolaはたまらない魅力があるんでしょうね。
 庄司紗矢香の8は、彼女が鮮烈なデビューを飾り一世を風靡した演奏です。でも、信じられないくらいうまい、と言うことはわかるのですが、それ以上は私には理解不能でした。
 結局私にとって一番良かったのは

最近DDDを導入してシベリウスばかり聴くようになった

と先生がおっしゃられたカレリア組曲からの2曲。これは音の清々しさも全体の統一感も素晴らしい!と思いました。JBLのウーファーになったからかな、と最初は思いましたが、それ以降のCDと比べてみても一番良かったですので、DDDの特色と最も良くあっている演奏なのかもしれませんね。皮肉なことにこれだけがAMAZONで探し出せませんでした(涙。

suganosig 終了後御疲れのところを無理をお願いして持参した色紙にサインをいただきました。

入魂の音

おお、何という重いテーマを頂いてしまったことか!

ちなみに横においてあるのは何と!mundkutubera

Goldmundの靴べら

です、これで私もGoldmund Ownerだヽ(^o^)丿

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2005/11/06

大阪ハイエンドオーディオショウ2005(2)

LMlab-electra

<オルトフォン・ジャパン>
ortophonJapan 前園社長自ら今年の自信作であるカートリッジSPU-Synergyを説明しておられます。長年にわたり日本のオーディオ界を引っ張ってこられたその熱意には敬意を表します。今回も昨日日本橋で見つけてきたという「鈴掛の小径」のLPから素晴らしく彫りの深い音を引き出しておられました。SPがJBLなのでやや残留ノイズが多目かなと思いましたがそれを補って余りあるエネルギーがあり、homさんも大変気に入っておられました。社長自ら発表しておられましたのでここで公表しても大丈夫かと思いますが、SPU-Synergyは今年のSSGPを獲得されたそうです。審査員満場一致とか、おめでとうございます。でも

16万円の安物がSSGPをもらえて嬉しい

と語っておいででしたが、十分高いですよ(^_^;)

エレクトリ
 昨日の冒頭写真はMcIntoshの真空管アンプですが、やはり綺麗ですね。Magico MiniというSPが鳴っていましたが、う~ん、今一つピンと来ませんでした。立ち聞きで場所も悪かったせいもあるかもしれませんが、お値段から言うともっとはっとさせて欲しいとは思いました。

ハーマン
 JBLのスタジオモニターシリーズ4338が良い状態で鳴っていました。やっぱりMark Levinsonの音つくりというのはかっちりしていますね、低音に太い芯がある感じがします。JBLをうまく鳴らすにはやはりMLというところでしょうか。

アクシス
lat1000 去年はFMアコの超弩級システムで唸らせてくれたアクシスさんですが、今年はフルクレルで感動させていただきました。ステサン最新号の表紙になっているEvolution1&2Lat1000を鳴らしていました。homさんのコメントにあるようにちょっと次元の違う音ですね。
 鳴り始めはあれ?普通の音だなあと思うのですが、よく聴いてみるとその普通の音の中に恐ろしいほどの情報が詰まっていて、スケールが違う事に気が付きました。ジェニファー・ウォーンズのボーカルなど、等身大で胸の厚みまでくっきり見えるようなんです。比べるのもおこがましいですが、拙宅のシステムはそれに比べると子供くらいの大きさの音像ですね。

krellevo1 パワーアンプのEvolution 1です。パワーの方が1になる所などいかにもクレルらしいというか。パワープリあわせて8筐体軽く1000万円を超えるというのはやはり非現実的としか言いようがありませんが、年末にはサイズダウンした新シリーズが登場予定とか。

CSE

musica 電源でおなじみのCSEではmusicaという小さくて業務用っぽいシリーズが目を引きました。これらは通常のアンプではなく、電気環境の改善を目的とした機器のようです。詳細はリンク先を御覧ください。

トライオード
tri 真空管アンプで有名なトライオードではソニー・ロリンズがかかっていました。写真上段はプリメインアンプTRV-35SEですが、十周年記念モデルとして9万円台で売り出したところあっという間に完売してしまい、まだまだ注文が殺到したためやむなく12万円台で販売を継続しているそうです。今回はパワーアンプとして使用しスペンドールのSeシリーズのトールボーイタイプを鳴らしていました。残念ながら部屋の狭さもあり、低音がブーミーでもわついていました。私はS3/5をサブで使っているので残念でした。ひょっとしたらバスレフなのかもしれませんがそれなら塞いで密閉型にしたほうがいいのではと思いました。

アキュフェーズ
 毎年同じ部屋で安定した音を出してくれるアキュフェーズですが、入ったときは新SACD/CD playerのDP-78をデモしていました。私の使用しているDP-85の後継機器ということで興味津々。毎年大場商事さんとハーマンさんからSPを借りてこられますがラッキーなことにAvalon Diamondがかかっていました。一聴して、昨年大場商事で聴いた情けない音とは違って十分実力を出しているので安心しました。部屋を知り尽くしていること、DG-38という強力な武器があることが強みなのでしょう。
 ところで音ですが、これがアヴァロンかとビックリするくらい強靱な音なんで面食らいました。トリオで演奏される「展覧会の絵」の出だしなど「あれJBLに替えたのか?」と思いました。でも確かに「演奏中」の札はダイアモンドの上にあります。おそらく新しいplayer78の個性なのでしょう。85の柔らかさを気に入っている私としては少々複雑な心境でした。

ノア
electra JMlabがElectraシリーズにもベリリウムツイーター(冒頭写真)を載せてきました。さすがに高域の艶やかさ、美しさは抜群なものがありました。残念ながらエレクトラシリーズにしては部屋が広すぎて思うようなスケール感が出ていないように思いました。できれば昨日の記事のNASPECの部屋でJoseph Audioと聞き比べてみたかったです。

大場商事
avalon 最終階の2階へ降りてきた時はもう午後一時前でした。自社公演の最後だけチョロっと聴いただけなのですが、SPは多分新しいEidolon Visionだと思います。dCS-JRDG-Nagraの組み合わせで鳴らしていました。去年はDiamondがちょっと悲慘な音でしたが、今年は面目を施したかのような素晴らしくスケール感の大きい雄大なマーラーを聴かせていただきました。homさんも感心しておられましたから間違いないでしょう。アンプが電力を食うのか、SPが気難しいのか、照明の電球が明滅していたのには驚きました。

 見逃したところ、もっとゆっくりと聴きたかったところ等後ろ髪を引かれる思いでしたが、会場を後にして、homさんと昼食を御一緒させていただいた後、家路に着きました。今年はあまり気になる機種が無いかなと思っていましたがやっぱりいってみるといろいろと発見はあるもんですね。

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2005/11/05

大阪ハイエンドオーディオショウ2005(1)

McIntosh
 たまにはオーディオのことも書かないと某筋から怒られそう、というわけでもないのですが(大汗、毎年恒例の大阪ハイエンドオーディオショウ2005に行って参りました。仕事の関係で午前中だけとの制約の中ではありましたが、homさんと初めてお会いでき、更にありがたいことに私の強行軍におつき合い頂き、楽しく回ることができました。homさんはスタックス使いであられますので私と音の嗜好は似ているのかなと思っておりましたが、意外にもというか、ジャズファンの王道と申しましょうか、中低域重視のかまぼこ型のエネルギッシュな音がお好きだそうです。私にとっては良い刺激になりました。この場を借りて御礼申し上げます。

ユキム
 去年は2Fから順番に回って上の方は時間切れになってしまったので今回は10Fから回りました。いきなり、かなりクル音に出会いましたよ。
elac ElacのEL310の特別バージョンだそうです。狭いバッフル面、長い前後長でクリアな音と小型らしからぬ低音を並立させています。メタルコーンなのですが音は予想外に柔らかくかつハイスピードでした。もしマルチチャンネルを組むならこれで組んでみたいなあと思いました。そう言えば三浦先生が確かElacで組んでおられたような。

ゼファン
VIOLAcadenza 去年は超弩級のアンプで話題をさらったVIOLAですが今年は普及価格帯のアンプを出してきました。2ランクのセットがありましたが、どちらも非常に艶やかで上品な音でした。安価な方のCadenza+Forteのセットはちょっとそそられました。と言ってもそれぞれ100万以上はしますが。

VIOLAforte やっぱりクラシックプロパーという印象ながら、やりようによってはアクースティックジャズもいけるかなと思います。ラウンジの上品な演奏になってしまいそうで、homさんはいまいち物足りないとのことでしたが。

 また、驚いたことに上位機種が鳴らしていたのはGerman PhysicsのSPでした。タイムロードからゼファンに扱いが替わったそうです。dCSに次いでGerman Physicsまで、タイムロード大丈夫なんでしょうか?

リン
linn リンは去年と同じAVのブースとピュア2chオーディオのブースの2部屋でした。今年はAVブースの音が今一つでした。新しいAV用のSPのレンジが狭くエネルギー感も乏しかったように思います。折角のクラプトンがTVと大差ないような音で鳴ってました。

 一方注目のAkurateシリーズの小型212

Unidisc1.1+Climax Control +Chakraテクノロジーを導入したCシリーズのPW3台

でコントロールされていました。一聴して、今までのリンの中低域のクールな感じから一歩踏み出して結構積極的に音を聴かせるようになった感を持ちました。
 リクエストの申し出に甘えてハービー・ハンコックの「Possibilities」から「A Song For You」をかけていただきました。低音量派の私としてはクリスティーナ・アギレラの声がちょっと飽和気味に感じましたが、緻密な音像の中に4ウェイとは思えないような音の一体感がありました。全体としてエネルギッシュな音つくりで音離れも良く、いい意味でリンも変わってきてるんだなあと思いましたが、リン独特のあのクール感もできれば残して欲しいですね。

NASPEC
naspec Joseph AudioRM55LEです。Wilson AudioのSystemXシリーズに似たPearlの下位機種で、さしずめSophiaの対抗馬というところでしょうか。値段は100万円台前半とSophiaよりお買い得価格で、Cub2使いの私としてはちょっと気になるところ。でもWilsonやPearlと比べてかなり安っぽくなってしまっているところが残念。
 でも音的には今日聴いた中で一番拙宅の音に近く、違和感無く耳に入っていきました。ノイズの希少な清潔な音像がきっちりとSP間から奥のほうに定位し、低音は膨らまず弾みます。位相がきっちりと合っていてハイスピードなんでしょうね、繊細さが際立っていて、拙宅の音が鉛筆でならこちらは更に繊細で3Hくらいでしょうか。その前にオルトフォン+JBLのゴリゴリした音を聴いていたのでヤワ過ぎると感じてしまうほど。だからhomさんは御気に召さなかったようで、ヘナチョコサウンドとの感想でした。
wireworld なお、前段機器はトラポとDACがNorth Star Design、プリとパワーがニューカマーのDartZeelでした。このDartZeelは個人的には凄く惹かれました。ちょっと使いこなしてみたい誘惑にかられたりして。
 ケーブル類はもちろんNaspecがずっと輸入を担当しているWireworldです。拙宅でも少しだけですがWireworldを使っており、それも違和感が無かった一因かもしれません。では、今日はこの辺で。

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2005/03/21

ミシェル・レバション熱弁をふるう

goldmund 本日ステラヴォックス・ジャパンと神戸のオーディオ店ルーツサウンドの主催でGoldmundの試聴会があり、ミシェル・レバションさんが来神され熱弁をふるわれました。ミシェル・レバションという名前はオーディオファイル以外の方には馴染みが無いと思いますが、ハイエンドオーディオの代表的ブランドGildmundの主宰でオーディオファイルにとってはカリスマ的な方です。

イベント情報

 場所は元町の喫茶店Just In Timeでした。ここはJBLの伝説的SPパラゴンのおいてあるお店で店主のISODAさんはルーツサウンドの定連さんです。しかし今日の主役はフルGoldmundのシステムの次元の違うサウンドでした。何しろ

 トランスポート/プレーヤー   EIDOS REFERENCE  ¥ 8,500,000
 ユニバーサルプリアンプ MIMESIS 24ME ¥ 5,000,000
 DA コンバーター MIMESIS 20ME ¥ 4,900,000
 パワーアンプ TELOS 600 (新製品) ¥ 5,000,000 /pair (予価)
 スピーカー EPILOGUE 1 & 2 ¥ 8,800,000 /pair

一体いくらになります?そう言えばレバションさんへの質問で、

このシステムを買うには家を売らなければならないが、そうすると聴く場所が無くなる、どうしたらいいか?

 という質問が飛びました。さすが関西\(~o~)/。

私は第一部しか聴けませんでしたが、試聴ソースは下記のごとくです。

1:カーペンターズ 「Yestereday Once More」
2:ラヴェル:管弦楽曲集:ブーレーズ指揮クリーブランド管弦楽団 「道化師の朝の歌」(SACD)
3:シューベルト:ナタリー・シュトゥッツマン(カウンターアルト) 「冬の旅」
4:デューク・エリントン:「スウィングしなけりゃ意味がない」コンコルド・ジャズ・シリーズ
5:シューベルト:「アルペジオーネ・ソナタ」 ロストロポーヴィッチ(vc)、ブリテン(p)(SACD)

 まだ着いたばかりのTELOS600を喫茶店にポン置き、満員の点内という条件にもかかわらず、突き抜けるような清清しい音でした。ドラムにしてもベースにしても軽々と立ち上がり、どのソースもハイスピードのGoldmundサウンドで楽々とこなしていきました。

 ご存知の方も多いと思いますが、いまGoldmundはデジタル化の真っ最中で、何れはSPの手前までモノラル・コンストラクションでフルデジタルとなるようです。レバションさんはその中核となる新しい技術である、タイム・ディストーションを解決する「Leonard」という新技術について熱く語られました。どんなに周波数特性がフラットでサイン波で整っていても矩形波を流すと必ず乱れている、これはデジタルでしか解決できずその技術をMITやスタンフォードと共同開発した、ということです。新しいTelosを始めどんどん導入していく予定だとか。スピーカーが最も時間軸的乱れには重要ではないのかという質問には、もちろん自社製SPを含めたシステムとして開発しており、自社SPのみならずB&WやJBL等色々なSP個々にソフトを開発しているとのことでした。

 また、PH3というフォノイコライザーがもうすぐ完成するそうです。残念ながらターンテーブルは需要が少ないためラインナップに入る予定は無いとのこと。

 また、オーディオの未来についても自己の見識を語られました。SACDは無くなる、と言い切られたのには会場どよめきましたね。

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2004/11/07

大阪ハイエンドオーディオショウ(3)

補遺を幾つか。
Rolf-Kelchlogossub

 大場と共同のステラヴォックスジャパンの部屋。左が500万円のターンテーブル、ロルフ・ケルヒのリファレンス2。右がゴルトムントの新スピーカーLogos+Sub。試聴会は新デジタルプリの24ME(これも500万円!)→D/Aコンバーター→パワーというやや複雑なラインナップでしたが出てくる音はムントそのもの。といってもよく言われる温度感の低さというのは私はあまり感じた事がありません。よく整った清潔な音ですが熱気もちゃんと出てると思います。

StradivariBosendorfer
 ノアの部屋。今回の目玉ストラディヴァリ・オマージュの存在感は抜群。ルーム・アクースティクの影響を受けないように広いバッフル面にしたとの事、クラシックが美しく鳴っていました。右の写真ですが、ブルメスターの入れてあるラックにBosendorferのロゴが入っているのにびっくり。Bosendorferがイタリアのミュージック・トゥールズ社に特注して作ったものとの事、今のところ非売品だそうです。

Linn-AV
 リンのAVのブース。今回見た中では唯一サブウーファーがありました。サイズミックですが、映画のDVDで車の爆走シーンはなかなかの迫力がありました。村治詩織のギター演奏では使用しておらず音楽での効果は不明。ピュア2Chの部屋で使ってみて欲しかった所です。そのピュアの部屋ですがアキュレートのブックシェルフタイプをCD12→KLIMAXシリーズで鳴らしておられ、試しにクルセイダーズをかけさせていただきました。意外に柔らかく美音系になってしまい、ちょっと低音の迫力が出ませんでした。ヴォーカルをかけて貰うべきでした。そういえば、CD12いよいよ生産完了だそうですね。

BLU
 タイムロードの部屋にあったChordコーラルシリーズ。CDトラポのBluを初めて見ましたが、大変綺麗です。k.d.Langをかけて頂いたのですが、難しいといわれるディナウディオのConfidenceを軽々と鳴らしていました。

A30.jpg
 最後に、アキュのA-20Vの後継機A-30が完成したようです。音は聴けませんでしたが、1台片チャンネルでブリッジ接続しても2台で70万円、抜群のCPです。(電気代はともかくとして)

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2004/11/06

大阪ハイエンドオーディオショウ(2)

今回のイベントで一番感銘を受けたのはアクシスのブースでした。午後1時10分からの三浦先生の講演によるアコースティック・エナジーのデモと午後4時からのFMアコースティクスの社長マニュエル・フーバー氏自らのデモの何れも、こういう場(ホテルの一室)のイベントとしては異例に良い音を聴けました。
Axiss
左からFM711、AE1MkIII、XS-III

 アコースティック・エナジー社のトールボーイタイプのSPAE3MkIIは大変清潔な音空間の中に精密な音像を形成しており驚きました。三浦先生お得意のリビングストン・テイラーや白鳥由美子などは絶品でした。
 スキャンスピーク社製(合併して社名は変わったそうです)ウェーブガイドと呼ぶセンタープラグを搭載したソフトリングドームのツィーターと、リジッドなエンクロージャー(フィニッシュも美しい)が利いているものと思われます。ウーファーが2機向かい合わせに側面下方にあり、190Hz以下を受け持っているとのことでちょっと低音の処理が難しそうです。演奏によっては中高域と分離して低音が聴こえる印象もありました。190Hzあたりだと方向性も聴き取れますしね。どちらかというとブックシェルフタイプのAE1MkIIIに上質なサブウーファーを組み合わせたほうが面白いかも。
 ちなみにドライブしていたのはFMアコのアンプ、不足があろう筈はありません。CDトランスポートとDACはニューカマーのワイス社製(JASONとMEDEA,神話の夫婦だそう)でした。トラポのJASONは未だプロトタイプで後のFMアコのデモのときトラッキングが悪く飛びまくってました。
AE3

 実は午前中覗いた時に外人さんがしきりにセッティングの指導をしているなと思っていたのですが、それがFMアコの社長マニュエル・フーバー氏でした。彼自らのチョイスによる大阪では初演となる超高級SP:XS-IIIは素晴らしかったです。値段も素晴らしいですが。(確か700万円台後半、ってことはFMアコにしては安いか?)なお、先ほど述べたようにCDのほうはトラポの調子がいまひとつで(氏も苦笑いしておられました)、氏自ら持参されたアナログ盤の演奏が中心となりました。
 LineUpは;
カートリッジ:Magic Diamond(氏の知り合いのメーカーがDENON103をモディファイしたもの、ここの社長はすぐいなくなってなかなかつかまらないとか^^;)
ターンテーブル:Well TemperedのReference
フォノEQ:FM221と聞こえたのですが、カタログを見ると222でしょうか。
リネアライザー:FM233
プリアンプ:FM266
パワーアンプ:FM711 x2
 一体総額幾らするんでしょうか^^;。なお、XS-IIIは通常は専用のアンプでバイアンプ駆動するそうです。
 贅を尽くしたシステムですが、音はこけおどし的なところは全くなく、非常にナチュラルなそれでいて分解能の恐ろしく高い異次元の音でした。ちょっと音像が独特で不思議な音空間でしたがスーパーツイーターが後ろにあるためのようです。このシステムで、古いデッカのモノラル録音からイーグルス・ライブのホテル・カリフォルニアまで聴かせて頂き、至福の時間でした。
mr_huber
 熱弁をふるうフーバー氏。なお、アクシスの社長さんとのQ&Aでなぜ機器の説明をしないんだとの問いに「今日は皆さんに音楽そのものを楽しんでもらいたいから」とのこと。余裕ですね。

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2004/11/05

大阪ハイエンドオーディオショウ(1)

本日から大阪心斎橋でハイエンドオーディオショウが始まりました。過去2年、仕事が重なって行けなかったので今年は思い切って今日年休を取って行って参りました。
kanban.jpg

少し早めに着いたので、まず2階の販売コーナーへ。雑誌を見たり、CDを眺めたりしたあとアナログ箱を漁り、シンプリー・ヴィニールの「明日にかける橋/S&G」を買いました。あとでスキャンテックのブースで鳴らしてもらいましたがなかなか良かったです。
Doriansg
カートリッジはライラの新しい機種「Dorian」。リディアンβの後継機種ですが、私の使っているヘリコンやアルゴと同系列の作りになっています。「明日に架ける橋」のオーケストラの表現力なんかなかなかのものでした。

 一番楽しみにしていたのはdCSを手に入れた大場商事さん。しかしながら、朝早かったせいか、dCS+JRDGでドライブするアヴァロン・ダイアモンドの調子が今一つで少々残念でした。妙に高音がキンキンしていて中低音が痩せていて、本当に調子のいいときのダイアモンドを知らなければアヴァロンというメーカーにがっかりしてしまったかもしれません。明日以降音がこなれているといいのですが。
dCS.jpgJRDG.jpg
Diamond

 その点、アキュフェーズのブースでドライブされていたシステム7は安定した音が出ていました。貸出先のほうが良いとは皮肉なものです。
Accu
System7.jpg
写真ではJBLに演奏中の札がかかっていますが、私が聴いたのはDP85-C2800-P7000、A60というラインナップでシステム7を鳴らす3時10分からのセッションでした。P7000はブリッジ接続で片チャン一台ずつという贅沢な使い方ですが、拙宅で聴いている機種であることもあり大変聴きなれた安心感のある音がしました。A60は初めての試聴でしたが独特の艶があり、最初はちょっと戸惑いましたが駆動力も大変なものでいいアンプだなあと思いました。替えようとは思いませんけど^^;。

第1部はこの辺で。また明日以降チョコチョコ書きます_(._.)_。

 

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