2009/10/31

Red / King Crimson

Red
 いったい、いくら買わされるんでしょうか・・・。ロバート・フリップ翁の錬「」術に。。。と、AMAZONのレビューに書いてるのは私ではありません(笑。でも禿同です(古。さすがに最近は愛想を尽かして買っていませんでしたが、なんと今回は

 「RED」

う~む、急所に不意打ちを食らった~、なんせ私の人生を狂わせたアルバムですからね~(^_^;)。なんでも

 キング・クリムゾン(King Crimson)のデビュー40周年

を記念したスペシャル・アイテム・第一弾らしいです。第一弾と言うところがまたなんとも、、、どこまでお布施をねだるねん!

Red
Disc1: CD
Features the original album plus three extra tracks, stunning pre-overdub trio versions of Red & Fallen Angel and the full version of Providence.
 
1. Red
2. Fallen Angel
3. One More Red Nightmare
4. Providence
5. Starless
 
Bonus Tracks
6. Red (trio version)
7. Fallen Angel (trio version)
8. Providence - (full version)
 
Disc2: DVD-Audio
Features the original album in Hi-Res Stereo and 5.1 Surround Sound editions, with the three additional tracks from the CD plus Journey to the Centre of the Cosmos also available in Hi-Res Stereo. The trio version of Fallen Angel and the full versions of Providence and Journey to the Centre of the Cosmos are also available in 5.1 Surround Sound.
 
including Video footage: Rarely seen footage from French TV from 1974
1: Larks’ Tongues in Aspic II
2: The Night Watch
3: Lament
4: Starless

今回の記念盤の特徴は
1: 「RED」「Fallen Angel」のトリオ・ヴァージョンの初収録と、「Providence」のフル・ヴァージョンを収録したこと。
2: DVDオーディオが付属され、ロバート・フリップ製作総指揮のもと、ポーキュパイン・ツリースティーヴン・ウィルソンがミックスダウンを手がけた5.1 Surround Soundと、Hi-Res Stereoが収録されていること。
3: DVDオーディオには映像コンテンツとして、1974年に撮影されたフランスのテレビ番組でのパフォーマンスも収められていること。

 CDの方は今更もう語る事もないので省略。初モノの小出しも、これで満足しろって言うの?と言うレベル。

 でもってDisc-2。何を今更絶滅危惧種のDVD-Audioをと言う気もしますが、やっぱり付録ビデオ画像の誘惑には勝てませんでした。メニュー画面であの有名なジャケ裏のタコメーターが動いてレッドゾーンに突っ込んだ時には生きてて良かったと狂喜乱舞しました(笑。

 まあ映像はトホホで、ELPの「展覧会の絵」のチープなサイケデリック映像を見て呆然とした苦い思い出も蘇って来ましたが、まあそれでもIII期KCの4人を見られるんですから贅沢は言えません。というか、それなりに感動しましたよ、やっぱり。
 でもフリップ翁が全く表情を変えずカメラの方をひたすら見つめているのはちょっと気持ち悪いです。そんなもんずっと写し続けるくらいならウェットン君のベースプレイをもっと見せろよと思いました(苦笑。
 一方デイヴィッド・クロスのヴァイオリン・プレイには十分な時間を割いてくれており、意外に他の3人に負けない音を出している事にはちょっと驚きました。スタジオライブと言う事もあるんでしょうけど、フリップ翁自身が「彼の楽器はやはり他の3人の音にどうしても負けてしまうので離脱は必然であった」なんて語ってましたからね。
 そして何と言っても我が憧れのビルブラが元気一杯な事には感動しました。チャイナ・シンバルを叩いたぞ~なんて単純に喜んでました。
 ちなみに最大の期待は「Starless」でしたが、やっぱり既発表音源と同じプロトタイプ版で、本アルバム収録の完全版の完成度には比ぶべくもありませんでした。でもビルブラが縦横無尽にパーカッシブを叩きまくるのを見るだけで十分満足でございます。

 ちなみに一応DVD-Audioの音も確認しましたが、まあ元々のオリジナル音源自体があまりハイファイでないし、まあこんなもんかなという感じです。なお、「Journey to the Centre of the Cosmos」は「The Great Deceiver」で既出の音源と同じです。

 というわけでKing Crimsonの長い歴史の中でもファーストと並んで歴史に残る傑作ですから、KCファンは必ずお布施するように。ちなみに引き続き、10月12日には「In the Court of the Crimson King」、そして10月26日には「Lizard」が同様の仕様でそれぞれリリースされる予定。また他のタイトルについても今後随時リリースされる予定です。わたしゃ、もういいですが(をい。

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2009/07/30

Talking With Strangers / Judy Dyble

Talking with Strangers
  前記事で一体何時になったら着くことやらとぼやいていたら、それが天に通じたんでしょうか、突然に配達されてきました。イギリスのベテラン・フォーク・シンガーJudy Dybleの新譜「Talking With Strangers」です。2004年にちょっとだけ紹介した「Enchanted Garden」以来5年振りとなりますね。
 ジュディ・ダイブルと言ってもご存知ない方も多いとは思いますが、イギリスの伝説のフォーク・バンド、フェアポート・コンヴェンションのオリジナル・メンバーであり、更にはイアン・マクドナルドの恋人であった関係でキング・クリムゾンの結成時にも少し関わっていました。第3期KC解散後に出された「Young Person's Guide To King Crimson」には彼女がメイン・ボーカルをとる「Talk To The Wind」が収録されています。
 今回はそのコネクションを活かしてKC人脈からは何と直々にロバート・フリップ翁、元恋人のイアン・マクドナルドパット・マステロット、フェアポート・コンヴェンションからはサイモン・ニコル、ペンタングルからジャッキー・マックシー、更にはオール・アバウト・イヴからジュリアン・リーガンと、見る人が見れば(笑)垂涎の超豪華ゲストが参加しております。

1: Neverknowing
2: Jazzbirds
3: C'set La Vie
4: Talking with Strangers
5: Dreamtime
6: Grey October Day
7: Harpsong  ~Harpsong  Instrumental ~

 まあ豪華ゲストはさておいて、今回のアルバムの中核となるのはNo-ManのTim BownessとCromer MuseumのAlistair Murphyの二人。ジュディのライナーノートによると、二人の子供が手を離れて後インターネットを使うようになり、新たなミュージシャンとのつながりができティムと知り合う事ができ、ティムからアリステアを紹介された、との事です。

 この3人を中心に、期待通り、懐かしくも新しいトラッド・フォークの世界が展開されていきます。クラシカルなFC時代の雰囲気そのままの「Neverknowing」に続き、少しボーカルにイフェクタをかけて夢想的な雰囲気をかけ、更にはイアンのフルートが初期KCを髣髴とさせる「Jazzbirds」、そしてELP時代のグレッグ・レイクの名曲「C'set La Vie」と続くあたりはオールド・ファンにはたまらない構成ですね。

 タイトル曲「Talking with Strangers」は、中核となる3人で完成させたとても美しい曲で、アリステアの流麗なピアノをバックにジュディとティムがデュエットしております。「Dreamtime」ではティムとジャッキーがバックボーカルを取り、イアンが再びフルートを演奏、そしてあのパットが大人しくドラミングしております(笑。デュエットの「Grey October Day」をはさみ、いよいよ最終曲「Harpsong」で大団円を迎えます。

 この「Harpsong」、先ずは19'19"という演奏時間がプログレしております。そして動員人数も凄い。中核の3人に加え、上に挙げたゲストをすべて総動員。そして途中でいきなりそれまでのトラッド・フォークの雰囲気を完全にぶち壊すKCも真っ青なインプロヴィゼーションが展開されます。いやあ、やってくれましたわ(笑。この一曲だけでもKCファンには貴重なコレクト・アイテムと申せましょう。

 というわけでたった7曲しか入っていませんが、ブリティッシュ・トラッド&プログレ・ファンなら買う価値あり、の一枚でございます。

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2009/07/28

The Isle of Dreaming / Kate Price

The Isle of Dreaming
 Kate Priceと言ってもイギリスの爆乳モデルの姐さんではありません。ハンマー・ダルシマーを始め、多彩なエスニック楽器を弾きこなす才媛です。と言っても良く知らんのですが(をいをい。
 実は先月初めにMAO.Kさんのブログで試聴して、ケルト好きの私はすぐに密林をクリックしてしまいました。が、ついでにJudy Dybleの新譜も一緒に注文してしまったためか、待てども待てども一向に来る気配無し。忘れかけていた頃にケイトさんの方だけ届きました。

1. Isle of Dreaming
2. Andalusia
3. Voices of My People
4. Phoenix
5. Kate Counts Eight
6. Sea of Silence
7. Mystic Warrior
8. Planxty Almblade-Cruso
9. Beloved

『ケルトの幽玄さをはらみながらも、スパニッシュ風のギターがヴォーカル・メロディーに憂いの表情を色づけていく「The Isle of Dreaming」、タイトル通りアンダルシアの風景を描写した哀愁感に満ちた「Andalusia」、シタールやサーランギを意識したヴァイオリンといったインド風味が濃い10分以上の大作「Voices of My People」、タブラがレゲエっぽいリズムを刻む「The Phoenix」、ギターとダルシマーの美しいアルペジオに様々な楽器が絡んでいく、雄大な空間を連想する伸びやかなメロの「Kate Counts Eight」、All About Eveが歌ってもおかしくないようなフォーク・ロック風の「Sea of Silence」、アコ・ギとダルシマーによるブルースっぽいパートと、Kateさんのスキャットも含んだニュー・エイジ的なフレーズが交互に現れる「Mystic Warrior」、ダルシマーがメインの室内楽的でクラシカルな「Planxty Almblade-Cruso」、静かに歌われるラブ・ソングの「Beloved」まで、ケルトのトラッドを下地に据えながら自由に飛翔していくような透明感に満ちた淡い色合いの音と、それに相応しい天使降臨系の彼女の歌声が堪能できます。(MAO.Kさんのブログより)』 

 ジャケも良い!という以外、特に付け足す事はございません(笑。それにしても多才な方ですね。所謂癒し系BGMとして流しておくにもぴったりなんですが、それだけでは勿体無い。ケルトをはじめとする多様な民族音楽に根ざす原初的リズム・たメロディを一つ一つ丹念に掘り起こし、現代音楽として昇華させているような感じがします。。。ズビバゼン、これも半分以上MAO.Kさんの受売りです<m(__)m>。

 さて、録音の方も良好で楽器の種類も多彩です。とここまで書けばオーディオファイルの方々にはピンと来ると思いますが、オーディオチェックのリファレンスにも使えます。実は今あるインシュ・ボードを導入中なんですが、そのチェックにも重宝しております。

 さあ、あとはJudyさんですが、果たして来るんでしょうか(笑。

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2009/04/12

ABCラジヲに告ぐ


この曲を忘れるな、そして憲法を読み直せ!

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2009/02/07

Ashram / Ashram

Ashram_2
 以前「A Taste Of」で紹介したザビエル・レコードの店長一押しシリーズ、今回は幻の名作と言われる「Ashram」でした。2002年に発表された、アルバムタイトルと同名のネオ・クラシカル・ユニットAshramの実質上のファーストアルバムですが、今回未発表曲を加えたデジパック仕様での再発との事で早速購入してみました。

01. Fairy Wind (vo,p,vn,cello)
02. For My Sun (vo,p,vn)
03. Forever at your Mercy (vo,p,d-bass)
04. Fourth (unreleased) (p,vn)
05. Spirit of the Rising Moon (vo,p,vn,cello)
06. Lucky´s Song (vo,p)
07. Nevermore Sorrow (vo,p,vn,cello)
08. Horizons (p)
09. Forgive Me (vo,p,vn,cello)
10. She's Fiddling (vo,vn,cello)
11. Fragile (p,vn)
12. Elisewin (vo,p,cello,d-bass)
13. Oceans (vo)
14. I've Lost Myself (vo,p)
15. Sweet Autumn (vo,p,vn,cello)
16. Silver Eyes (vo,vn,cello)

Sergio Panarella - voice
Luigi Rubino - piano
Edo Notarlorerti - violin

Leonardo Massa - cello
Fulvio Gombos - double-bass

『クリスタルのように繊細で澄んだユニセクシャル・ヴォイスが悲哀に満ちたメロディを切々と歌い上げ、抜群の演奏技術と表現力を持つヴァイオリン、ノーブルでリリカルなピアノが、欧州の秋を彷彿とさせるような美しいサウンドタペストリーを紡ぎ出し、日本人の美的感覚を揺さぶります。まさに「地球に生まれて良かったぁ~~!」と感激させられる超極美傑作です。美しい物が好きな方全ての人へ大推薦。ラストのシークレットトラック(暗黒面)の聞き逃しに注意!(ザビエルレコードHPより)』

 Ashramとはヒンドゥー教の修行者(或いは修行所)と言う意味ですが、メンバーは全てイタリア人でナポリで結成されています。Yogaの瞑想用音楽かと言われたらまあ確かにそんな気がしないでも無いですが、それよりはやはりEuropean Gothicの範疇に入る音楽だろうと思います。

 それにしても店長の煽りが決して誇張では無いと感じるほど美しい音です。テノール(+カウンターテノール)、ピアノ、弦のみで綾なす静謐でやや暗めのゴシック・サウンドはネオアコの究極とでも言うべき世界を形成しています。さすがクラシックの王国イタリアの産んだユニットだけの事はありますね。それに一曲一曲構成を絶妙に変えていますので聴き飽きません。曲名の後に構成を書いておきましたので、公式HPあるいはザビエルのHPでの試聴の参考にしてください。

 それにしても驚きはボーカルのSergio Panarellaです。おそらくクラシックの素養があるのではないかと思いますが、そんじょそこらのロック/ポップ・ボーカルとはレベルが違いますね。まあシャウトはしないので比較しても始まらないんですが。幸い全て英語で歌っており、耽美的な詩の世界も堪能できます。
 カウンターテノールも見事で一曲目の「Fairy Wind」など

アニー・レノックスの新譜です」

と紹介されたら本当に信じてしまいそうです。
 そうそう、店長のコメントにもありますが16曲目の10分くらいからDark SideのAshramが聴けます、お聴き逃し無く。

 というわけで、Coulour Caneがエレクトロニクスを駆使しての美の世界なら、こちらはネオアコの極致です。これからもザビエルレコード店長の一押しからは目を離せませんね。

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2009/01/30

Exposed / Mike Oldfield

Mikeoldfield
 某所で「Tubular Bells」の凄いスタジオセッションを見かけたもので、休日にMike Oldfieldのアルバムを虫干しがてら引っ張り出してみたら、9枚ありました。
 写真上段左より「Tubulara Bells」「Ommadawn」「Discovery」、
中段左より「Crises」「Platinum」「Incantations」、
下段左より「Five Miles Out」「Hargest Ridge」「Exposed」
です。全然発表順に並んで無い、ちゃんと整理しとけよ(^_^;)。

 2300回のダビングと4回のカッティングを経て生まれたと言う伝説の「Tubular Bells」は私の知る限り「II」「III」「2003」も含めると7回くらいレコーディングされているはずですが、とりあえずこの中でオリジナル以外の唯一の録音、ライブの「Exposed」を聴いてみました。

VIP-9909
Side-A: Incantations Part I And II
Side-B: Incantations Part III And IV

VIP-9910
Side-A: Tubular Bells Part I
Side-B: 1: Tubular Bells Part II
           2: Guilty

 アルバム「Incantations(呪文)」の発表後、1979年3~5月に行われた6年振りの大規模なツアーで、総勢80名というロック史上に類を見ない大編成の公演でした。スペイン、ドイツ、ベルギー、オランダ、デンマーク、そして最後に英国と回る長期に渡るツアーでしたが、どこで録音されたかはクレジットがありません。マイクと言えば元祖ヒッキー(笑、というイメージがありましたから、当時この長期ツアーは驚きでしたね。

 呪文の方はやはり随分力が入ってますが、今聴くと意外に軽い気がします。Tubular Bellsの方は更に明るくてロックっぽい乗りになっています、マイクってこんなに明るかったっけ?て感じです。Guiltyに至ってはディスコサウンドですからね(笑。

 調べてみたらDVDも出ているようですが、この録音と同じものかどうかは分かりません。何はともあれ、Pink Floydの「The Wall」とともに、70年代英国プログレの一つの帰結がこのアルバムに集約されていると思いますね。

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2008/10/31

The Hawk Is Howling / MOGWAI

The Hawk Is Howling
 前記事でシガー・ロスを取り上げた以上、これも取り上げないわけにはいかんだろうと(笑。グラスゴーと言えばオーディオファイルにはLinnですが、ブリティッシュ・ロック・ファンには何と言ってもMOGWAIです。ポストロックを代表するバンドである彼らの新作「The Hawk Is Howling」も9月に出ております。こちらは知っていて既にヘビーローテーションで聴いておりました、と言ってもやっぱり家族のいない隙をついてしかかけられませんが(苦笑。

1. I'm Jim Morrison, I'm Dead 
2. Batcat 
3. Danphe and the Brain 
4. Local Authority 
5. Sun Smells Too Loud 
6. Kings Meadow 
7. I Love You, I'm Going to Blow Up Your School 
8. Scotland's Shame 
9. Thank You Space Expert 
10. Precipice 

『美しさと激しさを併せ持った独自のサウンドが世界中で愛されているグラスゴー出身のバンド、モグワイが「Mr. Beast」に次いで「The Hawk Is Howling」をリリース。静寂の中で流れゆくメロディ、轟音の中に込められた静寂。その作品に身を浸していると、アルバムタイトルにもなっているHawk(鷹)の持つ強さ、美しさ、孤高さがバンドの存在そのものにシンクロしてしまうのは僕だけではないはずだ。2曲目「Batcat」、5曲目「Sun Smells Too Loud」が白眉。(silly walker) (Amazon解説より)』

 確かに鷹の持つ気品はジャケットに溢れておりますが、一曲目からして題名はヒネクレまくり。7や8など、どうコメントしていいんでしょうか(笑。これで歌詞があるとえらい事になるのかも知れませんが、シガー・ロスと異なり、ボーカル一切無し。「通奏轟音」をバックに刻み続けられるアルペジオや美しいギターソロ、キーボードをはじめとする様々な音の浮遊感はやはりモグワイならではのもの。特に2,5などにはそれを感じます。その上でAmazonの解説にある「静寂」を強調したところが本作の特徴でしょうか。

 この解説にある「静寂の中で流れゆくメロディ、轟音の中に込められた静寂」と言う惹句は音響派ポストロック全般に通用するキャプションで、例えばシガー・ロスなんかもそうでしょう。でもこの二つのバンドを比べると全くそのサウンドは異なったものとなってしまいます。

 一方で、個々のバンドをとってみるとそのサウンドは、どのアルバムを聴いてもシガー・ロスはシガー・ロスだし、モグワイはモグワイ。どちらの新作も敢えてノイジーな部分を抑制して聴きやすさを意識しているように思えるものの、根底にある彼らのコンセプトは全く変わっていないように思えます。

 彼等もその辺はある程度意識しているのか、前作をプロデュースしたTony Dooganも一曲(5)つきあってますが、他全曲はプロデューサーにデビューアルバム「Young Team」をプロデュースしたAndy Millerを再起用しています。初心に戻るという気概でしょうか、確かにこれまでの流れを一旦断ち切った緊張感漂うアルバムになっている印象を受けはしますが、MOGWAIファン以外の方にどこかどう新しくなったのか説明するのは、、、難しいですね。

 振り返ってみれば彼等も既に13年のキャリアを積んでいます。英国ロックの勃興期だった1960-70年代にはビートルズ、プログレ、グラム、パンクをはじめ様々な音楽、バンドが変遷を重ねていく中で、10年も同じ音楽をやり続けるミュージシャンの方が稀有だったと思いますし、バンドも大抵同メンバーで10年はもたなかったですね。
 
たとえばデヴィッド・ボウイのように次から次へと新しいロックの「方法論(by 渋谷陽一)」を取り込み変化していく事が自らの成長と延命を図るには得策でしたし、それに応えるだけの音楽ジャンルや楽器の進歩があった時代だったのだと思います。
 そういう意味では現代の音楽シーンはその「ロックの方法論」が出尽くして多様化・拡散してしまい、どんなに既成の音楽を否定しようとも結局は開墾されたフィールドの中で演奏せざるを得ない状況なのでしょう。そしてもし成功したなら、その方法論を基本的には守っていくしかないのがポストロックというポストモダンの時代に生まれた音楽の宿命なのかもしれません。

 最後はちょっと小難しい話になってしまいましたが、ポストロックの宿命を彼等がどう考えているのか、ラスト曲の「Precipice(崖っぷち、危機)」という曲の憂愁が示唆している気もします。昔「Close To The Edge(邦題「危機」)」という傑作を生み出したグループの行く末を見ると、ひょっとしたら忘れた頃に新たな展開が見えてくるのかもしれませんが。

 ちなみにMOGAWAIも来年1月に来日するんですが、大阪は水曜日。ダメじゃん(ToT)

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2008/10/30

Med Sud I Eyrum Vid Spilum Endalaust / Sigur Ros

Med Sud I Eyrum Vid Spilum Endalaust
 ども、水泳大会とオーディオに気を取られているうちうにシガー・ロス日本公演が終わっていてへこんでいるゆうけいです(涙。おまけに新譜まで出してるじゃないか!
 と言うわけでまあ、

この長ったらしい題名は一体どう言う意味なんだとか、
このジャケットは一体何なんだとか、
寡作だった彼等がどうしてこんなに驚異的な短期間で新譜をリリースしたのかとか、
なんでまたこんなに早く日本にやってきたんだとか、

言いたい事は一杯ありますが(^_^;)、これがまたシガー・ロス・ファンにとっては驚異的な傑作に仕上がっていて、、、口惜しいですっ!(ザブングル加藤風)。

1. Gobbledigook 
2. Inni Mer Syngur Vitleysingur 
3. Godan Daginn 
4. Vif Spilum Endalaust 
5. Festival 
6. Med Suf i Eyrum 
7. Ara Batur 
8. Illgresi 
9. Fljotavik 
10. Straumnes 
11. All Alright
(当て字あり)

 今回はプロデューサーにFloodを迎えていること、初めてアイスランドを離れNY、ロンドン、ハヴァナで録音していることなど、新機軸で一歩前進しようと言う姿勢が見て取れます。Floodはスマパン、U2、ディペッシュ・モード等のプロデュースでブリティッシュ・ロック・ファンにはおなじみですが、今回はシガー・ロス・サウンドの一つの特徴であったノイズ、ディストーションを敢えて封印し、「世界一美しいロック」と称されるアコースティックな面を前面に押し出し、なおかつカラフルな作りに仕上げています。

 特に今回はヨンシーのヴォーカルが目立ちます。ホープランド語は相変わらず意味不明ですが、今回は英語も少し混じっていて少し聞きとりやすく、更には長いソロを取る曲があり、今までは楽器の一部のようだったのが今回はヴォーカリストとして歌を歌っている印象が強いです。その中でも特に5の「Festival」と7の「Ara Batur」は素晴らしい。
 5はパイプオルガンを思わせるキーボードをバックに、ボーイソプラノのレクイエムのごとき神々しいヨンシーのヴォーカル・ソロが延々と続き、その後、ベースとドラムが絡んできてようやくシガー・ロス・サウンドが炸裂して行く様は圧巻でした。
 7はロンドンのアビー・ロード・スタジオでのライブとクレジットされていますが、ピアノをバックに、今度は子守唄を歌うが如くのヨンシーの歌声はとても優しく、後半女性コーラスが絡んできて最後は賛美歌の合唱の如くの盛り上がりをみせます。

 まあそれでもシガー・ロスはシガー・ロス、唯一無二のポスト・ロック・サウンドです。と言うわけで、なかなか家族がいる環境では聴けませんが(苦笑、一人の時には大音量で聴いています。デジタル・ケーブルを変えたのが効いているのか、一段と全体の見通しが良くなりました。ヨンシーのキーの高い声も美しいですし、楽器ではギターの音が良いですね。ピアノは敢えて少しイフェクタをかけているように思います。それにしてもオーディオファイルの鑑賞にも十分耐える音質ですので、ロック・ファンでなくても興味のある方は是非どうぞ。

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2008/09/16

リック・ライト氏を悼む

Wet Dream
 ピンク・フロイドのリック・ライト氏が9月15日癌で死去されたとのことです。

『訃報:リチャード・ライトさん65歳=英のミュージシャン

 リチャード・ライトさん65歳(英国のロックミュージシャン)英PA通信などによると、15日、がんのため英国内の自宅で死去。1943年、ロンドン生まれ。プログレッシブロックの人気バンド「ピンク・フロイド」の創設メンバーで、キーボードと一部ボーカルを担当。代表作の「原子心母」(70年)や「狂気」(73年)などのアルバム制作にかかわった。(毎日jpより)』

 リチャード・ライトと書いてあるニュースが殆どですが、我々の世代にはリック・ライトの方がはるかに親しみがある呼び方です。ピンク・フロイドと言えば初期はシド・バレット、黄金期はロジャー・ウォーターズ、分裂後はデヴィッド・ギルモアがイニシアチブをとっていましたが、常にPFサウンドを下支えしていたのがリックのキーボード&スタジオワークだったと思います。ニュースにもありますように、「Atom Heart Mother」のA面は彼なくしては不可能だったでしょうし、プログレ史上最高のベストセラーアルバム「The Dark Side Of The Moon」では、「The Great Gig In The Sky」がリック畢生の傑作でしょう。

 PFのアルバムはもちろんLPで殆ど持ってますし、ソロの「ウェット・ドリーム」も良く聴きました。最近ではデイブ・ギルモアの「On An Island」に参加しておられたので、まさか、という感じです。 2005年のライブ8で一度だけピンク・フロイドが再結成されましたが、もう完全に不可能になってしまいました。

 残念です。心よりご冥福をお祈りします。

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2008/06/09

A Taste Of / Colour Kane

A_taste_of_2
 ベルギーの新人アンビエント・ポップ・ユニット Colour Kane のデビューアルバムです。と言ったって、某氏や某々氏のようにその方面に詳しいわけでも常に網を張ってるわけでもありません。ユーロジャズのサイトをあちこち探しているうちにザビエル・レコードと言うサイトで偶然見つけ、一目見てクリックしてしまいました、久々のジャケ買いです。

01. A Taste Of
02. This
03. Eve Drops
04. A Kiss In A Lowland's Meadow
05. Love Hurdles
06. Unseen
07. Astonish
08. Share My Ease
09. Silya
10. Broken
11. Seaside Dream (Robin Guthrie Mix)
12. Too Late (Glorybox Mix)

Marjan - vocals
Bruno - music
Jiri - music
Frederik Johansson - remix
Robin Guthrie - mix, produce

『フェアリーでキュートな女性ヴォーカルをフロントに、メランコリックなフレージングが印象的なギター、出しゃばり過ぎずもグルーヴ感を生み出す知的なベースからなる3人に、エレクトロニックサウンド、エレクトロニックビートを加えた、非常にセンスと才能を感じさせられるユニットです。浮遊感溢れるメランコリック・ロックとファンタジックなアンビエント、エレクトロニカを融合させた彼等のサウンドは、とにかく気持ちいい!の一言に付きます。1曲目から最後まで全曲シングルカットできそうな程、キャッチーでハイクオリティなサウンドのオンパレード。この充実した内容に不満を感じる事はまずありません。こんなに素晴らしい音楽が売れないのであれば、それはもう地球が終わる時なのでしょう(笑)。(ザビエル・レコード解説より抜粋)』

 仕掛け人はコクトー・トゥインズのギタリスト、ロビン・ガスリーだそうです。某氏情報によりますと、元々4ADレーベルの中では一番アンビエントな音だったのですが、末期のアルバムはハロルド・バッドとのコラボの前後からよりアンビエントな音作りに傾倒していったそうです。

 さて、肝心の音ですが、まあ地球が終わるかどうかはともかく(笑、バンド名ジャケット解説から想像していた、まさにそのまんまの音が飛び出してきました。まさにカラフルなアンビエント・ロック。
 この前紹介したblanc.(=白)の「new world」が、アーチスト名からも水道水の流れ落ちるジャケットからも無色透明なアンビエントを想像させた通りの音だったのと良く似ていますね。

 解説に「キュートな女性ボーカル」と書いてありますが、ボーカルを楽器的に使っている感じですので、曲名や歌詞なんぞを云々するだけ野暮というものでしょう。リバーブのかかったハイトーンのクリアボイスと、ジャランジャラン弾き鳴らされるギターの音色と、心地よいビートに任せて、ひたすら気持ち良く音の波間に漂っていればそれこそ幻の理想郷アヴァロンまで流れ着いていきそうです。恋人との夜のドライブなどにも、とてもよろしいんじゃないでしょうか(笑。

 冒頭でリンクしたザビエル・レコードのサイトで試聴もできますので是非どうぞ。

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